ABTV Networkが語る「YouTubeをお仕事にする」

司会:はい。ありがとうございました。では引き続きABTV Networkさんから、実際にこれまで手がけられてきたお仕事の事例だったり、そこについてのお話を中心にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

荻野氏(以下、荻野):ABTV Networkの荻野と申します。よろしくお願いいたします。

まずちょっと、休憩がてら。結構ガッツリだったと思うので。ABTV Networkと言うチャンネルがどういう動画を上げているのかを過去にまとめたものがありますので、ちょっと息抜きに見てみてください。そこからお話を始めたいと思います。

荻野:まあ、こういった動画をつくっています。どういう動画を見せたら皆さんにわかりやすいかなと思ったんですけど、ABTV Networkはやっていることが多いというか、そもそも、あまりテーマもないので、とにかくやりたいことをどんどんつくる感じです。

大半が個人的に作りたいと思ってつくるものですが、この中には、企業さんとの案件の動画も入っています。そういう感じで非常に幅広くというか、自由にやっております。

「YouTubeをお仕事にする」というタイトルで、今日はお話させていただきます。

友人一言がきっかけでYouTubeでの動画公開をスタート

まずは「ABTV Networkが本格化するまで」ということで、今までの経緯をお話させていただきます。本日は学生さんが多いということで、かなりフランクにスライドをつくってきたので、ここから先はフランクに話しましょう。

荻野龍登(おぎの・りゅうと)と申します。年齢は27歳です。2008年4月にイラレとフォトショを独学で学びます。大学に入っていたんですけど、誰も使ってなかったので、独学で学びます。

ちなみに僕はデザイン系でもクリエイティブ系でもない大学ですけど、部室のPCに入っていたんですね。おもしろいなと思ってチョロチョロ触っていました。

当時はこんなふうに「YouTubeをやってみませんか?」なんていう時代ではなかったので、私の大学の友人がYouTubeに動画をアップしていることをすごい自慢していたんです。たった一本なんですけど。「荻野っち、俺、YouTubeに動画アップしてみたんだよね。ネットにアップするってちょっと怖いけど、すごくない?」みたいな。

僕はネットに動画をアップするという意味が、2009年の時点ではよくわかっていませんでした。なぜかというと、その当時、ブラウザとかそういう意味も全くわかっていませんでした。

2007年に大学に入ったときに、初めてパソコンの電源を付けました。だから、パソコンの電源のスイッチがどこにあるのかって、今でも新しいパソコンを買うと全然わかんなかったりするぐらい機械音痴でした。

それがきっかけで、翌年にはいきなりVFXを勉強し始めます。当時、アフターエフェクトというのを使うと、テレビドラマと同じようなことができるというのをどこかで聞いて「じゃあ、やるよ」と言って、もうなんにも技術も知らないままアフターエフェクトを買って、ここも独学で学び始めます。

2010年12月、毎日のようにアフターエフェクトを触っていて、YouTubeへの動画配信を開始します。ただ、このときはYouTuberなんていう言葉もないですし、ポートフォリオとしてしか考えていませんでした。

単純に自分がつくった作品を置いておく場所が欲しかったっていうだけです。再生回数とかも気にせず、ただ何となく見られていたんですね。ホラーショートとかをアップしていました。

新卒で入った会社を2カ月で辞めてフリーの道に

2012年1月。僕は一応大学院まで出ています。あんなバカみたいなことをやっていますけど、一応、すごい勉強してきました。在学中大学院に上がってから、YouTubeにABTV Networkとしてコメディアニメを配信開始します。

2012年1月になるまで、僕はアニメーションなんて一個もつくったことがなかったんですけど、1月1日に思いついて、1月4日に1本目をアップしました。

で、その年の12月、YouTubeパートナー支援プログラムNextUp2012というのに入賞しました。これはデジタルハリウッドさんと提携したプログラムですよね。なので当時、作品を手伝ってくれた方もいらしていますけど、第二の母校でございます。

2013年1月、YouTube Space Tokyoというのが六本木ヒルズの森ビルに入っているんですけれども、それのオープニング作品に、VFXアドバイザーとして参加しました。

卒業後、YouTubeで暮らしていくということは、そもそも考えてなかったんですが、なぜか機械系のコンサルに入社しました。営業でしたね。ただ、つまらなくて2カ月で退社します。引継ぎも何もなかったので、2カ月で「辞めます」と言って退社します。

