モノづくり頑張っている人募集

栗林和生氏(以下、栗林):今日は「モノづくり頑張っている人募集」というテーマで集まって頂きました。テーマ別の交流会「リクトーク」です、よろしくお願いします。

そもそもまず誰やねんという話があると思いますので、自己紹介させてもらいますと、今僕はリクルートホールディングスの新卒採用担当人事をしております、栗林と申します。新卒採用といいますと、エントリーシート締切間近ですのでこのイベントの後は是非提出のほどよろしくお願いします!(笑)2009年入社なので、7年目の分社化する前の株式会社リクルートで採用されました。僕は元々は営業だったんです。

僕はやたら黒くて、よく日サロに行っていると言われていますけど、一切行ったことはございませんので、まじめに運動しているから肌が黒いと。30近くなって肌が黒いと大体イメージが悪いと。年を重ねて肌が黒いと、大体言われるので皆さん気をつけください。

というところで今日ですね。ファシリテーターとかって言ってますけど、基本的にはサポートをさせてもらえればと思っています。本日みなさんには思う存分共通点を持った仲間や先輩と話していただきたいです、よろしくお願いします。

週末はカバンブランド"蝉 semi"で活動

栗林:それでは早速お2人にちょっと自己紹介していただければなと思います。鹿毛さんからよろしくお願いします。

鹿毛雄一郎氏(以下、鹿毛):はじめまして。鹿毛です。よろしくお願いします。僕は今リクルートライフスタイルの新卒で5年目になります。

ライフスタイルに入る前は慶應のメディアデザイン研究科というところでデザイン思考という、あとはイノベーションを起こすための授業とかを受けながら、モノづくりをしていました。

navinkoと書いてあるロゴのが研究員、研究室のところで作っているものですが、街を歩いていたり自転車に乗ってるときに、今自転車乗っているときはイヤホンをつけちゃいけないんですけど、イヤホンをつけていて、いろいろ音が聞こえてくるとか、自分が好きな場所とか、友達の好きな場所とかから、メロディーが聞こえてくるというこの辺におもしろさもあったりとか。

音と音が連なっていって、街を音を通して楽しめるというのを作っていました。これもコンセプトだけじゃなくて、実際にiPhoneアプリを作ってリリースして、実際に使ってもらってそこから検証して改善するという。

このアプリを使ってデザイナーズウィークというのが毎年秋にあったりするんですけど、そこで一緒に協力してデザイナーズウィークでnavinkoを使って東京のいろんなインテリアショップとか、デザイン系のショップを回ってみましょうというのを大学院の時にやりました。

そのころから、"蝉 semi"っていうカバンのブランドをはじめて、僕は週末、1人メインで平日から"蝉 semi"の活動している仲間と一緒に活動しているのですけれども、何をやってるかというと屋外の広告とかを使ったかばんを作っているのですけれど。

最近去年の12月に蒲田に店を作って週末はそこに行って、僕はメインではWeb周りの整備をしたりとか、イベントの準備をしたりとか、新しいプロダクトのデザインを一緒に考えたりとか、みたいなことを週末にやっています。

リクルートでは、初めはポンパレとかポンパレモールの立ち上げをやらせていただきました。そのときはフロントエンドというかWebページのデザイン部分を300から400画面ぐらい、僕ともう1人と2.5人ぐらい。半年ないし、8カ月ぐらいで作りきりみたいなことをしました。

今は「Airレジ」というサービスのUXデザインとか、ユーザーのところにヒアリングに行って、そこから何か改善できるところはないか聞いて、実際に改善するポイントを機能に落として、デザインをして開発を動かしてリリースをするということをやっております。

今日は"蝉 semi"のことでも、今働いていることでも、学生時代に何をやっていたかということでも何でもお答えします。よろしくお願いします。

栗林:これ写真でもらったのですけれども。鹿毛さん。

鹿毛:これがさっきも話したんですけど、蒲田の"蝉 semi"のお店で、パノラマでカメラマン1人の時の写真でだいたいどれぐらいだろう、7畳×2みたいな、それよりもうちょっと広いみたいな感じの、ワンルームの部屋を2つぶち抜いて、1つのお店にして。

ここくると、さっき話していた素材をそのまま手で触って、伸ばして広げてこことここを組み合わせて鞄を作ったり、オーダーも受け付けています。もしかばんが欲しくなったら蒲田まで是非来てください。

栗林:これは目の錯覚ではなくて、こんな形のおしゃれなオフィスなんですか?

