「好きなことをやれ」という言葉は信じるな--夢がない人のための、やりたいことの見つけ方

戦略的に生きていく―創造的会社員のススメ #4/5

起業家・奥田浩美氏は「好きなことをやれ」「軸を持て」と子供に言う大人は信じてはいけないと語ります。なぜなら、自分の好きなことから仕事を探したら、好きでないことが全部こぼれてしまいます。自分の子供にも「職業に対する夢を持たなくていい」と教えている彼女。20代の若者へのアドバイスとして奥田氏は、一見無駄だと思えることをやったり、とにかくいろんな人と会うことで「夢」の選択肢を広げてほしいと語りました。

「好きなことをやれ」と言う大人は信じるな

司会:では、ここからは質疑応答の時間とさせていただきます。せっかくの機会ですので、奥田さんに直接お聞きしたいことある方、いらっしゃいましたら、挙手をお願いします。

奥田浩美氏(以下、奥田):何でもいいですよ。本の内容でもいいですし。今日は本まだ買ってない方、逆にウェルカムなので、どんな話でもいいです。あ、いたいた。

質問者:お話ありがとうございました。

奥田:ありがとうございます。

質問者:僕、小さいながら会社を経営してまして、インターン生がすごくたくさん来ていただいてるんですね。で、インターン生で自分の人生に悩んでいる方がすごく多いんですけど。

そういった人たちに対し、僕は何か引き出すような形で、どうしたらいいのか。そして「実践の中で見つけていくもんだよね」みたいな形で話をするんですけど、奥田さんはそういった方が来た場合とか、あるいは、これまでもすごくたくさんの方に関わられてると思うんですけど、どういうふうにお伝えされてきたのかなって、ぜひ伺いたいなと思いますので、よろしくお願いします。

奥田:それはインターン、若い、例えば20代とかの人に、よく言う言葉、みたいな感じですね。

質問者:そうです。

奥田:そうですね、私は娘15歳だし、周りに学生さんいっぱいいるんですけれども、一番よく言ってるのは「職業に対する夢を持たなくていい」と言っています。

「夢を持つな」と。なぜかと言うと、夢を持つ人は勝手に持つので、持ってない人に夢を探す必要はないと。どういう意味かと言うと、自分の娘とか学生さんを思い浮かべると。

あと、自分が20代の頃を思い浮かべると、職業で「これになりたい」「あれになりたい」という職業がどれだけ狭いものだったか。

私はインドに行って帰ってきて、今の職業に就いて、ITの世界に行ってっていうので広がりましたけれども。鹿児島にいた22歳の時に、恥ずかしながら、弁理士っていう職業知らないんですよ。東京にいたら当たり前のように知っている弁理士という職業も、鹿児島の田舎、鹿児島の鹿児島大学にいるのに、知らない。

でも、そんな中でみんな職業を選択して、皆さんの会社に入ってきて、みたいな方に、いろんな夢を持て、夢を持てって言うよりは、夢を持つためにたくさんの人に会いなさいと。たくさんの人を見て、そんななかから、いつか出会えたなかで、これおもしろそうだなっていう先に夢があるかもしれないって思って生きればいい、と言っています。

私がちゃんと「私には夢があります」っていうことをこの表紙のほうに書いてるんですけども、私の夢はってちゃんとこうやって堂々と語れるようになったのは45歳です。

え、あります? 皆さん、夢ってこと。私みたいにこの本の中で超堂々と書いてるんですけど、それぐらい言える夢って、そりゃあ当たり前に持ってる方もここに半数ぐらいいらっしゃるかもしれないし、持ってない方もいるかもしれない。

ってことは、まだあなたがそのときに誰かと出会ってなくって、一緒にやりたいことに出会えてないのかもしれないから、インターンぐらいの年齢で夢なんて、持ってなければ持たなくていいと。

いつか会うかもしれないし、でも目の前のことを、無駄なこと、どんどんどんどんやり散らかしていく中で「あれ? これ、無駄じゃなくて何か役に立つかも」って思ったことが夢につながるかもしれないっていうようなことはいつも言っていて。なので、自分の思いとかを逆に狭めないことを言ってますね。

「軸を持て」とか「好きなことをやれ」とか、そういうふうに言う大人のことは信じなくていいよと。だって自分の好きなことを探したら、好きでないことが全部こぼれていきます。自分の軸を持てって言って、軸じゃないと思ったものは全部こぼれていきます。

