「頭は使えば使うほどよくなる」脳を鍛えて成長させる5つの強化法

Method of strengthen brain using BRAIN ADDRESS to grow at any age | Kato Toshinori | TEDxNagoyaU

自分の能力を伸ばしたり、脳をトレーニングするにはどうしたら良いのでしょうか。脳の学校・代表を務める医師の加藤俊徳氏は、脳を鍛え、成長させるための取扱説明書「5つの脳番地強化法」を提案。脳番地トレーニングで脳を育て、その結果、ものの見方や世界観が変わり、自分自身が変わることができるのだと語りました。(TEDxNagoyaU2014 より)

「頭は使えば使うほどよくなる」という母の言葉

加藤俊徳氏:皆さんこんにちは。脳の学校代表の加藤です。今日は、皆さんがどうやって日頃生きていったらいいか……生きるためには、脳を使わなくてはいけません。

今、世の中に必要なのは、脳の取説(取扱説明書)だと私は思っています。世界の共通言語って何だと思いますか?

皆さんは英語だと言うでしょう。私は「brain」脳だと思いますね。だからこそ脳の取説を知って、その先に世界平和も、人類の発展も、地球の環境の整備もあるんだと、そう考えています。

しかしながら、そんな大風呂敷を広げても、私たちは微塵も世の中を変えることができない。何を変えるべきか。私はまず、皆さんは一人ひとり、自分自身を変えるチャレンジをしてみたらいかがかと思います。そのためにはどうしたらいいか。皆さんの脳を変えることです。

私の脳を最初に変えてくれた人は、母親です。母のささやき。今から50年以上前に、現在78歳の母親は私にささやきました。「頭は使えば使うほどよくなるから」ずっとささやきます。

今でも、電話するとそうささやきます。決して認知症ではありません(笑)。この母親はなぜささやいたか。まあ、出来の悪い息子だったんですね。

小学2年生のとき、通知表は2か3です。国語も2。いま本をいっぱい書いているのに国語2。要するに、国語の成績と本の数は関係ない。

母親がずっとささやいて(いる間)「お母さん、頭はどうやって使ったらいいの。頭が使えないから、僕は頭が悪いんだ」とずっとそう思ってきました。

しかしながら、私は母親に言い返すことはありませんでした。ひたすら50年以上この事実「どうやって使ったらいいか」を求めてきました。そしていま皆さんの前で、私は頭の使い方を話しているんです。

今まで私が受けてきた教育、医学部も行きました。予備校も行きました。(しかし)オンリーワン、最高の教育は母親のささやき。

たったひとこと「頭は使えば使うほどよくなるから」。これを超える教育法はありませんでしたね。ですから、皆さんにもこのメッセージを送りたいと思います。それを共有したいと思います。

衰えた肉体は脳の衰えを引き起こす

第2番目、もうひとつは自然ですね。皆さんは「便利」「効率が良い」それによって時間を得た。効率が良くなって時間を得て、何に使いますか。

衰えたるものは何だと思いますか。皆さんの筋肉、肉体ですよ。時間を得て衰えた肉体は、何を引き起こすんですか。脳の衰えです。自然と関わることが、2番目の脳の強化書です。

4年前に出した私の本は、今20万部売れているそうです。実感はありません。しかしながら、今これが世の中に必要なのは明白です。

科学者の私はそれがわかってました。が、世の中がそれに反応するかどうかは社会の趨勢や環境によるんです。科学者は、その1滴のインスピレーションを世の中に落としていく必要がある。そう考えています。

誰もほめません。誰も賞賛してくれません。しかしながら、私たちは向かうべき道に向かうべきだと思いますね。

私はとにかく頭が使えないから、小学2年生のときに母親が着物を着て父兄会に行ってきたんですね。帰ってきたら、青ざめてるんです。その光景はありありと覚えてます。なんて言われたか。

「お宅の息子さんは体もでかいし、教室の窓から海ばかり見てるし、ひょっとしたら知恵遅れじゃないか」って、青ざめてるんですね。おばあちゃんが「将来どうなるかわからないから、大切に育てよう」(と言った)。覚えてるんです。

なぜ私が海ばっかり見ていたか。私の祖父が、海で漁をしていたんです。海が大好きだから、祖父の船を小学校の教室の2階の窓から探していたわけです。しかし、それは言い訳です。

国語の本も読めませんでした。家にも1冊も本がありません。父も母も小学校しか出ていません。その私が医学部を出て、皆さんに脳の話をする。奇跡的(なこと)ではありません。

脳を改造する。自分自身で鍛える。そして伸ばす。それによって、私たちは進化することができます。

スポーツの大会で脳と体のつながりに気づく

私が気づいたのは、まず体を鍛えればなんとか母親をよろこばせることができると思ったんですね。それで、見てのとおりこういうふうになりました。このとき中学3年生です。中学3年生のとき、私は垂直ジャンプが110cmくらいありました。胸囲110cm、ほとんど脂肪はありません。

