自民党に要注意人物としてマークされていた!?

ふくだ峰之氏(以下、ふくだ):皆さん、こんにちは。火曜日のCafeStaです。本日もお届けさせていただきたいと思います。火曜日は『イケてる女子とイケてる地方を売り込め!』という番組で、今日も1時間ゲストを交えてお話をしていきたいと思います。みなさん、今日は大物です!

土屋敏男氏(以下、土屋):大物でしょうか?(笑)

ふくだ:大物です! 大物であると同時に、撮影するスタッフも、編集するスタッフも「何か言われるんじゃないか?」といって、今日はいつもと違って恐れてます。今日のメンツは。

土屋:僕はこういう局に出していただいたりとか、インターネットとかに出していただいたりとか、緊張することはないんだけど、今日は珍しく緊張しているんですよね(笑)。

20年くらい前に『電波少年』っていう番組があって、自民党にアポなしで来るっていうのが、その外側から入ってくるというイメージの場所なので。

ふくだ:今日はいいんですもんね? 今日は「来てください」って話ですもんね。

土屋:でも、入口で警備の方に声かけられたんですよ。「どちらへ?」って言われて、「CafeStaに」って言ったら、「あ! 土屋さんですね!」って言われたんですよ。

ふくだ:覚えているんですね。

土屋:「うわ! バレてんだ!」って思って。入れてくれないのかな、って思って。

ふくだ:多分、自民党に「要注意人物登録」っていうのがあるんですよ。

土屋:あぁ……。

ふくだ:多分、過去にそういう登録がなされているんではないかと!

土屋:かもしれないですね(笑)。と思ったら、警備員の方が「前、見てました!」って言われて、あ、そうなんだと。

ふくだ:ということで、今日のゲストはLIFE VIDEO代表取締役の土屋敏男さんでございます。今日はよろしくお願いします。

『電波少年』が生まれたきっかけ

ふくだ:早速、いろんなご意見がきてますけども。自民党に『電波少年』で来たっていう、その思い出話からいきましょうかね。せっかくですからね。

土屋:一番最初って、麹町にあったんですよね。麹町に日本テレビがあって、最初の頃にアポなしという形でいろんなところに行く。最初が大手町の住友金属の岡山さん(岡山恭崇氏)っていうバスケットの選手がいて、その人に「高い高い」をしてもらったら、日本一高い「高い高い」だろう、ということで、松本明子が行ったのが、これが第1回の放送なんですけど。とにかく、お金がなかったんですよ。

ふくだ:あれ? 第1回目って、松村さんじゃないの?

土屋:松本明子、松村邦洋っていう2人でやってたんですよ。松本も行ったし、松村も行ったし。実は、7月に始まった番組で、9月までの3カ月のいわゆる「つなぎ番組」だったんですよね。

つなぎ番組なので、「とにかく土屋。金ねーぞ!」って言われて、金はないけど30分やんなきゃいけないじゃないですか。麹町じゃないですか。アポなしじゃないですか。アポなしがおもしろそうだなって思ったんで。どこ行くかっていうと、近いんですよ、ここがね。歩いて来れるんですよ。

ふくだ:確かにそうだ(笑)。

土屋:千代田区内でできるっていうんで、非常に頻繁に永田町に来させていただき。ここも、自民党本部の総裁室。「総裁室の総裁のイスに座りたい!」っていうので、来たんですよ、松村君が。

そしたら、たまたまハマコーさんがいらっしゃって、ハマコーさんが、たまたま『電波少年』をご存知だったのか、カメラがいることがわかったのか、「よしよし、俺が連れてってやる!」っていって。アポなしですよ!

それで中に連れてってくださったんですよ。総裁室に入ろうとしたら、お掃除のおばちゃんがいらっしゃいましてね。お掃除のおばちゃんが、モップをこうしながら、「怒られるわよ〜」って、ボソッと言ったのを覚えてますね。

ハマコーさんはそれを聞こえてるんですけど、「いいんだよ!」って言って、ハマコーさんと掃除のおばちゃんが、非常にフラットな関係で会話が交わされているのが、非常に印象的な自民党の開かれた感じ、というのでしょうか。

ふくだ:自民党は、そういう意味では、掃除されている方も、コーヒー出してくれる人もみんな同一ですから。 

土屋:そうなんですね。「やっぱり、私のほうが古いわよ!」みたいな感じもあるんでしょうね。

ふくだ:「あなたがおしめしてる時から、私はここでコーヒー出してたわよ!」っていう先輩もいらっしゃるわけですから。バカにできません!

