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グロースハック - 急成長するスマホ・サービスの創り方(全2記事)

「KDDIのSyn.ってどうなの…?」 人気アプリの企画者たちが明かす、成功するスマホサービスのつくりかた

ユナイテッド・手嶋浩己氏とVASILY・金山裕樹氏が登壇し、「グロースハック 急成長するスマホ・サービスの創り方」をテーマに意見を交わしたトークセッション。本パートでは、Launch Pad Reunionの感想や成功するスマホサービスの創り方を紹介しました。

Launch Pad Reunionには音楽ライブに似た気持ちよさがある

松本龍祐氏(以下、松本):今回は「グロースハック 急成長するスマホ・サービスの創り方」ということで、インタビューという形なんですが、話すというよりもお互い聞きたいことを聞くっていうほうがおもしろいんじゃないかなと思っています。じゃあ、まず簡単に自己紹介をお願いします。

手嶋浩己氏(以下、手嶋):ユナイテッドの手嶋と申します。ユナイテッドは大きく、スマホの広告事業、アプリの事業、投資の事業を3つやっているんですけれども、私はアプリ事業の責任者と投資の案件を一部やったりしております。

金山裕樹氏(以下、金山):VASILYの金山です。iQONという女性向けのファッションアプリやってます。今日、Googleのベストアプリもらいました。

松本・手嶋:おめでとうございます。

金山:ありがとうございます(笑)。

松本:松本です。ヤフー株式会社に勤めてます。もともとコミュニティファクトリーという会社でスマホアプリをたくさんつくっていて、大体この3年間で累計8000万ダウンロードくらいされています。

手嶋:すごい。

金山:ヤバいな。

松本:で、今はヤフーのアプリで全般の仕組みづくりとか、ルールをつくったりとか、ちょうど前のセッションで発表させていただいたIoTのプロジェクトみたいに、全然違う新規領域なんかもやっています。よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。

松本:というところで用意したのはここまでなので(笑)。

あとはフリーということで。とりあえず3人ともIVSのLaunch Pad Reunionで発表したので、これがどうだったかというとこから始めましょうか? じゃあ手嶋さんから。

手嶋:最初は「見にくる人いるのかな?」という不安が(笑)。

松本:たしかにたしかに。

金山:「知ってる?」みたいなね(笑)。

手嶋:正直ラインナップ見てもあんまり新鮮さもないし、何か知ってる話なんじゃないかと思われちゃうんじゃないかと。

松本:おなじみのメンバーですしね。

手嶋:でも、すごいたくさん来てくれていて。やっぱり聞いてる人がいないと、しゃべっても意味ないんで、非常に「ありがたかったな」というのと。あと「各社この1、2年間でいろんな成長をしてるんだな」というところは実感しましたね。

松本:金山さんはIVS自体が初めてですよね?

金山:IVS自体も初めてですし、そもそもLaunch Padも出たことないのにReunionに(笑)。

松本:謎枠で(笑)。

金山:謎枠だったんですけど楽しかったっすね(笑)。やっぱり、業界の本当に一線の人たちがあれだけ集まる中で自社のことをしゃべれるなんて最高じゃないですか。昔、音楽をやってたんですけどライブをやってるような気持ちになっちゃって。あれ気持ち良くなっちゃいますね。

松本:なりますね。

金山:もう1回やりたい!

松本:じゃああとで……。

金山:もう1回?(笑)

松本:クロージングで(笑)。

新規事業をワイルドにつくる、ヤフー大阪支社の「ワイルド部」!?

松本:僕は最初にオファーをいただいて「良い機会だな」と思ったあとにですね、そういえば毎回どんどんレベルが上がっているから、普通にやったら「うわっ、さむっ!」て絶対なるなと思ってメチャメチャ焦りまして(笑)。

一同:(笑)。

松本:で、ホテルにベッドを用意してもらったりだとか、Pepperを用意したりだとか、もう無理矢理やりましたね。

手嶋:女優も用意したりとかね。

松本:そう、女優も(笑)。

金山:しかもあのPepperは大阪勤務でしょ?

