明日の時間を増やす仕事をやりなさい 効果的なタスク管理のための3ステップ

How To Multiply Your Time #1/1

タスク管理やタイム・マネジメントは仕事をする上での基本的なスキルだと言っていいいでしょう。しかし、皆に平等に流れていく時間を管理することはできない、できるのは自己管理だけだと主張するのは、作家でビジネスコンサルタントのロリー・ヴェーダン氏です。彼は、自分の時間を倍にする、今の時代に合った「タイム・マネジメント」の3ステップ解説します(TEDxDouglasvilleより)。

「あぁ、時間がない!」と言ってしまうワケ

ロリー・ヴェーダン氏:本日の進行は少し遅れていますが、皮肉なことに本日最初のスピーカーは「procrastinate on purpose(意図的に物事を先送りにする)」という本の著者です。

(会場笑)

今の時代は時間を管理するためのアドバイス、裏技、テクノロジー、カレンダーのチェックリストが最高潮に溢れているというのに、なぜ我々はいつも時間に追われ、予定通りにいかないのでしょうか? 我々の時代は史上最も長時間労働し、速く仕事を処理する世代であるのに、なぜやることが次から次へと溢れてくるのでしょうか? タイム・マネジメントを学べば学ぶほどストレス度が上がっていくのはなぜなのでしょうか?

その理由は、皆さんがタイム・マネジメント(時間管理)とはこういうものだと理解していることが全く間違っているからです。

この事に気が付き始めたのは数年前のある土曜日の朝、私がビジネスパートナーの自宅にいた時のことがきっかけです。非常に重要な国際的リーダーが集まる会合に参加するために、私はその日彼を自宅に迎えに行きました。

彼には2歳になるとても可愛らしい娘のヘブンがいます。彼女は本当にかわいいらしいのです。茶色のカールした髪の毛に、可愛らしい茶色の瞳をした女の子です。我々はナッシュベルに住んでいますので、彼女も南部訛りのある言葉で話し始めたところでした。

パートナーのダスティンと私は彼の家から出発しようとしています。そこにヘブンが廊下をものすごい勢いで走ってきてダスティンの足にしがみつき、「パパ、どこへ行くの?」とダスティンに聞きました。「ごめんねヘブン、パパは仕事に行かなくてはならないんだよ」とダスティン。ヘブンの目からみるみるうちに涙があふれ出し「ダメ、パパ。今日は仕事に行かないで。お願いよ。仕事はダメなの」と言いました。

その時私は2つのことに気が付きました。1つめは、私にはまだ子供を育てる準備はできていないということ。

(会場笑)

世間でよく言われるタイム・マネジメントは非常に論理的ではありますが、あの日私が2歳の子供から学んだことは、タイム・マネジメントとは常に論理的なのではなく、感情に大きく左右されるということです。

我々の感じる罪悪感、恐れ、心配、不安、フラストレーションといった感情が、カレンダーやTo Doリストに入れている物事を完了させるのと同じ程度に、我々が我々の時間をどのように使うか決めるのです。

むしろ「タイム・マネジメント」などという概念は存在しないのではないでしょうか。時間は我々が管理しようがしまいが勝手に過ぎていくものです。「タイム・マネジメント」など存在しない。存在するのは「セルフ・マネジメント(自己管理)」ではないでしょうか。

これがまず最初に私が気が付いたことです。もうひとつ気が付いたことがあるのですが、皆さんに理解していただけるようにまずは簡単にタイム・マネジメント理論の歴史を振り返ってみたいと思います。時は50年代後半から60年代に遡ります。産業革命時代ですね。当時のタイム・マネジメントの考え方とは一面的で、効率が基盤となっていました。

効率を基盤とした考え方とは、私たちが物事を早く終えるためのツールやテクノロジーを発展させると、論理的に考えた時に私たちの時間が増えるという考え方です。

効率を考えるのは全く悪いことではありません。すべての物事の価値が同じなのであれば、いかに効率が良くなるかを考えたほうが良いでしょう。しかしそのようにタイム・マネジメントを考えると残念なことに限界があります。

私たちはミニチュア・コンピューターをポケットに常に忍ばせていますが、どういうわけだか常にやることに追われているという事実がその証拠です。

80年代後半、これはタイム・マネジメントの歴史の第2部ですが、当時のタイム・マネジメントの考え方は偉大な故スティーブン・コヴィー博士によって導入されたものだと私は思っています。

コーヴィー博士はタイム・マネジメント・マトリックスという考え方を取り入れ、x軸が緊急性、y軸が重要性とし、我々がタスクに優先順位をつけられるようにしてくれました。このマトリックスのスコアにより、我々はタスクに優先順位を付けていくのです。

優先順位を付けるとは、その時最も重要なタスクを決定しフォーカスするということです。ここ20年間、これがタイム・マネジメントの考え方であり続けました。

もちろん優先順位を付けることは全く悪いことではありません。よく言いますよね、「優先順位を決めるんだ!」「優先順位の付け方が間違っている!」と。でも残念ながらそういう話ではないのかもしれません。