土屋:それで、中に入って総裁室でイスに座らせていただいた、っていうのが、これは初期の名作と言われるものでしたね。

ロケバスの番号を覚えられ、警備員に追い出された

土屋:あとは、今は社会党でなくなってますけど、社会党で眉毛を切らせていただいた村山さんのエピソードがあって、これもすぐ近くですよね。

ふくだ:すぐそこです!

土屋:『電波少年』は10年半やったんですけど、その歴史の中に、ここは非常にたくさん出てきますし、首相官邸もかなりたくさん行ったんですよね。かなりたくさん行ったんで、ロケバスで行くんですけど、ロケバスの番号見ただけで『電波少年』だってことがわかっちゃうんですよね。

ロケバスが走ってると、お巡りさんが、「ただいま○○番、『電波少年』通過」みたいな(笑)。それで降りようとすると、そこにお巡りさんがいて、「降りるな、乗ってけ!」っていう感じとか。

あと、念書みたいなの書かされるんですよね。「『二度と来ない』っていうところに名前書け!」みたいな(笑)。現場のプロデューサーが。そんなことをひとつひとつやってましたね。あとは「大臣のイスに座りたい!」とか。

ふくだ:しかし、今思うとこれ、僕らもおもしろかったと思うけど、つなぎ番組かもしれないけど、なんでこんなこと思いついちゃうんですか? そもそも、ひらめかないですよ。普通はこういうことやろうとも思わないじゃないですか。

土屋:そうですね。やっぱり簡単に言うと、人がやってないことをやりたいんですよね。人がやってないことで、おもしろいことで、お金もかからなくて、みたいなことで「アポなし」ってのを何となく。ある種の偶然の産物でもあるんですけど、やったらおもしろい。

テレビってそれまでアポなしで行くと会えないことがあるじゃないですか。「会えない」っていう決着の仕方は、あんまりしないんですよね。「会えるまでが遠足じゃないけど、番組です!」みたいな感じでやるんですけど(笑)。

「会えないは会えないで終わっちゃってもおもしろいんじゃないか?」って思って、そのまま会えないまんまやったら、当時の高校生くらいですかね。「こんなの見たことない!」「いわゆる予定調和じゃないものがおもしろい!」って、高校生くらいから火がついて、段々広がってった、っていう感じですね。

人がやってないことをやりたかったのと、あともうひとつ、まじめなことを言うと、やる時にたまたまアンケートで、原宿の竹下通りで、当時の女子高校生に聞くと「日本の総理大臣って誰ですか?」って聞いたら、わかったのが3割以下だったんですよ。

「これはどういう意見を持つにしても、日本の総理大臣の名前くらいは知っていたほうがいいだろう!」と。ということで、ここに来ていろんなところを回ると「今の大臣って○○なのね」とか、「ハマコーってこんな人なのね」とか、「村山さんってこんな人なのね」っていうことはわかるじゃないですか。

やっていること自体は「眉毛を切りたい」って大変失礼なことだけど(笑)。そんなことは、実はちょっと思ってましたね。

「アポなし」からはじまり、遂には政治家から声が掛かったことも

ふくだ:見せ方なんでしょうね。それによって、村山さんは知名度が上がったわけで、彼が発信することに対して、例えば高校生が耳を傾けたりだとか。間接的ではあるけれども、政治の関心を高めたのも事実なんじゃないんですかね?

