2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
第2回 武力行使の新三要件(全1記事)
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あかりちゃん(以下、あかり):あ! ヒゲの隊長さん。またまたナイスタイミング!
佐藤正久氏(以下、佐藤):やあ、あかりちゃん。また会ったね。
あかり:あれから他人事じゃいけないと思って、いろいろ見たり、聞いたりしたけど、わからないことが、こんなに、こんなに、こんなに、こ〜んなにあって、もうヒゲの隊長さん、一家に1台必要だと思ったわよ。
佐藤:一家に1台? それじゃ、ヒゲロボの隊長だな。
あかり:じゃあ、今日も平和安全法制について、あれこれ聞くわね。覚悟して。じゃあ、この前の続き。
あかり:最初のお便りです、「日本は徴兵制になるんですか?」
佐藤:えぇ? 誰から?
あかり:日本のみんなからよ。細かいことはあまり気にしないで。
佐藤:ではお答えします。それは大きな、大きな間違い。徴兵制は今の憲法では許されていないよ。そもそも最近では訓練されたプロしか扱えない装備がほとんどで、素人が戦闘機とか戦車とかを扱えると思う?
あかり:うーん……無理だと思うわ。
佐藤:だから徴兵制を導入する意味は少なくなっているんだ。サミットに参加している先進7ヵ国はどこも徴兵制をやっていないよ。だから日本は憲法上も、必要性からも徴兵制にはなりません。
あかり:無理やり兵隊にされるのは嫌よね。私もぜったい反対! では、次の質問ね。
「憲法学者の先生たちが憲法違反だって言っているけど、大丈夫なの?」
佐藤:憲法学者のなかにも憲法違反ではないという人、違反だという人の両方がいて、違反だと言う人のなかには、自衛隊そのものが憲法違反だと言う人もいるくらい。
あかり:えー、専門の先生たちでさえいろんな意見があるのに、どう考えたらいいの?
佐藤:日本を取り巻く環境が厳しくなるなかで、国民の命を守るための必要な自衛の措置は、どこまでなの? ってずーっと議論してきたんだ。
佐藤:そして最高裁判所の判例の範囲内で、国民を守るために集団的自衛権の一部を認める「平和安全法制」をつくったんだ。だからぜったいに憲法違反じゃない。
あかり:知らなかった。最高裁判所が認めた範囲なら安心ね。
佐藤:武力行使や集団的自衛権のことばかり話題になるけど、まず大事なことは平和外交なんだ。自衛のためとはいえ、自衛隊が武力の行使をしなくてもよい国際環境をつくる外交努力が一番だと思うよ。
あかり:うん、大事よね。
佐藤:でも、万が一の事態に備えて準備をしておかなきゃいけないし、しっかり備えをしておけば、日本を攻撃しようとする国も、自分も大きな被害が出るから、攻撃をやめようと思うかもしれないよね。
あかり:抑止力!!
佐藤:その通り!! わかってきたね。でも、それでも攻撃を仕掛けてくる場合には、国民を守るために、自衛隊は対応しないといけないよね。
あかり:そりゃあ、ちゃんと守ってもらわないと。でも、どういう場合に自衛隊って対応できるの?
佐藤:自衛隊が動けるのは、国民を守るための必要な自衛の範囲内に限られるから、今回の平和安全法制でも厳しい歯止めをかけているんだ。つまり、むやみに自衛隊を出すことはできない。
佐藤:武力を行使する場合も、新三要件を満たして、国会の承認が必要な仕組みにしているんだ。
あかり:新三要件? なんだか難しそうな話に聞こえるけど。
佐藤:そうかもしれないけど、大事だからよく聞いて。これから言う三つの条件に当てはまらない限り、自衛権は使えないんだ。
まず一つ目。どこかの国が日本を武力攻撃してきた場合、日本と密接な関係にある国、たとえばアメリカなどに対して、武力攻撃が発生したことで、日本国民の命や平和な暮らしが脅かされる、明らかな危険がある場合に限るんだ。
あかり:日本が攻撃を受けた場合、というのはわかるけど、アメリカなどが武力攻撃を受けた場合っていうのは、たしかこの前会ったときに教えてもらったわよね。
佐藤:そうそう。紛争国から逃げる、日本人を乗せたアメリカの輸送艦が攻撃を受けた場合のことだったね。とにかく日本人を守るためでなければ、出動できない。それ以外の目的で、他の国を守るために武力を使うことはできないんだ。
あかり:日本を守るためだけなのね。
佐藤:では、新三要件の二つ目。これを排除するために他に適当な手段がないこと。何度も言っているよね。
あかり:日本の武力行使は最後の手段よね。
佐藤:そう。他って言うのは、外交などあらゆる手段をつくして他に手だてがないってこと。武力以外に日本の平和、日本人の安全を守ることができないって状態なんだ。
そしてその場合の武力の行使も新三要件の三つ目、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことと決められているんだ。必要最小限度ってことが大事。
あかり:うん、かなり理解できた気がする。でも、そうは言っても武力の使用を許すと、アメリカに頼まれて関係ない戦争に巻き込まれちゃうんじゃないかなぁ。
佐藤:それはありえないよ。さっきも言った通り、日本が武力行使をするのは、日本国民を守るために限るんだ。新たな日米合意のなかにもハッキリと書き込まれているからね。そのことはアメリカも理解しているよ。
かつての湾岸戦争やイラク戦争のような、戦争の参加を要請されたときには必ず断ります。
あかり:そう、そこそこ。アメリカとその約束がなければ、なんでもありになっちゃうからね。じゃあ、最後の質問。PKOのヒゲの隊長さんだからこそ、わかる質問よ。実際に国際貢献するときに、どんな苦労や問題があるか、教えてほしいな。
佐藤:ニュースでも話題になったので、覚えている人も多いと思うんだけど、具体的にどういう問題かというと、派遣された自衛隊は任務や武器の使用が制限されているから、自衛隊のキャンプ地近くの日本のNGOや、マスコミの人たちから守ってほしいという要請があっても、駆けつけて守ることができない。おかしいでしょ?
あと、建設材料や援助物資の輸送団を護衛できないとか、他国軍の医療部隊に医療技術の手ほどきができないとか。もう本当に現場は大変なんだ。
あかり:国際貢献でしっかり成果をだすためにも、現場にいる隊員さんが、危ない目にあったり、困ってしまうような状況は問題ね。
佐藤:だから今回の平和安全法制で、現場の自衛隊が迷ったり困ったりしないようにしてあげて、隊員の安全を確保しながら。さらに力を発揮できるようにするんだよ。
あかり:あっ、もう駅に着いちゃった。今日も隊長さんのヒゲのように濃い時間だったわ。ヒゲの隊長さん、ありがとね。See You〜。
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