イベントに来ていた女性を妹として撮影

青山『僕の妹は、写真家になりたい。』これは珍しく、自分から持ち込んだ企画です。

古賀:1人の人をずっと撮ったんですよね。

青山:そうなんです。これは、まさにこういうイベントで、一番前に赤いワンピースを着た女の子が、真ん中で座ってたんです。で、ずっと見てたんです。さっき「いいことはない」って言いましたけど、気になっちゃって(笑)。ずっと見てるから。

それで、別に怪しい意味じゃなく、気になったから、イベントが終わった後に「ありがとうございます」って声かけて、「ちょっと1回撮らせていただけませんか?」って。怪しいか(笑)。

僕は普段言わないんですよ。自分からハンティングしないんですけど、気になったから1回撮ってみたんです。そうすると、撮りながら、また撮りたいと思ったから。

でも、そういうことは滅多にないんですよ。「どういうことかな?」と思って。でも、別にこの子が好きとか、そういうことでも、もちろんないんですよ。付き合いたいとかいうのでも全然ないし。でも撮りたいと思って。

ある時わかったのが、妹に見えると思ったんです(笑)。

古賀:青山さん、兄弟いるんですか?

青山:僕は、もともとずっと一人っ子で、いまは年の離れた妹はいるんですけど。まだ10歳です。だからいるんだけど、実感はないんです。いわゆる「妹感」がない。

古賀:親戚みたいな。

青山:そうです。となると、妹になってほしいっていうか。その子がすごい、なんというか、理想の感じなんですよ。要するに僕が抱いた気持ちは、「あ、この子に悪い虫絶対付いて欲しくない!」だし、もう家族的な。

だからその子に対して、いやらしい気持ちもないんです。だからこの写真集は、たまたまというか、彼女が高3になる時で、高校を出たら写真の大学に行って、写真家になりたいっていう子だったんですね。僕のトークイベントに来てくれたタイミングが。

そうしたら、「じゃ、1年間、妹として撮らせてください。僕が写真を教えます。教えるから、君も写真を撮っていって、1年間撮りためて、一緒に写真を展示しよう」ってなったんです。「僕は妹を撮る。妹は日常を撮る。それを1年間やろう」みたいなことで、出版は決まってないんですけど、とにかく撮り始めていたんです。

出版社には、別の全然違う企画を持って行ったんですよね。「こういうのを出しませんか」って。そうしたら、それは決まらずに、「ま、ついでにこういうことやってます」って、「妹が……!」っていう話をしたら、出すことなって。

1年間写真を教えて、妹としか見えなくなった

古賀:この本に、この女の子が撮った写真も載ってるんですか?

青山:載ってます。4月から3月まで、カメラは本当にガチで、僕が写真をはじめた時のFM10っていうマニュアルのカメラをあげたんです。フィルムカメラから撮らせて。

最初上手く撮れないじゃないですか。でもその写真とかも載せて、最後上手くなっていく、みたいな。本当にでき過ぎだと思うんですけど、その子も人見知りな子で。昔の自分に似てたので、ああ兄妹っぽいなと(笑)。

特に夏、すごい写真が楽しくなってきてくれたんです。だけど9月になって2学期になって、撮りたいけど、学校でカメラを人前で出せない……恥ずかしい……みたいな。

でも、「いや、頑張って出してみたら」みたいな感じで、人前で出して、まずは友達を撮って。でも最終的にはクラスで撮れるようになって。その時の体育祭とかの写真も載ってるんですけど。

妹はだんだん撮れるようになって。で、一番撮りたい子がいて。助かったのは、一番撮りたい子は女の子だったので。それが彼氏とか言われてもちょっと何かね(笑)。

古賀:お兄ちゃんとしてはがっかりしますよね(笑)。

青山:そう。でもリアルに、すごい憧れの女性が大阪にいるから、その子を撮りに行ってもらって。大阪まで派遣して。で、撮ってもらった写真が、とてもいいんです。

僕も妹を30回ぐらいかな? 撮影して。最後は卒業で、桜。やっぱりその子も1年経ってると、顔が全然違うんですよ! 僕も今、妹としか見えないんで(笑)。今その子は日芸の写真学科で、大学2年になったんですけど、頑張ってるんですよ。っていう本です。

古賀:この人も、写真家として出てくる可能性が全然あるんですよね?

