新しい言語を学ぶのに遅すぎることはない
脳科学から見たバイリンガルのメリットとは

The benefits of a bilingual brain - Mia Nacamulli

2ヶ国語を習得している人をバイリンガル、3ヶ国語を習得している人をトリリンガルって呼びますよね。そんな多言語習得者が、実は3つの種類にわけられるということを知っていましたか? 1つ目は2ヶ国語を同時に学ぶ複合的バイリンガルで、2つの言語的法則を同時に学ぶ人。2つ目は家で学ぶ言語と学校や職場で使う言語が異なる場合。そして最後の3つ目は第二言語を自身の母国語のフィルターを通して学ぶような、従属的なバイリンガルです。また脳を、論理的思考を司る左脳と、創造的思考を養う右脳にわけて考えると、言語が双方にどのように関わるのかが見えてきます。子供の発達途上の柔軟な脳では右脳と左脳のどちらも使うことができるので、言語をより簡単に学べます。一方で大人は、左脳に言語領域を支配されています。そして大人になっても、言語を学ぶことを通じて脳をより健康的にすることができるのです。(TED-Ed 2015より)

言語習得の時期によってわけられる3つのタイプ

ミア・ナカムリ氏:「スペイン語を話しますか」「フランス語を話しますか」「中国語を話しますか」もし、あなたが「はい(si)」「はい(oui)」「はい(是的)」と答えたならば、そしてあなたがこの動画を英語で見ているのであれば、ひょっとするとあなたはバイリンガルかマルチリンガルの世界に属しているのかもしれません。

旅行が楽になったり、映画を字幕なしで見れること以外に、2つもしくはそれ以上の言語を知っていると、あなたの脳は、1ヶ国語の言語しか話さない友達たちと比べると、事実、違うように見たり、働いたりします。

言語を知っているとは、一体何を意味するのでしょうか。言語能力は、概して2つの能動的な部分、話す力と書く力と、ふたつの受動的部分、聴く力と読む力があります。

釣り合いの取れたバイリンガルは皆一様に、同等の能力を2つの言語で持ち合わせている一方で、世界中のほとんどのバイリンガルは、さまざまな割合でいくつかの言語を知り、使っています。

そして、彼らの状況、どのように彼らがそれぞれの言語を習得したのかによって、3つの典型的なタイプに分類できます。

ガブリエラの場合を例にとります。彼女が2歳のときに、彼女の家族はペルーからアメリカに移民しました。複合的なバイリンガルとして、ガブリエラは彼女の周りの世界を処理し始めるとともに、英語とスペイン語の両方を学びながら、1つの概念として、2つの言語的法則を同時に身につけます。

一方で、彼女のティーンエイジャーである兄は、英語を学校で学びながら、家族や友達とはスペイン語で話し続けることで、2つの概念をもつ、調整されたバイリンガルになるかもしれません。

最後に、ガブリエラの両親は第二言語を自身の母国語のフィルターを通して学ぶ、従属的なバイリンガルになる可能性が高いです。

アクセントや発音を気にしなければ、どのタイプのバイリンガルの人々も、言語に十分に熟達できることができます。初対面の人々には、その違いはわからないでしょう。

でも最近の脳画像処理技術の進化が、どのように言語を学ぶことで、ある特定の部分がバイリンガル脳に影響を与えるのか、神経言語学者にある見方を与えました。

これは程度の問題で、絶対的にわかれているというわけではありませんが、左脳はより優性で、論理的思考をつかさどり、一方で、右脳は、感情的な、そして社交的な分野でより活動的になるということはよく知られています。

バイリンガルは子供にとって不利だと思われていた時期があった

言語が双方の作用に関わるという事実は、側性化(右脳・左脳の機能の分化)が年齢と共に徐々に進んでいく一方で、「臨界期仮説」を導きました。

この理論によると、言語習得において子供の発達途上の柔軟な脳は、右脳と左脳のどちらも使うことで、言語をより簡単に学びます。一方でほとんどの大人は、言語はいずれかの脳──ほとんどの場合は左脳ですが──に支配されます。

もしこれが事実なら、子供のときに言語を学ぶことで、言語の社会的、そして感情的な背景の全体感を理解することができるでしょう。

反対に最近の研究では、大人になってから第二言語を学んだ人々は、ネイティブの人々に比べて、第二言語で問題に直面した時、感情的な偏見が少なく、より論理的なアプローチを発揮することが、明らかになっています。

あなたがいつ追加の言語を習得したかに関わらず、マルチリンガルになることはあなたの脳に注目すべき利点を与えます。そして、利点のいくつかは目で見ることができます。

例えば、あなたの脳のニューロンとシナプスのほとんどを含む脳の灰白質の密度がより高くなり、そして第二言語を使用しているとき、ある特定の部分がより活動的になります。

高められたバイリンガル脳は、アルツハイマー病や認知症のような病気の初期症状を5年くらい遅らせるのに役立ちます。

バイリンガルの認知的利点の主要な考えは、今は直感的なようなものかもしれません。でもこの考えは、前時代の専門家を驚かせるでしょう。

1960年以前は、欠点のある調査に起因した見解により、バイリンガルになることは、子供たちに2つの言語を使いわけるエネルギーを使わせることで成長を遅らせる、ハンディキャップとみなされていました。

そして最近の調査では、複数の言語テストにおいて、バイリンガルの生徒は反応時間と間違いが増すということがわかっています。その調査では、より活動的に動いている言語間で切り替え、背外側前頭前皮質を潜在的に強めるために、より多くの努力と注意が必要であることを示しました。背外側前頭前皮質は、問題解決、マルチタスク、不必要な情報を取り除き集中するといった重要な働きをつかさどります。

バイリンガルは、あなたを必ずしも賢くはしないかもしれませんが、あなたの脳をより健康的、複合的、活動的に従事させます。たとえ、あなたが第二言語を幼少期に学ぶといった運を持ち合わせていなかったとしても、あなた自身にお願いし「こんにちは(Hello)」「こんにちは(Hola)」「こんにちは(Bon jour)」「こんにちは(您好)」から、言語的チャレンジを始めるのには遅すぎることはないのです。

なぜなら私たちの脳に関していえば、小さなエクササイズが長い道のりになりうるからです。

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