「ダレン・ブラウンを見て格好いいと思った」DaiGo氏が語る、メンタリストを志すきっかけ

茂木健一郎×メンタリストDaiGo #1/3

メンタリストのDaiGo氏と脳科学者の茂木健一郎氏が合同で執筆した著書『メンタリズムを脳科学で解剖したら カリスマリーダーの作り方がわかった! 』の出版を記念して行われた対談。このパートではDaiGo氏がメンタリストを志すきっかけとなった人物であるイギリスのメンタリスト、ダレン・ブラウンについて語り合いました。

出会いのきっかけは『めちゃイケ』

茂木健一郎氏(以下、茂木):いやー。DaiGo、大活躍じゃないですか。

DaiGo氏(以下、DaiGo):とんでもないです。

茂木:俺、確か最初に会ったのって『めちゃイケ』の変な、偽のエスパーみたいな。

DaiGo:あ、そうですそうです。

茂木:エスパー伊藤との時に。

DaiGo:エスパー伊藤さんとの対決の時ですよね。

茂木:僕、DaiGoさんにはじめて会って、すごいメンタリストとしての技もびっくりしたんだけど、一方ですごく理知的で。当時まだ学生だったかな。

DaiGo:そうですね、学生でしたね。3、4年前ぐらい前ですよね、確か。

茂木:そうですよねぇ。あの時すごく「こういうおもしろい人がいるんだなあ」と思ったら、あれよとあれよと言う間に大活躍で。僕はテレビほとんど見ないんですけど。その僕でさえ、よくテレビ出てるって知ってるし、よくTwitterで「DaiGo」ってのが出てるよ。

DaiGo:ありがとうございます。

茂木:トレンドワードで。

DaiGo:あの時、フジテレビの湾岸スタジオだったんですよね。

茂木:会ったかなぁ。

DaiGo:最初に茂木先生に話しかけられた時の言葉、今でも覚えていて。

茂木:え! なんて言った?

DaiGo:僕、猫好きなので猫のTシャツ着てたんですよ。「そのTシャツいいね」って言われたのが僕、最初だって覚えてます。

茂木:(笑)。なんかナンパしてるみたいだな。

DaiGo:いやいやいやいや(笑)。すごいでっかく猫がプリントされてたTシャツだったんです。

メンタリストになったきっかけは「ダレン・ブラウン」

茂木:どっから出てきたんだろうって、ずっと不思議に思ってて。いや、DaiGo君が。

DaiGo:僕ですか?

茂木:いや、普通に賢い理工系の研究してる学生さんっていうのの道筋と、いわゆるメンタリストっていう道筋って、普通だと重ならないじゃない。

DaiGo:そうですね。

茂木:どうしてメンタリストになったんですか?

DaiGo:元々は、メンタリストを職業にする気はあまりなかったんです。

あの…ほんとにそれこそ見てる方にすごくね、僕一番最初に言っておきたいのが、今僕は大学の大先生と喋ってるような状態なんですよね(笑)。

茂木:いやいやいや違う違う、そんなことない。友達と喋ってるような。

DaiGo:僕、授業もぐりこみに行ったことありますからね、茂木先生の授業。

茂木:え、デザイン原理かなんか? デザイン言語かなんか?

DaiGo:慶応でやってたやつです。

1番最初に僕がメンタリストになったきっかけっていうと、ダレン・ブラウンっていう人の動画をYouTubeで見たってのが最初なんですけど。

茂木:えっ、それって意外と最近のことじゃない? だってYouTubeでしょ?

DaiGo:そうですね。

茂木:ダレン・ブラウンでしょ?

DaiGo:ダレン・ブラウン自体は1999年からレギュラー番組をイギリスで持ってるので、結構古くから。

茂木:『トリコ・オブ・ザ・マインド』ってやつ?

DaiGo:あ、そうですそうです。さすがよくご存知ですね。

茂木:いやいやいや、俺ほら、イギリス留学してたから。じゃ、ダレン・ブラウンが格好いいなあと思って始めたんだ?

