週刊誌で報道された、未公開株購入のトラブルについて

武藤貴也氏(以下、武藤):8月19日発売の週刊誌に、新規公開株に関する記事が公開されました。本件をめぐる事実関係については後述いたしますが、まず今回の件につき、これまで私を支援していただいてきました地元の滋賀のみなさま、また、今回ご迷惑やご心配をおかけしましたすべてのみなさまに心からお詫びを申し上げたいと思います。

関係各位より本件につきまして、自分自身の言葉で詳しい事実関係を説明すべきではないかというお声を多数頂戴いたしました。私としてもこの記事が出た瞬間に、記事には書かれていない事実を公開しようと思っていました。しかし、自民党に籍を置く政治家として、また今安保法案の参院審議中という微妙な時期において、私個人の判断でそのようなことをすることはできませんでした。

協議の上、世間をお騒がせして、また法案審議に余計な負担をかけたことに対するけじめとして正式に離党手続きが済みましたので、いち個人として、本件についてご説明をさせていただきたいと思います。

まず今回の件について、少しさかのぼって経緯を詳しく申し上げます。この問題は、先日発売された「週刊文春」の情報源とされる私の後輩A氏が、私や私の知人から預かったお金をすべて失ってしまったところから始まりました。

彼は以前から事業資金を各方面から集めており、私にも実際A氏の申し出があり、平成24年の12月から私個人の資金を最初は500万円から始まり、数年間の累積で非常に大きな額ではありますが、4000万円も預けるに至りました。これは、私が今まで選挙や政治活動のためにと思い、個人で貯めていたすべての資金でございます。

しかし実際、私がA氏に預けた資金はこれだけではありませんでした。知人から預けられた3000万円、さらに彼に懇願され私が私の親から預かった3000万円、数年での累積ですが、それらは合計で約1億円にものぼりました。

学生時代の後輩・A氏の頼みで事業資金を預けた

私がなぜこのような非常に大きな資金をA氏に託したのか、当然疑問に思われる方もおられるかと思います。実はA氏と私は学生時代から約10年の付き合いがありました。いつも食事をしたり、お互いの家に泊まったりして、政治家になる夢を語り合った同士だったと言っても過言ではありません。

若い頃から築き上げてきた信頼関係ですので、当然お金とは無縁の、本当に心を許せる後輩であり、友人であると思っていました。

ところが私が当選をしたのち、A氏の心の中で何かが変わってしまったのかもしれません。A氏が突然、私のために「資金を作りたい。武藤さんを自分の生命保険の受取人にしても良いので、信頼して事業資金を預けてほしい」とまで言ってきました。

私は当時、A氏のことを完全に信頼しきっていましたので、当然、政治資金も必要だという思いもあり、しっかりとした調査もせずに、A氏の要求する金額を預けていきました。

もちろん今となっては、若い頃の友人関係の延長でA氏を信頼しきっていた、私の人間的な甘さが間違っていたと心から反省をしております。

ちなみにA氏の言う事業の内容は、有名ブランド品の売買でした。A氏いわく「世界でも高値で取引されているブランドを中心に、売り先と買い先が決まっているもののみを転売して利ザヤを稼ぐビジネスに資金を使う。ブランド品だけに値崩れの心配はなく、リスクはゼロ」との説明でした。

しかし平成24年の暮れから資金を渡して程なく、「天候の影響で商品の売買が遅れ、そのため穴が開いたから、それを埋めるためにさらなる資金が必要だ」あるいは「銀行口座がロックされてしまったため、その代わりとなる資金が必要だ」などと言って、さらなる資金を工面してほしいと言ってきました。

私は「元々預けた資金もなくなる」と言われ、それは困ると思い、自分の責任の持てる範囲でいくどとなく資金を工面しました。

A氏に預けた資金はすべて横流しされていた

最後に資金を渡したのは、平成26年10月初旬でした。私に「これで最後です。これですべてうまくいくようになるので、なんとか信用してお金を工面してほしい」と言ってきました。私は何度も「本当に大丈夫か?」と確認し、これですべてがうまくいくようになるならと思い「本当に最後だ」と言って、しかたなく苦労してお金を作り、1000万円を預けました。