誰もこのことに触れてはいませんが、優先順位を決めることの限界があるんです。その限界とは、優先事項を決定しても、より多くの時間を生みはしない、ということです。

どんどんタスクをこなしていき、To Doリストを減らしていくというのは素晴らしいのですが、やることを減らしているだけで自分の時間が増えるわけではないのです。

効率を基盤に考えるということは、例えればハムスターの滑車を回すようなものです。優先事項を決めるとは、他にもやらねばならないことはあるけれども、その時間をフォーカスすべきひとつのタスクに使う、時間を借りてくるようなもので、ジャグリングをしているようなものなのです。

よく言うでしょう「バランスを取ろうとしているんだ」「様々なことをジャグリングしながらしているんだ」と。

このパラダイムにおいて戦略は2つしかありません。物事を早く終わらせる、またはより多くのことを終わらせる。それしかないですよ。我々皆ジャグリングをしながら一生懸命滑車を回し続けるハムスターだと考えたらどう感じますか?

(会場笑)

我々の生きる現代に過去のタイム・マネジメントの考え方は通用しないのです。そこで「倍にする考え方」をする人が登場します。「倍にする考え方」をする人は3次元的な考え方をします。多くの人が緊急性と重要性だけを基盤として優先事項を決めるのに対し、「倍にする考え方」をする人は物事の有意義性も考慮に入れます。

緊急性とは、それをどれだけ早くやらねばならないのか。重要性とはそれがどの程度重要であるのか。そして有意義性とはそれが今後どの程度長く重要となってくるか、です。

これは今までは全く違った考え方です。考えてみてください。多くの人はTo Doリストを作る時「今日絶対にやらねばならないことはなんだろう?」と考えます。しかし「倍にする考え方」をする人は違います。彼らは「明日を良くするために今日できることはなんだろうか?」「未来を良くするために今この瞬間にできることはなんだろうか?」と考えるのです。

彼らは有意義性を計算に入れているのです。「時間を倍にするんだ」と私は言っています。そんな大げさな、無理だろう、と思うかもしれませんが、そうでもないんです。

もちろん一日は24時間と決まっていますので、24時間と決まった一日の時間を延ばすことは出来ません。しかしこのように考えることが問題なのです。

簡単に時間を倍にする3ステップ

時間を倍にする方法は簡単です。

明日の時間を増やすことに繋がることを今日することを自分自身に感情的に許可するんです。これが有意義性の計算です。この考え方がすべてを変えます。「倍にする考え方」をする人がまず最初に考えることは「これをやらなくて済むようにならないか?」です。

「やる価値は本当にあるのだろうか?」ということですね。多くの人がやらねばならないことをリストにしている時、「倍にする考え方」をする人はやる必要がないことリストを考えます。「倍にする考え方」をする人は。完璧とはもう何も加えられない状態からのみ生み出されるのではなく、もう何も減らすことが出来ない状態からも生み出されることを知っているのです。

無視することを自分に許すのです。今日何かに「ノー」を言うことで、明日の自分の時間が増えるのです。我々は「ノー」を言うことに対する罪悪感を克服せねばなりません。「ノー」と言いたいのに「イエス」と言わねばならないような必要性を感じる感情がありますよね。我々は「ノー」を絶対に言わないようにしようと生きていくのです。

「倍にする考え方」をする人に言われたことがあります、「ノーを言わないように生きていこうなんて全く無駄な試みだ。常に何かに対してノーを言っていることに気づかねばならないよ。何かにイエスという時、それはつまり無限にある他の選択肢にノーと言っているということだからね」。この言葉が私の人生を変えました。

そのタスクを消去できないのであれば、次に考えることは「自動化できないだろうか?」です。

今日何かを自動化プロセスに変えれば、翌日の私の時間は増えるのです。

インターネットで請求書の支払いをするようなものです。2時間も使ってオンラインで請求書自動引き落としを設定する時間がもったいないと普通の人は考えますが、「倍にする考え方」をする人は、毎月30分使って請求書の支払いをすることを考えれば、2時間使ってすべてを自動引き落としにしてしまえばたった4か月で時間の元が取れると考えるのです。

そして4か月後、私達は時間投資のリターン(ROTI)を受け取ることができます。お金を投資するのとまったく同じように、時間を投資し、そのリターンを受け、そのリターンが増えていくという具合に我々の時間は増えていくのです。大富豪のお金の考え方とまったく同じように「倍にする考え方」をする人は時間を捉えています。彼らは時間を増やすために、物事を自動化するための時間と労力を投資するのです。

そのタスクを自動化できないのであれば、誰か他の人に任せることはできないかと考えましょう。

「この仕事のやり方を誰かに教えることはできないだろうか?」と考えます。私が7歳の頃のことです。決して忘れることができない思い出なのですが、私は母親と車に乗っていました。そして母にこう質問したのです。「ママ、僕にはパパはいるの?」と。シングルマザーであった私の母が私の質問にどう答えようか困ったことは想像に容易いです。

