シェアリングエコノミーの信頼性について

琴坂将広氏(以下、琴坂):さて、シェアリングエコノミーがやはり大きな流れになってきましたが、それをどうサービスとして大きくしていくか、どうトラブルのないように安心なものを作っていくかというのが大きなトピックになっているかと思います。その辺りで工夫されている点はあるのでしょうか? ぜひ金谷さんからお聞きしたいんですけれども。

金谷元気氏(以下、金谷):信頼性を担保するために工夫している点として、まず管理は駐車場を貸している方がやるという部分です。私たちは借りたいっていうニーズを届けはするんですけど、管理に関しては貸したい方々が従来の駐車場と同じようにしっかり管理すると。

例えば、月極の駐車場だったら管理人の方が管理していたり、家の前の駐車場だと家の方が管理するというのが従来からありましたので。

琴坂:そうすると、あくまでakippaが管理しているのではなくて、持ってる方が管理していると。

金谷:今はそういう形になっています。管理人がいないところはないことになりますので、ある意味コインパーキングよりも管理人は充実しているという形になります。

琴坂:逆に管理人さんがサボっちゃうとか、寝坊しちゃうとかはないですか?

金谷:基本的には、ほとんどの駐車場が機械式ではなく青空駐車場なので、別にいなくても大丈夫なんですね。寝坊しても、何かあったときに対応さえしてもらえれば大丈夫なので。ただ、オーナーさん側都合のトラブルっていうのはほとんど起きないですね。

琴坂:起きないんですか?

金谷:はい。

琴坂:なぜななのでしょうか?

金谷:やっぱり駐車場って動かないですし、そこにあるだけなので。他の人が勝手に停めてるとかがない限りはそういうのは起きないんですよ。

琴坂:なるほど。スペースマーケットはいかがですか? そういったトラブルというか、問題になることは発生しないんでしょうか?

SNSと連動させてトラブルを防ぐ

重松大輔氏(以下、重松):もっとあるかなと思ったんですけど、意外とないですね。先ほどからシェアリングエコノミーが伸びている大きな要因の1つがタブレットとかスマホの進化であるという話があると思うんですけど、もう1つはSNSなんですよね。

事前に身分を明かして申し込むわけですし、場合によっては事前に一筆書いていただいたりとかもしています。

「こういう条件に同意した上で貸します」というような、基本的にはオーナー・貸し手に優しいというか、貸し手を守るような規約を作っているところがほとんどですので、何かあった場合にもちゃんと請求できるようになっています。

SNSと連動していますので、借りたい人のSNSを見て、その方の友だちリストが明らかにおかしい雰囲気の人ばっかりだったら「こいつは怪しいな」というのはありますし、Twitterとかも見て、その人のタイムラインが「殺す、殺す」みたいなネガティブなコメントで埋め尽くされている(笑)。みたいな人には貸さないほうがいいじゃないですか。そこは一応貸し手に確認していただいた上で貸してもらっています。

ユーザーとオーナーの相互評価の仕組み

ユーザーがオーナーを評価することもできるんですけど、オーナーがユーザーを評価することもできる相互評価の仕組みを入れています。ぜひうちのサイトを見ていただきたいんですが、結構レビューがついてるんですよ。本当にポジティブな。それをみなさんAirBnBみたいに実名で書いてくれるんです。特にインセンティブもないのに書いてくれるっていうのがすごく意外でした。

そこで良質なコミュニティというか、やりとりを見ればオーナーの性格もだいたいわかりますし、ユーザーからもどういうスペースなんだっていうのが多面的にわかるので、それを理解した上で貸し借りをするっていうところがトラブルを起こさなくするための1つの大事なポイントかなと思ってます。

あともう1個は、近いうちに保険サービスのようなものをやっていこうかなと思っています。そうすることで、万が一悪意のない破損とか、何かがあったときにちゃんと保険でカバーできるということになります。それで安心感がまた増えるんじゃないかと思ってます。

琴坂:現状の契約関係はどういった感じになってるんですか?

重松:基本的にAirbnbとか他のプレーヤーもそうですけども、あくまでも我々はプラットフォーマーであって、ユーザーとオーナーの直接契約なんですよね。我々が直接契約するというのは基本的にはあまりないんですよね。

琴坂:原田さん、プラットフォームがあって、その上でつながり合うという契約がやはり一般的なんでしょうか?

