人を喜ばせたいという気持ちが強かった
田中章雄氏(以下、田中):じゃあ他に質問ある方。まだ質問してない方を優先したいと思うので、発言した人は後回しにしたいと思います。質問してない方優先で聞きたいと思います。
質問者:同志社大学の○○と言います。先ほどの質問とちょっと似ているんですけれど、僕は自分の嗜好というか、欲求の因数分解っていうか、どうしてこういうふうになったんだろうっていうイベントとかをどんどん自分で整理するっていうことを心がけているんですけど。
朝倉さんと熊谷さんなんですけど、その違和感を自分で何とかしようと思ったきっかけであったり、例えば家族、仲間を大事にしたいと思うようなきっかけっていうのはどこにあったのかっていうのがあればお聞きしたいです。
田中:質問の意味はわかりますか?
朝倉佑介(以下、朝倉):今考えてみたんですけど、わかんないですね。本来あるべき姿からずれた状態で良しとされていることが許せないという気持ちが自然と湧いてくる。
田中:その状態がすごく気持ち悪いわけですね。
朝倉:気持ち悪い。もう強烈な違和感を覚えるし、それをなあなあで許してしまっている状態って何なのっていう。そうした感情が生じたきっかけがあったのかというと、わかりません。
田中:本能的にそう感じてしまう。
朝倉:そうですね。
田中:熊谷さん、いかがでしょう。
熊谷正寿氏(以下、熊谷):僕はですね、どっちかっていうと、もう51歳で年もとってきて、自分がいつも自然体でいられるようになってくると、自分の心の中を分析してみて、幼少期にその原点があって、昔から僕は人を驚かせたいとか喜ばせたいっていう気持ちがすごく強かったんですね。
例えば、幼稚園の頃に実家(長野)に帰る時にね、親に駅まで連れて行ってもらって電車に乗せられて長野へ、ということだったんですけど、長野まで特急で、幼稚園生なのに1人で帰って。
もちろん駅まで迎えに来てもらうんですよ。そんなことチャレンジしたがったりとか、あと小学校高学年、中学校の時には、夏休みになると1人でヒッチハイクで日本中旅行に行ってみたりとか。
もともと旅行が好きだったんですけど、親を喜ばせたいとか驚かせたいっていう気持ちが、男の子ながらに、ちっちゃい子ながらにすごく強かったんだと思うんですね。
人を驚かせたいという気持ちは原始的な欲求
熊谷:僕は中学3年生の時に、この北海道のヒッチハイクの旅から帰ってきて、帰ってきたらガラっと皆高校受験の雰囲気になっていて、僕は当然共学校に行きたかったんですね。
共学校に行きたいということで進路相談の時に、青学か国学院に行きたいという話をしていて、お前の偏差値じゃ無理なんだっていう話をされて、そこで一念発起して、3ヵ月くらいかな、3、4ヵ月ずっと集中して。
当初僕は中学校の時もあんまり勉強しなかったんで、偏差値50ぐらいだったと思うんですね。青学とか国学院っていうと多分70とか、そのくらいだったんですけどね。
駄目だって言われたんですけど、僕主席で受かりましてね、総代をやって、何かこう周りを驚かせたいっていうような、驚かせたりとか、そういう経験があるんですけど。
やっぱり幼少期振り返ってみると、自分自身が、すごく周りが驚いてくれるようなことにモチベーションを感じていて、で、やっぱり仕事を振り返ってみると、周りの人達がすごい驚いたり、笑顔になったり、そういうことを実現するフィールドが今の会社になっていて。
だから何て言うんでしょうね、人として、多分それって○○さんも同じ気持ち持ってるんじゃないかと思うんですよ。自分がやったことで周りの人が喜んでくれたり、周りがすごい変わったり、ご両親が喜ばれたり、彼女さんが「わあ、すごい」って言ってくれたり。
そんなことって、すごいやっぱり原始的な人としてのモチベーションなんじゃないんですかね。どうです? 逆に質問したいけど。そういうことはないですか。
質問者:そうですね。僕は、今その考えてるっていうか、人生の目標としては、自分の人生に関わったいろんな人を幸せにしたいっていうのがあって。
そう思ったきっかけ、イベント何かなっていうのを最近考えてたら、僕浪人した時に、自分がやりたいことやらせてもらえる時って、やっぱり人の、自分の人生って僕だけの人生じゃなくって、いろんな人の人生が関わってやってることだから。
他の人も、今までにお世話になったものを返したいっていうのも含めて、自分で貰ったものをプラスアルファとして、自分にできるもの、100%プラスアルファっていうことを意識しながら、そうですね、考えるようにはなりました。
熊谷:○○さん、幸せにしたいって、周りの人がどういう状況? 幸せっていうとさ、いろんな基準があるじゃないですか。○○さんが仕事で活躍をして、周りの人がどういう状況? イメージすると。
質問者:そこまでちゃんと落としているかっていうとわからないんですけど、僕、良かったというか、そうですね……。
熊谷:顔の表情は?
