2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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丸川珠代氏(以下、丸川):平和安保法制を考える。このシリーズも第5回。いよいよ最終回になりました。今日のテーマは、やっぱり心配、徴兵制ということにしたんですが。なぜかというと、私、いま子供が3歳になりまして、子育てしてるお母さん方から、この平和安全法制の話をしてると必ず徴兵制がって話が出てくるんです。
何か根拠があるわけではないんですけど、何となくこの話を進めると徴兵制があるんじゃないかと感じるお母さんが多いみたいで。特に今、憲法の解釈を我々が現在進行形で変えている中で、徴兵制を憲法を解釈したら出来るんじゃないか?
そんな漠然とした不安があるようなんですが。政府から徴兵制は憲法違反と、はっきり言っていただいてますよね。
安倍晋三氏(以下、安倍):いつかは徴兵制になるんじゃないか、と野党はずっとキャンペーンをはってるわけですね。意外とこれを、そうかもしれないと不安に思って受け止めておられる方が、たくさんいらっしゃるんですね。
これははっきりと申し上げておかないといけないと思うんですが、典型的な無責任なレッテル張りだと思います。憲法18条には意に反する苦役。これはダメですよ、と書いてある。徴兵制度の本質はですね。意思に反して強制的に徴兵制の義務を負う。
こう書いてありますから。ですから、徴兵制は明確に憲法違反なんだ。これは憲法解釈で変える余地は全くありませんね。これははっきりと申し上げておきたいと思います。
丸川:これは政権が変わったから、政治が変わったから、変わるものではない、と?
安倍:これは私が言ってるだけではなくて、安倍さんが変わったら、わかんないでしょっていう人もいますが、これは明文に反していますから。憲法にはっきりと意に反する苦役はだめと書いてありますから、政権が変わろうと変わることはありません。
丸川:少なくとも解釈の範囲では絶対にない。でも自民党は憲法を改正しようとしてるよね。だったらそこも変えちゃうんじゃないの? と。
安倍:谷垣総裁時代に、私たちは憲法改正草案を出しましたね。この自民党の憲法改正草案の中にも、現在の18条。意に反する苦役はだめですよって書いてありますから。自民党の草案が実現したとしても全く変わらないとは申し上げておきたい。
また、防衛政策上ですね、徴兵制を導入するという合理的な理由というのがないんですね。
丸川:合理的な理由が、ない。どういうことですか?
安倍:現在の防衛装備というのは大変なハイテク化されているんですね。ハイテク技術をしっかりと身につける必要がありますから、十分に兵士として役に立つためにはですね。そうしたハイテクを使いこなせるようになる為には、相当時間がかかるんです。
いわば徴兵制のように短期間でぐるぐる回っていくという仕組みでは、使いこなす前に、辞めてしまうと。やっと教育が終わったら、辞めてしまう。徴兵制度をやればですね、かえって自衛隊にとっては負担にしかならない。これは世界中でそうなんですね。
丸川:他の国でも徴兵制をとってるところは……お隣の韓国は休戦中でも徴兵制が。他の国はどうなんですか?
安倍:世界各国でも、減少傾向にあります。長い間、徴兵制度を採用してきたドイツですね。フランスにおいても21世紀に入ってからは辞めました。またG7の国々で、ですね。徴兵制度をとってる国は1つもないんですね。
丸川:徴兵制と集団的自衛権が、関係あるような話になってる気がするんですが。関係あるんでしょうか?
安倍:これは、ないですね。永世中立国のスイスはですね。世界でも数少ない集団的自衛権を行使しない国ですが、行使しない数少ない国のスイスは徴兵制度なんですね。一方、集団的自衛権をかつてアフガン戦争で行使したことがあるアメリカやイギリスやフランスやドイツやイタリアやカナダ。こういう国々は、徴兵制度ではなくて、志願制度ですから。徴兵制度と集団的自衛権というのは全く関係がないんです。
丸川:やっぱりそうなんですね。徴兵制を全く関係ないものって考えても、将来、自衛隊の活躍の場が広がることを、いろんな意味でとらえて志願する人が減ってきたら結局徴兵制にしないと、もたなくなるんじゃないのかって仰る方も中にはいらっしゃるんですよね。
安倍:そうですね。我々がいま、申し上げたようなことを言って反応すると、今、丸川さんが言ったようなことを言うんですね。しかしですね、現実はどうかというと自衛隊に応募する方、実は7倍の競争率なんですね。
丸川:7倍。
安倍:7倍なんです。閣議決定をした昨年以降でも、7倍。つまり昨年、集団的自衛権を一部容認する閣議決定を行いましたね。それによって応募する人は減るはずだといって今、丸川さんが言ったような批判をするんですが。
実は7倍のままなんですね。これはですねやはり、東日本大震災の時もそうだったんですが、自衛隊のみなさんは本当に困難な仕事をしてくれます。ああいう状況の中で身に危険があっても、そうなんですね。
御嶽山の時も救助に向かった。また噴火すれば身に危険が迫るかもしれない。しかし自分たちこそ日本人の命を守るんだ。ああいう姿を見てですね。自分もこういう意義ある仕事をしたい。やりがいのある仕事をしたいと思う人たちがたくさん日本人の中にはいる。
そう考えてる人たちがいるんだということを私は大変誇りに思いますね。
丸川:本当そうですね。そうやって自ら志してくださる方がいるってことのありがたさをしみじみ感じます。
安倍:そういう若者がいなくなったら、その段階で国というのはですね。滅亡していくんじゃないかなと思いますね。
丸川:少子高齢化と関係ないですよね。
安倍:これは関わりがない話だと私は思いますね。
丸川:いままで伺ってきて、徴兵制はこれはないと考えていいでしょうかね?
