合コンでうまく話せないのはなぜ?
SNSの投稿から浮かび上がるコミュニケーションの3タイプ

Communication revisited: more than one or two, but not too many: Kazutaka Kurihara at TEDxTokyoyz #1/2

研究者の栗原一貴氏は、自身が苦手とする合コンでの会話を例に、シチュエーション別のコミュニケーションに対する人々の苦手意識を調査。その結果から浮かび上がるる3つの人物像について語りました。(TEDxTokyoyzより)

栗原一貴氏:こんにちは。今日僕がデモザイキングしたいのは「1、2、3以上いっぱい未満の世界」です。

さて、どんな世界でしょうか?

僕はコミュニケーションの研究が好きです。なぜかと言うと、僕自身がコミュニケーションの得意な人間ではないから。

研究者は、研究対象に異常な情熱、愛情を持っているか、もしくは劣等感を抱えている場合が多いと思います。僕はコミュニケーションが得意ではないけれど、でもまるっきり苦手というわけではない。

僕は人と1対1で面と向かって話すのは、意外と好きなんです。

そして、こうやってみなさんの前、大勢の前で話すのもそんなに嫌いじゃない。

でもその間の人数、4〜5人とか10人とか、それくらいのあまりよく知らない人たちの間で話すのが、とても苦手です。

一言でいうと、合コン的シチュエーション嫌いです。

最初は、単に自分がシャイなだけなんだろうと思っていたんですけど、いろんな人に話を聞いてみると、そんな単純な問題ではないみたい。人によって、コミュニケーションの苦手意識がだいぶ違うみたいです。

ちょっとみなさんに質問してみたいと思います。

今、知らない人を目の前にして、

「1対1で話す」

「4〜5人で話す」

「大勢の前で話す」

この3つのシチュエーションで、みなさんの苦手意識がどう変化するか考えてみてください。

今日は、私の独断と偏見ですが、そこから代表的な3つの人間像をあぶり出していきたいと思います。本当はもっといっぱいあるんですけど、今日はこの3つを取り上げて語っていきます。

まず1つ目。相手のニーズによって自分の接し方が全然変わらないという人がいます。そういう人たちは、確固としたブレない自分というものを持っているようです。Facebookとかでも大活躍します。その惜しみないパーソナリティーを如何なく発揮して、どんどん情報発信をしていける人たちです。

自信家タイプと呼んでみましょうかね。きっとコミュニケーションに悩んだ経験ないんだと思います。幸せな人生だと思います。

(会場笑)

僕は、情報技術を使ってコミュニケーションを豊かにする研究をしているんですけど、そんな自信家のみなさんにおすすめのツールも作りました。

pptwi(ぴぴつい)って言うんですけど、これは、今日みたいにスライドショーを使ってプレゼンテーションをするときに、あらかじめ編集していたテキストをスライドショーに合わせてツイッターに投稿してくれるプログラムです。

最近は、Ustreamやニコニコ生放送などで、発表がリアルタイムに中継されることも増えましたし、Twitter上でそんな中継を聞きながら議論するっていうのも盛んになってきましたから、これを使えば自信家のみなさんのただでさえすごいプレゼンテーション能力の発信力がさらに高まることができるでしょう。

ちょっとそれました。 3分類の2つ目にいきます。

相手の数が増えるほど苦手になる、そういう人たちがいます。相手の数が増えれば増えるほど、その人たち全員に共感を与える、賛同を得る、説得することが難しくなるから不安になる、と考える人たちです。

社会派タイプと呼んでみます。社会派タイプの人たちはですね、Facebookだと、たぶん料理の写真とか旅行の写真とかを無難に投稿してると思うんですね。

コミュニケーションの成功確率を高めるコミュニケーションにしておこう、プレゼンテーションにしておこうというのが、好きなんだと思います。

社会派タイプの人たちは、集団を目の前にすると、その集団の構成員一人ひとりに別々の人格があるとあまり思いません。標準的人間像というものを想定して、あくまで私と標準的人間集団というものの対立として考えます。

よく社会派の人に恋愛相談すると「人は大勢いるんだから、もっとたくさんの人に会って、たくさん恋したら?」と言われたりします。

一応、そういう社会派のみなさんにおすすめのシステムも作ってみました。

これは「プレゼン先生」っていうんですけど。これは、プレゼンテーションをしている映像をコンピュータに入力すると、話の速さとか、言い淀みしてないかとか、どこを向いているかとかを、自動的にダメ出ししてくれるシステムです。

(会場笑)

これによってベストプレゼンターが養成できるわけではないですけども、なにかと減点評価で自分のコミュニケーションを診断しがちな社会派のみなさんの基礎的なプレゼンテーション能力の底上げには役立つと思います。

3つ目にいきます。僕みたいな人たちです。

この、苦手曲線がV字を描く変な人たちです。 

あえて人情派と呼ばせてください。(笑)

