いじめから救ってくれた先生に「40年越しの恩返し」 思いやりの連鎖が生んだひとつの物語

思いやりの輪 #1/2

作家のJok Church(ジョック・チャーチ)氏は、高校時代に1人の教師が過酷ないじめから救ってくれた過去を告白します。大人になってからその教師と再会を果たした同氏は、過去にもらった優しさに対して恩返しをすることを決意します。思いやりの連鎖がつないだ、ひとつの物語が語られる。(TED2011より)

「思いやりの輪」の物語

ジョック・チャーチ氏:私の仕事は子ども達に本を書くことです。作家としては多分、私がアメリカで1番ワイルドで真っ赤な作家だと思います。人前に出る時に科学者のような格好をするのが嫌いですので。農業をしてる人とかに見られてもいいのですけど、まだそう言われたことはありませんね。

(会場笑)

私が今日話したいのは「輪」と「思いやり」についてです。「思いやり」というのは、見つけていても最初は気づくことができず、遠回りをしてやっと「思いやり」だったのだと気づくものです。

この絵は「輪」を描いたものです。私がこれから話す「輪」も、このように複雑な物です。私の「輪」の物語は1960年代のオハイオ州、ストーでの高校時代に遡ります。当時、私はクラスでたった1人の同性愛者でした。毎週男子トイレで血がでるほどいじめられていました。でもある先生が、そんな私を救ってくれたのです。

彼女は私に3年間、職員用トイレをこっそり使わせてくれました。そしてその後、何事も無かったかのように私は街を出て行きました。

85ドルを手にヒッチハイクをして、最終的にカリフォルニアはサンフランシスコへとたどり着き、そこで恋人と出会いました。1980年代、私はエイズ・オーガナイゼーションで働き始めました。

「輪」がまた別の「輪」を生む

3、4年前の夜中に突然、1本の電話がかかってきました。あの高校時代の先生、スポストンさんでした。「あなたにどうしても会いたい」と言ってきたのです。そしてこうも言いました。

「大人になってからの関わりが無かったことが残念だったわ。お願いだからオハイオまで来てくれないかしら? パートナーが男性なのも分かっているから、一緒に来て欲しいの」

(会場笑)

彼女は「あと、膵臓癌にかかっているから出来るだけ早く」とも言いました。ですので私達は、次の日にはクリーブランドで彼女に会っていました。私達は共に笑い、泣き、そして彼女にターミナルケアが必要であることも、その時知ったのです。

私達は彼女のために、すぐさま病院を探し、彼女の家族の面倒も見ました。それは必要なことでしたし、私達にできることでもあったからです。大人になった私を知ろうとした彼女が、こうして大人の私を知り、そして彼女は今、灰となって私の掌の中で箱に収まっています。

終末を迎えた1つの輪が、また新たな輪を生み出したのです。そしてそれは、見失いがちな「思いやり」の再確認でもありました。「死とは感覚の一部」だという直感をあらためて実感できた瞬間でした。

彼女は私を救い、私達は彼女を救った。そんな繋がりの輪に人間としての全身全霊が込められていたように、全ての輪にはそうあることが必要です。それには、紛うこと無き真実や美しくあること、尊厳、愛や喜びといった要素が欠かせないのです。そして、そんな「輪」を繋げていくのが私達の仕事なのです。

今日この場所でこの物語を語ることができたことを、本当に幸せに思います。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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TED(テッド)

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1 いじめから救ってくれた先生に「40年越しの恩返し」 思いやりの連鎖が生んだひとつの物語
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