メディア界のユニクロを目指す--元LINE森川亮氏がC Channelのコンセプトを語る

森川亮氏に聞く「シンプルに考える」仕事術 #5/5

ブロガー・作家のはあちゅう(伊藤春香)氏と、カラーズ・経沢香保子氏による有料オンラインサロン「ちゅうつねカレッジ」の特別セミナー「ちゅうつねボーナスセミナー」が開催されました。ゲストとして元LINE代表でC CHANNELの森川亮氏が登壇し、「『シンプルに考える』仕事術」を説きました。本パートでは、企業が悩む二者択一のテーマ「顧客満足度と利益」「差別化とスピード」などについて森川氏と参加者が意見を交わします。また、C CHANNEL立ち上げの経緯について「メディアの世界を変えるためには常識を覆す必要があった」と語り、新サービスにかける意気込みを語りました。(ちゅうつねボーナスセミナー:森川亮氏に聞く「シンプルに考える」仕事術より)

顧客満足と利益、どっちが大事か

森川亮氏(以下、森川):次に顧客満足度と利益、どっちが大事でしょうか? という非常にこれもまた悩ましい質問なんですが。じゃあ、やっぱり利益が大事だという方、ちょっと手を挙げていただけますか?

(会場挙手)

森川:どういう場合に利益が大事でしょうか?

参加者:満足していても利益が上がっていかないと、お金払ってそこからまた新しい分野にトライできたりっていうことができないですし、そこから会社を興したりっていうことができるのは、やっぱり利益が上がらないと増えないので。

森川:なるほど。現実的ですね。

参加者:はい。

森川:利益率は何パーセントぐらいだったらいいんでしょうか?

参加者:その辺、自分は経済関係に詳しくないのでわからないんですけど、20とか30とか。

森川:え? またまた(笑)。

参加者:全然わかんないです。

森川:そうですか。じゃあほかの方に聞きます。じゃあ利益という方、ちょっとそちらにいらっしゃる。さっき当たってない方。

参加者:今の方の意見に近いんですけれども、まずは利益のほうかなと。

森川:きれいごとじゃないと。

参加者:はい(笑)。

(会場笑)

森川:そういうのは、そういうもんだということですかね。ちなみに、どういう業種の方なんですか?

参加者:製造業です。

森川:なるほど。利益率は、どのぐらいが1番望ましいでしょうか。

参加者:10パーセント、あるといいなと思いますね。

森川:2桁、何とか頑張りたいところですね。2桁あると安心ではありますよね。ITだと、30パーセントぐらいいかないとだめとか言われたりするんで、結構大変なんですけど。なるほど。

顧客満足度が高いと営業しなくても口コミでサービスが広がる

森川:一方で顧客満足度という方、ちょっと手を挙げていただけますか?

(会場挙手)

森川:じゃあ前のほう。どういう場合に顧客満足度が大事なんでしょうか?

参加者:顧客満足度はやっぱり高いと、営業しなくても口コミとかで広がっていってできるんで、そこがまずないと継続的には……。

森川:営業マンがいなくてもものが売れるから、結果的に利益率が高いんじゃないかと。

参加者:はい、そうです。

森川:なるほど。顧客満足度って、どこではかるものなんでしょうか?

参加者:私は教育事業を今まで個人事業でやっていて、今会社を登記ししてるんですけど、1番思うのが「自分がいないところで自分がどうやって評価されているか?」そこが大変重要かなと思いました。

森川:なるほど。じゃあ、いろんな口コミみたいな、そういう。

参加者:はい。

森川:ありがとうございます。あと顧客満足度が2、3人。じゃあどういう場合に大事なんでしょうか?

参加者:サービスの満足度がよければ、買ってもらえる人がたくさん増えますし、そうすると製造原価なんかも、そういうのも下がってくるんで、後から利益がついてくると思います。

森川:なるほど。じゃあ、満足度が高かったら高く売ればいいんじゃないかなみたいな、そういう。

参加者:そうですね。高く売れるし、利益率も上がるし。

森川:ありがとうございます。どこまで顧客満足度を上げるかっていうとこもありますよね。例えばカスタマーサポートのコストをバンバン上げてしまうと、利益が出ない構造になってしまったりとか。

あとインターネットの世界なんかだと、無料で使えるサービスが結構多いので、無料なんだけど、こういう満足度は、どこまで上げられるかということもあったりするので、ちょっとこのあたりはバランスが、多分大事だと思うんですけど。

一方で顧客満足が高くなければ、当然そこにはお金が流れないので、利益につながらないっていうこともあるわけ。満足度は大事だけど、そのさじ加減が大事とかなというふうに思います。

差別化が顧客の満足度につながる

森川:最後の質問で、ビジネスにおいて差別化とスピード、どっちが大事でしょうか? という、これも大変難しい質問だと思うんですけれども。では、差別化が大事だという方、ちょっと手を挙げてください。

(会場挙手)

森川:はい、じゃあそちらの眼鏡の女性の方。どういう場合に差別化が大事なんでしょうか?