しかし、他の被害者の方々からもお聞きしてわかったことですが、最初からA氏の事業の実体はほとんどなく、私が最後に渡した1000万円でさえ事業に1円も使うことなくビジネスパートナーと呼ばれる女性に横流しされ、他の方の配当か返済にすべて回してしまったようであります。これは後にA氏本人から聞きました。これらの資金は事業に使うと言って集められ、その事業に使われていなかったのです。

これも後にわかったことでございますが、A氏は私だけでなく、私の秘書にもこの事業の話を持ちかけていました。私が信頼しきっていたことが、秘書もA氏を信頼した理由だと思いますが、秘書もA氏に知人のものも合わせてこちらも非常に大きな額ですが、約4000万円もの資金を預けてしまっていたと聞いています。

結局A氏は、最終的に「事業に失敗し、お金は返せなくなった」と言ってきました。私や私の知人、秘書などから預かったお金をすべて失ってしまったと言うのです。これには本当に困り果てました。

秘書の知人B氏から持ちかけられた株式購入の話

そんな状況の中で、非常に困っていた昨年の10月下旬、私の秘書が知人B氏から「値上がりしそうな株があるので、資金をなくしてしまったのなら、この株を購入して穴埋めしてはどうか。枠は押さえている」という話を聞いてきました。「一般公募入札で得意顧客のために押さえられている特別な枠がある」との説明でした。

私は株の取引をしたことがなかったので、再度秘書を通じて知人B氏に確認いたしましたが、知人B氏は「その株は必ず購入できる」と言ったとの報告を受けました。

私も信頼している秘書が間に入っていたこともあり、その話を真に受けてしまい、私が預けたお金を失ってしまったA氏に「この株を購入して私が預けたお金の返済に回してはどうか? 必ず買えるみたいなので」という提案をいたしました。このとき私は、A氏になんとか金銭問題を解決してほしいと考えていたのです。

「A氏にはとっくに裏切られていたのに、どこまでお人よしなんだ」と批判されても仕方がないと思います。

お金に困窮していたA氏は、私の話を受けて、前向きに検討し始めました。株式購入について、取得した株の売却時期や利益が出た場合に支払う税金について、何度か問い合わせてきました。

しかし、私は株について詳しいことがわからなかったので、直接話を持ってきた、私の秘書と話すように伝えました。

ちなみにA氏は、この話を持ってきた秘書の知人・B氏からも資金を預かっていたようで、A氏から「誰の紹介ですか?」と聞かれた際に、「B氏からの話です」と告げたところ、「なんだ、Bさんですか。よい話を持ってきますね」と言ったことを記憶しています。

「国会議員の話だから信用した」という証言は事実と異なる

週刊誌の記事によると、A氏は「国会議員からの話だから信用した」と証言していると書かれていますが、実際この話は(秘書の知人の)B氏からの話だということをA氏は知っていたので、「国会議員だから信用した」という話は事実と異なります。そして検討の結果、A氏は株式購入のための資金の準備をするという話でした。

週刊誌の記事では、私が指示して資金の準備をしたかのように書かれていましたが、事実はA氏自身の判断で、株式購入をするために、ご自身で資金を準備したことがおわかりいただけると思います。

この際のやりとりのなかで、A氏が私の名前を使い、国会議員のための枠を押さえていると言って、資金づくりをするといけないと思い、そのようなことがないように、絶対に注意してくださいと言いました。

当然ですが、一般公募入札であり、知人Bが枠を押さえているだけで、国会議員のために枠を押さえているわけではないからです。

先ほども申し上げましたが、A氏はB氏からも資金を預かっていましたので、お互いを知っており、株の枠については私ではなくB氏が押さえているという認識があったと思います。

今回の報道で、私が一度も使用していない「国会議員枠」という言葉がひとり歩きしておりますが、おそらくこのときのA氏とのやりとりを切り取ったものだと思います。

再度申し上げますが、事実と異なりますので、「国会議員が枠を押さえている」という表現を使われては困るという意味で、A氏に伝えていました。

この部分の表現について、説明が必要だという方がいます。もともと個人的なやりとりだったので、誤字脱字もふくめて、不正確・乱雑なところがあったかもしれません。その点も反省しなければならないと思います。