素振りは世界一うまい--元LINE森川亮氏が語る、日本人が結果を出せない理由とは

森川亮氏に聞く「シンプルに考える」仕事術 #4/5

カラーズ・経沢香保子氏とブロガー・作家のはあちゅう氏による有料オンラインサロン「ちゅうつねカレッジ」の特別セミナーが開催され、ゲストとして元LINE代表でC CHANNELを創業した森川亮氏が登壇しました。本パートでは、森川氏が日本の豊かな暮らしが日本人の思考力を低下させていると指摘し、グローバル化が進み世界中の人々と競争することになる未来への危機感を語ります。また、日本人は世界一のスキルは持っているにも関わらず成果を残せない理由についても言及しました。(ちゅうつねボーナスセミナー:森川亮氏に聞く「シンプルに考える」仕事術より)

「議論の時間を減らすこと」がヒット商品を出す近道

森川亮氏:会社っていうのは、本にも書いたんですけどヒット商品を生み出すこと以外に生き残る道っていうのはないんですよ。これは会社も、個人も、国も全部そうだと思うんですけど。ヒット商品を出すと。

ヒット商品を出すために何がなきゃいけないかというと、いいものを早く作るしかないんですよね。早く作るためにはどうしたらいいかっていうと、無駄な時間を削るしかないと。

大企業って何をしてたかっていうと、作るか、作らないか議論する時間と、作ってからどうするか考える時間がものすごく長くて、1番大事な作る時間がものすごく短いんですよね。もしくはそれも長くなってしまうと、コストが上がってしまうと。

なので、いかに作る前の議論と、作った後の議論を減らすか。で、作ることに時間を使えば、短い時間でもいいものが作れるんですよね。そういうことにこだわることが大事なのかなと思っています。

日本では頭が悪くても生活していける

最近これもよく取材でいろんなの出すんですけど、日本全体の動物園化が進んだんじゃないかと。やっぱり生物学を勉強すると、消える種っていうのは、極度に楽な環境にいる種なんですよね。どういうことかっていうと、生物って不思議なもんで、楽な環境に適用するんです。

それは例えば食べ物でもそうですよね。ダイエットとかで炭水化物を抜くと、ちょっと炭水化物を食べると調子が良くなるみたいな話がありますので。また、最近だと研究結果で、Googleをよく使ってる人は記憶力がなくなるみたいな、そういうのが出てますけど。

これは生物学的にどういうことかというと、いろんな種がいるじゃないですか。そうすると、優秀な種がいたらその人に任せるらしいんですよね。そこが退化して、別の能力を伸ばすみたいな。

これが種同士だったらいいんですけど、そこにGoogleさんが入ってくると、人間が馬鹿になってしまうという、そういう残念な結果になるらしいんですよね(笑)。

これはもう本当に、真っ直ぐな道が多いところに住んでる人と、曲がった道が多いところに住んでる人だったら、頭の使い方が違うわけなんですよね。歩く時に頭を使わないから、結果的に頭を使っている時間が非常に短くなるみたいな、そういうことがあって。

もちろん人間っていうのは、便利になればなるほど幸せになるというふうに思っている人も多いんですけど、実は便利になるということは、自分が存在しやすくなるということなんで、実はどんどん退化していってしまうと。

これが今の日本だと思うんですよね。日本ほど便利で、平和で、安全な国はないですよね。

それはそれでいいんですけど、そうすると子どもも孫もどんどん低下してしまうんですよね。そうなると、仮に真っ直ぐな道が急に曲がったりとか、でこぼこになると、ほとんどの人が生き残れないと。

日本の人が海外に出て行って、現地で戦うと1番困るのは、とにかく曲がった道しかないわけですよね。でもそれは怒ってもしょうがなくて、そもそも自然界には真っ直ぐな道ってないんですよね。

それをやっぱり理解した上で生活をしなきゃいけないし、特に今のように前世代が作ったものを守るような生き方をしていると、こちらのライオンのような、自分で獲物を捕らえるような能力というのはどんどん落ちていっちゃうんですよ。

ただ、次の世代を作る人は、必ずこういう野生動物のような人達でないと、やっぱり世界で戦っていくことができないというふうに思うんですよね。

ここがすごく、教育の問題もそうですし、会社の中においても、こういう人をどう育てるのかっていうのが重要かなと思うんです。

日本は優秀な人ほどシュートをしない

僕はスポーツに例えるんですけど、一応野球型、サッカー型と呼んでまして、僕はあんまりサッカーに詳しくないんですけど、一応サッカー型というふうに思います。

何が違うかというと、野球型っていうのは比較的フォーマル。打順も決まってるし、ポジションも決まってるし、先攻後攻もあるし、比較的ルール通りで監督が細かいサインを出してプレイが動いていくみたいな。