鹿毛:これは全部パノラマで撮ったものを全部くっつけてるんです。

栗林:このオフィスは皆さん蒲田にありますので。帰りによかったら。もしかしたら割引がきくかもしれないのでよかったら来てください。

入社4年目で自分のビルを購入、インテリアデザインの事務所にしている

栗林:内山さんお願いします。

内山賢一氏(以下、内山):内山です。よろしくお願いします。

僕はもともと学生時代、建築学科に所属していてですね。そんな中で椅子のデザインとか映像のデザインとか、そんなデザイン理論を勉強していて、イームズというデザイナー知っていますか? この椅子を作っている人。カフェとかにあるじゃないですか。

50年以上前のアメリカのデザイナーなんですけれども、この人の研究を僕はずっとやっていて、この人は建築家なんですけれども、椅子を作ったりとか映画を作ったりとか、教育とか企業のブランディングとかをやってきた人で、その人の研究をずっとやってました。

それもあって、リクルートに入ってやった仕事というと、リクルートで2つあるんですけど、新卒2年目のときにSUUMO(スーモ)という不動産サイトの立ち上げのサービス設計を最初3人でやったんですけど、そのうちの1人をやらせていただいて。

あとはその中ではサービスの設計だったりとか、緑色にしようという話だったりとか、2年目なのでやったところの範囲は知れているんですけど、画面の設計はひと通りやらせていただきました。

それ以降ですね。大体50サービスぐらい。ちっちゃいのもでかいのもあるのですけども。リクルートのサービスの新規の立ち上げだったりとか、あとは大規模なリニューアルとか。リクルートのメディアの仕事って、もちろんいろいろあるんですけど、その中でも僕は比較的新規サービスの立ち上げだったり、がらっと変えたりするような仕事をよくやってます。

ダブルワークのほうは学生からずっとやってるデザインのスタジオがあって、そこでインテリアをやったりとか、企業のサービスブランディングをしたりとか、比較的リクルートとダブルワーク半々ぐらいでやっている感じですね。マインドシェア的には。

京浜急行線って知っていますか? 赤い電車。僕はあの町沿いに地元があって、今のオフィスとか自宅もそこにあるんですけど、将来はあそこらへんを盛り上げたいなと思って、結構いい場所なんですよ。

でもブランド的に全然イケてなくて、なのでもうちょっとブランディングとかうまくいけば地元が盛り上がるなと思って。将来町のブランディングとか、あとは企業ブランディングみたいなことをやりたいなと思っていますね。

インテリアをやってるんですけど、これが僕の家で、入社して4年目のときに家を買って、ちっちゃい4階建てのビルを買ってですね。3、4階は自宅のオフィスにして、ここは2階なので自分の家なんですけれども。なので4年目で買ったから、皆さんも4年後ぐらいです。その時に買えるんですよ、別にローンを背負えば(笑)。

これは部屋ですね。こういうのをやってて。インテリアも、これは自分の家ですけど、こういうの人のお店でやったりとか、メディアを設計したりとかいろいろやっています。ちなみにこの家は今、雑誌に出ていますが、是非お買い求めいただければ思います。

そんな感じで、ありがとうございます。

サービスからデザインまで、様々なモノづくりを行っている参加者達

栗林:お2人とも最後は自分の紹介をするというところで始めております。次はせっかく来てもらった参加者の自己紹介をしたいなと思っています。

今回「モノづくりを続けたい人募集」となっているので、どんな物をつくってきたんだっけっていう話と、こんなこと聞いてみたいですといった話を、自己紹介を兼ねて話をしてもらえればと思います。

参加者1:こんにちは。今学部の4年です。大学の研究室はメディアデザイン研究所ということで、先ほどおっしゃっていたところと場所が似ているような気がしているのですけれども、学部4年なのであんまり専門的な技術のほうはないです。

去年まで、大学の音楽サークルの運営をしていまして、そちらでいろいろ作るみたいなことをしていました。

例えば高齢者用の施設で演奏会をするときに、耳が聞こえない人がいるから、演奏中の曲の音を見えるようにして、映してやろうみたいなことやってたりとか、サークル内で作ることをやっていました。いろいろお話を聞ければと思っています。よろしくお願いいたします。

参加者2:初めまして。私も学部4年です。私は大学時代デザイン思考を研究するゼミに入っておりまして、そこで企業と共同でサービスなどを考えていました。あと現在は、BAPAというクリエイティブスクールで、虹のコンキスタドールっていうアイドルがいるんですけども、その今の演出みたいなものを考えています。

