会社を辞めた理由は「上司が家を買ったから」

小野裕史氏(以下、小野):続きまして、株式会社スマートエデュケーションの池谷さん、よろしくお願いします。拍手でお願いします。

池谷大吾氏(以下、池谷):スマートエデュケーションの池谷です。よろしくお願いします。登壇者の皆さん、スーパーマンですよね。

小野:皆さんそれぞれ、非常におもしろい。

池谷:僕見てるんですけど、さっき寝たっていう話があるじゃないですか。寝ますよ、スーパーマン過ぎて。

小野:池谷さんそこにいたら、絶対寝てますか?

池谷:寝ます寝ます。小野さんも「電流流す」とか、昭和のギャグ言わなくていいですよ。

小野:昭和なんだ(笑)。

池谷:すご過ぎますよ、1年で辞めるなんて社会人失格ですからね。石の上にも3年っていう。

曽山哲人氏(以下、曽山):すごい怒られた、実際。

池谷:サイバーエージェントの社員が1年で辞めるって言ったら怒りますよね。

曽山:怒ります怒ります。あり得ない! 俺は辞めたけど。

池谷:全然聞いててもピンと来ないんですよね、すご過ぎて。1年で辞めちゃうとか、逆流するとか、僕からすると何も理解できないですね。後でちゃんと話伺えたらと思うんですけど(笑)。僕は結論から言うと、小野さんのストーカーなんですよ。

小野:私ですね。

池谷:そうです。

曽山:会場が「マジでストーカーじゃないか?」って。

池谷:マジでもいいんですけどね(笑)。2000年に大学院を卒業して、僕はヒューレット・パッカードっていう会社に入って、小野さんがちょうど2000年に卒業してIBMに入社されているのと同じようなキャリアで。小野さんは1年でね。

小野:半年、4ヵ月でIBMを辞めました。

池谷:もうね、いい加減にしてくださいよ。

小野:すみません、申し訳ございません。

池谷:僕はちゃんとHPに4年半いたんですよ。

曽山:まともな人だ。

小野:1番皆さんに近い人。

池谷:庶民派です、居酒屋です。

(会場笑)

曽山:4年半だと一応大丈夫なの?

池谷:大丈夫です。ちなみに、4年半いると会社の愚痴をいうようになります。僕なんか4年目とかは毎回会社の愚痴を言ってましたね。上司と話したりするんですけど「なんでアンタより良い給料もらえないんだろう?」みたいなのを言ってみたりとか、とんでもないやつだったんですけど。

最後の辞める理由は、上司が家買ったって言うんですよ。結構年功序列の会社なんで。45歳のマネージャーが、神奈川県の柿生に家を買ったって言って、全然僕関心を持てなくて辞めたんですけど。そんな「ドアをこだわったんだ」みたいな話をされても、10年、15年後にそんなのになるのはあり得ないなと思って。

重要なのは、目に見える目標

池谷:愚痴を言ってても進まないんで、友達に紹介してって言って会ったのが小野さんですよね。当時、シーエー・モバイルで役員をやられてて。

小野:シーエー・モバイルっていうのは、まさにサイバーエージェントグループでできたての会社だったんですよね。携帯のサイトを作る会社だったんですが。

僕は出会いが人生なので、小野さんに出会ってその日に入社を決めたんですよ。同級生で愚痴言ってる僕と、ベンチャー経営してて成功されつつある人を見て「こいつを抜かないと人生もうアカン」みたいな、ムカついたんですよ。

(会場笑)

池谷:そこからストーカーが始まるわけですけど。「絶対こいつを抜いてやる」っていう。僕は見える目標が重要だと思ってるんで。小野さん「お前抜けないだろ」と思ってますよね?

小野:いやいや、何も言ってないじゃん!

曽山:やりにくいね、これ(笑)。

池谷:転職して、見事小野さんの部下になって、社内でケンカするんですよ。しましたよね?