一方でサッカーっていうのは、ある程度フィールドに出ると、どのタイミングで攻めか守りか、その場でガンガン変わります。ポジションもかなり柔軟に変わっていきますよね。

時にはゴールキーパーがシュートを打つみたいな、そういうこともあるということで。野球よりはサッカーのほうが、比較的フレキシビリティが高い状況なのかなと思います。

日本人が野球が好きなのは、やっぱりこういうフォーマット的なものが好きだと思うんですよね。横浜がホームラン打つとか。社内で言うと、経営企画の人はエリートだとか、そういうイメージがあると思うです。そういうのが好きなんですよね。

良く考えてみると、世界で野球が好きな国ってほとんどないんですよね。やっぱりサッカーなんですよね。

今まさにグローバル化っていうのは、サッカーの勝負をするっていうこととニアリーイコールかなと僕は思っています。そうすると、いかに細部の人達が監督の指示を待たずに、フィールドでドリブルしながらゴールを狙うか。これがすごく重要なんですよね。

日本は優秀な人ほどゴールというか、シュートをしない傾向があるんですね。ものすごく練習の時には凄くいいプレーをするわけなんですね。リフティングがすごく上手くて、いろんな技をすると。ゴール前になるといきなり、まっぷたつみたいな。結構そういう人が多くて。

ゴール前でシュートを打てない日本人のメンタリティー

よく学校に通うとか、本を読むとか、好きで学ぶっていうことはリフティングの能力を高めることに近いんですけど、1番大事なのは、やっぱり実践力だと思うんですよね。

僕が世界でビジネスをしていると、本当にゴール前でハンドしてシュートというような人ばっかりで、よく嫌がらせ受けたりするんですけど、そのぐらいやっぱりやらないと、世界では勝てないということを考えると、もう少しワイルドな戦い方とか、本当に攻め方、これをちゃんと教えないと、スキルは高いんだけど結果が少ないということが多いかなと。

これ、いろんなスポーツの選手に僕、知り合い多いんですけど、監督さんに聞くと、みんな言いますね。日本の人は、とにかく素振りをしてて、ものすごくスキルがあると。ただ、本番で出ないんだと。スキルは多分、どの分野も多分世界一だと思うんです、スキルは。

ただ、ゴール前でやっぱりシュートを打てないと、もしくは打たない。そういう、どっちかっていうとメンタリティーの問題があるんじゃないかなというふうに思ってます。

ヒット商品を生み出すのは大企業か、ベンチャーか

ちょっと、ここから皆さんも参加いただいてやりたいと思ってるんですが。新しい商品、新しいヒット商品を生み出す会社というのは、大きなどっちかというと古い大企業でしょうか? もしくは最近できた新しいベンチャー企業でしょうか? という質問なんですけど。

では、新しいベンチャー企業がヒット商品を生み出すという方、ちょっと手を挙げていただけますか?

(会場挙手)

森川:多いですね。では、ちょっとそちらの方。参考事例をお願いします。

参加者:すぐ思いつくのは、クラウドワークスさんの働き方みたいなのが。

森川:なるほど。ちなみに、どういう業界の方なんですか?

参加者:出版です。

森川:出版界では、どういう会社がヒット商品を生み出されるんでしょうか?

参加者:組織がゆるい会社とか、上下の関係がフラットな会社とかですかね。

森川:例えば? ちょっと、言いにくいですか? 言いにくいですよね。すみません、失礼しました。あと、もう1人ぐらい、ちょっと手を挙げていただいていいですか? ベンチャー企業だっていう方。当てると思ったら挙げにくいですよね(笑)。覚えてますから、じゃあその前から2番目の方。挙げました? 

参加者:挙げました。

森川:挙げましたよね。どういう事例ですかね? 最近何か、気になるヒット商品を出した会社とか。

参加者:それこそNewsPicksのユーザベース。

森川:なるほど。結構IT系が出てきますね。逆に大企業だという方、手を挙げていただいていいですか? ゼロですか。挙げにくいんですか。ありがとうございます。ちょっと、何か事例を挙げていただきたいと。

参加者:リクルート。

森川:なるほど。リクルートさんは、すごいですよね。ベンチャースピリットをずっと維持してるというところは、すごいですよね。僕の中では新しいものを生み出すということについては、やはりそういう文化が非常に大事かなと思ってまして。そのためには新しいものを潰す文化じゃないほうがいいんですよね。

どうしても大企業っていうのは社員が多い分、反対意見も多いということがありまして、何かやろうとすると邪魔する勢力が結構出て、それは多分、社内の派閥とか、目標が出世なので、自分より相手が困ったら自分のほうが出世するみたいな、そういう傾向があるんでそうなっちゃうんだろうなと思うんですけど。