このイベントでは、作る側の人たちが、どういう思いでリクルートさんを選んだのかっていうところを深く聞けたらと思っております。よろしくお願いします。

参加者3:こんにちは。初めまして。皆さん、大学生だと思うんですけども、僕は大学4年間通って現在、専門学校に通っております、

現在は専門学校でWeb技術を学んでおります。その画面設計のフロント部分のほうに携わっていて、趣味でアーティストサイトであったり、映画サイト、そんなようなものを自分で作って、デザインをちょっとやらせていただいております。

本日のイベントで期待していることは、お二方の学生時代、将来の目標であったり、そのビジョンっていうものをちょっとお聞きしたいなと思っております。

僕も社会人になるに当たって、大きな目標があります。その社会人になってからであったり、今の学生時代にどう取り組んでいけばその目標を達成できるのかっていうのが、これが正解なのかであったり、これが正しいのかっていうのがちょっと僕自身も今あやふやなので。

ぜひお二方に学生時代、将来の目標ビジョンに対してどうしてリクルートが必要だったのかであったり、今現在その目標に向かってどう取り組んでいるのか、っていうのをお聞きして、参考にさせていただきたいなと思っております。本日はよろしくお願いします。

参加者4:はじめまして。私は元々は美術大学のファッション科で研究をしておりまして、服をずっと今も作っています。今使っているものを紹介させていただきますと、服と手紙を融合した「ふくてがみ」っていうものを作っておりまして、ただ服なので物なんですね。

物って正直あまり儲からない商売でもあるし、影響力とかもすごく少ないなっていうところから、今メディアデザイン研究科というところで、ITの勉強をしています。服と組み合わせてっていうことをやっていきたいなと思って、こちらに参加させていただきました。

今回いろんな素敵なテーマがある中で選ばせていただいた理由として、"蝉 semi"というブランドを見させていただくと、すごくアナログなことをされていらっしゃると思うんですけれど。そことこのリクルートっていうITを使ってっていうところで、すごく反対の思考をもっていらっしゃるのかなと。

その中で、どのようにリクルートの中での仕事を将来に役立てるというか、リクルートという会社で行われているのかっていうところとかもすごく興味があって、来させて頂きました。

参加者5:はじめまして。私は今年大学5年生で、去年1年就職活動の時にWebデザインに興味を持って、去年の夏ぐらいから講座に通ったりして、アルバイトしたりインターンに行ったりっていうのをしてました。

今はUXデザインっていうところにちょっと興味があって、人間中心設計っていうHCDの専門家の方がされている勉強会に参加していて、そのプロセスを使ってWebを最初から作ってみようというのを今やってます。

このイベントに期待していることなんですけど、ちょっと今HCDというか、そのUXデザインを手探りでやっているので、ちょっとまだわからないところとかあって、そういうお話をいつもどういうふうにされているのかなっていうお話を聞けたらなっていうのと、周りにWebデザインをやっている友達が少ないので、そういうつながりもできたらいいなって思って参加しました。よろしくお願いします。

モノづくりは社会にどういった影響を与えられるか?

参加者6:私も今学部の4年で文学部の社会学科に所属しておりまして、多分この中で唯一、エンジニアでもなく、デザイン系でもないっていう人間だと思います。

今まで自分が作ったものなんですがIT企業でアルバイトをしておりまして、女子中高生向けのブログサービスを担当しておりました。具体的に何をやったかというと、サービスの方向転換を大きくしまして、元から普通の女子中高生向けだったアプリを、芸能界を目指す子向けっていう方向に大きくリニューアルしました。

今日のイベントに期待していることなんですが、モノづくりが人や社会にどういった影響を与えられるかをお2人がどのように考えているかと、実際にリクルートさんの中でお仕事としてそれをどうやったのかについて詳しく聞きたいと思っています。よろしくお願いします。

参加者7:僕もデザイン思考を用いて実際にモノづくりをして。実際にデザイン思考という考え方に基づいてどういうものを作ったかといいますと、人々は今、健康的じゃないと。健康寿命がすごく短いという問題に対して、すごいユーザーの観察を繰り返して、手洗いがまずできていないということが問題じゃないかなというようなインサイトにたどり着いて。

じゃあみんなに手洗いをさせるためにどうしたらいいかということで、最終的にはアルコールディスペンサー、実際後ほどお話ができる時間があればお見せできればいいなと思ってるんですが、そういうアルコールディスペンサーを作って、まあそういうガチのハードを作りました。

そこで考えたことが、すごくUXというのが重要で、モノづくりというのはすごく体験作りだなというのはそこで感じたので、UXの専門であるお2人にモノづくりにおいてのUXの立ち位置とソフトとハードのモノづくりの違いや共通点などについてお考えを聞かせてもらえると嬉しいなと思っています。よろしくお願いします。