青山:そうですね。

人に教えることで、自分に返ってくるものがある

青山『思春期ごっこ』。これは映画の企画で、2人の。やっぱり関係性がすごい気になりますね。でも水中ニーソも、ペアとかやってますよね?

古賀:実は撮り始めてて。

青山:やっぱり違いますよね?

古賀:違いますね。前にミュージックビデオで実はやってるんですけど、水中はまた独特の問題があって、打率が低いんですよ。10枚撮っても1枚ぐらいしか使えないみたいな世界なので。

だから打率がある程度ないと、低いもの同士掛けあわせても駄目じゃないですか。ですけど、撮ってるうちに、相当高打率で水中で顔とかポーズを決められる子たちが出てきたので。そのAクラス同士だったらっていう感じですね。

青山:今まで撮った中の、打率の高い女の子同士がコラボレーションすると。

古賀:1軍同士というか。

青山:なるほど。わかります。すごい難しいですね。

青山『新しい構図』。これは写真の教科書の第2弾ですね。最近教える機会がすごい多くて、ワークショップとかゼミとかやってまして、今日もその生徒が来てくれてますけども。

古賀:写真って、表現でもあるんですけど、同時にお稽古事だったりするじゃないですか。

青山:そうですね。

古賀:お稽古事の先生でもあるってことですよね?

青山:今はそうですね。僕は、全然イメージないかもしれないですけど、撮り方を教えてて、撮られ方もずっと教えてるんですよ。もう7年ぐらいやってるんですけど、美容の専門学校で、モデルコースっていうのがあって、そこで撮られ方を。どう動くだとかっていうのを、ずっと教えてるんです。

だから、それって教えながら、すごい写真に活かされてて。教えながら、自分に返ってくるところもあるんですよね。

独特の表現を始めるとお手本がいなくなる

青山:写真って、もちろん水中で写真撮ってる方も他にもいるとしても、自分で何とかするしかないじゃないですか。教科書とか、師匠とかじゃなくて。

古賀:青山さん、師匠いるんですか?

青山:いないです。でも、さっき古賀さんが『スクールガール・コンプレックス』のことを発明って言ってましたけど、水中ニーソも発明だと思うんです。撮ってて、もう古賀さんにしかわからない「こう撮るといい」みたいなのがあって。

古賀:ある程度抜けてくると、お手本がいなくなるじゃないですか。

青山:なるほど。そうですね。

古賀:海外のアーティスト含めて、水中ポートレートとかありますけど、ある程度出揃ったところから、一番独特の表現みたいなのにすべった途端、お手本がいなくなる世界で。

あとは現場でモデルにレクチャーしながら、「あ、こういうことか」みたいな発見を毎回するんですよね。

青山:撮りながら発見しますよね。その感じは、実は教えながらすごいあって。だから、「教えてます」って言ってますけど、すごい教わってるんですよね。そういう気持ちはあります。

ブルマは完全にネイティブ

青山『さよならブルマ。』。『スク水』に続きまして。

古賀:一迅社のシリーズ(笑)。

青山:そう。一迅社のシリーズです。

古賀:さっきから、フェチものはだいたい一迅社なんですね。

青山:これ、今まで誰にも言ってないことを、今日言ってもいいですか?

古賀:はい。

青山:本当に誰にも言ってないんですけど、僕、ブルマがすごい好きなんです。

(会場笑)

古賀:最初から?

青山:はい。……以上です。だから、これも実は、最初別の企画だったんですけど。

古賀:じゃあこれは青山さん企画なんですね。

青山:さも企画で撮ってます臭を出しつつ、とっても思い入れのある企画なんです。(『さよならブルマ。』っていう書名で)後ろ髪引かれながら、別れを告げている。

古賀:ブルマなくなりましたもんね。

青山:そうなんです。だからこの本は相当クオリティを。さっきの『絶対領域」とか『スク水」はね。

古賀:付け焼き刃だからね。

青山:これはもう大丈夫です。ネイティブ。

古賀:ブルマネイティブ(笑)。

青山:だから、研究してません。思いのたけをぶつけてます。