「人生の質を上げるには、小さな投資で十分」仕事と私生活のバランスを取るために必要な4つのこと

How to make work-life balance work #1/2

「人生をバランスよくたもつために、何かすごいことをやる必要はない」と語る、小説家のNigel Marsh(ナイジェル・マーシュ)氏。仕事と私生活のバランスを取るために必要な、4つのポイントを紹介しました。(TEDxSydney2010より)

仕事と私生活のバランスを取る難しさ

ナイジェル・マーシュ氏:簡単なリクエストから始めようと思います。みなさん、ご自身の薄幸で取るに足らない、哀れな存在を考えてみてください。

実は、5世紀に聖ベネディクトが驚いている信者に向かって与えたアドバイスです。私は40才になった時、自分もこのアドバスに従おうと決めました。それまでは典型的な企業戦士でした。食べ過ぎ、飲み過ぎ、働き過ぎで、家族はないがしろでしたが、自分の人生を変えようと決心しました。

特に、仕事と私生活のバランスという難しい課題をなんとかしようとしていました。そこで仕事の第一線から退き、1年間妻と4人の小さな子供と過ごすことににしました。ところがその年に学んだのは、仕事と私生活のバランスは、仕事がなければ容易に釣り合うものだということです。

(会場笑)

あまり使えるスキルではありません、特にお金が底をついてくると。そこで仕事に戻り、7年間、仕事と私生活のバランスについて、研究したり、書き起こしたり、試行錯誤をしてきました。今日は、みなさまに4つの考察についてシェアします。

現在の状況を把握すること

ひとつ目。仕事と私生活のバランスという課題になんらかの進歩があったでしょうか? 正直にディベートする必要があります。問題は、仕事と私生活のバランスについて、大勢の人が、愚にもつかないことを話していることです。

フレックスタイムやカジュアルフライデー、父親の育児休暇など、本題を見えにくくしているだけです。本題は、ある種の仕事やキャリアの選択は、基本的に若い家族が意義のある生活をすることとは相いれないのだということです。

問題を解決する第1歩は、現在の状況を把握することです。この社会の現実は、とてつもなく大勢の人々が、自分が好きでもない人たちを感心させるモノを買うために、大嫌いな仕事に長時間を費やすような生活をして、絶望の声にならない叫びをあげているということです。

生活の質を企業にゆだねてはならない

ふたつ目の考察は、真実に直面すべきだということです。政府や企業は、この問題を私たちに代わって解決してはくれません。自分の外側に期待するのはやめましょう。自分が希望する人生への責任と、それを管理すべきは私たち自身にあります。

自分の人生をデザインしないのであれば、他人がデザインしてくれることもあるでしょうが、他人の考えるバランスが気に入らないかもしれません。特に重要なのはですね……これって、インターネットに載せないのですよね。私、クビにされてしまうかもしれません……。

(会場笑)

特に重要なのは、生活の質の部分を企業に委ねてはいけないということです。私が魂の屠殺場と呼んでいるブラック企業のことばかりを言っているのではありません。これはすべての企業に言えることで、企業とは本来、できるだけ多くを搾り取るようにデザインされているのです。それが本質で、DNAに組み込まれています。

ホワイト企業であってもこれは変わりません。一方、職場に保育所を設置することは、すばらしいし、賢明なことでしょう。ところが、それによってオフィスで長時間過ごすことになるのだったら悪夢です。自分の人生のために線引きをして、その境界線を守っていくことに責任を持たなければいけません。

リタイア後に理想的な人生が送れるとは限らない

3番目は、バランスを判断する際の時間枠の選択は注意深くしようということです。1年間家で過ごしたあと、仕事に復帰する前に腰を据えて、1日の理想的なバランスを細かく書き出しました。

-起床。よく眠り、休養が取れている -セックスする

(会場笑)

-犬の散歩 -妻と子供たち一緒に朝食 -もう一度セックスする

 (会場笑)

