IT業界に中高生のヒーローを作りたい
大手企業が学生を指名するITドラフト会議とは

テクノロジー×教育 #1/2

Edu×Tech Fes 2015
に開催

Life is Tech !が主催する教育とテクノロジーの祭典「Edu×Tech Fes 2015」。本パートでは、Life is Tech !代表で、元教員でもある水野雄介氏が「テクノロジー×教育」をテーマに、IT分野におけるヒーロー育成のための環境づくりについて語ります。(Edu×Tech Fes 2015より)

好きなものを仕事にしたほうがいい理由

水野雄介氏:皆さん今日はお集まり頂きまして、本当にありがとうございます。中高生のみんなも多いから、先ほどの出雲さんのお話をどう思ったのかな。俺はすごいなと思っていて。

先ほど、出雲さんの本が出てたけど、『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』これはすごい面白いから買ったほうがいい。出雲さんは多分、すごくミドリ虫が好きなんだよね。500回やり続けられたっていうのは、多分すごく好きというのが大事なんじゃないかなと思っていて。

「好きな事を仕事にしなさい」というのはちょっと大げさなんだけど、好きなものを仕事にしたほうがいいなとやっぱり思っているんだよね。僕の場合は、やっぱり中学生高校生の教育が好きでね、みんながどうやって伸びるのか考えるのがすごく好きなんだ。だからそれを仕事に出来ると、毎日考えていられるんだよね。

みんなも好きな物ってあるよね? 好きなものを毎日考えている時って楽しいよね。それと同じでどんどんアイディアも湧いてくるし、やりたい事も見つかる。「人生が楽しくなるための魔法」じゃないけど、本当に僕は教育の分野だけど、出雲さんの場合だと、10年前に誰がミドリムシをセブンイレブンで売っている状態を想像できたかってことだよね。

世の中を動かすというのはこういう事だと思っていて、すごく自分自身も力をもらえるし、もっともっとやりたいし、中高生のみんなはそういうのを見つけられるようにね。好きなことがない子もいると思うんだけど、好きなことがない子は、「今あるものを頑張る」というのもすごく大事で、夢中になれるものをぜひやっていってもらいたいなと。

僕の場合はそれが中高生の時の教育なので、毎日中高生向けの教育をやろうと。特にテクノロジーっていう物を扱っているので、そのテクノロジーと教育について。

今日は、前半部分が2020年までの話をしたいと思います。今やっている事だったり、これから継続する教育について。後半部分は、2025年までの教育というところについてのお話しをしたいなと思います。ライフイズテックの話は橋本さんにもして頂いたので、ざっくり行きたいと思います。

ディズニーランドより楽しい教育の場をつくりたい

僕は今32歳で、元々物理の教師をやっていました。こんな感じで等加速度を教えてました。

なんですけど、もっと教育を進化させたいなというところがありました。キッザニアとか結構好きで、やっぱりサービスから教育を変えるのが1番早いんじゃないか? というところで、この会社を4年半前くらいにスタートさせました。

実際やっている事はどんな事かというと、先程橋本さんに見て頂いたのでざっくり分かると思うんですけど。僕らは最後に、キャンプのムービーを作ってあげて子ども達にプレゼントするんですね。

(映像開始)

これは慶応のSFCでやった時の様子で、iPhoneのアプリを作ったりとか、後は例えば今度登壇して頂く真鍋さんのメディアアートをやったりとか。

そういう最先端のITを、大学という非日常的空間で学ぼうというキャンプをやっています。こんな感じで5、6人に1人大学生がついて教えるという仕組みです。結構楽し気な感じで。この辺はいいですね。

やっている事としては、まず中学生高校生向けのITのプログラミングのキャンプというところからスタートして、大体参加者の割合的には、中学生が6割5分くらい、高校生が3割5分で、後女の子の割合が多いのが特徴で、女の子が大体3割4割くらいいます。

今は全国の10大学と提携させて頂いて、13のコースがあります。これからは、例えば「IoTのコースやりたいよね」とか、「コンピュータサイエンスのコースをもっと深めるコースをやりたいよね」とか、「もうちょっと音楽系のコースをやりたいよね」とかいうところで、最先端のもの、なかなか学校では出来ないものというのを僕らがやっているという感じです。

イメージとしては、6人に1人大学生が付いて、ディズニーランドよりも楽しい場所を作りたいなという事をずっとやっていて、中高生がディズニーランドよりもライフイズテックに行きたいなと言ってもらえるようになりたい。

やはり学びは、学びたくなるものじゃないといけないなと僕は思っていて、学びたくなる場所を作ろうというところでやっています。

「まずは野球の世界を越えたい」20万人規模を目指す

最初は3人でスタートして、去年までのべ8,000人の子が来てくれるまでになりました。本当にやりたいという子がすごく多くて、それをどんどん増やしているというか、増えているという状況になります。

僕はまず、「2020年までに、20万人の子がデジタルなものづくりをしているという世界を作る」というのを目標としてやっています。20万人というのが、僕は高校野球をやっていたんですけれども、高校野球をやっていた子は18万9,000人と言われているんですね。

実際、男子校で45人くらいのクラスに行くと、野球を好きで、昼休みに野球の話しをしている子が大体5人くらいいます。2人くらい野球部がいるという感じですね。パソコンやゲームの話しをしている子は10人くらいいますね。

好きな子はとても多いんだけど、プレーヤーは1人もいないというような状況なので、その野球の世界をまず超えるところを目指そうと。ただエースやサッカーのフォワードばかりがモテるんじゃなくて、「物を作っている奴がかっこいいよね」と言われるような社会を作ろうというところで今やっています。