ネットのレビューシステム成熟化の流れ

原田明典氏(以下、原田):そうですね。だいたいCtoCですので、やはり信頼性とか、あとは品質ですね。「そういうのってどうなんだ?」という話がだいたいこのシェアリングエコノミーの話のときに出てくるテーマなんですけれども、さきほど重松さんがおっしゃられたとおり、インターネットのここ15~20年の中で、レビューシステムがどんどん成熟してきているんですね。

ネット上の書き込みは信用に足りるのか、ということはあったと思いますし、もちろんファクトもあるんですけどもそれを抽出するのが難しいということがあったと思います。

Web2.0あたりから、だんだん日本だと「食べログ」、USだと「Yelp」だとか、Amazonのレビューもそうですけども、レビューシステムが成熟化してきていて、そのレビューの信憑性を問うようなアルゴリズムが発展してきたということがあります。

さらに第3次ということで、今度はFacebookのような実名アカウントが登場してきて、従来成熟してきたレビューシステムに実名アカウントのFacebookのアカウントログインが組み合わさることによって、ネット上のレビューシステムがかなり信頼性を担保するようになってきています。

昔のヤフオクのアカウントなども点数化されて、当時は進んだシステムだったと思いますけども、今はさらにそこに実名的なところが入っていたり、アルゴリズムもさらに際立ったものが入ってきているということで、より信頼性が増している。

従来プロがやっていた審査とか面接とか、そういった評価に匹敵するクオリティになってきているというのが現状だと思います。

事故・トラブル発生時のリスク

琴坂:それでも防げないような事件・事故ってあると思うんですね。海外ですと、自分の家を荒らされちゃったですとか、車が事故しちゃったとか。そういったことが発生したときのリスクに関してはどうお考えですか?

金谷:akippaの場合は、例えばオーナーさんがマンションの住人さんである場合は住人さんの間でいろいろ会議をされて導入するか決定するんですけど、いつも結論として「コインパーキングよりも安全」とされるんですね。

なぜかというと、コインパーキングはすべて匿名じゃないですか。でもakippaの場合はクレジットカード情報を取っているので、実は個人を特定できている。事前に誰かがわかるっていうすごく強い部分は1つあるんですが、事故っていうリスクはどちらにしてもあるパターンなんですよ。

琴坂:そもそもコインパーキングにもリスクがある?

金谷:そもそもあります。もし起こった場合はマンションとユーザーさんの間で解決することになるんですけども、コインパーキングだったら匿名なので逃げられてもわからないんですよね、調査しないと。でもakippaの場合は個人が特定できているので、結果事故などがあったときも安心っていう部分があります。

シェアリングエコノミーってあんまり安心を担保できないような心配をよくされるんですけど、akippaの場合は既存の業界が匿名制なので、匿名制のところに実名で乗り込むという形でやっています。

琴坂:それは確かにありますよね。もともと家を貸したらボコボコにされたりするかもしれないですし、車でもそうですから。逆にこうやって注目を浴びてるからこそ少しそこら辺が言われているっていうのはあるかもしれないですよね。

金谷:そうですね、やっぱり海外のサービスがどんどんオプトアウトで進めていってトラブルが起きているというのがあるので、そういった部分も影響はしてると思うんですけど。

重松:まぁ新しいものは叩かれると思うんですよね。

琴坂:そういうのありますよね。

重松:この前インドかどこかでUberの運転手が女性を乱暴したみたいなニュースがワッと流れたじゃないですか。でも、日本でも最近普通のタクシーの運転手が酔っ払った女性を……とかっていうのがニュースで流れてましたので、現実社会でも何ら変わることなくあるわけなんですよね。

ただシェアリングエコノミーがいいのは、原田さんがおっしゃったようないろんなレビューシステムだったり、あとはカードでの事前決済を前提としていて個人が特定できるので、エビデンスさえあればちゃんと追いかけられるんですよね。

例えばホテルでも、現金で泊まったら誰だかわからないじゃないですか。台帳も「免許証見せてください」とかIDチェックが厳しくあるわけではないので、よっぽどそっちのほうが危ないと思います。

金谷:Airbnbは必ずパスポートを必ずスキャンしないとできないですよね。