SNSは現代のタトゥーである

フアン・エンリケス氏:4つの関連することがらについて取り上げます。ビッグデータ、タトゥー、不死、ギリシアです。

まずタトゥーについてですが、タトゥーは強いメッセージ性を持っています。

多くを語る必要性はありません。

(会場笑)

タトゥーは多くのストーリーを伝えてくれます。ぶしつけな質問ですが、タトゥーは入れている人はどのくらいいますか? そんなに多くはないですね。

もしFacebookやGoogle、Twitter、Linkedin、携帯電話、GPS、Foursquare、Yelp、Travel Advisorなど、これらのみなさんが日常的に使うものすべてが電子タトゥーになったら?

いかなるタトゥーよりもあなたが誰で何者なのか、多くの情報を提供するものになるとしたらどうでしょうか?

この数十年間で起きたのは、みなさんが国家元首や有名人なみの取材対象になったということです。誰もが毎日のようにツイートしたり、ブログを書いたり、みなさんをフォローしたりしながら、信用度やみなさん自身の行動を見ているのです。

電子タトゥーはすべてをさらけ出す

電子タトゥーも通常のタトゥー同様に、メッセージを発するのです。この影響について考えている間に、さらに厄介なことが起きています。これはただの電子タトゥーではなく、高度な顔認識機能も備えているからです。

iPhoneで写真を撮ると、名前がすべて出てきます。もちろん間違えることもありますが。

(会場笑)

しかしこのような典型的なバーの場面でも、この男性の写真を撮ると、実際に話しかける前に名前を入手し、すべての記録をダウンロードすることができてしまうのです。

誰もが電子タトゥーによって、さらけ出されているのです。

いまやface.comのように、180億の顔をオンライン上で保存している会社もあります。この会社は、2012年6月18日、Facebookに売却されました。

こんな風にカメラを使う会社もあります。これはFacebookとは関係ありませんが、彼らはみなさんの写真を撮り、ソーシャルメディアに結びつけます。

みなさんが黒いドレスを気に入っていることが分かると、ショップ店員は「黒いドレスが5着あるのですが、きっとお似合いになると思いますよ」と言うことでしょう。

もしアンディ・ウォーホルが間違っていたら? 彼の持論はこうです。「未来では、誰もが15分間有名になれる」。こう変えたらどうなるでしょう? 「誰もが15分だけ匿名になれる」と。

(会場笑)

電子タトゥーで我々は不死に近づいている

電子タトゥーによって、我々のほとんどが不死に近づいたのかもしれません。電子タトゥーは我々の身体よりも長く残るのですから。もしこれが本当だとしたら、ギリシアの教訓を4つと、ラテンアメリカの教訓を1つ知っておいた方が良いかもしれません。

なぜギリシアなのかというと、ギリシア人は、神と人類と不死が混在するとどうなるか長い間考えてきたからです。

まず1つ目の教訓は、シーシュポスについてです。覚えていますか?

彼はこの岩を山頂まで持ち上げ、転げ落ちてはまた持ち上げるという苦行を強いられていました。我々の評判のようですね。一度みなさんが電子タトゥーをつけると、もてはやされたりけなされたりします。なので投稿する際は慎重にしましょう。

2つ目はオルフェウスについて。魅力的で人気者、素晴らしい吟遊詩人でした。最愛の妻を失くし、黄泉の国に入ります。そこに入れるのは彼だけです。

彼は神々を魅了し、黄泉の国を抜け出すまで彼女を見てはいけない、という条件付きで妻を取り戻します。彼は歩いて歩いて外界を目指しますが、ついに我慢できなくなります。彼女を見てしまい、永遠に失うことになるのです。

ですので、恋人のデータを過去にさかのぼって見るというのは、賢明ではないかもしれませんね。

3つ目はアタランタについて。彼女はとても足が速く、相手を選びませんでした。負ければその人と結婚し、勝てば殺してしまうのです。ではヒポメネスはどうやって彼女に勝ったのでしょうか?

彼は黄金のリンゴを持っており、彼女が追い越しそうになるたびに、そのリンゴを転がしました。彼女が気を取られているすきをついて、彼はレースに勝ったのです。

黄金のリンゴが近づいてくるのを見て、オンライン上に投稿したり、ツイートしたり、夜遅くにメッセージを送ったりすることが賢明かどうか、考えてみてください。

それからナルキッソスについて。ここにはナルキッソスのような人はいませんよね。

(会場笑)

でもご想像のとおり、自己陶酔しないように気をつけてくださいね。

最後の教訓は、ラテンアメリカのものです。偉大な詩人ホルヘ・ルイス・ボルヘスは、アルゼンチンの軍事政権の軍団に脅されたとき、こう言いました。「死を持って以外、何人も脅すことはできない」と。

おもしろいことに、新しい視点ですが、不死の恐怖で人を脅したらどうでしょうか。それが今日、我々が電子タトゥーによって脅かされていることのすべてなのです。

ありがとうございました。