参加者:人の手の届かないところに視点を向けると、それが意外といろんな人の満足につながって届いていくというのは、まず大事かなと。それを見つけ出すのが大事。

森川:なるほど。最近何かご自身が使ってるもので、ここはすごい差別化だったというところは、どちらでしょうか?

参加者:差別化。出てこない。

森川:何か身近な、食べ物とかでもいいですよ。これはほかにマネできないだろうみたいな。じゃあ、ちょっと考えててください(笑)。

参加者:はい、すみません。

森川:ほかに、差別化が大事だという方、いらっしゃいますか? じゃあ、前の。具体的に、どんな事例がありますでしょうか?

参加者:僕は美容師なんですけど、美容室って23万件ある中で、やっぱり自分のお店がとか、そういう意味で考えていくと、やっぱりほかと同じことをやってても……。

スピードももちろん大事なんですけど、やっぱり他の人が気づいてないサービスとか、そういう価値を新しく打ち出すことで、気づいてないサービスが回っていくっていうところが大事なんじゃないかなと思います。

森川:業界的に、最近注目を集めてる差別化の事例とかって、あるんでしょうか?

参加者:僕自身、講師をやってるんですけど、日本で生まれたステップボーンカットという、小顔補正立体カットっていう、それは特許がある技術なんですけど、それを自社でやってるんです。

森川:すごいんですか? 

参加者:西洋人の頭じゃなくて、東洋人の頭を元に考えられたカット技法なので。

森川:立体的に見えちゃうみたいな。

参加者:はい。

森川:すばらしいですね。ありがとうございます。

新しいことを生み出し続けるスピード感が大切

森川:逆にスピードが大事だという方、ちょっと手を。あちらの女性から。具体的に、どういう事例がありますでしょうか?

参加者:具体的な事例は、ちょっと今思いつかないんですけれども、差別化があったところでも、それがそこの話でもあったように、臨機応変にスピードを持って展開していかないと。

やっぱり変化のチャンスも逃していくんじゃないかなというふうに思うので、いかに時代の流れを早く察知して、成長力を持って変化していくっていうのが大事なのかなと思います。

森川:どういう業種の方なんですか?

参加者:マスコミと広告系です。

森川:なるほど。スピードは、どうですか? 速いですか?

参加者:はい。

森川:すばらしい。

参加者:私自身はPR会社にいて、メディアのアプローチとか教えてたんですけど、スピード力を持って行かないとチャンスを逃すなと思っています。

森川:ありがとうございます。じゃあ、その隣の隣の方。

参加者:やっぱり、今の情報があふれている世の中だと、差別化をしてもまねされてしまうというのもあるんで、なかなか本当に長期的に、それを差別化せるのって難しい世界に入ってきてるんじゃないかなと思っていて、であれば次々と新しいものを、スピード感をもって生み出し続けるほうがいいのかなというふうになってました。

森川:どういう業種の方なんですか?

参加者:私は人材派遣業です。

森川:なるほど。じゃあ差別化よりも、まねし続けたほうが結果的にいいんじゃないかみたいな、そういう感じなんですよね。

参加者:まねし続けるというか、まねをされてしまうことを前提に次々やっていこうと。

森川:何しろ、次々チャレンジするということですね。

参加者:はい。

森川:ありがとうございます。じゃあ何か、思いつくことありました?

(会場笑)

森川:忘れてないですよ(笑)。思いつきました? 思いついてないですか?

参加者:思い……。

森川:じゃあ、いいです。

(会場笑)

森川:すみません、別にそういうのが目的じゃないですので。

今のメディアは金儲けに傾倒している

森川:ここまでいろいろと披露させていただきましたが、ちょっとこれからは僕の今後のお話なんですけどね。C CHANNELという事業を開始しまして。「森川さんはかわいい子が好きだから始めたんじゃないか」みたいな、そういう声もいただくんですが。

参加者:言ってないですよ。

森川:言ってないですよね。ツイートしないでください(笑)。単純にお金もうけをするようなことっていうのは、あまり興味がなくて、どちらかというと日本を元気にするようなことを何かやりたいなと思ってまして。

最初は教育事業とかヘルスケアの事業とか、あとはエネルギー、農業、地方再生みたいなさまざまなことに興味があって、自分で投資をしたりとか、何か自分で動いてみたりとかしたんですけど。