小野:大ゲンカだったね。

池谷:ただ8年くらいやらせていただいて。最終的には、小野さんも出られて今の仕事、IVPやられて。僕のきっかけになったのは、業績が悪化したときに、サイバーエージェントから中山豪さんが来たときですね。

親会社から役員を迎えたときにですね、まぁサイバーエージェントはビジョナリーな会社だったんですね。もっと利益体質でガツガツ行けって言うかと思ったら「何だよ、親会社はすげービジョナリーな、21世紀を代表する……みたいな。何言ってんだ!」ってなって、じゃあ自分で起業するしかないって、起業した感じですね。

小野:参考までですが、今では僕らの会社が、池谷さんの会社に出資をさせていただいているという関係で、そういう意味では今も良好に、何のわだかまりもなくね。仲が悪いわけじゃないです(笑)。

池谷:まぁそうですね(笑)。最後は本当にいい出会いで、小野さんが遊びに来てくれて「出資する」って言ってくれて、うちの会社のドラマが変わったんで、そこが結構大きかったですね。

曽山:この会社を立ち上げたのは何歳のときですか?

池谷:36歳ですね。

曽山:36歳。じゃあ4年半会社で勤めて、その後シーエー・モバイル。

池谷:そうです。4年半HPで、その後7~8年シーエー・モバイルで、36歳の時に起業、スマートエデュケーションです。

業界1位の会社はどこもチーム力が高い

小野:ありがとうございます。このように、4者4様の人生があるわけなんですけども、もちろんどれが正しいとかそういうわけではなくて、どうしてそうなったのかというあたりを、それぞれ聞いてみたいと思うのですが。

まず曽山さんは伊勢丹というのは、いろんな選択肢があってもちろん悩まれたと思うんですが。20年近く前ですが思い出していただいて、どのような葛藤があって、なぜ決めたのか教えていただいてもよろしいですか?

曽山:僕、大学はラクロス部に入っていて、学部は英文学科だったので、周りの友達と同じような就職活動をしていたんですけども。ラクロス部にいたことで、チームプレーというのがとても難しいということと、おもしろいということを感じていたんですね。

なので、会社選びは業界とか業種とかじゃなくて、すごいチームをつくってると言われている会社を徹底的に受けたいと思っていました。

小野:おもしろいですね。

曽山:そうですね。そういう強いチームをつくってる会社というと、大体その業界の1位の会社が多かったんで。銀行であるとかクレジットカードとか、広告とか流通とか、いろんな会社を一通り受けて。その中でも最後は人に共感できた伊勢丹、かつ衣食住の「衣」の部分を動かせるというのはすごくインパクトがありそうだなと思って。

百貨店に全然買い物に行ったことがなかったんですけど、それでチャレンジしてみようと決めたのが大きいですね。

小野:ちなみに、何社くらい受けて何社くらい内定を?

曽山:どうですかね……。記憶としては15社か20社受けて。

小野:そのくらいしか受けなかったんですね。

曽山:そうですね、あんまり。大学のラクロス部の活動が忙しかったんで。それで受けて、早く内定をもらった2、3社の中で選んだという感じですね。

小野:人との出会いの中で、直感も含めて選ばれたと。

曽山:そうですね。こういうことをやりたいとか、ネットに興味があるとか言ってたら、それもやらせてあげるって伊勢丹が言ってくれてたので、それに乗っかって入ったっていうのが大きいですね。

小野:ありがとうございます。

入社時の残高は20万円しかなかった

小野:琴坂さん、荒木さんのお2人には、学生時代から経営、起業という全然違う方々ですけど。琴坂さんはそもそも、なぜ学生時代から起業なんてバカなことを考えてしまったのか、ぜひそのあたりをですね、教えていただければと思います。

琴坂将広氏(以下、琴坂):人ですかね。やっぱり英士さん(荒木氏)もそうですけど、中にいた人間たちを尊敬できたんですね。彼らと一緒にやっていくことっていうのが、おもしろかったんですよ。夢中になれたというか。自分のビジョンとはかけ離れてるんですけど、目の前の可能性がおもしろすぎて。

自分は元は研究したいって言ってたはずだし、研究したいって言って企業も辞めたはずなんですが、またやっちゃってるんです。

小野:出会いって言うのは学内での?