質問者:やっぱり笑顔とか、そういうの……。
熊谷:でしょ? ○○さんが頑張って、周りの人が笑顔になったり、良い意味で驚いてたり。そういう状況を作りたいっていう心の底の欲求ないですか。
質問者:あります。
熊谷:あるよね。多分人ってそこを皆持ってて。だからそこが原動力になると強いんだよね、すごく。自覚できて、原動力になると。すみません、回答になったかどうか。逆質問しちゃったけど。そんな気持ちです。
質問者:ありがとうございます。
東大は楽しくなかった
田中:ありがとうございます。他に質問は。じゃあちょっと後ろのほういってみましょうか。じゃあ、彼。お願いします。
質問者:お話ありがとうございます。同志社大学の○○と申します。質問の前に、ちょっと今やってることというか、話なんですけど、さっき朝倉さんから出会いの話とかあったと思うんですけど。
こないだ3日前くらいにその出会いがありまして、2017年に鈴木寛さんがICUとか東大の学生と大学を作るっていう構想のプロジェクトに参加するっていうので、まだ話とかしてないんですけれど。
参加しようと思って、来週東京行こうと思っています。そこでお聞きしたいのが、朝倉さんと熊谷さんになんですけど、お二人は多分教育機関とかに頼ることなく、能動的に、例えば図書館の話とか、放送大学だと思うんですが。
もしお二人が大学、例えば行くとなって、自分が行こうとした時にどんな大学だったら行きたかったなとか、もしくはご自身が大学を作られるとしたらどんな大学にしたいとか、参考までにお聞かせ願いたいです。
朝倉:大学行ったんですけどね。
質問者:そうですよね。東大ですよね。
朝倉:んー、だけど楽しくなかったですね、なんか。全然楽しくなかったよな。結構わりと真面目に行ったんですけど。なんでしょうね。
自分が能動的に参加して何かを作り出しているとか、何かを得てるっていう感覚が無かったのかなと。法学部でしたが、今になるともっともっと会社法のことを詳しく知りたくなったりするわけですよ。
税務上の細かい点も、1回経験してみるともっともっと詳しく知りたくなる。東大が大学として悪かったのかというとそんなことはなくて、僕の準備ができていなかったことがより根本的な理由です。
ギャップイヤーなのかもしれないけれども、何か社会体験を積んで、実際の仕事や生活に活かしたいと思えるものを見つけることができ、学べる所がいいのかも知れません。
そういう経験とセットであれば、今の大学で教えられているカリキュラムと同じであっても、今以上に大きな学びが得られるのかもしれない。そういう場の設定の問題なんじゃないかという気がします。
田中:熊谷さん、いかがでしょうか。
熊谷:ごめんなさい、お名前がちょっと聞こえなかったんだけどね。
質問者:○○です。
熊谷:○○さんのご質問に回答しますと、僕がもし大学、放送大学みたいな通信制の大学じゃなくて、通常の大学に通えていたとしたら、皆さんのような志の高い方々と出会える大学に行きたかったかなと思います。
やっぱり大学って、通信制の大学と通常の大学違うのは、人と出会えるということで出会うんだったら、自分と同じような志を持っている方々と刺激し合いたいじゃないですか。
だから皆さんのような、こんな時間を割いて、わざわざここに来て、こうやって話を聞いているような前向きな方々とご一緒したかったなと思います。以上、○○さんのご質問の回答になってますか?
