勾留されて初めて精神安定剤を飲んだ

委員長:次に、井出庸生君。

井出庸生氏(以下、井出):維新の党の信州長野の井出庸生です。堀江さん今日は、たってのお願いをさせていただいて、来ていただきありがとうございました。

私は、この場に堀江さんをお呼びしようと思っていた時に、堀江さんは裁判で有罪判決を受けていらっしゃるので、大変辛いことをお話いただくことになるのかなと憂慮しておりました。

今日の委員会、各議員の先生方にも、法曹関係者、実務経験者の方が多いんですが、私はそうした検察官や弁護士。裁判官は今の委員にはいらっしゃいませんけど。その人達の、今までの実務者の常識の中で悪かった部分を変えていこうというのが、今回の改革の魂だと思っておりますので、ぜひお力をお貸しいただきたいと思います。

まず、保釈の関係で、勾留の辛さというところについて伺います。私、かなり前なんですけど、堀江さんが書いた本を読まさせていただきまして。

堀江さんが拘置所にお1人でいる時に、大変孤独で辛い状況だったと。その時、夜に、刑務官が顔は見えないけど、姿も見えないけど、あまり辛いようだったら、少しの時間だったら、話し相手が出来るよと言ってくれたと。

その時、堀江さんは、人間の温かみというか、刑務官の気持ちがすごく伝わって、布団の中で号泣されたというようなエピソードを書かれているんですが、お1人で勾留をされると。接見が禁止されると。そのことの辛さというものを改めて教えていただきたいと。

委員長:堀江参考人。

堀江貴文氏(以下、堀江):多分、人による部分もあると思うんですけど、ほとんどの人達が辛さを感じるとお思います。私もそれまで飲んだことがなかった精神安定剤であったりとか、睡眠薬というのを処方していただいて飲んでいました。

そうでもしないと、頭がおかしくなってしまうと。僕はそれまで精神安定剤の類のものを飲んだことがなかったんですけれども、勾留されて初めて飲むにいたりました。さらに言うと、私の場合は、有名だったりということもあって、特に隔離されてました。

運動の時間とかって、他の被疑者、被告人の人達と会う機会が通常はあるんですね。ですけれども私は厳格に管理をされてまして、他の人達とは一切顔を合わせないような運用をされてまして、そういった部分でも、本当に精神的に圧迫されていたと。

逆に言うと、そこまでやる必要はないわけですよ。そこまでやる合理性というのは全く無くて。それはだって、一応推定無罪の状況ですので、被疑者、被告人に対して、そこまで精神的苦痛を与えてまで、社会から隔絶して、さらに1人でずっといさせる必要というのは恐らく、恐らくじゃない、絶対ないわけです。

なので少なくとも、人としゃべれるような状況ぐらいは作ってもいいんじゃないかなと思います。そこに関しては非常に非人道的だと。

勾留時に課せられる様々な制限について

堀江:孤独が好きな人はいいんですよ。そういう人ももちろんいますから。ですけれども、ほとんどの人達は孤独が嫌だと思うんですよ。そういった人達が、単純に僕の場合は、罪証隠滅及び逃亡の恐れがあるから、勾留されていたんだとすれば、それさえ担保されていればいいわけで、それ以上に精神的苦痛を与えることはないと思いますので、他の人達と会う場がある。運動の時間ぐらいいるとか。そういうふうなことをしていただいてもいいのかなと思います。

それ以外は、僕の場合、雑誌、新聞も見られないような制限がかかってました。これはなんでか分からないんですけど、そういった部分も制限は必要なかったんじゃないかなと思います。

あとね、村木さんにこの間お伺いしたんですけど、彼女の場合は、接見禁止が付いていなかったらしいんですね。それも分からなかったらしいんですよ。通知されないのか、弁護士さんが気付かなかったのか、よく分からないんですけど。でも、あまりそういうことって考えられないと思うので。その辺の制度も結構複雑なんですよ。勾留なんかに関しても。

あともう1つ。僕2回逮捕されたんですけど、裁判所に勾留許可を取りに行くんですね。地下の薄暗い部屋に何時間も閉じ込められて、裁判官がポンっとハンコを押して、そのまままた拘置所に護送されるんですよ。そういう謎の制度があって。

謎っていうか、勾留を10日とか20日できるようにするための制度なんですけど。ほとんど9割以上、ハンコを押されて勾留されるんですよ。なんですけど、それも正直精神的には非常に辛いです。裁判所の地下に閉じ込められるので。

朝9時とかに着いて、夕方の3時とか4時ぐらいまでそこに閉じ込められて。窓もなくて、昔、投獄された人の落書きとかがあって、みたいなところに閉じ込められて。これも非常に精神的負担になります。これの改善もされたらいいのかなと思います。今回の案と違いますけど。以上です。