でもそのときにお仕事があったかというと別になくて、「フリーランスの映像クリエイターっていう名前でやっていっても大丈夫かな? お父さん」みたいな感じで辞めました。

で、ABTV Networkとして開始しました。当時は並行しながらちょっとはお仕事があったんですけど、いろいろあって現在という感じでございます。

オリジナルコンテンツと企業タイアップの2本柱

では次に「そもそもABTV Networkとは」。

活動期間は2012年1月から。登録者数は7万人近くですね。再生回数は1千万回、アップロード動画数は3年間で450本ぐらい。扱っている動画はアニメだとか、チュートリアルだとか、お悩み相談ラジオだとか、あと起業支援だとか。毎週月曜日と水曜日に動画をアップしています。

具体的なお仕事としては、オリジナルコンテンツの配信、タイアップ。あと他のYouTuberの方への技術提供、オリジナルグッズの販売、講師活動などですね。そういうことをやっています。

それぞれちょっと説明していきます。

オリジナルコンテンツの配信。これは自分が自由に作った動画です。先ほど一番最初に流れていました、ほどよく長いとか、そういう動画は、とにかく個人的につくっているものです。

企業タイアップは商品とかサービスを紹介する動画なんですけれども、具体的に見ていただきましょう。

荻野:こちらは中古マンションを買ってくださいというよりかは、中古マンションを買うにあたって、どんな問題があるのかというのを、全6回に渡ってシリーズ化しているものです。この「まいことあいこ」というシリーズで動画をアップしています。

こういうシリーズ化をするんですけれども、そもそも、なぜこれをシリーズ化しようというお話なったかというと、最初は1本で動画をつくってくというお話だったんです。

でも、中古マンションを買うに至るまで、ものすごい問題があるだろうと。ということは、それを複数回に分割してやったほうが全体的な情報を網羅できるんじゃないかと。

6カ月、半年間にわたってやるから、例えば、どんどん動画が埋もれていく中で、新しいシリーズがバンバン出ていったら、またそれで昔の動画も見てもらえるんじゃないかということで、逆に提案させていただいたんですね。

お金の話となりますと、そこは1本ぶんじゃないですね。6本分です。金額です。でもそういう提案の仕方もあります。

元の映像が使えない場合はパロディで

他にも企業タイアップで、先ほどは一つの商品で複数の動画に分けるって言いましたけれども、企業タイアップ用につくったキャラクターで、カラフル家族というキャラクターもございます。

このカラフル家族というのは、今、多分16本ぐらいABTV Networkにアップされているんですけど、カラフル家族を知らなくてもわかるやつを見てみましょう。

荻野:こうやってカラフル家族という家族の視点でいろんな企業さんとタイアップするんですが、これは家族の目線だったら説得力もあるからです。実際にこの動画をつくるときに自分の家族に聞いたりするわけです。「どんなことがあったらいい?」みたいな。

こういうタイアップの方法もあります。実際にあのキャラクターを一からつくってタイアップをするときに「どんな方法でやりたいですか?」というのを逆に求められたりもするので、「じゃあ、今家族のシリーズが結構人気があるし、つくり慣れているので、家族のネタで今回やってみますか」と逆に提案してみたり、そういうこともやります。

あとはパロディですね。映画やドラマ、ゲームなどのキャラクターを使って、パロディをする。実際にパロディをやることのメリットとしては、そもそもストーリーがありますよね。

例えばトランスフォーマーだったら、一瞬でパッとわかるし、大体トランスフォーマーは知っているだろうと。トランスフォーマーのキャラクターがいるという前提で、自由にネタをつくる。実際に映画のワンシーンのパロディ化したりしています。

あとはゲームをパロディ化したりします。

あとはもうひとつ問題があって、例えば元映像を使えるかどうか。使える場合は、キャラクターが何かわからなくても、一番最初に「こういう映画がありますよ」と実際に映像を差し込めます。

ただ、元々の映像の素材が使えないときにどうやってプロモーションをするかといったら、パロディしかないよね、ということでパロディをしたわけです。それでも非常に人気がありました。実際にそのドラマという元ネタがあるとわかったかどうかはわかりませんけれども、このネタ的には人気はありました。