松本:そう、大阪からタクシーで来たっていう。

金山:大阪になんでPepperがあるの?

松本:ヤフーって大阪支社があって、その中に大阪ワイルド部っていう……。

金山:ワイルド部!?

松本:「新規事業をワイルドにつくる」っていう部署があって、僕の部署と大阪の部署が合同でIoTのプロジェクトをやっていて。

手嶋:何でワイルド部は大阪にあるんですか?

松本:やっぱり、東京と違う環境で「俺らガッツを出してやるぜ!」みたいな。拠点から離れているがゆえの反骨精神に期待をして。

手嶋:これグロースハック・ノウハウだね! 大阪にそういう拠点をもてばいいという。出た、ひとつ目!

金山:いきなり?(笑)

手嶋:大阪にワイルドな拠点を持て!

松本:じゃあこれ出るたびに数えていきましょう。グロースハック・ポイントをね。

企画書はいらない、モックをつくって確認する

松本:実際、新しいアプリの開発をやっているときに、いちばん相談するのが大阪の新規事業のチームで、おもしろいんですよね。「何を質問してもいいけど、新企画を持ってくるときはCanvas(リーンキャンバス)をかきましょう」というルールを決めていて。あとは「できるだけモックアップつくろうね」みたいにやっていたら、1年間でヤフーの新規事業の質が本当にあがったと思います。

金山:それってモバイル領域がほとんど? PCはあまりない?

松本:僕のところにくるのは、ほぼアプリ。ヤフー自体はPCメインのサービスはあんまり頭にないかな。

金山:モックつくるのってメッチャ良くて。僕らの会社も「そもそも企画書とかいらないんじゃない?」ってなっていて、ホワイトボードにバッと書いてモックをつくって確認する。

松本:うちもそんな感じ。

手嶋:それは金山さんと松本さんだから成立するというか、「企画書に書いてあることなんか知ってるから説明しなくてもいいよ」ってことですよね?

金山:あとはつくってみて、そこでわからない物はユーザーにもわからないんじゃないですかね?

松本:僕は、企画書で最終的に出てきたものがパワーポイントに貼り付けた画面構成図だと怒るようにしていて、「わからん!」と。それだったら「モックをつくってWebにアップする」とか「ファイルサーバに原寸大の画像を上げる」だけでも、めくっていけば雰囲気がつかめるから。これでやろうよっていう話しをしていますね。

手嶋:うちも実はCocoPPaを表にバーンと出してるんですけど、毎月5、6個アプリをリリースしていて。

松本:すごい!

手嶋:ちっちゃいのも含めてですね。それで今、GoodpatchさんのPrott(プロトタイピングツール)を使いたおしてますね。

松本:いいですね!

金山:ProttかPOPかな、うちが使ってるのは。

松本:うちはProto.ioを使っていて、コードを使っていて複雑なんだけど、そのかわりアプリのモーションを全部トレースできる。

金山:マジで? あとでメモっとこう。

一歩先をいくコロプラの集客戦略

手嶋:そういえば、深津さんがUX(ユーザーエクスペリエンス)のアドバイザーになっていましたっけ?

金山:はい、そうです。

手嶋:あれはグロースハック的に言うと、どういう取り組みなんですか?

金山:あれは僕らの会社で言うとUXをやっていたのが俺で。でも自分の仕事ってそれだけじゃなくて、なんちゃって経営とか多岐にわたるので(笑)。UXに関わる時間がなくなったときに「自分よりもUXがすごい人にお願いしたらいいかな?」と思って。そうしたら、どう考えても深津さんだったんですよ。それで、けんすう(古川健介氏)に紹介してもらったっていう。

手嶋:Syn.チームですね。

金山:出たSyn.! でもそのときはまだSyn.じゃなかったかな。

手嶋:でもそれがSyn.につながっていったわけですね?

