2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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小野裕史氏(以下、小野):それぞれ就職活動だったり、起業だったりのきっかけのところを聞いたんですが、その後育っていった「ここで俺成長した、何か変わった」っていうキャリアのポイントが少なからずあると思うんですよね。
20代のなるべく早いタイミングで、今から思うとかわいかったかもしれないけれども「あ、この経験って俺にとってすごいプラスだったな、やっといて良かったな」っていうそういうエピソードをぜひ聞かせていただければと思うんですけど。曽山さん、たくさんあると思いますが。
曽山哲人氏(以下、曽山):いやいや。20代はやっぱり伊勢丹とサイバーエージェントで営業を6年やって、これで30歳になるんで。1番大きな転機は何かっていうと、やっぱり伊勢丹を辞めるって決めたときが1番大きかった。
小野:1年目で。
曽山:1年目で。私は4月に入って、5月になんかおかしいって思って、いわゆる五月病にかかって8月に辞めることを決めて。
小野:早いですね、時期としては僕と同じですね。
曽山:そう、4ヵ月でね(笑)。そして12月に言って怒られて、3月31日に辞めたっていう感じだったんですけど。何が違うかっていうと、伊勢丹自体はすごくいい会社だと思いますし、今でも業績は伸びてるので、大好きな仲間もいる前提ですけど。当時ですよ、入った瞬間に何があったかっていうと、毎週会社の業績が紹介される朝会、朝礼っていうのがあったんですよ。
そこで毎週の店舗別の売り上げを発表するんですけど、それが前年比を割ってる、つまり100%以下で、先週は98%でした、先週は97%っていうふうに、去年より売り上げが少ないですっていう報告がたくさんあったんですね。
「成長したくてこの会社に入ったのにおかしい」って言って。会社の中でも「何で俺らこんなにやってんのに成長しないんだっけ?」って。ちょうどバブル崩壊っていうのがその数年前にあったんで、バブル崩壊の影響かな? っていろいろ試してるけど、成功体験がない雰囲気なんですよね。なので、雰囲気があまり良くなかったんですよ。
曽山:でもチャレンジしている人がいて、いろいろ悩んでいる結果、インターネットの通信販売をやったときに、バカ売れしたわけです。これ、バカ売れしたのは理由があって。
紳士服にいたんですけど、紳士服をネットで売ったんですけど理由があって、私がいた部署っていうのは、スーパーメンズっていう、身長が190cm以上か、ウエストが100cm以上の、例えポール・スミスとかDKNYのLとかLLじゃなくて、4Lとか5Lっていうのがあるんですよね。
ズボンの片足に余裕で入れちゃうくらいの。それをインターネットで売ったら売れたんですけど、それは新宿の、東京の伊勢丹しかなかったんですよ。
だから日本中から、買う理由があるんですよね。「ネットってすげー! ネットは伸びる」というふうに思って、サイバーエージェントに入ったんですけど。
やっぱり転機となるポイントで皆さんにシェアしたいのは、伸びる分野に行ってほしい、成長分野に行くっていうことはものすごく大事で。どんなにいい会社でも、有名な会社でも伸びなかったら意味ないんで、その産業が伸びるかっていうのはすごく大事。
曽山:ネットの場合は会社がたくさんあって、潰れちゃう会社もあるし、伸びる会社もあるんですけど、ネット産業にいる限りはいくらでも転職なんてできるんですよ。
なぜかというと、めちゃめちゃ伸びてるから、どこの会社も人が足りないんです。なので、皆伸びる会社に行きたいってあるでしょうけど、伸びる産業に入るっていうのはすごい大事。そこは1つ意識してもらえると良かったですし、サイバーに入ってすごく良かったなと思うのはその部分ですね。
小野:ありがとうございます。さすが曽山さん、いつもたくさんいいこと言っていただけるので、素晴らしいですね。
曽山:とんでもないです。
小野:ちょうど先ほどのセッションで、ベンチャーに入ったほうがいいのか? 自分で起業したほうがいいのか? 大企業がいいのか? みたいな話があったんですけど、まさに僕もこの意見大賛成ですね。
僕の話ですけど、投資の分野で僕の大先輩である川田さん(川田尚吾氏)って、DeNAを初期のころからつくっている方が昔言っていたのがおもしろかったんですが。
「昔、優秀な奴らがいたけど、生き残っているのはITにいったやつらだけだ」
これすごい象徴的なんですね。つまり選んだ業界が伸びたから生き延びたのであって、優秀かどうかというよりも、選んだ場所が大事だったという話に共通するかなというふうに思いました。
曽山:ありがとうございます。
小野:琴坂さん、どうでしょうか。
琴坂将広氏(以下、琴坂):多分ですね、私はマッキンゼーというコンサルティング会社に入って、東京にいた後にドイツに行ってるんですけど。ドイツに行くと聞くと皆さんすごいエリートで評価されて、皆に「いいな」と思われながら行ったと思うんですけど、実はこれ逆なんですよ。
当時マッキンゼーという会社は非常に厳しい会社で、うまく仕事ができなかったらクビになっちゃうんですけども。さらにドイツの私が所属していた部隊は、まだできたばっかりのグループでクライアントもいなくて、行った人間が「ビーチ」という仕事がない状態になってしまっていたんですね。
小野:ビーチ?