参加者8:私の作ったサービスとしては、携帯辞書アプリケーションや、Webサービスなどを作りました。私もUXデザインに興味があり、デザイン思考を使ってます。不便だけど使って楽しいというアプリケーションを作りました。

例えば、その携帯辞書アプリケーションで言えば、登録した文字が昔のものは逃げていって、忘却曲線に沿って逃げていくんですよ。それを辞書中でクリックして戻して、頭の中に定着させるっていうのを発表しました。

そしてこのイベントで期待していることは、UXデザインされているお二方から、デザインする時にどのような点を注意して、どのような設計をされているか、プロの方にお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

仕事をしながらプロジェクトを成立させていくコツは?

参加者9:僕は情報系と機械系で連携してこれが全部まざったようなところにいて学んでいます。

僕が作ってきたものは例えば音声認識で家電を動かそうとか、アルディーノとかラズベリーパイにセンサーを乗っけてセンサーノードをとって、またそのセンサーノードのところからデータを抽出できるだろうかというシステムを作ったりしていました。

このイベントに期待していることは、仕事をしながら個人のできることをやられているということで、仕事が忙しい時に動いているプロジェクトを成立させていくコツだったりとか、仕事と自分のプロジェクトにおける自分のモチベーションですとか。

それから、自分のお仕事のための勉強の時間を個人でどう作っていたりですとか、プロジェクトにかける時間の配分をどのようにされているのか。そういったことをお聞きしたいなと思っています。よろしくお願いします。

参加者10:僕はイギリスに9年ベルギーに1年、祖母との2人暮らしを4年ほど経験して、今に至ります。

僕は人を閉じ込めるということにある日突然目覚めまして、3年前から脱出ゲームという人を閉じ込める仕事をずっとやってきました。まず周りに誰もそんな趣味を持っている人間がいなかったので、2つほど団体を立ち上げて、自分の部屋に人をグルグル巻きにして閉じ込めるところから始めました。

そこから気付いたのがですね、テレビで閉じ込めたり、カラオケボックスの間取りを業者を入れて改造をしたりとか、あとは客船と松山市の無人島を借りて、島を丸ごと使って人を閉じ込めたり、集英社の『りぼん』で漫画の連載を1年間とったり。とにかく本当にいろいろやってきました。

人を閉じ込めるために僕は生まれてきたと思っていて、それがもう社会人になっても、多分人を閉じ込め続けると思ってるので。

今回のイベントに期待することは、社会人になってもメンバーのうち半分、17人いるんですけど、半分ほどがもう社会人になっているんですけれど、社会人になったら学生と違って別の発信の仕方があると思って、どのようにモノづくりというのが変わるかというのを、お伺いしたくて参りました。よろしくお願いします。

栗林:ありがとうございました。最後の方だけは総務に行くとセキュリティーを変えられるんじゃないかと思います。もし入社されたとしても配属先として絶対総務だけはやめとこうと思います(笑)。

自分の生活に寄り添って使えるものを作りたかった

栗林:では、皆さんから頂いた質問も含めてパネルディスカッションという形で何問か、お2人に答えていただこうかなと思っております。

最初になんですけど。2人共カバンであったりとか、建築のところであったり、なかなかWeb系とぱっと見やっていることがつながってなさそうだなという中で、今リクルートでサービスとかWebに携わっているのは何でそういうチェンジをしようと思ったというか、よく言うと志望動機ですね。

何でそこをやってきたのに、その延長線上ではなくて、リクルートってところを選ばれたのかというところをちょっと聞いてみたいなと思いますけど。鹿毛さんってなんでうちを選ばれたのですか?

鹿毛:僕はもともと大学、大学院の時から、何かを作りたいというのがずっとあって、物をずっと作り続けられる仕事がいいなと思っておりました。

物を作るにしてもいろいろな種類があると思うのですけれども、普段から自分の生活に寄り添って使えるものだったりとか、タッチポイントがあるUIをつくりたいとか、その延長にリクルートという組織があったので選びました。

今やっていることというのは大学院と全く一緒というか、あんまり変わってなくて。よりビジネスサイドに志向が強いというのはありますけれども、やっているプロセスというのは自然な感じでやっているなあと。

作りたいものというのは別にWebが作りたいとかアプリが作りたいとか、特にこだわりがあるわけではなくて、全然アナログでもいいですし、デジタルでもいいですし、むしろ両方やりたいというのがすごくあったりするのでそのバランスを今、リクルートと"蝉 semi"の中でバランスをとって個人的にはやってます。