すべての筋肉を鍛えれば、万能の選手になれると思ったんです。運動をやりすぎて、体も痛めました。しかし、そのおかげで体を動かす限界(がわかった)。体を鍛えてもすべてを鍛えることはできないと、なんとなくわかったんですね。

(私は)新潟県出身なんですね。それで小学3年生から、何でもいいから新潟県でスポーツの1位になって親を喜ばせようと思って、5年計画、あるいは6年計画を立てたんです。

中学3年生の8月6日か7日に県大会があって、そこで本当に優勝するんでけど、その前に一人でグラウンドで練習して汗がタラタラたれてるときに「脳だ!」って気づいたんですね。

なぜか。「自分の体を動かしてるのは、この脳みそなんだ!」という……。皆さんは今、脳だって何だってわかりますよ。でも40年前の脳なんて、紙切れにも書かれていない、新聞にも出ていない。

今、脳はあふれていますよ。間違った脳が。「オー、ノー」なんて冗談でも言えない。

そこで医学部に行きました。医学部に行くと、いずれ天才的で神みたいな偉そうな教授が現れて「加藤よ、脳はこう習いなさい」と教えてくれるものとばかり思っていた。

だから僕は中学でスポーツで優勝しても、推薦でどこでも行けるって言われても、一切断って無視して医学部に行った。医学部では我慢して6年間座ってました。皆さんのように。「いつか神が現れる」と思って。現れなかった。あっという間でした。自分の青春を返せと思った。本当に。

自分が求めていたのは「健康な脳を育てること」

それで、一番成績の悪い(人が選ぶ)小児科医になりました。これがよかった。小児科医になって半年で「失敗したな」と思いました。忙しすぎる。しかしながら、当時医学の中でMRIが使われ始めました。これで患者さんを診ながら脳を見て、一緒に付き合わせていました。そうしたら、徐々にわかってきました。

医学部には、脳が成長する法則なんて教える理由も、原則も、モチベーションもないんだと。なぜかというと、病院は病気を治すところなんです。病気を研究するんです。僕が求めていたのは「健康な脳を育てること」だったんだと、初めて気づいたんですね。

私は脳が成長する法則を求めてきました。今は、脳の個性を診断する技術を持ちました。一人ひとりがどんな個性か、脳を見ただけでその人にどういう特徴があり、どういう生活をしているか、どういう考え方をするかわかります。

それは僕がうまく本が読めない代償で、小さいときから目を見て、光景を見て、目で情報収集と解析をして生きてきたことに非常に関係していると思います。

このように、私たちは経験して体験することによって、いろんな個性が生まれて自分の脳が形づくられるんです。1万人以上の脳を見てきて、一人も同じ人がいない。双子でもいない。なぜか。

それは私たちの環境や経験がすべて脳に移し換えられて(いるから)。本当は、脳という臓器は私たちの個性を表すため、それを保持して進化するための臓器だったんです。決して、単純に頭から指令を送る役割じゃなかった。人類は脳の役割さえ発見してなかったんですね。

「能力」とは経験によって伸ばした「脳の番地」

そこで考えました。子どもの脳は1kgなんですよ。皆さんの脳は、それにプラスステーキ1枚ですよ。350gの中に、大人と子どもの差がどこに存在しているか考えたんですね。このヒントが、ひょっとしたら人間の能力の差、違いをつくっているんじゃないかと思ったんです。

すぐには答えは出ませんよ。ここから結構苦しんだ。これは私が発明した画像法です。枝ぶり画像といいます。(左は)生まれたばっかり、それから(真ん中は)子どもさん、これ(右)は皆さんの脳です。見てください。脳のネットワークが映像化されます。そして黒くなっていきますね。これは脳内のネットワークで、皆さんが今使っているところが黒く映るんです。

見てください。(脳の)右と左、太さが違うじゃないですか。皆さんの鼻から右と左は左右対称に見えるけれども、脳の中は非対称なんです。なぜか。最初ツルツルだったのに枝ができていくわけだから、この成長の原則が違うということです。なぜこうなったか。

経験が違うんですね。経験したところが太くなっていくんですよ。経験していないところは苦手であり不得意なんですね。要するに未熟なわけですよ。

そうすると「能力」はいったい何かってことです。能力というのは、皆さんの経験そのものによって伸ばした「脳の番地」なんです。

全部均等じゃないということは、場所ごとに伸びていくんですね。こういう脳が成長する原則がわかれば、私たちは自分で自分の脳も鍛えられ、伸ばすことができます。大風呂敷を広げるよりも、まず自分を改革しましょうよ。