刑事司法制度改革のあるべき姿とは

委員長:井出君。

井出:ここ数年は保釈率が上がってきていて、その1つに公判前手続きが進むことで、保釈が早まる傾向があるということも、この委員会で議論があったんですが。

堀江さんが保釈された当時の記事を、私も昨日、一昨日振り返ってみますと、公判前手続きのために、当時は異例のスピードで保釈が認められたと。裏を返せば、堀江さんの事件の保釈というものが1つ現状の保釈に対しての問題提起だったのかなと思います。

私から最後に質問したいのは、今回の法改正の改革の魂というのは、冤罪を少しでもなくしていくことだと。刑事司法制度というものは、もちろん被疑者、被告の人権もそうですが、捜査の真相究明ですとか、裁判で真実を究明するという治安の部分も当然あると思います。

そのバランスが難しいと言われていることは、私も理解してきましたが、ただ今回に関していえば、村木さんの事件やその他多くの冤罪事件に対して、どう手を打っていくかというのが、この改革の魂だと私は思っています。

そういう意味で、この法案全体を見た時に、先ほど陳述の中でも、検察の権力。力の強さというものに触れられておりましたけど、今回の政府案というものが、警察の力が被疑者への配慮へ行き届いたものになるのか。それとも、よりいっそう検察の力が大きくなると思うのか。そのあたりを、大きな視点からお話いただきたいと思います。

検察の力の強さを改めて思い知った

委員長:堀江参考人。

堀江:一言でいうと焼け太りだと思います。郵便不正事件で、社会的に叩かれたにもかかわらず、いつの間にか捜査権限拡大に持っていくところは、さすが検察だなと。戦後の司法制度改革すら切り抜けた検察の力の強さをあらためて、思い知ることになりました。非常に強い政治権力をお持ちなんじゃないかなというふうに思います。

ここに関しましては、今回の司法制度改革には盛り込まれてませんけれども、検察官の独自捜査権限を減らすべきだと私は思います。というのは、検察官1人で捜査を始めて、自分がストーリーを描いた事件は当然起訴したいと思うでしょう。

そうすると、そういうことが原因となって、要は無理やり起訴してしまうと。例えば、郵便不正事件なんか多分そうだと思うんですけれども、自分でも引き返せなくなってしまうと。

これが捜査に関して分離した独立した機関。警察であったりとか、もしかしたら、アメリカのFBIみたいな組織を作ってもいいと僕は思うんですけど。

そういった独立した別の機関が捜査を行い、その捜査機関が送検してきた事件に関してダブルチェックをすると。別の組織の観点から見て、起訴をすると。

起訴に関しても、本来であれば、起訴陪審的なものを導入して、今の検察審査会も拡充すればできると思うんですけど。

そういったものをやって、検察官以外も起訴に関して、判断をすることが出来るような状況を作り出すべきというのが、今回の司法制度改革でやるべきことだったんじゃないかなと思いましたけど、全く触れられていないのは非常に残念です。以上です。

委員長:ありがとうございました。

受刑者の多くが社会復帰後、もとの暮らしに戻れない

委員長:最後に清水忠君。

清水忠氏(以下、清水):日本共産党の清水忠と申します。今日最後の質疑者となります。堀江さん、本当に今日はどうもありがとうございます。今日は朝から、検察官と弁護士という方が質疑しましたが、私は元漫才師ですので、最後気軽に、言い残したことをどんどん言って、帰っていただければと思います。

最初に、国民の皆さんが一番感心のあることを聞きたいと思いますが、堀江さん、儲かってまっか?

委員長:堀江参考人。

堀江:そんなに景気が言いわけじゃないですよ。

委員長:清水君。

清水:と言いますのは、勾留されたり、刑務された方が、社会復帰して、従前の生活を取り戻したり、自らの営業活動に赴くのは、なかなかの困難を要することだと思っております。

それで今日は、ご自身の経験も含めてお伺いさせていただきたいんですが。先ほどから、検察官と被疑者、被告の間には、大きな力の差があるとおっしゃいました。

これを対等に持っていくためには、防御権を確立するというためには、先ほど弁護人の立会いが必要ということも言われたと思うんですが、その他、どういったことが必要だというふうにお考えでしょうか?

委員長:堀江参考人。

堀江:先ほども言った通り、検察官の権力が非常に強すぎるというのもあります。一応、行政府に属するわけですけれども、検察官起訴便宜主義に代表されるように、起訴、不起訴の権限を実質的に彼らは保有してますので、準司法的な役割を彼らは担っているというふうに、私は思っております。