安倍:これははっきりと釘を刺しておきたいんですが。徴兵制度というのはですね、憲法で禁止されていますし、自民党の憲法草案でも禁止されているし、政権が変わっても、現在の憲法の解釈の変更の余地はまったくない。
丸川:徴兵制はない。集団的自衛権とも関係がない話ですということですね。それで、今までずっと平和安全法制の議論を進めてきて、いろんな議論が出てきていますけど、ついに先週、維新の党が、対案を出してきました。これに対して与党を経験した民主党からどういう案があるのかというと……。
政府の批判はしますが、自分たちの対案という話は、出てきてないですよね。
安倍:残念ながらですね、集団的自衛権に関わる対案は出していないんですね。岡田さん自体はですね、安倍政権が進めている集団的自衛権には反対してるけども、今の憲法でも認められている集団的自衛権というものは、あるという発言も実はしているんですね。
丸川:去年の雑誌のインタビューだと思うんですけど、岡田さんが、集団的自衛権をまったく認めないかといえば、本当に必要性があって非常に限定されたケースであれば、それはありうると考えていますということで。ほとんど同じじゃないかと思います。
安倍:私もほとんど同じじゃないかと思うんですが、実際、党として賛成か。いわば憲法に違反してるのか違反していないのか、ということはですね。何回もどうなんですか、ということを問いかけてるんですけども未だに答えがないんですね。
丸川:岡田さんがおっしゃることの1つに邦人を乗せた船だと海上警備行動で守るという話があるんですけど、これは現実性があるんですか?
安倍:海上警備行動。自衛官が警備行動をするとか、いかにも軍事的な行動に思われるんですが、これはですね、海警行動はいわば警察活動なんですね。権限は警察官と同じなんです。相手が犯罪者のようなグループであれば、有効かもしれませんけども、相手が国で武力行使をしてるという状況で、ですね。
まさに警察官と同じ権限で立ち向かうというのはですね。まるでミサイルに対してピストルで立ち向かえと言ってるのと同じであって、極めて非現実的だと言わざる得ないと思いますね。
丸川:具体的に実際の場面を考えると、もたないですよね。
安倍:むしろ警察官に本当に限られた権限しかあたえずに、武器の使用に関しても限られた権限しかあたえずに、武力行使をしている軍隊に立ち向かえというのはですね。まったく自衛隊のことも、命はもちろんですが、国を守るという観点からは間違ってる。
これは民主党、岡田さんにですね。私が、日本を守って警戒にあたっている米国の艦船が攻撃された時に守れなくていいんですか? という問いかけにですね。答えなくてはいけないという追い詰められた状況で、警察官の権限しかない海警行動で答えた。苦し紛れで答えたとしか私は思えないですね。
丸川:現実問題、きちんと自分たちの身を守れるような状況ではない状況で自衛隊を出すことの方が私はむしろ無責任なような気がします。
安倍:まったくその通りですね。
丸川:過去をみると民主党自身が憲法解釈を変えてきてますよね。例えばかつて野党時代は当時の菅代表が衆議院の本会議で自衛隊のイラク派遣で、憲法に明らかに違反した活動だと述べました。けれども、その時はたしか派遣を命令した小泉総理に辞任を要求したんですよね。
自分がいざ政権をとったら何の説明もなく合憲ですと説明してるんですよね。
安倍:あの時イラクに派遣した時はですね。憲法違反だといって強く非難をしてまいりました。しかし今ですね。どう考えてるかと言えば、何の説明もないということだと思います。あの時もですね、非戦闘地域ということが問題になったんですが、それも含めて憲法違反だと言っていたにもかかわらず、今の議論ではですね。
戦闘現場ではなくて、戦闘地域はですね、事実上容認してるような発言。それも含めて憲法違反だと主張していたあの意見はどこにいったんですかという気がいたしますね。
丸川:気がついたらずるずると変わっていったという気がしてしまうんですが。大変無責任な印象を受けるわけですけども、私たち一生懸命、民主党の反対の中、法案を作ったのに、いざ政権をとったら普通に何の説明もなく使うってことですね。これは絶対にみなさんに忘れて欲しくないことだと私は思っています。
丸川:忘れてならないといえば、世界一周旅行のピースボート。ピースボートは海賊が出る海域を通る時に自衛隊に護衛してくれって頼んで自衛隊に守ってもらってますよね。
