プログラミングの教材を無料提供--教育のノウハウをシェアする「TECH for TEACHERS」

テクノロジー×教育 #2/2

Edu×Tech Fes 2015
に開催

Life is Tech !が主催する教育とテクノロジーの祭典「Edu×Tech Fes 2015」。本パートでは、Life is Tech !代表で、元教員でもある水野雄介氏が「テクノロジー×教育」をテーマに、子供の可能性を伸ばすための教育改革6ヶ条を提言します。(Edu×Tech Fes 2015より)

教育の6か条、最終目標は「学校をつくること」

水野雄介氏:2025年までに向けて僕が今考えているのは、教育の6か条というものです。

1つは、今やっているIT教育ですね。IT教育による創造力の育成と。プログラミングとかデジタルなもの作りというのは結局ツールでしかないんです。自分が何か成し遂げたいものだったりとか社会がよくなる事だったりとか、その進化させるもの、人を満足、幸せにするものというところに使われる創造力が必要になってくる。そういう創造力の育成というのをまず1つ絶対にやっていこうと。

2つ目はアントレプレナーシップが鍵だなと僕は思っていて、例えば問題があった時に、子ども達に「あれ総理が悪いからだよ」とか言っているのではなくて、だったら自分たちが変えようよという気概を持ってもらいたい。

全員に起業してほしいというとかそういう事では全然なくて、「自分だったら社会を変えられるんだ」とか、そういう気持ちを持って欲しいなと。そこの教育、実行力というところを持って欲しいなというところで、ここが鍵になると思っています。

3つ目はオンライン化ですね。やっぱりやっていて思うのが、日本だったら東京に情報が集中してますよね。東京に情報とか、人やものが集中しているから格差が起きる。その時に知が東京に集まっているので、それをどうやってオープン化していくかというところが鍵かなと。

次、4つ目は先生の力というのを最大化する事が大事だと思っています。それもさっきの経済とか地域の格差の話なんですけど、僕の甥っ子が福島に住んでいて、工業高校に行ってその後、専門学校に行って企業に行くみたいな感じなんですけど、情報が狭いから、その子のことだけ考えちゃうと「東京来いよ」と言いたくなっちゃう。まず、東京来いよと。

でも地方創生とかいう観点で言ったらそれはダメで、そのためにはつまりどんな場所に住んでいるかというのは大事なんですよね。どんな環境に住んでいるか、やっぱり人って環境ですごく変わるので。家庭を変えるよりも先生だと思っています。僕は元々教師をやっていたので。

先生ってすごく大変なんですよ。みんなすごい子どもの事を考えてやっていて。なんですけど、そこをテクノロジーの力でもっとサポート出来る仕組みを作りたいなと。ちょっと後で話します。

5つ目が学校を作りたいなと思っていて。これはちょっとまだ時間がかかるんですけど、学校を作ります。

6つ目が学校を作って、これを広めていくと。新しい仕組みの学校を作らなければいけないですね。簡単に言うと、今授業って1対40でやっているじゃないですか。なんですけど、1対40って多いんですよね。やっぱりMAXで1対20とか、1対15くらいだなと思っていて。

しかも教師には優秀な人に入って欲しい。そのためには給料を上げたいじゃないですか。給料を上げたいかつ、人も増えると。なんですけど、今学校の収入は公立とかなら国のお金だし、私立ならそこに学費が入ってくると。でも上限が決まっていて、人件費がほとんどなんですよね。そもそも仕組みを変えないと、本当のいい教育は出来ないと思っています。

最後はグローバルに学び合う土壌という所だと思っています。これからもっとテクノロジーが発達していく中で、例えばここでシンガポールの子と日本の子が、同じように学ぶということが絶対に出来るようになります。向こうで誰と学ぶかというのがすごく大事になってくると思います。その時に、向こうで学び合える仲間を作っておく、コミュニティを作っておくのがすごく大事だなと思っています。

その中でちょっとだけスタートしたのがありまして、結構おもしろいのでその話をしたいと思います。

スタートアップの1番楽しいところを、子ども達に体験させる

まずアントレプレナーシップの話をします。僕はアントレプレナーシップを、キッザニアさんと一緒に仕事をする事が出来て、Be Startupというのをやっていて、ボーイズビーアンビシャスじゃないですけど「スタートアップしようぜ」みたいな感じですね。

自分もスタートアップをやってみて思うんですけど、1番楽しいところって事業計画書を作っているとかじゃないんですよね。商品や新しいものを作って、人に使ってもらうところがめちゃめちゃわくわくするんですよね。なので、それだけを切り取ってやってもらおうと。