皆さんは自分の脳を見たことがありますか? すばらしい体験をしたら、その前後で脳を見たらどうですか。今の技術は1ヵ月前後で脳が変わっているのを検出できます。

もちろん、そんなことを鑑定できる医者はほとんどいません。今のところ、私以外は。「そうじゃない、いる」って人は手を挙げてほしいんだけど誰も出てこない。それではいけないんですけども。

要するに、脳というのは「経験して形を変えて成長する臓器」だったんです。身体の中で、未熟から始まりそれでも未完な臓器というのは脳だけなんです。それそのものが脳の役割だったんですね。

それを気づかせてくれた。たった(一言)母親の「頭は使えば使うほどよくなるから」というメッセージによって。

よく考えてみると、脳はこんなに広い。いろんな役割がある。細胞の種類も50種類以上、もっといっぱいあります。大脳皮質だけで50種類以上あるわけだから。大雑把に分けて脳の役割というのは、前頭葉の「思考系」の番地。

考えますね。怒り、笑い(といった)「感情系」の番地。こうやっておしゃべりをする「伝達系」の番地。体を鍛える「運動系」の番地。

(残りは)記憶する、聴く、見る、それから物事を理解する。こういったものの集まりによって脳が構成されてるんですよ。

だから、私が中学まで必死になって「すべての筋肉を鍛えて万能な人間になる」と願っても、運動系の番地に関連するものだけが伸びたんですね。そこで高校に入った。座ってるのがつらかった。

とにかく、まともに本を読んだことがないから。でも医学部に行くために、読めない本も一生懸命読んだ。つらかったね。

それは側頭葉、要するに知識がなかった。本を読まないから。世の中、この社会は、言語を集めていろいろな新しい言語を生み出して交流しているので、その言語環境に能力が依存するんですよ。

だから僕みたいに映像が読めたり、きれいな絵を作れたりというのは評価することができない。それが「見つけることができない能力」の一番の違いですね。

言語能力が卓越している人だけが、非常に社会で目立つ。これは脳の番地を意識しないからです。だから、脳の番地というのは能力革命につながることなんです。私が革命するんじゃないですよ。脳そのものがそういう存在だったということを、お伝えしたいだけです。

脳が変わったら自分自身も変わる

例えば、この27歳の女性。すごく頭が良いですよ。言語能力が卓越しています。しかし、自分の目で見て行動するということが足りなかった。「ないもの」に気づく、発見するという能力がまだなかったんです。

「あなた、このまんまでいい?」って聞いたら「私、いや」って言うから、脳を育てる方法を教えました。2年後、女性なのに頭の中にひげが生えてきた。白いところが黒くなっています。

要するに、脳というのはこういうふうに変わるんです。脳が変わって何が得か。世界観が違う。この脳(27歳時)とこの脳(29歳時)で同じものを見る。まったく違う。脳が変わったら自分自身が変わってるんですよ。だから、感じ方もアイデアも変わって当たり前なんです。

私はいろいろな人を見てきて、脳を伸ばすことでアンハッピー、嫌な人は1人もいません。人間が耐えられないのは、目を開けて頭が働かないで空白な状態がつらい。

子どもは、学校でつまらない教師の話を聞いてモジモジと動き始める。それは教師のスピーチ、教え方がヘタクソだからです。なぜか。子どもの脳を動かすことができない。まあ、もちろん子どもにも原因はありますよ。

5つの脳番地強化法

さて、まとめるとこの5つの脳番地強化法(になります)。これは単に重要なことだけを書きました。「頭は使えば使うほどよくなるから」そのとおりなんです。

使い方が問題なんだ。(頭の)使い方が脳番地の使い方なんですよ。私の母は偉かった。でも、脳なんて家で話したこともない。

自然は脳の強化書。すべての筋肉を鍛える……皆さんはこれをあきらめてはいけません。使ってない筋肉がいっぱいある。

筋肉と連動すると脳の使い方が違う。頭が働かない、アイデアがない人は、ぜひ使ってない体の筋肉を使ってください。歯磨きを反対の手でやるのもいい。

私は4歳のときに、左利きから右利きに変えるために書道に行きました。それによって「右手を使う、左手を使う」ということをいつも考えて行動するようになりました。

だからこそ、それが今「脳番地トレーニング」を考えるときに非常に役に立ちました。脳番地トレーニングは書籍にも書いてあるし、考えればいろんなことが湧いてきます。

一番大事なのは、皆さん自身が自分で自分の脳番地トレーニングに目覚めることだと思います。自分を変えることが隣を変えて、世界を変えて、それが脳の共通言語(になる)。

脳の取説、それがいま必要なことで、世界が求めること。大事なのは脳の取説なんです。だから私は脳の成長の仕方を説く。それが今日、この場に立った理由です。

ご清聴ありがとうございました。

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