-オフィスへ行くついでに、車で子供たちを送る -3時間仕事 -友達とランチタイムにスポーツをする -さらに3時間仕事 -夕方早い時間に友人とパブで1杯 -妻と子供たちとの夕食のため帰宅 -30分瞑想する -セックスする

(会場笑)

-犬の散歩 -もう一度セックスする

(会場笑)

-就寝 

どのくらいの頻度で、私がこんな1日を過ごしていると思われますか? 現実的でないといけないですね。1日で全部するのは無理でしょう。人生におけるバランスを判断するとき、時間的な枠は固く守らなければいけません。

しかし「リタイア後にも人生があるから」という罠に引っかからないでください。子供は家を出てしまった。妻とは離婚して健康は優れず、友達も、興味があることも失ってしまった。1日は短く、リタイア後の人生は長すぎます。中庸でなければいけません。

人生の様々な側面のバランスを保つこと

4つ目の考察は、バランスをバランスが取れた方法で考えなければいけないということです。昨年友人が訪ねてきました。―念のため、彼女はこれを話しても構わないと言っています―昨年、友人が訪ねてきて、言いました。

「ナイジェル、あなたの本読んだわ。それで気づいたのだけど、私の人生はぜんぜんバランスが取れていない。仕事中心で、日に10時間働いているの。通勤は2時間。個人的な人間関係は全部だめ。仕事以外に人生には何もないの。そこで現実を見て、人生設計をしなければと決心したわ。それで、ジムに入ったの」

(会場笑)

友人を嘲笑するつもりではありません。しかし、日に10時間働くオフィスの働き者のねずみちゃんはバランスが取れていません。健康になるだけです。もちろん良いことですよ、エクササイズするのは。でも、人生には他の側面があるのです。

知性の部分。感情の部分。精神の部分。バランスが取れているということは、このすべての部分があってこそだと、私は考えます。腹筋50回ではありません。さて、こんなことをよく言われるので、できそうにないことなおさらでしょう。

「なんですって! 時間が足りないわ。教会に行って、母と話せってこと?」

わかります。それが、実現できそうにないと思われるのは、本当によく理解できます。しかし2年ほど前の出来事で、私は新たな見方をするようになりました。

すごいことをする必要はない、小さな投資を最適なところでするだけ

妻が―今日、この会場のどこかにいますが―オフィスに電話をしてきて言いました。

「ナイジェル、下の子のハリーを迎えに行ってもらわなければならないわ」

その日の夕方。妻は他の子供たちと一緒に、別なところに行かなければなりませんでした。そこで、仕事を1時間早退してハリーを学校の門のところで拾いました。近くの公園へ歩いて行って、ブランコで遊んだり、おばかなゲームをしたりしました。それから、息子と地元のカフェに行って、1枚のピザをふたりで分けて食べました。

それから丘を登って家に帰り、お風呂に入れ、バットマンのパジャマを着せました。それから、ロアルド・ダールの『おばけ桃が行く』を1章読んであげてから、ベッドに連れて行って、ふとんを掛けてやり、おでこにおやすみのキスをして、息子のベッドルームから出ていきました。ちょうど、出て行こうとしたとき、息子が言いました。

「パパ」

「なんだい」

「今日は、人生でいちばん良い日だったよ。ほんとに!」

(会場笑)

私は、別に何もしませんでした。ディズニー・ワールドに連れて行ったのでも、Playstationを買ってあげたわけでもありません。小さなことが大切なのです。バランスが取れているというのは、人生においてすごいことをすることではありません。

ほんの小さな投資を最適なところにすることで、人間関係の質や生活の質を大きく変化させることができます。さらにこの社会で、大勢の人がそうしていけば、成功の定義が変わるでしょう。

死に際に大金を持っている人が勝ち組というような、ばかみたいに単純な定義が、もっと思慮とバランスのある人生に代わるのではないでしょうか? これは広めていく意義のある考えだと、私は思います。

<続きは近日公開>

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