DaiGo:そうですね、最初はそこですね。でも元々、高校生の時から僕、夢があって「心を作ってみたい」っていう夢があったんですよね。

茂木:ほぅ。あ、それで人工知能の研究とかも。

大学院からの医学部入学を目指していた

DaiGo:そうです、それです。なので「人の心を作りたいのに、人の心に触れなかったらできないだろう?」っていうふうに思って、心理学とか自分で勉強したりしはじめたりして。

あとは心理学科友達とかいろいろ聞いたりして。ちょっと街頭アンケートとかやってたことがあったんですよ。そうすると、まあ大体相手にされないんですよね。

心理学科の人とかは結構おまけとか付けたりするんですね。クリアファイル付けたり。

僕そんなお金なかったので、どうしようかなと思った時に、人を集める簡単な方法としてパフォーマンスを導入したんですよ。それが最初でそこからいろいろ調べて行ったらダレン・ブラウンに行き当たり、メンタリストってほうに本格的に入っていって。

で、大学卒業して大学院に行ったときにそのまま物理の研究者としての道に行くのか、と。当時茂木先生の番組とか本とか僕よく見させていただいていたんで、脳科学系のほうに行きたいなっていうのがなんとなくあってそれで医学部の受験をはじめるんですよ。院に入ってから。

茂木:え!? そうなのか。

DaiGo:そうなんですよ。編入しようと思っていろいろ勉強して、でもその間にTVの方がバコンと。

茂木:ブレイクしちゃったからねー!

DaiGo:ブレイクしちゃって。僕元々医学部に行きたかったのが、茂木先生みたいに留学したいなと思ってたんですけど、学生なんでお金がなかったんです。

どうやったら海外の脳科学とか神経生理学系の学校に行けるか考えた時に、日本の医学部に入って奨学金でもなんでもいいんですけど。

茂木:行けばいいかなと。

DaiGo:そっから留学すれば安く行けるだろうと思ってたんですけど、ヒットした時にふと頭を過ったのが「あ、自分で稼いで行けばいいんじゃないかな?」っていうふうに思って。それで今のポジションにいるという。

イギリスは神秘性と科学の国

茂木:立派な心掛けじゃないでしょうか。もし僕が早稲田の大槻教授だったらさ「なにぃ!?」って言ってると思うんだけど。

僕ね、すごい申し訳ないんだけどイギリスって、ただ僕が行ってた頃ケンブリッジ大学でブライアン・ジョセフソンっていうのがいて、24歳か25歳でノーベル賞取っちゃって。卒論がノーベル賞なのよ。ジョセフソン。って、(DaiGoの専門は)物理だから知ってると思うんだけど。

彼は僕がケンブリッジ行った当時は超能力の研究しててサイコキネシスだとか、そういうものはあるんだと主張して『NATURE(ネイチャー)』とかにもいっぱい論文書いてたのね。で、やっぱりケンブリッジでノーベル賞取ったアンドリュー・ハクスレイ、こっちはもうガチガチの保守派なんですよ。

DaiGo:ハクスレイですね。有名ですね。

茂木:アンドリュー・ホジキ・ハクスレイのほうなんだけど。…やっぱあれだね、理系の学生と喋ってるから話が早いよな。普通ハクスレイって何!? みたいな。

それでジョセフソンが超能力についての講演をケンブリッジ大学の中でやると「また懲りないでやってるよ……」って大抵の研究者はやっぱり早稲田の大槻(義彦)さんじゃないけど、最初からもう相手にしない、みたいな感じなんだけど。

DaiGo:そうですね。

茂木:そしたらさ、行ったらさ、アンドリュー・ハクスレイ。もう大御所ですよ、ノーベル生理学賞を取った彼が最前列に座ってんのよ。びっくりしちゃって「えぇ!?」みたいな。

で、アンドリュー・ハクスレイに聞いたら「そういう現象があるかどうかは実際に話を聞いてみないと、わからないから。これは」って言う。彼は当時80ぐらいでかなり高齢だったんだけど。びっくりした。