どれもすごく時間とお金がかかる領域で、僕自身がすぐに結果を出せる分野じゃない。かなり難易度が高いということが1つと、僕自身がその分野、経験がなかったので、もう少し自分なりに何か結果が出るようなものをやるべきかなと思ったときに、メディアの人たちと会いまして。

やっぱり経営者の間でも、教育の間でも、それは今のメディアの世界というのは、ちょっと行き過ぎじゃないかという方が多いんですよね。

実際にどういう状況かというと、やはり会社ですから、お金を稼がなきゃいけないと。今人が注目するものっていうのは、どちらかというとセンセーショナルなものがどんどん増えちゃってると思うんですよね。

全国タブロイド化現象みたいな。何かあると、みんなでワイワイ騒ぐ、エンジョイしてみたいな。そういう状況がすごくあるかなと思ってて。

テレビ局においても、どちらかというと視聴率が大事ですから、視聴率のためには多少、刺激的なこともやってみたりとか。あとは全体的に高齢化が進んでるので、テレビを見てる層っていうのがどうしても年齢が高いとなると、年齢高めの人向けに放送する中で、今の若いやつはけしからんみたいな本が出たりもしますし。

モバイルサービスは若い女性から広がる

森川:小学校とかで、なりたい職業の中に社長というのが出てこないらしいんですけど。社長の仕事は頭下げることだというふうなイメージを持ってる子どもが結構多いとかって聞きますし。

やっぱり今、日本がこういう財政状況で借金を返すのに、全体の3割ぐらい使って、また3割が社会福祉だったりすると、このままずっと赤字状況が続けば、普通の会社で言うと、すぐに倒産する状況で、コストを削らないといけないんだから、やっぱり売上を上げなきゃいけないと。

いろいろ考えると、大企業は新しい雇用をほとんど生み出してないから、新しい産業をつくって、それを次のために大きく育てなければ、やっぱりこの日本という国が会社だったら倒産しちゃうということだと思うんですよね。

その中で僕ができることとしたら、そういう起業をしたいとか、新しく次をつくりたいという人たちを応援するような。そういうビジネスをしようと思ってメディアの事業を開始しました。

じゃあ何で、その中で女性なんだということなのですが、僕の経験上PCの時代っていうのは、どちらかというとエンジニアとかギーク系の方からサービスが広がってたんですけど、モバイルはやはり若い女性から広がるということが、LINEのときもそうだったので。

まずは若い人から入って、そこで新しいプラットフォームをつくって世界に出ていけるような、そんなことをやろうというふうに思っています。

メディア界のユニクロを目指す

森川:具体的に今、何をしているかということなんですけど。単純に動画をつくって、それを配信してるというわけではなくて、今ほとんどiPhoneで撮ってるんですよね。

テレビの世界を変えようと思うと、今テレビは出演者がいて、撮る人がいて、また放送する人がいてって、いろんな人が関わって、ものすごく時間とお金がかかるんです。映像の世界って、実質的には人件費だけなんですよね。

僕はユニクロさんみたいなイメージで、ユニクロさんが出る前のアパレル業界、やっぱり企画をして、つくって、買い取って、流通してってなると多分、コストの半分ぐらい流通のコストだったりするわけなんです。

それを、なくすことによって安くていいもの出ましたよね。それと一緒で今メディアの世界を変えるために、出る人とつくる人が同じ人で。iPhoneで自撮りをして、iPhoneで編集をして、そのままサーバに送って配信をしてるんですよね。そのことによって、ものすごく速くコンテンツがつくれるようになってるという状況があります。

これ今、国内でやってるのと、海外でも始めまして、いろんな都市にいる女性と契約をして、オンラインで撮って、どんどん上がって来ると。そうすると24時間ライブ配信可能な通信社みたいに今、どんどんなってきてるんですよね。

もちろんこれがすぐにお金になるわけじゃないんですけど、メディアの世界を変えるためには、今までの常識を覆さなきゃいけない。特に情報をつくって出すということに関して、ものすごい今、いろんな加工がされていて、何が本当かだんだんわからなくなってきているんですよね。

一方で、じゃあネット上にある情報が本当かというと、さっきお話したようにタブロイド化してるので、どうしても刺激的なものにつくり変えられちゃうというところもあるので、何かやっぱり信頼できるような、グローバルで信頼できるような、そういうメディアをつくれないかということで、今こういう事業をやってます。