土屋:多分そうだと思います。これは変な話なんですけど、最初アポなしで行くと、自民党に来ても、首相官邸も、追っ払われるじゃないですか。「来んな〜!」って言われるわけですよ。ところが、一番早かったのは森さん。森さんが何かでたまたま松村と出くわして、何かをしたんでしょうね。

それで選挙区に帰った時に、それまで反応のなかった高校生とかが「あ! 森先生! 観ましたよ!」みたいな感じとか、「子供が観たって言ってました!」とか、今までじゃない層が観たっていうことを言われたんだと思うんですよね。

それからアポなしで行くと、僕らアポなしで行くからいないこともあるじゃないですか。そうすると、そこの人が、森先生の秘書か何かに言うんでしょうね。「何時からどこどこにいるから、そこに来い!」って、逆に連絡が来るようになったんですよ。

(会場笑)

政治家の人って逆にすごいなっていう。そういう嗅覚っていうんですかね。相変わらず官僚とかはやっぱりダメでしたけど、政治家の方は割とウェルカムになるのが早かったですね。

ふくだ:そこが敏感でないと、政治家になれないんですよ。

土屋:そうですよね。

ふくだ:結局、マスを取って票を取らないといけないとなると、やっぱりそこの嗅覚が鋭くないと、この世界で残っていけないですね。そういう意味では、森さんは総理にまでなる人だから。大したもんですね。

土屋:すごいな、と思いました。

ふくだ:アポなしでやっていこうというコンテンツが賛同されて、みんなが観にくるようになって、認知度が高まって、逆に「来てくれ」ってなって。これって今日のテーマで言えば、地方創生だったりとか、女性の活躍だったりとか。

今まで埋もれていたものを再度呼び起こして、まず関心を持ってもらうという意味において、『電波少年』で考えていたこととか、やってきたことって、全く関係ないようだけど、「何にもないところを何とかせなあかん!」という危機感とか、あるいは「やらなければならない!」というものがあった時に、何かもうちょっと、地方が目覚める起爆剤を作り上げられるんじゃないかな、っていうふうに、土屋さんの話聞いていると思うんですよ。

人がなぜ動くのかを突き詰める

土屋:結局、人間が動くわけじゃないですか。人間がなぜ動くのかを、突き詰めていけばいいと思うんですよ。例えば、テレビ番組も、よく視聴率、視聴率っていうけど、やっぱりおもしろいから観てくれるわけですよね。おもしろい番組はみんなが観る。『電波少年』っていう番組も、確かに視聴率が良くなっていくんですけど。

なんでかっていうと、自分の想像を超えるんですよ。例えば「おもしろいな」って思っても、「だいたいこんなもんだろうな」って思うと、そこで終わりんですよね。実は「来週観ようかな」っていう思いは、自分の想像を超えたから来週観ようとするんですよね。

だから、いろんな施作なり、何なりをする時に、どこかで「驚き」みたいなものがないと、人は動かないっていう気はしますよね。当たり前のことをやって「地方創生」って言っても、手前に「なぜ人間は動くのか?」っていう、「なぜ人間は人と交わろうとするのか?」とか、「出ていこうとするのか?」とか、そういうことをもうちょっと突き詰めて考えていくべきだと思いますね。

ふくだ:そういう中で「土屋さん、今、何やってんだ?」っていう話もあったんで、ちょっと今何やってんのか、ってところを聞こうと思うんですが(笑)。

土屋:LIFE VIDEOって会社は、別に日本テレビを辞めさせられたわけではなく、一応日本テレビの中でやってるんですけど(笑)、これは個人の人生とかをビデオにするっていう形なんですけどね。

そういうことをやっているうちに、僕は鎌倉に住んでるんですけど、「カマコンバレー」、シリコンバレーの鎌倉版みたいなグループ、NPOみたいなものがあって、そこに誘われたんですよね。

カヤックっていうインターネットの会社があるんですけど、そこの柳澤さんっていう人に誘われて、「やりましょうよ!」って言われて、僕もついふらふらっと行ったら、ITを使って街を盛り上げるみたいな話があったので、だったら「昔の写真を集めて、今の写真を対比して、そういうアプリを作ったらどうだ?」って思って「鎌倉今昔写真」ってアプリを作ったんですよ。

それがこれなんですけど、わかりやすくiPadになってて、例えばこれが昭和28年の写真で。

ふくだ:横浜振興銀行?

土屋:今はない銀行ですよね。銀行の建物がそのまま残っていて、それが「ザ・バンク」っていうバーになっているんですよ。これが昭和28年ですから、1953年。だから、62年くらい前の写真。

こういうふうになってまして、昔の写真がこうですよね。今の写真はこうなっているという。

ふくだ:同じ場所で撮るわけですね?

土屋:昔の写真を見つけて、提供されたら同じ場所で撮って、このアプリに入れる。そういうことをやってるんですね。