なぜガラスは透明なのか?
普段は気づかない、目の前にある不思議

Why is glass transparent? - Mark Miodownik

窓ガラス、メガネ、顕微鏡……。人類は何世紀にも渡りいろいろな方法でガラスを利用してきました。ガラスなくして現代の文明は想像できません。さて、透明なのが当たり前のガラスですが、なぜ透明なのかはあまり知られていません。優れた学習ビデオを数多く提供しているTED-Edでは材料科学者Mark Miodownik(マーク・ミオドウニック)氏の監修のもと、ガラスが透明な理由について、原子や原子核、電子のレベルまで図解して、わかりやすいアニメーションを用いながら解説しました。(TED-Ed2014 より)

ガラスはなぜ透明なのか?

マーク・ミオドウニック氏:窓を覗いてみてください。

必要なら眼鏡もかけて。双眼鏡や虫眼鏡も持って来たくなるかもしれませんね。

さて、何が見えますか? まぁそれが何であったとしても、あなたの目の前にあるのは何層にも重なったガラスではないはずです。

しかし、なぜこんなに硬いものが目に見えないのだろうと、不思議に思ったことはありませんか?

それを理解するためには、ガラスが本当はどんな物で、どこから来たのかということを理解しなければいけません。

全ては、ケイ素と酸素という2つのよく知られた元素から成る「地殻」から始まります。

この2つの元素が反応し、二酸化ケイ素が作られ、分子が結晶化し水晶になります。水晶は一般的には砂の中から見つかります。

砂粒のほとんどが水晶の場合もあり、ガラスの主な材料として使われます。

もちろんお気づきでしょうが、ガラスは大量の小さな水晶から出来ているわけではありません。

1つは、硬い粒子の端と結晶内の小さな傷が、当たった光を反射し錯乱させてしまうからです。

しかし、水晶が十分熱されると、余分なエネルギーが分子を振動させ、分子同士の繋がりを壊し、氷が水の中で溶けるように流体に変わるのです。

しかし二酸化ケイ素は水とは違い、冷めても硬い水晶に戻ることはありません。

代わりに、分子はエネルギーを失い、どんどん正しい位置に動けなくなり、その結果「非晶体」と呼ばれるものになります。

これは固体でありながら、液体の混沌とした構造を持ち、分子が自由に隙間を埋めてしまうのです。

これがガラスの表面を細かいレベルまで均一にし、光が当たっても散乱しなくさせるのです。

しかしこれでもまだ、なぜ光はガラスの時は通り抜けられ、他の固体の時のように吸収されないのか、説明できていません。

それを知るためには、原子よりももっと小さいレベルまで行かなければなりません。

原子には原子核があり、電子がその周りを回っているのはご存知かと思います。しかし、原子のほとんどが空間だということはご存知ないのではないでしょうか。

実は、もし原子がスポーツスタジアムくらの大きさだったら、原子核はその中心にぽつんとある小さな豆粒のようなもので、電子はスタンドの砂粒のようなものなのです。

そこには、他の粒子状物質に当たることなく、光が通り抜けられるたくさんの空間があります。

ということは、本当の質問は「なぜガラスが透明なのか」ではなく「なぜ他の物体は透明でないのか」が正しいでしょう。

ガラスが透明な理由は原子にあった!

その答えは原子にある電子の異なるエネルギーレベルに関係があります。

これらをスタジアムの異なる列の席だと考えてみてください。

電子は始めに座る列が決められていますが、エネルギーがある時は、途中でもっと良い列に飛び替わることがあります。

原子を通過する光子を吸収できれば、それだけで電子が必要なエネルギーを補給できてしまうのです。

しかしそこには落とし穴があります。光子からのエネルギーが、 電子が次の列に移れるだけのちょうどの量でないといけないのです。

そうでなければ、光子はただ通り過ぎ、ガラスで起こっていたように、目に見える光子の列が離れ過ぎ、電子が列を飛び替わるのに必要なだけのエネルギーを供給できなくなるのです。

一方で、紫外線からの光子はちょうどの量のエネルギーを供給することができ、吸収されます。

ガラスを通して日焼けができないのはこのためです。固体なのに透明であるというこの2つの素晴らしい特性を持ち合わせたガラスは、何世紀にも渡りいろいろな方法で利用されてきました。

他の物を遮断し光だけを差し込ませる窓から、私たちに地球を超えた無限の世界や私たちの周りにいる小さなものを見せてくれるレンズまで。

ガラスなくして、現代の文明は想像できません。そんなに重要な物質であるのに、私たちは普段ガラスについて考えることはほとんどありません。

それはなぜなら、一番重要で便利なガラスの性質は、私たちがそこにあることを忘れてしまうほど特色がなく目に見えないということです。

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