天皇陛下:戦没者を追悼し、平和を記念する日にあたり、全国戦没者追悼式に臨み、先の大戦においてかけがえのない命を失った数多くの人々と、その遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来、すでに70年。戦争による荒廃からの復興、発展に向け、払われた国民からの弛みない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支えられ、我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。

戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、考えは誠に尽きることがありません。

ここに過去を顧み、先の大戦に対する深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民とともに、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。