僕らは、コミュニケーションは魂と魂のぶつかり合いであると思っています。だから1対1で、全身全霊をかけてようやく意思疎通できるかできないか、そういう瀬戸際でいつも生きている、そんな想いです。  

ですから、いわゆる合コン的人数になるとすぐに破綻してしまいます。一生懸命一人ひとりとやりとりしようとするのに、うまくいかない。「あぁ、なんでダメなんだろう?」とか思っちゃうんですよね。

Facebookとかでも結構困ります。自分が出したい自分の姿というのが、相手によってコロコロ変わってしまうんですね。だから、友達いっせいに出したい自分のカタチというものがなかなか想定しにくいから困ってしまいます。

僕らは、集団を目の前にすると、それを無個性な烏合の衆とはとても思えません。個人の尊厳をとても大切にしているので、十人十色、みんながそれぞれ個性を持っているなと思いながら接したいと思う。だから少しでも数が増えると混乱して、パニックになっちゃうんです。

ではどうして人がいっぱいいると楽になるのか? 当然の疑問だと思うんですけど。こういう理由があります。

これくらいになるとヒューズが飛んじゃうというか、スイッチが入っちゃって、全員に全身全霊だとも言ってもいられなくなっちゃうんですね。

そうではなくて、こんなにたくさんの人たちが僕の話を静かに聞いてくれている。それだけでなんて幸せなんだろうって感じるんです。

社会派のみなさんのように、全員を満足させたり説得させたいなんて大それたことは一切考えていません。「この中で一人でもいい、僕の話に興味を持って関心を持ってくれたら、それで幸せだなぁ」と感じながら話してるんです。

今日も僕はこの発表を、この中で誰か一人いると思われる私の話に興味を持ってくれる人に、直接伝えようという気持ちで話しています。そういう心持ちでいるので、ぶっちゃけ人が増えれば増えるほどいいんですね。人が増えれば増えるほど、一人くらいは共感してくれるんじゃないかなと思えるので、安心するんです。

ちょっと前に、SpeechJammer(スピーチ・ジャマー)という発明をしました。

これは「人の声を0.2秒遅らせてその人に聞かせると話しにくくなってしまう」そういう心理現象を用いて人々のコミュニケーションに生かそうとした研究です。

この鉄砲型のデバイスをうるさい人に向けて引き金を引くと、その人がしゃべりにくくなってしまう、そういう機械です。

インターネット上で動画がすこし評判になりまして、みなさんの知るところとなりました。

これは僕の性格がよく表れていると思います。スピーチ・ジャマーは、僕の合コン的シチュエーションに対する問題意識そのものだと思うんです。合コン的シチュエーションというのは、弱肉強食で、発言の強い人、声の大きい人が、その場を制圧しようとしますよね。

僕は個人の尊厳を大切にしようとしますから、それがとても許せないんです。

(会場笑)

もっと平等に、公平に、みんなとコミュニケーションをとりたいって思うんです。よく「空気を読め」って言いますよね? まさにその通り。声は空気を媒体にして伝わり、空気はみんなで共有するただ1つの資源ですから、大切に使わないといけません(笑)。

この話には続きがありまして、スピーチ・ジャマーは人々を笑わせ、そして考えさせる、イグノーベル賞というのを受賞しました。

“おしゃべりが過ぎる人をどう黙らせるかという、人類の根源的な欲求にこたえようとした”ことが、受賞理由だと聞いています。

(会場笑)

ちょっと僕は驚きました。なぜかというと、こういう合コンとか空気読めというのはいかにも日本的で、オープンマインドでいこうとかグローバルだとか、会議に参加するのに発言しない奴は愚かだとか、いないも同然だとか言ってる欧米の人たちの琴線に触れるとは思ってなかったんですね。

(会場笑)

意外と人類みんな集団の中で気を使って生きてるみたいですね(笑)。

今はむしろこういう研究分野こそ、世界のコミュニケーション研究の最先端だと思って、積極的に海外に発信していきたいと思っています。何しろ日本はおもてなしの国です。気を使うことに関しては病的なまでにいつでも最先端です。

さて、コミュニケーションの3分類、みなさんもどれか当てはまりましたでしょうか?

人のコミュニケーションの仕方を知ることは、その人が世の中をどう捉えているかというのを知るきっかけになると思います。なので、もし興味をお持ちでしたら、最初の質問を周囲の人にしてみてください。きっとその人の意外な一面が見れると思います。

最後にメッセージ。

人々の考え方はとてもいろいろで、その考え方というのも日々移ろっていくものです。大切なのは、コミュニケーションはこうあるべきだと狭く考えるのではなくて、多様な価値観を尊重することだと思います。

僕は情報技術という力を使って、そんな多様なみなさんの、そしてもちろん僕自身のコミュニケーションを豊かにしようと思ってこれまで研究してきましたし、これからも研究していきたいと思っています。

最後まで聞いてくれて、どうもありがとう。

<続きは近日公開>

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