琴坂:ビーチっていうんです。泳いでないで、ビーチでほげーっとしてる、と。
曽山:へー。
小野:何にもしてないということですね。
琴坂:仕事がないっていうのはすごく良さそうですけど、仕事がないってことは次のエバリュエーションが最悪になってしまうので、次の仕事がなくなってしまうってことです。
小野:人事査定で下がってしまうと。
琴坂:そう。だから、行くときには「やめろ」とみんなに止められたんですよ、実は。
小野:ちなみに社会人何年目ですか?
琴坂:2年目です。「このままやってれば、お前もマネージャーみたいなことやってるんだから、EMっていう役職にになってその先のパートナー目指せるし、何でそんなところに行くんだ」と。「ちゃんと昇進してから行けばいいじゃないか」って言われたんですけど、それで行ったことが自分のジャンプっていうか、視野を大幅に広げたんですね。
東京でしか見れなかったマッキンゼーだけじゃなくて、全世界のマッキンゼーを見れたというのもそうなんですけども、その部隊は仕事を自分で取らなきゃいけなかったんですね。会社員として口を開けて待ってるのではなくて、自分で次の仕事を取るために履歴書を100通くらい送るんですね。
上司に面接してもらって、クライアントに面接してもらって、やっと仕事が取れるんです。それを3カ月繰り返していくのを、次はオスロでやって、次はパリでやって、次はドバイでやってって、どんどんやっていくんですね。
そこで、毎回やった仕事で成果が出ないと、次はないんです。にも関わらず、英語を話せなかった。完全に自分追い込んで、自分がしたいと思うことを追求したことが1番の成長になったんじゃないかと思います。
小野:ドMですね。
琴坂:ドMです。もう1個だけドMがあるんですけども。
小野:はい、お願いします。
琴坂:これで2年くらいやってですね、案件によっては3,000億とか1,000億の案件になったりするんですよ、マッキンゼーだとすると。いい感じだったんです「俺すごいな」と。何かみんなもすごいって言ってくれるし……ってときに、オックスフォードに行ったんですね。そこでヨット部に入ったんですよ。
小野:エリートコースですよね。
琴坂:そう。でもヨット部に入ると何が起こるかっていうと、誰もマッキンゼーなんか知らないんです。ヨットスキルしか知らないので、裸の生身の人間になっちゃってて。
そこでまた自分の知識が何もないところから引き上げていって、最終的に大学代表になったんですけども。自分を追い込んで成長するっていうのと、自分がやりたいことに、できなくても果敢に飛び込むっていうので、多分自分が1番成長したのかなと思います。
小野:なるほど、自分を追い込むのが自分のキャリアアップにつながったっていう話ですね。普通の社会人2年目だったら、まさに口を開けていれば仕事はもらえるものだと。特にマッキンゼーも大きな企業ですから、当然そう思う。ところがそこで「ヤバイ」と思って、その危機感が自分を追い込んだ背景なんでしょうかね。
琴坂:そうですね。あとは飽きてた部分もありますね。同じように問題解決するプロセスが見えてきてしまって、これでいいのかな……みたいな。そうしたら「お金あげるから」とか、みんなやめろって言うのに怪しいじゃないですか。普通お金払って海外行くのに、お金払ってやるから海外行けっておかしくないですか?
小野:そうですね、なんかの詐欺みたいです。
琴坂:完全に罠なんです。誰が見ても罠で。でも罠に飛び込んでいくのをやったのが新しいかなと。
小野:ありがとうございます。
小野:荒木さんはいかがですか? キャリアの伸びた瞬間は?
荒木英士氏(以下、荒木):そうですね。僕は4年くらい前にアメリカに行って海外事業を立ち上げるって決めてやったのが、1番自分としては大きかったかなと思います。
小野:何歳?