なんかこうイギリスには科学的な精神とそういう未知のことに対する興味みたいなのがなんか不思議なマリアージュ? あるんですよ。

DaiGo:ありますよね。元々メンタリストもイギリス発祥なんですよね。要は結局、神秘性と科学の国じゃないですか。さらに僕イギリスの研究でおもしろいなって思うのがアメリカの研究って工学寄りじゃないですか。どちらかというと先端を追い求める感じ。

ビジネスもおんなじだと思うんですね。でもイギリスって「えっ、そんな研究まだやってるの?」みたいな研究をずーっとやって成果上げてる人いるじゃないですか。だからそこの違いはあるのかなっていう感じはしますけどね。

イギリスの研究に感じる懐の深さ

茂木:だって俺、ケンブリッジ行った時さ、なーんか一生懸命セミナーやってんだよ。「昆虫がふぅ~んって葉っぱから飛んでクルクルっと回転しながら行って、で、こうやって着地するんだよ」とか言ってるわけ。

一生懸命その人が「なんでこうやって着地できないんだと思う?」って、(俺が)知るかよそんなこと! みたいな。クルクルクル! ってこうテントウムシが、クルクルクルって飛ぶから……。それを1時間ずっと喋ってんの。この虫がクルクルクルって。

アメリカだと「なんだその役に立たない研究」って終わっちゃうんだけど、イギリスはなんかそういう懐の深さがあって。

あとマイケル・ファラデーなんか出てきて電磁気の研究が進む一方で、ビクトリア朝時代はいわゆるみんなでテーブルこうやって(ふちを手で押さえるように)掴んで、霊が降りてきて……っていうのも同じ時期だからね。

だからなんかあるんですよ、すごく科学的に論理的に詰めていくのと、なんかそういうメンタリストみたいな神秘的なものを求めるっていう。そういう意味でいうとダレン・ブラウンはおもしろいマーケットにいるよね。

DaiGo:ダレンはもう圧倒的ですね。14、5年ぐらいずっとトップに君臨してるので。彼は元々すごい熱心なキリスト教の信者だったんですよ。

そこから催眠術とかを勉強して結局人間がいかに幻想に囚われているか、世の中が仮想なのかっていうことに気がついて、そこから逆転しちゃったタイプの人なんですよ。

だから元々熱心な信者だったがゆえに、キリスト教の信者の方々から叩かれるような番組をあえてやったりとか、降霊会って番組なんですけど。「セーナンス」ってタイトルだったと思うんですけど

茂木:彼、今、確か無神論者じゃなかった?

DaiGo:そうですそうです。

茂木:だよね。それもすごい不思議で。ま、DaiGoもそうだけどなんかすごい知的なのよ、メンタリストって。

DaiGo:(笑)。

宝くじは無知への課税

茂木:っていうのが僕の認識なの。だからダレン・ブラウンもそうだし、彼が「ナショナルロッテリー」の当選番号当てた、あれがおそらくイギリスですごい大スキャンダルになったと思うんだけど。

要するにBBCがナショナルロッテリーの(抽選の)ボールがカラーンってなんか動いて落ちてきて並ぶと…ってやつ。

DaiGo:宝くじですよね。

茂木:あれを同時中継しつつ、だけどここにはもう「私はここには今年の今回の宝くじの当選番号を予想してます」ってボールが置いてあって、だけどキャメロットって宝くじの運営会社に問い合わせたところBBCの前に番号を報じることは法的に許されないことなので見せませんとか言いながらBBCがバーって(ダレンの中継を隠して)やって。

一見カメラのフレームが切れて(ボールが)ないように見えるんだけど、番号が出た後で「私が予想してた番号はこれです」って見せると全部あってて「うぇぇ!?」って、すげー大騒ぎになって。

その後に同じチャンネル4、その後の時間帯にどうやってやったのかってことを彼が説明したら、ダレンの説明は「いや、あの部屋にたくさんの人に集まっていただきましてその人たちに今回の宝くじの当選番号を予想していただいて、それを統計的に平均してこの数字が出ました」みたいなこと言ってんの。

そんなはずねーだろ! みたいな。

DaiGo:あれ、数学者からえらく叩かれましたよね。

茂木:うん。だけど僕すごくおもしろいと思うのは、もちろんダレンには確信があって、まあ僕、科学者だからあるトリックを使ってやってるって思うんだけど。ただね、たとえばナショナル・ロッテリー(宝くじ)っていうのにイギリス人すげー夢中になっちゃってて。