ただ、一方で大企業がいいのは、例えばエネルギーみたいな、すごく参入障壁が高いところとか、あと放送なんかだと免許を取らなきゃいけないとなると、やっぱりそういう官公庁とかとの関係が大事だったりとか。そういうベンチャーが入れない参入障壁が高いものっていうのは、やはり大企業が強いということも言えるかなと思います。

ただ全体の傾向として、さまざまな産業においてコンピュータ、ITが進化すると設備投資がどんどん安くなってますよね。また新しいやつが出てくるので、参入障壁が下がって、そのことによってベンチャーが入りやすいということはあるのかなというふうに思っています。

競争力の源泉は人材

森川:その次に人とお金、どっちが大事でしょうかという質問なんですけど。じゃあ人が大事だという方、ちょっと手を挙げてもらえますか?

(会場挙手)

森川:じゃあ、どういう人が大事なんですか?

参加者:例えばですけど、ヒット商品を生み出せるような柔軟な発想を持った人とか、それにちゃんとついていけるような人。

森川:なるほど、ちなみに、どういう業種なんですか?

参加者:コピー機の会社です。

森川:なるほど。そういうヒット商品を出す方っていうのは、どういう部署にいらっしゃるんですか?

参加者:そんなに、ヒット商品というよりも、コピー機だとちょこちょこと積み重ねていってっていう。ヒット商品は少ないので、ちょっとイメージがつきにくいですね。

森川:なるほど。でも、きっとコピーの次に何が来るかとか、いろいろと考えてる人は、いるんですけどね。でも、そういう人が大事だという感じね。ほかに人だという方、ちょっと手を挙げていただけますか?

(会場挙手)

森川:ありがとうございます。じゃあ、どういう場合に人が大事だと思いますか?

参加者:どういう場合?

森川:具体的に何か、こんなときに「やっぱり人だよね」と思うとか。

参加者:お金との比較だと思うんですけど、お金は今、余ってる状況にあると思うので、最終的な競争力の源泉というのは、やはり個人なんじゃないかなと思います。

森川:なるほど。これから、どういう個人が大事だと思いますか?

参加者:未来のことはわからないとはいえ、3年後とか、5年後とかに、みんながこうあったらいいなと思うものを言い続けられる人。

森川:なるほど。どういう業種の方なんですか?

参加者:ITです。

森川:ITですか。どういう方が、そういうお仕事をされてますか?

参加者:自分の会社で言うと、そういう専門のビジネスレベルアップ専門の部署があります。

森川:部署がある。なるほど、そこにじゃあそういう方がいらっしゃるということですね。

参加者:はい、僕がいます。

(会場笑)

森川:すばらしい、じゃあ結構優秀な人材だという。

参加者:そうではないですけども(笑)。

森川:(笑)。それは言いにくいですね、すみません。

新しいものを生み出す人材が不足している

森川:逆に、お金がやっぱり大事だよという方、ちょっと手を挙げていただけますか?

(会場挙手)

森川:ありがとうございます。どういう場合に、お金が大事ですか?

参加者:人は育つんで。

森川:なるほど。

参加者:お金でインセンティブを出すなり、お金はエネルギーなんですよ。お金をエネルギーとして使えば人が育ちます。そういう発想で。エネルギー、あったほうが力になります。

森川:なるほど。お金がないと人も雇えないですしね。きっかけとしては、お金が大事だと。ちなみに、どういう業界の……。

参加者:私、個人事業主で。

森川:なるほど。

参加者:はい。肩書きでは今、メインでやってるのはコーチングです。

森川:なるほど。あと、お金の方、そちらの……。どういう場合に、お金が大事でしょう?

参加者:やっぱりものを作る人も、ものを生み出す人も、投資する資金がなければなかなか世の中に広がらないので、そういった意味で言うと、世の中に広めるためには、お金が広く必要になると思います。

森川:製造原価みたいなことですよね。

参加者:そうです。

森川:多分、どっちも大事だということだと思うんですけど。ただ今の流れで言うと、新しいことやるための投資資金が、どんどん下がってきてることを考える。また一方で新しいものを生み出せる人が、最近は少ないということを考えると、もし仮にそういう人がいるとしたら、そういう人のほうが大事ということは、あるのかなと思いますね。

とにかく多分今は、新しいものを生み出す人が、あんまりいなくなってる現状があるので、最近のソフトバンクさんじゃないですけど、そういう人材を集めるためには、いろんな手段を取るということもあったりするのかなと思ってます。

シンプルに考える

制作協力:VoXT

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