安倍:海賊対処のための法案を出した時もですね。民主党は反対でした。しかし実際に危なくなるとですね。助けてと。こういうことなんだろうなと思いますね。また、弾道ミサイル防衛のための法改正にも反対したんですね。
しかし政権時代にですね命令を発動して、彼らが反対した法律を使って、自衛隊を出動させたということなんです。とにかく反対はするが政権につくと説明はせずにですね、実際に自分たちが反対した法律を使うということなんですね。
丸川:与党を経験した党だからこそ、我々は責任をもった議論をしたいとお互いに思ってるんですけど、あの時はなんだったんだ、ってことが次々に続いてますよね。
安倍:やっぱりちゃんと対案を出していただければ、ですよね。維新の党はちゃんと対案が出ました。そうなると国民のみなさんの前で、どちらの案がいいのか議論もかみあったのではないかと思いますけどね。
丸川:やっぱり与党を経験したからこそ責任を持った議論をしたいと思いますね。また憲法学者の先生方の話なんですけど。昨日のNHKの日曜討論に出ていた憲法学者の先生なんですが、平和安全法制は徹頭徹尾、反対だ。これは違憲だとおっしゃったんですね。
違憲だとおっしゃった先生が、調べたら自衛隊も違憲だと……。個別的行使の自衛権も違憲だと。徹頭徹尾、違憲だというのはこの先生が違憲だというのは、わかるんですが。そういう根本的に意見が違う方に、集団的自衛権を聞いてもあんまり噛み合わないような気がするんです。
安倍:そうなんですね。もちろん憲法学者の方のご意見というのは専門家の方のご意見として、私も耳を傾けなければならないと思いますが。しかし同時に憲法学者の主流の方々は、集団的自衛権の反対というのも自衛権そのものに反対という方々。
いわば自衛隊も違憲だという方々が、多いんですね。PKO法を改正した時もですね。あの時は朝日新聞がアンケートをとったんですね。今回と同じように。自衛隊をPKOで海外に派遣するのは、憲法に反しますか? と。
約7割の方は、憲法違反だ、と。当時の答えなんです。その方々の答えにそって物事を決めるのであればですねPKOもできませんでした。それどころか、自衛隊だって創設することができなかったんですね。
だから私たち政治家が、ですね。国民の命、領土、領海をしっかり守っていく。そのために必要な自衛の措置は何かということを考えぬいて。まさに私たちの国民から選挙によって選ばれた私たちが自分たちの責任で持って、判断をしなければならないと思います。
安倍:そもそも憲法において合憲か違憲かの最終的な判断をするのは最高裁ですね。最高裁において昭和34年の砂川判決で、必要な自衛の措置をとれるということが明確に判決で出ています。ですから必要な自衛の措置を私たちは考えていかなければならないと思います。
今日もいろんなご意見をいただいています。これからもこうした機会を通じて国民の皆様に、わかりやすく説明していきたい。この問題はなかなかわかりにくい。今日で5日目になりまして、連続で見ていただいた方はご理解が進んだのではないかな、と思います。丸川さんへ激励の言葉が……。
丸川:本当に見ていただいて。わかりやすい番組でしたと。ありがとうございます。改めて、国民の皆様にメッセージを。
安倍:今回の法制はですね。決して戦争をするための法律ではなくて、まったく逆なんですね。もし外国から攻められた時、その時に、国民の命を守るための備えをしている。備えをしていることによってですね、ちゃんと戸締りをしている家には泥棒が入らないと同じように、備えをしてることによって、事前に戦争を防ぐことができると。
それが抑止力なんですね。つまり戦争に日本が巻き込まれた時、侵略されたり国民の命が危うくなったりさせないために事前にそれを防ぐ。切れ目のない対応を可能にするための法律なんです。
丸川:持つことによって国が守られるんですよね。
安倍:持つことによって守られるし戦争をしようと思ってる人たちが思いとどまる。そのための法律だということです。これからもしっかりと説明していきたいと思います。
丸川:総裁。是非またCafeStaに出ていただけますか。CafeStaを通じて総裁のお言葉をうかがいたいと思います。
安倍:よろしくお願いします。
丸川:どうもありがとうございました。
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