もしもキッチンタイマーを売り込む場合、どうするか

野村尚義氏:こんにちは、プレゼンテーションアドバイザーの野村尚義です。もしあなたが、このキッチンタイマーを人にセールスする、売り込まないといけないとして、一体どんな話、プレゼンテーションをするでしょうか? 少し、この動画を止めていただいて、考えてから続きを見ましょう。

よろしいでしょうか? だいたい3つくらいのパターンに分かれるんじゃないかと思います。1つが、スペックを語るということですね。「薄い」とか、「数字が大きく表される」とか、「お値段が安いですよ」みたいな話。値段でいうと「100円」みたいな感じですね。

そして、もう1つがベネフィットを語るということです。「いつでも持ち運べる」「簡単に持ち運べる」ということであったり、「誰でも簡単に使うことができる」ということだったり。これを手元に置いて仕事をすることで、時間を大事に扱うことができる。こんなベネフィットを語る方もいるかもしれません。

スペック、ベネフィット。そして、もうひとつ奥にある未来、フューチャーを語る人もいるかもしれません。例えば、このキッチンタイマーはいつでも簡単に使える、持ち運びができるから習慣化することができる。いつでも、大事に時間を使い続けることができる。

時間を大事に使い続けるということは、時間をコントロールするということであり、そして、それによって時間をギューと圧縮するということである。そして、その結果として時間の価値が高まっていく。

時間の価値が高まって、さらにその先にあるのは、あなたは自分自身の時間を例えばプライベートにもっと当てはめることができる。それを、家族のために当てることができる。

そして、自分の時間に対してストレスなく生活することができる。自分はものすごく価値のある時間の進め方をしている。そういうふうに、自分自身の仕事に対して誇りを持つことができる。

その誇りと、プライベートのさらなる充実を作るのがこのキッチンタイマーである。こんな感じで話すこともできるかもしれません。

未来に目を向けたプレゼンの方が刺さりやすい

スペックで語ることをもう一度言います。薄いんです、軽いんです、使いやすいんです、安いんです。それをベネフィットにすると、だからこれをいつでも持ち運べる、時間を大事にすることができる。

フューチャーで語ると、最終的にはそれは、自分自身の自信につながる。自分自身のプライベートの更なる充実につながる。どのプレゼンテーションが皆さんにとって、あなたにとって、グサッと刺さったでしょうか?

正直、どれが刺さるかということは人によって多少の差異はあるんですが、多くの場合、未来に近づけば近づくほど、スペックよりベネフィット、ベネフィットよりフューチャーを語れたほうが、刺さる可能性は高まっていきます。ズバリ、得られる物が大きくなっていくからです。

ただし、いっぽうでそれが確実に得られるかというと、その可能性は若干薄くなっていきます。これが薄いということは、安いということは、絶対にこれを得た瞬間、必ず得られる。

でも、未来に自分の仕事に自信が持てるかどうか、プライベートが充実するかどうか。そこにつながっていくかもしれないけど、必ずではないじゃないですか。だからこそ、人によって多少の差異はある。

でも、僕たちは夢を持てる。物を買いたいんです。夢を見て自分の決断を選択したいんです。

もし、あなたが普段のプレゼンテーションでスペックだけ語っているとしたら、ベネフィット、そしてフューチャー、未来に目を向けて下さい。

もし、あなたがベネフィットまでで物事を語っているとしたら、さらに一歩進んで、フューチャー、未来を語ってみる。そんな選択肢はいかがでしょうか? 以上です。