ちょっと動画をご覧下さい。これは貝印さんという刃物のメーカーと一緒に、中高生の新しい商品を作ったという例ですね。大体3ケ月、去年の10月から3か月間やって25人くらいの子が7チームに分かれてやりました。

(映像開始)

最後に経営陣にプレゼンテーションをして、オッケーならちゃんと商品化されると。こういうコンセプトムービーを作って、そもそもの商品企画から、つまり「温度を測るやつはダサいよね」という所からスタートをしているんですけど。それをIoTを使って、「美味しさは光る」というコンセプトでどうですか? というものです。

企業側としても新しいオープンイノベーションの形なんですね。自分達だけで商品開発部を持ってやるというのだけではなくて、新しく僕らが確立してあげながら、中高生が自分達のアイディアでそれを形にして、かつちゃんと流通の仕組みだったりとか、原価はいくらなのか? とか、じゃあ値段設計はいくらでという所まで考えて、企画からですね。まあこんな感じです。

これは1つの取り組みだなと思っていて、このアントレプレナーシップ、自分で世の中にない新しい物を作りだすというところを、子ども達にどんどん体験してもらいつつ、自己肯定感を高めながら自分達でそれも出来るんだという自信を持ってもらいたいなというふうに思っています。これは「きせかえ包丁」というのをプレゼンした子ですね。

キッザニアさんとやらせて頂いているので、いろいろな企業さんとこういうのをやりながら、まずはそこからこういう楽しさを学びながら、後はそこからシリコンバレーじゃないですけど、スタンフォードみたいな場所になっていくのかなと僕らは思っていて。

やはりテクノロジーが好きな子がたくさんいるので、そういった子達が新しい物を生みだしたり、価値を付けていく、そういうところでこのアントレプレナーシップというのを育てるようなプログラムにしていきたいなと思っています。

情報の授業のカリキュラムをすべて無料で提供する

もう1つ、こないだ月曜日に話をしたんですけど、先生のほうの話もちょっとしたいと思います。元々僕が教師をやっていて、大体今授業って6時間あるじゃないですか。授業が多い先生だと、4時間5時間持っているんですね。しかも授業って、すごい疲れるんですよ。しかもそれ以外の時間に教材作成して部活見て、会議やってもうすごい大変なんですよ、先生って。

それというのをちょっと考えた時に、例えば麻布の先生と開成の先生が、同じ等加速度の問題を作っていたら、それが次の日のために3時間かかるなら、それはシェアすればいいじゃんと思うじゃないですか。それを日本全体で見た時に、その時間というのを、もっと子どもを見る時間に使えたら先生ももっとやりたい事が出来るし、子どもにとってもハッピーだし。

そうじゃないけれども先生のためのテクノロジーを、もっと変えていかなければいけないなと思っていて、まずスタートさせて頂いたのが「TECH for TEACHERS」というのを始めさせて頂きました。「TECH for TEACHERS」もご覧頂きたいと思います。先程出て頂いた酒井先生と、品川学園でまず1発目の授業をやりました。

(映像開始)

今、プログラミングは情報の中で必修なんですよ。例えば1学期はプレゼンテーションとか2学期はエクセルとかあるんですけど、その中のアルゴリズムというところを僕らのところと一緒にやらせてもらっているという感じなんですけど。

具体的にどんなものをやるのかというと、やっている事としては「TECH for TEACHERS」は、先生が最先端の情報の授業というのを、僕らがカリキュラムを持っているので全て無料で提供しています。

やっぱりさっきの福島の子、僕の甥っ子じゃないですけど、やりたいという子は結構いるんですね。僕らのところには8,000人来ているんですけど、4,000人くらい有料で4,000くらい無料なんですね。やっぱり有料で来れないという子もいるし、でもやりたいという気持ちをどうしたらいいのか? しかも、そもそもそれを知らないという事がやっぱりあるんですよね。

それって大きな問題というか、もったいないという感じなんですよね。ちょっと情報を得れば、みんなぐんと伸びるのに。それを何とかしたいと思っていて、僕らが受験サプリさんと一緒に、受験サプリのプラットフォームで、僕らはちっちゃい会社なので、一緒に広めていくところを受験サプリさんにやってもらいながらやっていこうというような取り組みです。

