死神が現れてからではもう遅い
ランディ・パウシュ氏:本日この場にいることをうれしく思います。コーエン学長に、本日卒業していくみなさんにエールを送るように頼まれました。しかし、私がみなさんからこの場でいただいた活力と比べたら、たいしたものではありません。
ここ、カーネギーメロン大学は素晴らしいところです。多くのレンズを通して、卒業式を見てきました。私が大学院生の時、当時私は入学許可を受けていませんでしたが、どなたかが私を呼び戻し「やっぱり考えが変わったよ」と受け入れてくれました。またこの大学は、何年も後にまた私のことを雇ってくれました。
そして、誰もがやりたがることに挑戦できるような機会を与えてくれました。それはつまり、自分自身の情熱や心に従って、ワクワクするようなことに取り組むということです。また、この大学が他大学に比べて優れているところは、挑戦に対して邪魔をしてくる人がいないという点です。それは実に素敵なことです。
人が組織を愛する尺度で言うなら、私はこの場所が大好きです。ここにいる人全員のことが好きです。ジェリー・コーエン学長やみなさんからいただいた思いやりと優しさに感謝しています。
昨年の8月、私は余命3から6カ月ということを宣告されました。それから9カ月経ちましたが、もちろんここでひれ伏し、腕立て伏せをするつもりはありませんが、バスケットボールの試合にはふらっと参加する予定です。
(会場笑)
誰かが「その数字」を踏まえて私に言いました。「あなたは死神を倒しているのですね!」私はそのとき思考する暇もなく、「私たちはより長く生きるために死神を倒すのではなく、良く生きるために、あるがままに生きるために死神を倒すんだ」と断言しました。
忍び寄る死神の手の中で突きつけられる質問は「私たちが生まれ、そして死神が現れるまでの間に、何をするのか?」ということです。なぜなら、彼が現れたら時既に遅し、時間的余裕がある時にできる全てのことができないのです。