「モノを作るというのはポータブルスキル」

栗林:内山さんはなぜ入られたのですか? 志望動機を教えてください。

内山:同じですね。僕はもともと建築に入る前もそうなんですけど、中学の時にまず建築家になりたいなと思って、高校に入ってプロダクトデザイナーになりたいなと思って。香水のボトルとか椅子のデザインとかをやりたいなと思ったんです。

海外だとどんなものでもデザインするのが建築家なんですね。なのでデザインの基礎を学べるし、ひと通り学べるのは建築かなと思って。あとは美大とかはその後の選択肢が狭まると親とかにも言われて、勉強と芸術というのが両面ができるということで建築学科に行きました。

モノを作るというのはポータブルスキルだなと思っていて、就職活動するときも他には広告やお菓子のパッケージというのも受けたんですけれども。

一律共通しているのはユーザーがどういうときに感動するのかなとか、どういうときに心が動かされるのかなとか、どういう時に快適だと思うのかということをそういうのを考えてモノを作るというのを一貫してやっているので、自分のことをWeb屋さんとは思っていなくて。

今はWebを作ったりアプリを作ったりしてるんですけれども、あんまり関係ないかなと思っていて、プライベートでも物をいまだに作っていたりとか、別にWebも作っているし。そんな思考プロセスが合致したのでリクルートに入りました。

入った時は別にWeb志望じゃなかったんですよ。雑誌でも作ろうかと思っていて、配属されたのがネット部門で、じゃあネットやるかくらいの。

栗林:内山さんは広告とか受けられていたということですが、鹿毛さんは他にどういうところを受けられていたのですか?

鹿毛:任天堂と、ソニー、Googleと、あとは楽天、DeNA、そのへんですね。任天堂とかはわりと僕らの上の代の人は結構行っていて、同期だとソニーとかリクルートも。

メジャーなモノづくりの世界を見ておきたかった

栗林:学生時代にビジョンというか将来こうなりたいなとか、思っていたこととかあったんですか? こういう自分になりたいとか。こんなサービス携わりたいとか、こういうことをやってみたいとかあったりしましたか?

鹿毛:具体的なビジョンでは全然ないですけど、大学の2年生ぐらいに思っていたのは、将来おじいちゃんになったときに、身の回りに自分が手がけた家具だったり家電だったり。それは自分で作ったみたいなものが周りにあって、暮らせればいいなというものはありました。

大学院に入ってからは自分が携わったものであったり、携わって作ったサービスであったりとか、人に頼まれたりとか、「彼がいてプロジェクトを回すとすごくいいものがつくれるよね」というふうに言われるようになりたいと思った。

栗林:内山さんはどうでしたか? 学生時代のビジョンというか、将来こういうふうになりたいなみたいなとか。

内山:元々僕、ダブルワークのままでリクルート入ってて、最初の新人紹介みたいな社内のこういう冊子で紹介されたんですけど、そことかでも自分でやってるブランドを宣伝とかしちゃって。

質問の答えになってるか分からないんですけど、建築とか、あと音楽もやっていたんですけど、尖ったものを作ろうとしている人って、すごい狭い世界で頑張るんですよ。

メジャーなものを嫌うというかですね。すごいメジャーな、例えば「J-POPはカッコ悪いから俺はROCKで生きていくんだ」みたいなのとかあるんですけど。けっこう建築とかでも尖ったデザイナーの方、仲間とか先輩とかを見て、すごい優秀なのに建築の世界ってすごい閉ざされているので大衆受けしてバンバン、メジャーになる様なデザイナーってあまり生まれないんですよ。

……というのがすごい嫌だなーと思って、いきなりデザインで独立したら、小っちゃい世界で終わっちゃって、1回世の中を動かしているデザインとかモノづくりを見てみようかなと思って、そのときに1番こう……。結構かっこ悪いデザインをたくさん作っているんだと思うんです、リクルートって正直。いまだにそれは思っているんですけど。

でも受け入れられるには理由があって、こんだけ色んな人が普通に使ってるサービスを作っている会社で、ちょっと中を見てみようかなと、世の中を動かすデザインを1回知ってみようと思って、僕はリクルートに入りました。

だからあくまでもずっとダブルワークしつつ、ちょっとスパイじゃないんですけど、どういうデザインと、どういうモノづくりが世の中を動かしているのか知ってみようと思って、マイナーなところからメジャーなところに、ちょっと両方に足をかけてみようかなと思いました。

制作協力:VoXT