特徴としては大きく3つで、1つがまず無料で導入出来るという事。学校は予算がないので無料でやるしかないんですね。

2つ目が、30分で授業の準備が出来ると。やっぱりITを授業に入れるとなると、今よりも難しくなるとか大変になる事がめちゃくちゃ多いんですね。ITは人の生活を楽にするものじゃないですか。それっていうのがすごい大事なので、30分で授業の導入が出来て、しかも簡単に出来ると。

3つ目が創造性を高めるカリキュラムであるという事が特徴です。どうやってやるのかという事を具体的に言いたいと思います。

先生にも生徒にも負担のない仕組みをつくりたい

「TECH for TEACHERS」は大きく4つのもので構成されていて、1つが動画、2つ目がプリント、3つ目がスライド、4つ目が指導案ですね。動画ってちょっとモチベーション上がらなくないですか? ずっと長く1人で続けるのって。取りあえず4つご覧下さい。

具体的にどんな感じかというと、僕らはまず3分から5分の動画を60本用意していて、さっきの1学期分の全部の授業に対応しているというようになっています。それを先生にそのまま使ってもらえるという感じです。1学期分はまずは無料で出来るよという感じです。

コースとしては、iPhoneのアプリのコース、とWEBを学ぶコースというのがあって、後は生徒用の教科書も用意してあります。教科書も用意してあって、これも全部無料と。スライドも用意してあって。

僕も教師やっていたのですが、動画見せてるだけで「あの先生さぼっているね」と言われるのがすごく嫌なんですよ、先生って。だから先生の仕事ってその程度の仕事? ってさっきの大学生の方がおっしゃっていたじゃないですか、。まさにそうで、でも先生はどの子にどういうものを提供したらよいのか?

例えばこれだったら、「WEBを学ぶために世界で1番アクセスされているWEBページ」っていうので、授業の最初のつかみって大事なんですよ。例えば「芸能人の中で1番ダサいホームページって誰のか知ってる?」みたいな感じで。そうすると「誰々?」みたいな感じで盛り上がるじゃないですか。そしてそれを検索してみて、ほんとにダサいよねという話になるんですよ。

そうすると「カッコいいデザインのWEBページ作ろうよ」というような、そういう話が大事なんですよね先生って。そういうところの1つとしてどうですか? というのを提供していると。

後は授業の指導案ですね。ちゃんと指導案をして45分や50分の中で出来るような形になっているというので、授業の中はどうなっているかというとこんな感じですね。

こんな感じの3分×5分のやつで、これをみんながイヤホンで聞く時は聞いているという感じですね。本当に中1の女の子でも出来るように設計してあります。皆さんももしやりたかったら、受験サプリさんに登録すれば個人の方も出来ます。

まあこんな感じです。生徒個人も先生にも、出来るだけ負担が少ないような仕組みを作ろうと思って、今みたいな事をやっています。

IT教育って学校教育の中で言われるんですけど、結構差があっていろんなものをIT教育って呼ぶんですね。縦軸が創造性で横軸がITの活用性だとすると、簡単に言うと「教科書をただPDF化してタブレットに入れましょう」というのは、それじゃ使わないよね。

タブレットのいい所は、やっぱり動画ですよね。そのプログラミングとかアプリとかを実際に使って作るというところにIT教育というのがいかないと、本当のIT教育じゃないんじゃないかと思って、僕らはこういう所をやっていこうと思っています。教育格差を変えていこうというところ、鍵は先生だと僕は思ってやっています。

子ども1人1人の可能性を伸ばすためにできること

最後になりますけど、21世紀の教育を作るというという意味で、まずIT教育というのが今1番僕らがやっている事だし、自分達がやるべき事だと思っています。

そこに色々付随して、新しいものにチャレンジしていて。やりたい事というのは本当に、子ども1人1人の可能性を伸ばしたいというそれだけなんですね。子ども1人1人の可能性を伸ばすためには、誰を巻き込んでいったらいいのか? どういう仕組みにしていったらいいのか? それは日本だけではなく、世界の人ともどういう風につながっていけばいいのか?

僕らはそういったところにどんどんチャレンジをしていきながら、日本の教育、そして子ども達の可能性を最大限に伸ばすために、これからも頑張っていきたいなと思っています。

中高生のみんなには、僕は中高生のみんなのぐんと伸びるところが好きなので、こういう仕事をやっていて毎日が楽しいから、そういう仕事を見つけられるように今出来るものを頑張ってほしいと思います。というわけで、僕の話を終わらせて頂けたらと思います。ご清聴ありがとうございました。

制作協力:VoXT

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