このEDU×TECH Fesに丁度お話しをさせて頂いていたのが2年前だったので、その編成も踏まえてお話しをさせて頂きますと、ライフイズテックは、いろんな企業さんと連携させて頂いています。僕らの場合は、大学生が中高生を教える仕組みなので、大学生が優秀だと中高生にそれが還元されるんですね。なので優秀な大学生、優秀な子に集まってもらうためにいろんな企業さんと連携させて頂いています。企業さんとしても技術力とテクノロジー、コミュニケーションがある人を求めているので協力をしてくれます。

大学生からしても、ここに来ると学べて自分もスキルがついて、ちゃんとバイト代ももらえて、企業とのコネクションも出来るという場所になればと、ライフイズテックリーダーズというプログラムをしたりとか、後は先ほどのスクエニさんとのキャンプをやったりとか、これはコードガールズという女子向けのグーグルさんとキャンプをやったりとか。

いろんな企業さんと連携をしながら、教育の機会を提供しようという事をやっています。

IT分野に錦織君をつくるには、文化から変える必要がある

後はさっきの、ITドラフト会議を去年やった話ですが、ITドラフト会議というのをやっています。どんな感じかというと……

(ITドラフト会議の映像が流れる)

こんな感じで、品川プリンスホテルでちゃんとやっています。なぜこれをやっているかというと、ぼくは野球が好きなので、野球で活躍している選手のように、やっている子達が「かっこいい」と言われる中高生のITのヒーローを作りたいというところがあります。

親が「あなた頑張りなさい」と、今なら錦織君が頑張っているから言いやすいじゃないですか。スポーツなら言いやすいんですよね。でもITってなかなか、「あなた、パソコンばかりやっていて」となってしまうので、それを変えていきたいなと。

文化を作らなければいけない、そのためにこういったドラフトみたいなものをやっていて。DeNAだと野球みたいですよね。この時、1番最初は5社でやりました。やはりドラフトといえばクジみたいな所があるんですね。丁度1巡目がリクルートさんとかぶってですね。こんな感じで。

教育の入り口を変える「キャンプ」と、出口を変える「ドラフト会議」

昨日の記事にも出ていましたけど、1年生から修士2年生までなるような仕組みになっていて、1年生の場合はインターンで行ったりとか、3年生の場合だとそのまま就職につながったりとかいうような仕組みでやっています。

2020年までの全体の教育の仕組みとして考えているのは、やはり教育を変えるには入口・中身・出口を変えなければいけないと思っていて、キャンプというのは初めての子を増やすという所なんですね。「IT楽しい!」となるんです。

ですが、出口が変わらないと教育は変わらないなと思っていて、そのために先程のドラフト会議で企業とくっつけてあげる所をつくったりとか、後はAOとかで大学に入れる仕組みだったりとか。さっきのIT入試もまさにそうだと思っていて、後は起業する子が出てきてもいいんじゃないかなと思っています。

後は全然お金の話じゃないんですけど、アメリカとかでは15歳の子が作った「サマリー」というアプリを、17歳の時にヤフーが3,000万ドルで買収したという事があるんですよね。3,000万ドルというのは30億円です。買収がどうこうというのではなくて、つまりヤフーがその子とそのプロダクトを30億円で買いたいと思ったという事ですよね。

それって、楽天がマー君を1億円で契約したのと全く一緒なんですね。ITではそういう事がもう起こっていて、そういう出口が変わってくると少しずつやりたい子にとって良い環境になると。やりたい子はめちゃめちゃ多いんですよ、今。めちゃめちゃ多いから、やりたい子のための社会的なノイズというか、やれない状況というのを変えていくのが僕らの仕事というかですね。

そこに色んな方々が協力してくれているというのがある。そのために、どうやったらその子達が育つのかというところで、スクールやコンテストをやったりしています。アウトプットが増えると子ども達は伸びる、というのも実感しています。

後は学校と連携をしながら、学校と連携して学校に認めてもらって、学校と一緒に作っていきたい。そのような教育の仕組みを2020年までに作ろう思っていて、1個1個視覚化して、1個1個事業化する。ちゃんと継続出来るように事業化しながらやっているというのが今やっている事です。

2020年までに、子どもが伸びる世界を作りたい

昨年、グーグルライズアワードという、グーグルさんが世界でIT教育を推進している42組織というのに、僕らは東アジアで初めて選んで頂いて、去年の4月頃にシリコンバレーに行ってきました。僕のチームは、パリの人とウガンダの人とチリの人と一緒に、IT教育についていろいろ話したり、ワークショップをやったりとかしてきました。

でもやっぱり、縦軸で物事を捉えているところはないなと思ったんです。ワークショップをやっているところってたくさんあるし、いい事をやっている所もたくさんありますが入り口から出口までの教育を考えているところはないなと思いました。やっぱり「世界でやっていかなければならないな」という所をすごく感じた部分で、自分達に出来る「子ども達が伸びるためのいろんな秘策」というところをやっていこうという所で今考えています。

ここまでが去年までにやった事ですね。2020年までにこういう仕組みを作ろうと。20万人の子がデジタルな物作りをしていて、スーパーヒーローが生まれる。3年に1回くらいはダルビッシュやマー君とかがいっぱい生まれて、僕みたいな1回戦とかで負けるタイプでも、やっていてすごい良かったと思えるような。そういうような世界を作りたいなと。

制作協力:VoXT

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