変わらなければ新しいものは生まれない

森川:それらには、教育とかエネルギーとか、いろんなところに投資をしたりとか、僕自身も7社ほど社外役員をやったりとか。あとは筑波大学の教授をやったり、あとは地方の新規事業の委員をやったりとか、日々バタバタしてまして。ただどれもすごく必要な事業でして。

例えばエネルギーの問題も円安になるとやっぱり財政、収支が悪くなってしまって、物価上がったりみたいなこともありますし、農業の世界でも規制は緩和して、さっきの方じゃないですけど野菜も、もっといいものを安く早くつくれる仕組みが絶対できるはずですから、そういう技術に投資したり、支援したりとか、そんなふうにもやってます。

さっき変わらないということが美徳だという話をしましたけど、とにかく日本の歴史を勉強すると、ほかの国に比べて圧倒的に変化が少ないと。なので少ないからこそ変わるということに関して、すごい抵抗があるわけなんですが。

ただやっぱり日本の歴史の中で、明治維新とか太平洋戦争とかっていうことがあって、もちろんそこでは悲しい歴史もあったにせよ、そこから大きく変わった部分って大きいと思うんですよね。

やっぱり日本においても変わったときに新しいものが生まれて、それが今の日本をつくってきたということは間違いなく言えると思うんですよね。

そういう意味だと今、これだけ厳しい状況だからこそ大きく変われるチャンスだし、変わらなきゃいけないというふうに思うんで、ぜひ皆さんも一緒に日本を変えていきましょう。今日は、ご清聴ありがとうございました。

過去には全く意味がない

はあちゅう氏(以下、はあちゅう):ありがとうございます。時間押し気味なんですけど、せっかくなんで質疑応答に移りたいと思います。2問ほどで締め切ってしまおうと思うんですけど、それじゃ我こそはという方。

参加者:2問ということなんですが、4問聞きたいんですけども。お答えできるものだけでいいんですが、1つ目は今まで仕事をされてきた中で「やったー」というか、うれしかったことはどういうことか? というのと、2番目が1番ヘコんだとか、くやしかったとか。3番目は、そのヘコんだところからどう戻ってきたのか?

4番目は今仕事とか、いろんなことをされてると思うんですけれども、その中で1番楽しいと思ってることは、どういうことですか? お答えになれるもので結構です。

森川:難しい質問ですね。いいことはいっぱいあって、実際にいつも楽しいんですけどね。いつもやりがいを感じています。つらかったことは正直、ここでは言えません。結局嫌なことがあっても、やるかやらないかなんですよね。なので過去は忘れます。

僕、実は過去の写真ってほとんどとってないんですよ。過去には全く意味がないと思うので、そういうようにしてますね。あと何でしたっけ? 最後の質問。

参加者:今楽しいこと。

森川:今、おいしいもの食べたりするの好きですね。すいません、そんなもんですね。

ユーザーマッピングすることで求められていることが見える

はあちゅう:ありがとうございます、じゃああと1人。

質問者:お話ありがとうございます。学生で、まだ働いてないんですけれども、本に書いてあった通り、ユーザーの求めることを、しっかり考えることが大事とか、いろいろと書いてるんですけれども、ユーザーの求めることっていろんなところで言われていて。

ユーザーの求めることって何なんやろう? っていう、発見するための森川さん流の方法みたいなことを聞きたいです。

森川:今ってやっぱり多様化してるので、たまたま隣にいた人が言ったことが正しいかって、そんなことないですよね? まず僕がやるのは、どんなユーザーがいるのかっていうのをマッピングすることですね、地図みたいに。

そこに今自分がいるから、そうすると今いる自分と地図と。そうしてあとはゴールを設置をすれば、そこに行く道が見えるんじゃないですか。

いったんは、やっぱり地図を書くことが重要かなと。そのためにはいろんな人に、まず聞かないといけないですよね。なぜかというと今年はヒールが流行ると言っても、本当にそう思ってる人が、どこにどれだけいて、それはどう変わっていくのか。

例えば新しいサービスでいうと、早いか遅いかなんですが。例えばですよ。早いのか遅いのかで言うと、早めの人と中間の人と遅めの人というのは僕なりに知ってて、そういうのを定期的に聞くと物事がどう動くか見えますよね。

そういう、いったん地図にしながら、それどう変わるのかを常にチェックをすることが大事かなと。特にITの産業で言うと、こういうサービスがこの国から出やすいとか、そういう地域特性があるので、なるべく早く出るところを常にチェックしてると時代の流れが見えたりしますよね。

質問者:ありがとうございます。

はあちゅう:そんなところで質問を締め切ろうと思うんですけど、森川さん今日は本当にありがとうございました。

森川:今日は、どうもありがとうございました。

制作協力:VoXT

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