琴坂:最初は学内ですね。自分が高校時代にそういうのをやってたって話をしていると、そのつながりの飲み会とかに呼ばれるわけですよ。呼ばれたところで、また自分はこういうことをやったって話してると、またつながりができるわけですよね。

そのつながりで「ああ、これおもしろいな」と思ったところに惹きつけられて、それが理由だったっていうのが1つ目で。2つ目は単純にお金が必要だったんです。うちはそんなに裕福ではなかったので、自分で稼ぐ必要があったんです。そうしたときにアルバイトだと搾取されるなと。

アルバイトなんかしなくてもこいつらと一緒にやっていけば、中抜きを外してね、直に会社をやってたくさん儲けて生きていけるんじゃないかな? と思って、結果的に手段としての起業があったという感じです。

小野:その会社は、その時点で結構儲かっていた会社なんですか?

琴坂:どうでしたっけ?

荒木英士氏(以下、荒木):貯金残高20万円しかなかったじゃない。

小野:20万円しかない会社! 会社としては大きいかもしれませんけど。

琴坂:だけどうちらがジョインしたときっていうのは、潰れる直前だったんですよ。資本金が470万円あったはずなのに、20万円しかなかったんだよね。

荒木:「これはヤバい、受託取らなきゃ」ってなって。ヤフーのディレクトリで製作会社がアイウエオ順に並んでたんですよね、当時。で、上から電話をかけていって、取引先になってくれたのが当時のアイベックっていう会社で。あ、い、じゃないですか。だからつながったんです。

小野:なるほど、先ほどの会社。

琴坂:それから10万円とか30万円とかね、小さいのたくさん受け始めて、それで何とか「よし今月は乗り切った」みたいなことやってたんですよ(笑)。

小野:それでは元々起業とかではなくて、周りの人との出会いというのがあって、そのほかは必然性ですよね。お金がなくて、学生時代に稼がなきゃいけない。そこからスタートしたということですね。ありがとうございます。まさに人つながりということになるんですけど。

チャンスを見つけたらそれに食いつくよう心がける

小野:荒木さんは?

荒木:僕のきっかけはさっき言った通りで、単純に普通のバイトじゃなくて、ちょっとおもしろそうなところに行ってみようと思っていったところがそうだったっていうだけで。

小野:その辺はぜひ聞きたくて。学生もみんな聞きたいと思ってると思うんですけど、とはいっても、普通だとアルバイトの雑誌を見たりだとか、ネットを見たりして、いきなりそんなおもしろい人に出会うなんてないので。どうやって出会ったのか? とか。

荒木:入学して、新入生をアジるイベントというのがあって、どんな大学もあると思うんですけど、その大学の卒業生とか在学生で活躍している人たちが壇上に出てきて、説明するとかしゃべるとかいう場があったんですよね。

それで一応知ってはいました。あのときに出てきた、しかも何か大学生なのにわざわざスーツ着て「僕たちビジネスやってます」って出てくるわけですよ。怪しいじゃないですか。

小野:しゃべってる方ももちろん学生の方。

荒木:もちろん、在校生です、まだ。正直胡散臭いと思ってたんですけど。

琴坂:胡散臭いです(笑)。

荒木:正直、そういうので知ってはいたので、行ってみようかなと思って。

小野:そういう場があるっていうのを聞いて、興味を持って行ってみたっていうところにスタートがあったわけですね?

荒木:はい。これはぜひこの会の中で伝えたいことの1個でもあるんですけど、先ほど池谷さんがスーパーマンみたいにおっしゃいましたけど、僕が自分で思うのは、そんなにアグレッシブに自分から掴みに行ってないんですよ。

ただ、新しい話やいいチャンスが転がってくるかもしれないくらいの場所に、何となくたまたまいて。ただ僕がすごく心掛けているのは、そういうのが出てきたときにはパッと食いつくっていう感じでやっていて。

今の話もとりあえずバイトしに行くっていう、面接受けに行くくらいの努力はしましたけど、とはいえその程度の話で、その時に雇用契約書が出てきたりとか、役員やってくれって言われたときに、とりあえずおもしろそうだからやってみるかとか深く考えずにやる、その繰り返しでここまで来ました。

琴坂:同じですね。僕も何かマッキンゼー行こうとか、オックスフォード行こうとか、准教授になろうとか考えてなくて。ただすごいオープンにしていました。自分では何かあるかもしれないところには自分で動いていた結果として今いるんじゃないかなって気がしますね。

小野:ありがとうございます。