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小泉進次郎氏囲み取材(全1記事)

【全文】規制ありきではイノベーションは生まれない--小泉進次郎氏がドローン活用の方向性を明言

幕張で開催された第1回国際ドローン展を、内閣府大臣政務官の小泉進次郎氏が視察。ドローンのデモンストレーションの見学や、実際の操縦体験を終えた後で、記者による囲み取材に答えました。官邸ドローン事件などを踏まえたうえでの、法規制のあり方などについて語っています。

ドローンには幅広い可能性がある

小泉進次郎氏(以下、小泉):いつかもしかしたら、カメラもドローンになるかもしれないね。

記者:(笑)。みんな職を失っちゃって。

(カメラのセット)

記者:よろしいでしょうか。今日はいろんなかたちのドローンを視察されましたが、まず地方創世の観点から、どのように受け止められたでしょうか。

小泉:リスクはもちろん、しっかりとケアしなければいけないんですけど、その可能性を大いに期待したいと思いましたね。

実際に各社さまざまなドローンを見て、多くの方がイメージとして持っているドローンと、実際にこの場に、今日見せていただいたドローンと、かなり幅もあるので、いろんな可能性がビジネスの中で展開できるんじゃないかと思いました。

特に、すごくこれからの可能性を期待したいなと思ったのは、三河屋さんの、新聞配達と提携をしながら、山林の、山奥の中のおじいちゃん、おばあちゃんに、いわゆる買い物弱者とか、そういうふうに言われる方々に、ドローンを使って、御用聞きのような、そんなサービスができないかという取り組みは、いろいろな安全面とかを考えると3年後を目指してって仰ってましたけど、これはいろんな支援を考えていけば、3年待つ必要はないんじゃないかな、と。

もっとはやく、これは実際に動かしていけるような、そういったことは考えられないかな、と。これはこれからしっかり取り組んでいくべきだと思いました。

ゼロリスクはありえない

記者:「空の産業革命」と言われる中でですね、世界の競争がこれから激化していくと思いますが、そこで日本がトップランナーになるためには、どのような後押しをしなくてはならないでしょうか。

小泉:まずひとつは、このドローンというものを、どのようなかたちで社会をより良くできるのかという、実際目に見えるかたちを、ドローン特区などさまざまなフィールドを通して、実際にやっていくということでしょうね。

最近色々な事件もあったので、ちょっとこのドローンに対する報じられ方が、ドローンで社会をより良くどうできるのかというところよりも、ドローンをどのように規制しなくてはならないのかという方向性になっていますよね。

そうではなくて、しっかりと安全面に、テロや防災、防犯、そういったところにはケアをしながら。だけど必ず新しいものが社会に入るときって、リスクはありますからね。リスクをゼロにすることは不可能ですから、そのゼロリスクというのはありえないということを前提として、こういった新たな発想を、新たな社会づくりに活かしていくと。

その前提の上に、リスクとかをどうやって極小化していくのかと。そういった認識を忘れないで、これから法整備もあると思いますけど、注視をしていきたいなと思います。

ビジネスを阻害するような規制は作らない

記者:今おっしゃったリスクについてですが、来週にも政府がドローンについての規制のあり方を検討していくひとつの取りまとめがありますけども、規制を強めることで、開発や普及に対する影響があると思いますが、そのバランスっていうのをどう考えていけばいいでしょうか。

小泉:やはり最悪の事態は招いてはいけないので。テロのことも、そして犯罪のことも。これは未然に防ぐような環境を作るうえで、ビジネスを阻害するような規制は作らない。

規制というのは本当にこれも使いようで、うまく規制をしっかりやれば、むしろ産業の発展に資することができる規制のあり方というのはありますから、これからそれをどうやってできるか。

そこの意識をしっかりと入れながら、安全面、そして産業としての可能性。これ両方しっかり見て、形にしていきたいですね。

これからの日本社会には若者によるイノベーションが必要

記者:先日、15歳の少年がドローンを使って逮捕された事件がありましたけれども、こういった規制とはまた離れたところで、倫理観だとか、そういった規制が難しい部分もあると思いますが、たとえば先日の事故なんかどのように見られますか。

小泉:新しいものをやってみたいと思う若い人の気持ちは、ドローンに限らずあると思いますよ。だけれども、それをどうやったら悪用するのではなくて、健全な社会の発展のために使ってもらえるのかと。

これが精神論でクリアできる問題なのか、それとも制度によってそれは担保すべきことなのか、さまざま議論はあると思いますけど、これはどう考えても防げない面もあるということは、これは覚悟しないといけないです。

それらをすべて、もしも規制とか制度で防ごうと思ったら、イノベーションって生まれないですよね。イノベーションって、破壊的創造ですから、やっぱり新しいことをやろうとするときに、一見突拍子もないと思われるような発想を生み出してきたのが、やはり若い人の力だと思うので。

なんでも一つの事件が起きると、それが過度に大きくなって、とにかくそれを潰そうということがあるんですけど、それはそれとして冷静に見て、日本に、これから人口減少と少子高齢化で、イノベーションしなければ、イノベーションを次々と起こさなければ、社会の持続的発展はないと、誰もがわかっているんだから、その若い人の自由な発想は、決して阻害してはいけない。

ただ、犯罪は犯罪ですから、そういったことがないように、大人がしっかりしなければいけませんね。今回もいろいろ事件を見ると、その逮捕された子にお金をネット上で提供していた人たちもいるわけですよ。大人がしっかりすれば、世の中もっとよくなるんじゃないですか。

規制よりも、より良い社会づくりの観点で

記者A:各社さん、いかがでしょうか?

記者B:ドローンを実際に操縦されたのが今回何回目かということと、実際操縦されてわかったことはありますか?

小泉:ドローンの操縦は初めてです。見たのは何度か見てますけど、実際に自分が操縦してみると、やっぱりこれ正確な操作というのは、ある程度経験が必要だし、実際にそのドローンで何ができるかという発想は、一方で、やってみなければわからない部分もあるなと。なので、その両方のバランスっていうのを、やっぱり改めて感じましたね。

ただ、これだけ多くのドローンの展示会を見ると、どうやって規制をしようかっていう観点よりも、どうやってこれをより良い社会作りに活かそうかという観点は、決して忘れてはいけないと思います。

記者A:よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

小泉:ありがとうございました。

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