その時初めて母は私に彼女の人生のストーリーを語ってくれました。17歳の時に妊娠し、数年で離婚、22歳で再度妊娠、私が生まれ、その6か月後に私の父とは離婚したのだと。22歳、高校も卒業しなかったシングルマザーであった母はこう決めたそうです、「ローリー、あの時決めたの。もう男は必要ないと。まったく男運が無いみたいだから。私たちにはお金がたくさんあるわけでもないし、お父さんもいない、でも愛だけはあるわ」

私は言いました。「ママ、僕は家族が大好きだよ! でもね、お父さんがいてくれたらもっといいと思うんだ!」すると母は「それなら自分で良いお父さんになってくれる人を探してみればいいじゃない」と言ったのです。一体どういう意味ですか(笑)。

(会場笑)

その会話をした時、私は新しいカンフー道場に通う初日でした。5歳から武道をやっていまして、7歳の私は大人と一緒の稽古に参加することになりました。その日もう1人初日だった大人の男性がいたのですが、この彼は長髪で入れ墨、レザーのジャケットを着てバイクで道場にやってきました。7歳の少年にとって、この男性はとっても恐ろしく見えました。そして、その男性が私のスパーリングのパートナーになってしまったのです。

(会場笑)

彼の名前はケビン。話してみると良い人だということがわかりました。私とケビンは昇段試験を一緒に受けたりして、たまに家まで送ってもらうような関係になりました。そのうちに彼が週末家にやってきて一緒に稽古したりするような仲になったのです。映画も一緒に見るようになり、私の母もここに参加、3人で時間を過ごすまでになりました。そして、彼と母が私を置いて2人で映画を見に行ってしまった日を私は決して忘れることはないでしょう。

(会場笑)

10歳の時に私とケビンは一緒に黒帯の試験を受けました。母とケビンは2週間後に結婚、数年後ケビンは私を養子にし、私の苗字はマクラーレンからヴェーダンに変わり、以来母とケビンは結婚生活を続けており、もう結婚して20年になります。

(会場拍手)

この話のポイントは、皆さんはどんなことでも誰かに任せることができるということです。

(会場笑)

でも人はこう言います「誰かを訓練してその仕事を任せることはできるかもしれないけど、私並みにできる人なんていない」と。しかし有意義性を考えてください。時間が経つにつれ、任せた相手は皆さんと同じようにタスクをこなすことができるようになりますから。

有意義性を考えることで時間を倍にするのです。少しの期間不完全である状態であることを自分に許すのです。時間と共に任せた人は完璧にこなせるようになるはずですよ。

誰かに任せることすらできないタスクはこの表の一番下に来ます。そこで考えるべきは、「今このタスクに取り組むべきであろうか? それとも後で取り組んでもよいだろうか?」です。

今すぐにやらねばならないのであれば、そのタスクは集中すべきもの、守るべきもの、邪魔を入れずにフォーカスするべきものになります。しかし後でやっても問題ないタスクであればそれは「意図的に先送りする」ものになります。

いつまでも先送りにしてはなりませんよ。そのタスクをまたこの表の一番上に持ってくるんです。そうすると、自然と解決策が生まれます。「あぁ、最初から消去すればよかったんだ」という結論になる、またはそのタスクを自動化するための方法が見つかる、または誰かそのタスクを任せられる適切な人材が浮かび上がってくる、またはそのタスクが後に皆さん自らが取り組むべき重要なものになるかもしれません。

「でも物事を先延ばしにすると成功しないっていつも言っているじゃないか! 今になって意図的に物事を先延ばしにしろと言うのか?」と言う人がいます。私が言ったことに嘘はありません。物事を先延ばしにすると一概に言ってもそこには違いがあるのです。やりたくないけれどやらなければいけないことを先延ばしにすることと、「今がその時ではない」と意図的に物事を先送りすることは全く違います。

やりたくないけれどやらなければいけないことを先延ばしにすること、これは成功の邪魔になります。しかし、「今がその時ではない」と意図的に物事を先送りすること、これは良いことなのです。そして辛抱、忍耐、という世界で最も必要とされる美徳でもあります。

明日の時間を増やすことに繋がることを今日することを自分自身に感情的に許可するんです。皆さんの宗教が何であれ、世界がどのように創造されたかについて聖書がこう書いていることに共感していただければ幸いです。

創世記に神は完全な世界を創造します。神がイメージした通りに我々は創られたのだと書かれています。旧約聖書の第一章28節に、神の人間への最初のメッセージがあります。隣人を愛せよ、ではありません。生めよ殖えよ(Be fruitful, Be multiply:multiplyは倍の意)ありがとうございました。

<続きは近日公開>

Published at

このログの連載記事

1 明日の時間を増やす仕事をやりなさい 効果的なタスク管理のための3ステップ
2 近日公開予定

スピーカー

関連タグ

人気ログ

ピックアップ

編集部のオススメ

ログミーをフォローして最新情報をチェックしよう!

人気ログ

ピックアップ

編集部のオススメ

そのイベント、ログしないなんて
もったいない!

苦労して企画や集客したイベント「その場限り」になっていませんか?