肉質を「透明に」硬骨を「赤紫に」軟骨を「青く」--透明標本作家が見せる、生物の新しい世界

Count what matters #1/2

特殊な薬品を使用して生物の肉の部分を透明化、骨を染色した「透明標本」。透明標本作家の冨田伊織氏は、死んでしまった生き物だからこそ見ることができる造形や色彩があるように、見方を変えればさまざまな世界を見ることができるのだと人々に語りかけました。(TEDxTokyo yz より/この動画は2013年に公開されたものです)

もともとは漁師だった

4年前、僕は漁師でした。もともと水産の学生だったこともあり、そのまま卒業後漁師になりました。そして自分と生き物たちの人間としての活動、関係というものを自分なりに感じてきました。

それは、食糧としての生物たち、学術としての生物たち。その他人間とさまざまな関わりのある生物たちを自分の中で感じていました。

そんな生物たちは、自然のルールの中で形を変え、変化し、命の限り生きている。僕にはそんな、驚異的な存在に映りました。

そして僕はそんな生物たちをさまざまな角度から知ってほしい。僕の持っている新しいレンズで、新しい世界の扉で。それが、今日僕が紹介する「当たり前の世界の、新しい扉」。

命の造形作品、透明標本です。ご覧ください。どうぞ。

さぁ、みなさん、新しい世界へようこそ。今日はこの透明標本の世界を少しだけご紹介します。

まずは海外のことを紹介します。

まずは、透明標本とは?

彼らはもともと本物の生き物でした。そしてその小さい生き物の、骨格を調べるための手法として彼らは生まれました。

肉質をたんぱく質を分解する酵素を使って透明に。硬い骨である硬骨を赤色に染色し、軟骨の成分を青く染色するという方法で作り出されています。ですが、それは学術という世界のルーツの話です。

これから僕がご紹介するのは、透明標本の世界の新たなる一面。

生物が形作る色彩と造形美

透明標本の美しさ。それは、生物が形作る色彩と造形美だと僕は思っています。

そしてもう1つ、それは、生物ならではの生態です。これからご紹介する映像は少しショッキングな内容かもしれません。

皆さん心の準備をお願いします。

この作品、わかりますでしょうか? 実はこれは蛇の透明標本です。透明標本は魚や海の生き物だけの手法ではありません。

こういう陸の生き物にも適用することができます。そして、この蛇の作品。実はもう1つの世界を見ることができます。

それが「捕食」。つまりは、食べると食べられるの関係です。

写真の真ん中を見ていただくとわかるんですが、実はこれはヘビの中に食べたカエルが入ってるんです。

透明標本は骨を見るだけではなく、肉質そのものを透明化してしまいます。

なので、お腹の中にあるドラマを見ることもできるんですね。

これは一般の人たち、僕たちにとって少しショッキングな内容かもしれません。ですが、生物にとっての食べるという当たり前のものを視覚化しています。

こういうふうに透明標本でこのような世界を見ることも可能になっています。

透明標本が見せる新しい世界

このように透明標本をレンズとして、僕たちがいつも見ている世界の新しい一面を見ることもできます。

そして、それは見せ方、伝え方によって無限の可能性を秘めていると僕は考えています。

僕は彼らの作者として、皆さんにぜひこういう世界を見せたい。こう思っています。

それが、標本である生き物たちをまるで生きているように。

いつも見ている生物たちを、まるで見たこともないデザインのように。

時に、近づけないほど輝かしく神秘的に。

見方を変えれば世界が変わる

透明標本は美しいです。

それは、死んでしまっている彼らだからこそ見せることができる造形があるからではないかと僕は思います。

その環境に生きる、たった1つの答えが生み出す形、それがこうも美しい。透明標本は彼ら生き物たちのドラマの結晶ではないでしょうか。

今日は透明標本というレンズと、そこから見えるいつもとは違った世界をご紹介しました。ですが、これはいつも僕たちのすぐそばにある当たり前の世界でもあります。

地球は1つです。ですが、世界はその中に無限に存在すると僕は考えています。

自分たちの世界を変えて、見方を少し変えれば、世界はいつでも変わるのではないでしょうか。

ご清聴ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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1 肉質を「透明に」硬骨を「赤紫に」軟骨を「青く」--透明標本作家が見せる、生物の新しい世界
2 近日公開予定

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