質問者:ありがとうございます。
熊谷:ありがとうございます。
何もしない期間も必要
田中:ありがとうございます。じゃあ、最後に1つ、2つ、後ろのほうにあんまり来てなかったので、どうぞ。自己紹介からお願いします。
質問者:関西学院大学の○○と申します。千葉さんを中心にお伺いしたいんですけど。
田中:千葉さん、ご指名です。
質問者:答えられる方がいたら、答えていただいて大丈夫なんですけど(笑)。僕自身も結構今逃げに逃げまくっている時期っていうのが一番自分の中でしっくりきて。
というのも、家庭環境というか、家族の関係性が結構ごちゃごちゃになって、4〜7月くらいまでやってたことを全部投げ出して引きこもったんですよね。
それで、家庭の問題がいったん解決して、9月夏休み終わってから、頼れる先輩がいて、ちょっとここで一緒にやってみないかっていうふうに言われて、今その人のお手伝いをしてるっていう状況なんですけど。
今すごい精神的に落ち着いてはいて、すごい幸福感には満足しているんですけど、自分自身の手で何かをやっているっていうわけではないので、このままで良いのかっていうところが今すごい自分の中であるんですけど。
一方で、1人でやれっていうふうに育てられてきて、それに反発して引きこもったっていう状況でもあるので、1人で何もできないっていう思いもあるんですよね。
だから何かしら自分でやりたいっていう思いと、1人じゃ何もできないっていう一種の無力感っていうところで結構自分の中で矛盾が出てきてて、どういうふうにそれを克服していけばいいのかなっていうのが今すごい悩みなんで、ちょっとそこら辺をお伺いしたいなと思って。
田中:かなりヘビーですが、千葉さん、質問の意図はわかりましたか?
千葉功太郎氏(以下、千葉):何となく。苦しいということですね(笑)。自然体でいいと思いますよ。多分もうここに参加してる時点で、前向きなんですよ、すごく。ベースが前向きだし、多分エネルギッシュだと思います。
何か成し遂げたいっていう気持ちが、このイベントに参加している時点で人よりもかなり強いです。その前提の中での個人のバイオリズムの話だと考えます。
自分がバイオリズム低いなと思ったら素直にそれを受け入れて、1回頭を空っぽにして、別に焦らずにあえて何もしない期間を受け入れたほうがいいと思います。
これはメンタルヘルス的な話なんですけど、コップに水が溜まったり、水が空っぽになる話と一緒だと思っています。水が空っぽになった時に無理しても空回りしちゃうので、水が溜まるまで、その時はじっくり待つのがお勧めです。
水が溜まってきたら、もうエネルギーは充分なので、人と会いたい、何かやりたい、起こしたいっていう気持ちが湧き上がってくるので、そしたら動けばいい。シンプルにそれでいいと思います。そんな悩む必要ないですね。
質問者:ありがとうございます。
明日死ぬとしたら何がしたいかを考える
田中:ありがとうございます。じゃあ最後の質問にしたいと思います。自己紹介からお願いします。
質問者:同志社大学の○○といいます。変な質問かもしれないんですけど、どうしたら欲求って持てるようになりますか?
田中:欲求無いんですか(笑)?
質問者:ずっと今まで、こうしたほうがいいんじゃないのかなとか、べき論で生きてきたから、何かこうしたいみたいな欲求がなくなっちゃったんですよね。
良く言うさとり世代の代表みたいな感じになってて今。欲求を持てるようになりたいなって思うでんすけど……。ちょっと困らせる質問かもしれないんですけど。
熊谷:じゃあ○○さん、明日死んじゃうとしたら、真剣に。明日死んじゃうとしたら何したい? マジで考えて。本当に、明日のお昼12時にさようならと。
質問者:家族、親友、恋人に会いたいです。
熊谷:はい。会ってどうしたい?
質問者:そっとハグする……。
(会場笑)
熊谷:ありがとうございます。○○さんね、恐らく家族、恋人に会って、死ぬっていうことを伝えるか、悲しむだろうからね。っていうか、やっぱり会って愛を伝えたいし、ご家族の笑顔見たいしっていうことだと思うんですよ。
じゃあ何か食べたいものがあるとか、どう? 明日12時までに何食べたい?
質問者:めちゃめちゃ美味いラーメン食べたいです。
熊谷:OK。それも目標かもしれないし、あと例えば行きたいところとかないの? 物理的に飛行機でっていうのね、そういうことは考えずに、死ぬ前に1回どっか、ヒマラヤの秘境見てみたいとか、そういうの無いですか?