金山:……そうです(笑)。Syn.いきます? でも「Syn.のUXってどうやねん」って言われるとね。

手嶋:ぼくiQONで初めて触りましたね、Syn.のUXに。

金山:ありがとうございます。

手嶋:ヒュッと。

金山:そう、メニューバーの中にね。ただあれもちょっと「メニューバーでいいのか?」っていうのは、見直さないといけないかなっていうのはありますね。

松本:あれって誰が決めてるんですか?

金山:コンセプトみたいなものはSyn.の森岡さんがつくって。あとは押さえるポイントがいくつかあるので、その中で自由にっていう感じですかね。

手嶋:壮大な取り組みですよね。でもヤフーの中でも「ヤフー間のアプリでどう移動するか?」っていうのを考えてるじゃないですか。

松本:そうですね。

手嶋:うちはうちでユナイテッドのアプリの中でユーザーに回遊してもらう方針については決めていて、それを利害の異なるいろんな会社がどういうふうにWin-Winで成立させるのかっていうのが興味ありますね、僕は。

金山:成立するんですかね?(笑)

手嶋:でもSyn.の中では中核のアプリですもんね。

金山:小さいサークルでは成立してると思うんですけど。例えばコロプラさんの集客戦略は、1番うまいアプリ間誘導になっていて。Kuma the Bearでユーザーをとって、収益性の高いコアなゲームに流し込むっていう、要はあれですよね。

松本:みんなあれをやりたいのに、うまくいってる例はほとんどないっていう(笑)。

手嶋:あとはIGNISですかね? 目立ってはいないんですけど。でも、そういうのが会社間をまたいでやるってことですもんね。

金山:うまくはいくと思うんですけど。Syn.のメニューを開くとネイティブアプリのメニューってけっこう少ない。ブラウザだったりアプリだったり。あれは変えていった方が良いんじゃないかって個人的には思っていて。

手嶋:行ったり来たりしちゃいますもんね。

金山:やっぱり、ちょっとイヤですよね。

松本:それってブラウザだったら、押してアプリ上でWebビューを開けばいいんじゃないかなっていう気もするけど。

手嶋:それはやっぱり、他の会社に誘導したりとか、iQONの中でユーザーが滞留しちゃうとかあるんじゃないですか?

金山:確かにそうっすね。

松本:これって、どこから流入してるとか取れるんですか?

金山:ツールがあるんですよ。

松本:iQONに来るのは、どのサービス経由がいちばん多いんですか?

金山:……見てないっすね(笑)。

一同:(笑)。

金山:これ「なぜ見てないか」っていうのは、みなさんの想像におまかせしますが。仮にですよ、僕らのアプリの流入元のナンバーワンがSyn.なら「よし、見ろ!」ですよ(笑)。

手嶋:まあ、まだ始まったばかりですから。

ヤフーとSyn.の共通語「ハンバーガー」とは?

金山:ただメンツは素晴らしくて。Webとかアプリをやってこられているお二方ならわかると思うんですけども、いきなり当たることってないじゃないですか。出してみて現実とのかい離があって、そこを修正していく。「とりあえず出す」みたいな。まだ始まって1カ月ですからね。

松本:グロースハックとして金山さんはSyn.のどこを修正したいですか?

金山:とりあえず全部ネイティブにしたい、やっぱり(笑)。ネイティブアプリの中の回遊率は高いはずだと。

手嶋:あと名前が難しいですよね。地方のおばちゃんに使ってもらうサービスとしては読みづらいかなっていう。

金山:「Syn」シンに「.」ドットですからね。……そんな名前のAV女優いましたよね?

松本:わかんない(笑)。

手嶋:ヤフーはグループとしてもアプリ間誘導に取り組んでるんですか?

松本:共通のナビゲーションがありまして。社内では「ハンバーガー」って言ってるんですけど、あの左上の3つ線があるボタン。あれが共通になっていて個々に誘導するようになってる。

金山:Syn.と一緒じゃないですか! Syn.もあれを「ハンバーガー」って呼んで共通になっていて。

手嶋:おっと!

金山:あれって共通語?

松本:うちはでも1年半くらい前からあったからなぁ(笑)。

一同:(笑)。

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