なんで私が不合格?
学生の将来を左右する性格適性テストの障害

成功を決める怪しいコード: 嘉陽 舞樹 at TEDxTokyo (日本語)

就職活動をしているとき、性格適性テストの基準を満たさないという理由で採用が不合格になってしまう場合があります。嘉陽舞樹氏によると、性格適性テストの内容自体はとても曖昧であてにならないものばかりだと語ります。本来、仕事の適性は個人のモチベーション、願望、個人の成果が重要になるのではないでしょうか。嘉陽舞樹氏は何千人もの人から夢見てきた仕事を奪ってしまう適性テストに対して疑問を投げかけました。(TEDxTokyo2013 より)

スピーカー

性格適性テストはもともと戦時下で使われていた

嘉陽舞樹氏:今日、私は大学の最後のテストの真っ只中、ここに立っています。15個のテストが、最終的にひとつの数値となって私の未来を決めます。私たち学生は、ふと立ち止まって考えてしまいます。テストの結果が重要なのかと。

ただ覚えておくべきなのは、やはり、大学、成績、キャリア、成功する未来のためには重要だということです。

皆さん、(ご自分が)大学を卒業したばかりだと想像してみてください。夢見てきた仕事の初めての面接です。面接は会話も合いコンタクトもばっちり、業界知識もアピールできました。

ただ、筆記テストはちょっと変な感じでした。たくさんの質問があって、尋問されているようで、正直、仕事とは関係ないものでした。それでも次の日、結果を待ちました。

封筒を開くと「不合格」。なぜ? 筆記テストの、性格適性テスト基準を満たさなかったからです。実は、このようなことはいろいろな業界で起きていて、何千人もの人から夢見てきた仕事を奪っているのです。

性格テストは、作為的に私たちの能力やどのような人間かを測るもので、採用判断の決め手として使われるべきではないと思います。

性格テストは1917年に考案され、(戦時下)どの兵隊が爆弾攻撃に精神的ダメージを受けやすいかを測るためのものでした。もちろん現代においては、核爆弾やゾンビ・アポカリプスで精神がおかしくなってしまうかを測るものではありません。

指摘したいのは、これらのテストは、そもそも性格を診断するものではなくて、精神異常を測るものだったということです。

よく使われる性格テストには、マイヤーズ・ブリッグス・テストというものがあります。このテストは、うんざりするような質問に答えた後、4文字のアルファべットの性格、行動を当てる仕組みです。INTPとか……。

それぞれのアルファベットが性格のタイプを示します。4文字であなたの性格が定義されてしまうのです。

4文字コードのひとつが、16種類の可能なバリエーションからたったひとつの組み合わせが、採用につながるのです。

個性や適性はテストでは示せない

1920年代のテストが、精神異常を測定したのに対し、今のテストはあなたの資質ではなく、習慣を測定するのです。とはいえ、皆さんはこう考えるでしょう。私にとって、この性格テストに答えるのはそんなに難しいのかしら? 

理想的な候補者として自分をよく見せるためにテストを受けていくとすると、まず最初の質問はこんな感じです。「あなたは責任感が強いですか?」と。

どんな仕事に応募しているにせよ、誰でも「はい」と答えますよね。このテストでは、この回答によって、あなたは、決断型、または判断型に分類されてしまいます。そうです! 責任感とは直接関係ないのです!

ただ、会社はこの結果によって、あなたを、より不適合と判断し、不合格を出すことにもなるのです。これは、性格テストが誘導的である理由のひとつです。質問ははっきりしているのに、その結果がとても曖昧なのです。

次に指摘したいのは、曖昧さです。非常に危険なまでに作為的なテストの特徴です。例を使って説明します。

皆さん、自分はどういう人間か、ちょっと考えてみてください。いくつか文章を読みますので、自分に当てはまったら手を上げてくださいね。よろしいですか? 

1つ目。「時々変化を求めるタイプだ」

(会場挙手)

「自分の願望の中には、非現実的なこともある」

(会場挙手)

最後。「時々、正しい判断や正しい行動をしたか不安になる」

(会場挙手)

ありがとうございます。今、どれ位の手が上がったか見ましたか? 

皆さんは今、バーナム効果を実証したのです。誰にでも当てはまる一般的な性格を、自分だけが当てはまると捉えてしまうのです。

今の3つの文章は、実際にバートラムの研究から引用したものです。これらの質問をどれ位当てはまるか、多くの学生に5段階評価で調査したところ、平均点は5点満点で4.3でした。

多くの学生は自分によく当てはまると考えましたが、みなが、実は同じような評価だったのです。テストは、誘導的なだけでなく、とても曖昧であてにならないのです。

テストが信頼できるものであるならば誰も反対はしないでしょう。しかし、研究では逆のことが示されています。

ある研究では、MBAの学生がテストを受けましたが、72%(の学生)は、やりたくないのにテストを受けたと言っています。テストが一般的である点については、アニー・マフィー・ポールという作家が、本、まる一冊費やして述べています。

「性格テストは、婉曲的で、特徴がなく、適性や才能があることをやわらかく表現している。それが成功していることだ」と。

根本的な問題に戻りますが、みなが忘れがちなのは、個性は定量化できないもので、ましてやコードでは示せないということです。

忘れられているのが、仕事の適性は個人のモチベーション、願望、個人の成果が大切だということです。ですから、作為的なテストの使用はやめるべきです。

そして、私が高校のテストを終える時、この愚かな障害物に直面して「何のために無駄に何年も過ごしてきたんだ」と思わなくて済むように。

そして2013年、私と同じ卒業生たちが、そして私たちの子供たちが卒業する時に、夢の仕事に向けて公平なチャンスが得られますように。

(会場拍手)

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