質問者:月行ってみたいです。
熊谷:月行ってみたい。堀江君じゃないけど、それも含めて、真剣にそうやって考えていくとやりたいこといっぱい出てくると思うよ。
質問者:ああ、なるほど。
田中:今の全部欲求だと思いますよ。
質問者:今自分で言っても思いました。ありがとうございます。
熊谷:美味しいラーメン食べてください。
(会場笑)
質問者:ありがとうございます。
自分探しよりも自分作り
田中:ありがとうございます。それではもう、時間も押してきてしまいましたので、じゃあ最後に、千葉さんから順番に最後にこの学生の皆さんに一言ずつメッセージを頂ければと思います。あと千葉さん、スライドがありますよね。
千葉:そうですね。ちょっと宣伝もしなくちゃいけないらしいので。
田中:スライド出ますか、今。
千葉:ごめんなさい、今。
田中:今から準備……。あ、もうすぐ出ますか。ここからはオフレコじゃなくて、どんどんツイートしてほしいそうですね。
千葉:今日は皆さんありがとうございました。僕毎回言ってるんですけど、IVSの学生イベントすごく貴重な場だと思っています。
今日冒頭に申しましたが、学生起業の未来を作りたいと本気で思っています。もちろん、うちに就活で来てほしいなというのは当然あります。
プラス、さっき学生起業家になりたいっていう方がいっぱいいらっしゃったので、個別のお話する機会というのを、年末で忙しい時期ですが12月15日、来週月曜日に開催します。
18時から京都で20名限定で選抜制でやります。今日より、もっとざっくばらんに深い話をしようと思います。
IVSの小林さんがいつも言ってるように、これはチャンスだと思ったら飛び込んで、しかも飛び込むのにただ単に飛び込むよりもIVSに皆さん参加したように、熱意を持って、こうだからやりたいんだという気持ちとぶつけて、出会いから自分が変わっていく。
何か自分の夢が見つかるっていうところに繋げてもらえる場になれればと思って、また来週来ようと思ってますんで、是非引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
田中:ありがとうございます。
(会場拍手)
田中:それでは朝倉さん、お願いします。
朝倉:さっき少し話をしましたけど、自分探しというよりは自分作りなんだと思います。特に皆さんのような若い方の場合。僕もまだまだそうだと思いますし、自分を作っていくためにいろんなインプットを受けるしかないんじゃないかなと。
自分で何かアクション起こすのもいいし、こういったところで人の話を聞くのもいい。またさっき千葉さんのおっしゃていたイベントに参加してみるっていうのもいいと思う。
そうやっていろんなことをやってくうちに、自分の欲望が見えてくるかもしれない。とにかくいろんな手を次から次へと打って、何かピーンとひっかかるものを見つけて飛び込んでみたら、自分を作っていけるし、楽しく過ごせるんじゃないかなと思います。今日はありがとうございました。
田中:ありがとうございました。
(会場拍手)
生まれ変わったらまた起業家になりたい
田中:それじゃあ最後、熊谷さんから一言お願いします。
熊谷:彼と僕で、彼が僕にこういうことを言ったんです。熊谷くん、熊谷くんは生まれ変わったら自分になりたい? もう一度自分になりたいですか? って。
そういうことを僕考えてみるの初めてだったんだけど、そうですね、いろんなことあったけど自分になりたいですって答えました。彼には、自分もそう思っていると。
僕ら事業家は、本当に幸せなんだねって。事業はリスクもあって、上手くいかないこともたくさんあるかもしれないけど、でもその少ない確率を乗り越えて上手くいったら、やっぱり本当に充実した日々が送れます。
ただたくさん事業家志望の方がおられたけど、ぜひ皆さん、人より努力しなきゃ駄目だけど、頑張ってその夢実現の道を歩まれてください。
で、こっから先PRなんだけど、実はそういう事業家を応援するためにベンチャー通信という会社と一緒にGMO TODOROKIというファンドを立ち上げてます。
これは、スタートアップ企業のプレゼンに対して、ほとんどその場でテクノロジーオリエンテットな事業だったら、バリュエーション(企業価値)1億円が見込まれればその5%の500万を、その場でぼんと出すっていうファンドを立ち上げてます。
立ち上げ資金とかでご相談のある方は是非Webサイトからご応募ください。
で、私の経営のコンサルなんかもおまけで付いてきますので、こういう今日みたいなお話を月1回一定時間させていただくっていうおまけ付きになっています。
その他はGMOベンチャーパートナーズという会社が、これはミドルステージとかレイターステージの会社なんだけど、何億単位で投資するようなファンドもありますので、起業家志望の方は是非ご相談ください。
宣伝させていただいてありがとうございます。皆さん頑張ってください。ありがとうございました。
(会場拍手)
田中:ありがとうございます。今日のこのセッション、ちょっと時間もオーバーしましたが、非常におもしろい内容となりましたので、この3人のパネリストの皆さんに大きな拍手を持って終わりにさせて頂きたいと思います。ありがとうございました。