荒木:当時27、28歳だと思うんですけど。それまでに日本でいろんな事業を立ち上げてきて、業績もすごい伸びて上場もできて、ある種今の琴坂さんの話に似てますけど「俺すごい」と思ってたんですよね。
自分が今までやってきたサービスは大体当たってきたし、何十億円、何百億円売り上げたし、すごいんじゃないかと思ってしまっていて「じゃあ、次ちょっと海外やろうぜ」みたいな感じでグローバルに行って、サンフランシスコでレンタルオフィスを探すところから始めてですね、5人くらいで行きました。
僕も英語できなかったんですよね。でも「なんとかなるっしょ、今まで何とかなってきたし」って感じで始めたんですけど、これがなかなかつらくてですね。
僕がそのとき痛感したのは、やっぱり会社という組織の中で、どんなにベンチャーとはいえ仕事をしていると、自分が見えないところですごいサポートされてたんだなと気づいたんですよね。採用っていう仕組みだったりとか総務とか、オフィスをきれいに、ゴミを捨てなくてもゴミがなくなるじゃないですか。あと、水もあるじゃないですか。
っていうところもあったりとか、あともちろん事業でも、僕はプロダクト開発なんでゲームをつくる仕事をしてましたけども、別に会計処理がどうとか、法律がどうとか考える必要がなかったんですよね。そういうのやってくれている人たちがいて、自分の上司も自分をマネジメントしてくれていたんだなっていうのを、海外に行って気づいたんです。
荒木:向こうに行くとですね、僕は海外で働いたことがない、英語がしゃべれないし、会社としても海外ビジネスをやったことない、しかも向こうでやろうとしたのが、スマートフォンのネイティブのアプリをつくるっていう事業だったんですけど、これもやったことがなかったんですよ。
しかも会社を買収したんですよ。会社を買収するのもはじめてだったし、海外の会社だったし、やったことない事業を始めようとしたんで。
小野:28歳でですね。
荒木:そうなんですよ。新しいことを詰め込み過ぎたなと思って。やっぱり自分たちがやったことのあるところから1個か2個新しいことを加えていくのでやっていくのがいい、と僕は思っていて、一気にやり過ぎるべきではないなって感じでした(笑)。
何が起きたかっていうと、人材採用をするんですけど、当然面接は英語じゃないですか。面接してても、相手の言ってることがよくわからないわけですよね。でも、採用するかどうか決めなきゃいけないとかもありますし、向こうの人は当然ですけど、面接のときに給与交渉とかしてくるわけですよね。
日本だと採用するときに、こちらが「いくらで」って言ったときに「いや、もっと高く」ってあんまりないんですけど、向こうだと当たり前のように交渉してくる。その給与交渉をちゃんとやらなきゃいけないとかっていうこともあったりとかですね。人の心が折れていって、日本から行った立ち上げメンバーも「もう続けられません……」みたいな。
10人くらいしかいないのに、4人くらい心が折れて「もう帰りたい」みたいなことを言ってたりして。
琴坂:でも、折れないとすごい成長の機会ですよね。
荒木:そう。僕も6ヵ月くらいで折れかけたんですけど、達観して、これすごい重要な話なんですけど、生き延びれば勝てるんですよ、基本的には。大体の人は諦めるんですよ。別にこれは事業でも組織でもなんでもそうなんですけど、結構辞めさえしなければ周りが勝手にいなくなってくれるから、最終的に生き残ってるんですよね。
っていうのが大事だって気がついて、鉄の心を通り越して無になって、とりあえず諦めなければ何とかなるという感じでやってました。
小野:ありがとうございました。
琴坂:実際僕も最初、海外とテレカンファレンスやって、ベラベラしゃべってるわけですよ。
小野:テレビ会議で?
琴坂:音声だけの会議です。なんかすごい議論が起きたんですよ、まったく聞き取れなくて。最後に「Understand?」みたいに言ってるわけですよ、「よろしく」みたいな感じで。「お、オッケー」って(笑)。言っちゃったよ……みたいな感じで大変でしたね。多分それを短期間で克服したのが成長でしたね。
小野:やるしかない状況を皆さん、選んでいったり、作ってたりしたんですね。
琴坂:確かに、非常にブラックでしたね。本当は5日間でやればいい仕事を3日間で終わらせて、その分翻訳とか校正してもらって、自分でスクリプトも作って、想定問答集も作って。
クライアントの前では暗記してるんで、あたかもちゃんと話せるように見えるんですけど、ぜーんぶ丸暗記。想定問答集でわかってるから「OK,This point is……」とか言ってるわけですよ。全部努力。はったりと気合いですね、それで成長しました。
小野:ありがとうございます。
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