DaiGo:そうですね、すごい金額ですもんね。

茂木:ある小説に「宝くじは無知への課税である」みたいなこと書いてあったんだけど、要するに無知な人が買う、みたいな。どうせ当たんねえんだから。

DaiGo:期待値とか出したら悲惨なことになりますもんね(笑)。

茂木:だから宝くじを、なんか国家に騙されて…とは言わないけど買ってる人とダレン・ブラウンみたいにちょっとなんかの方法使って予想できちゃったよって。

ホントに予想できんだったらさ、ダレン、毎年いや毎回宝くじだったら自分でやる(当てる)から超億万長者になっちゃうわけで。

なわけねえだろ! って思うんだけどなんかさ、かえってメンタリストのほうが冷めてるっていうのかなあ? 賢い気がすんの。

DaiGo:結局メンタリストっていうのは、超能力を見せる側の立場でもなければ、いわゆるガチで心理学とかを研究している立場ではなくて。

彼らはあらゆるトリックも使うし、もちろん心理学の技能も使うこともあるんですけども、いろんな技術を使って人の心をコントロールする、大衆扇動をするっていうのが目的だったんですね。

だからダレンがやったのは「ナショナルロッテリーって一番でかい宝くじでみんなが見る番組から、どうやったら自分のところに人を引っ張ってこれるか」を考えた時に、宝くじの番号を当ててしまって「後でこれ、紹介しますよ」って言ったら、その後の番組が視聴率がすごいものだったわけですよね。

茂木:それはそうだよね。だってみんな知りたいもんね。

メンタリストは人の心を掴むことが目的

DaiGo:そうですよね。みんな、結構僕もすごい思うんですけど、もちろん宝くじを買う人たちが数学的にみんなその論理的思考に欠けてる人もいると思うんですけど、逆に欠けてない人も結構いる。「ま、当たらないけど買って楽しもうかな」ってわかって買う人もいるじゃないですか。

だから結構、僕もメディアでいろいろやってみて仕掛けとか打ったりするんですけど、わかったのは「一般の視聴者には一般レベルの興味は期待しちゃいけない」と思ったんですよね。だから自分がやってることにそんなに興味を持ってくれるとは思わないほうがいいと思うんですけど。

でも一般レベルの知性はある程度期待してもいいんじゃないかなって。「知ってるんだけど気になってしまう」っていうところを刺激するのが、ダレンの上手いところなのかなぁっていう感じはしますけどねぇ。

茂木:まあだからあのトリックについてはネット上でいろいろ見ると、例えば「球の部分は実はライブじゃなくて途中で静止画になってて誰かがその間に入れ替えて、その証拠に一番左の球は浮き上がってる」みたいなことを検証してるやつがいるんだけど。

僕、メンタリストの話についていつも思うのはあんまり検証してておもしろくないんだよね。つまりダレンがああいうふうになんか仕掛けてやってることのほうが圧倒的におもしろくて、で「こういう理屈なんだよ、こうやってんだよ」って一生懸命なんか(検証している)。

なんかねえ、日本だけじゃなくイギリス人も怒ってんだよ。「ダレンの化けの皮を剥がす」みたいなことで検証してる人ってなんか怒ってんの。「ダレンはとんでもない!」みたいな。だけど検証してる人の話の方がなんかおもしろくないの。なんでなんだろうかね?

DaiGo:そうですね。元々ダレン・ブラウンっていうかメンタリストの場合は人の心を掴むことが目的なので、見た人たちはどちらでもいいんですよね。

結局おもしろいって感じれば。「えっ、どうなの?」と感じて、一生懸命調べれば。でも調べる過程が好きだから彼らはやってるんですよね。

それとただ明かすだけっていうのと比べると、やっぱり演出力とかも違いますし心の惹きつけ方も多分違うと思うんですよね。

メンタリズムを脳科学で解剖したら カリスマリーダーの作り方がわかった! (Knock the Knowing)

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