ってことは、あなたが好きなこと×あなたの軸であなたの得意なこと掛け算したら、0.0何%…こんな狭ーい選択肢の中で生きていくってナンセンスじゃないですかっていうことをいつも言っているので。

いろんな人に出会って、いろんな経験をして、無駄と思った中から何か新しいものが出てきて「あ、私はこれ使命感だ」って思うことに出会えたら、夢を持てばいい、ということを言っています。

質問者:ありがとうございます。

奥田:はい。

嫌いな人には100回ぐらい笑顔を向ける

司会:先ほど挙手をされてた後ろの方、はい。

質問者:ありがとうございます。先ほど嫌いな人とこそしゃべれっていうお話があったと思うんですけれども、まるで話がかみ合わなくて。

自分が言ってることも通じてないし、相手の言ってることも納得できないっていう状況で対話を続けるって、すごく難しいことだと思うんですけども、その辺りもうちょっと、どういうふうにやるのか詳しくお聞かせいただけたらと思います。

奥田:もうね、嫌いな人って当然いるわけですよね。いる中で対話して、自分は全力でやったっていう、自分を肯定できるぐらいまでやれば、もう相手、どうでもいいんですよ(笑)。

自分が、もう自分が説明できることはやりましたっていうところまでやったら、「あ、合わない人もいるのね」って思って先に行けるけれども、みんなそこまでやらずに「あ、何かやだ」って言いながらその辺をふらふらしてるから、説明できるだけは一方的にでも説明して、相手のこともわかろうとして。

私は100回ぐらい笑顔を向けてみるとか、100回ぐらいその人を引き出してみようと。もうロールプレイングゲームに近いですね。ことをやって、ダメだったらいいやっていうぐらいやって、やると、意外とコロッと何かいったりすると。

次がまたいけるんですけど、それやってもダメな人もいるので、自分の満足のために、ちゃんとケリを付けながら先に進んで行くイメージです。

質問者:ありがとうございます。

奥田:はい。

シニアほど可能性がある世代はない

司会:他にご質問のある方、いらっしゃいますか。

質問者:先生のこの本もちょっと買って読まさしていただきました。それで、私は企業に勤める「シニア」って言われてる世代にもう入っちゃって、ちょっともう出世ってこと自体おぼつかなくなって。

で、先生の書かれた本「あ、これだ」と思って読んでいて、その中にシニアほど可能性がある世代はないんだと。シニアほど可能性が上がっていくんだっていうようなこともちょっとここに書かれていて「頑張りたい」とすごくやっぱり思うわけですよ。

だけど、具体的にじゃあ、その可能性っていうか、自分の求めているものっていうのは、どうやってこれから。もう残されている会社生活のほうが短い中で、「さて、どうしたらいいんだろう」っていうことで。

ちょっとまだやりたいことをこれからまた見つけながらやっていこうっていう気持ちはあるんですけれども、その辺で特に今日アドバイスって、何かありましたら、ちょっとお願いしたいな、と思いまして。

奥田:わかりました。シニア、シニア言われますけど、私50ですけど、おいくつですか?

質問者:56です。

奥田:ああ。でも、変わんないじゃないですかっていう。でも、これからやっぱり65歳定年はもう当たり前。でも、その65歳では到底年金で暮らしていけない社会になるのは、もうここにいらっしゃる方ってわかってますよね。

ってことは、会社の定年っていうところで終わりに思っちゃダメで、今22歳ぐらいだと思ってないと、生き延びられないんじゃないかなと。でも、そういうときに、私は素晴らしいなと思ったのは、こういうことをやっぱり素直におっしゃって、ここに来てるわけですよね。

それがすごいなあと思うんです。だから、やるべきことのアドバイスがあるとすれば「もう56」っていうのはやめて、56の自分だからこそ、26とつながる意味があるとか、いろんな世代とつながって、いろんな価値観を学ぶというよりは与え合うみたいな気持ちで、いろんなとこに行くといいと思います。

「おじさん56なんだけど、何かできる?」とか言ったらおもしろがる人いっぱいいるので。堂々と言って。

シニア、シニアって言ってたら、私もだんだんめげてくるんですけど。でも「シニアっておもしろいよ」って言ってるのは、できるだけど真ん中の価値観じゃない人が、これからおもしろい世代になってくると。

今、私が先ほど言ったみたいに、今スマホの中にあるものって、若い子の洋服店みたいなもので、キャミソールとか、タンクトップとか、ショートパンツみたいなのしか売ってないのを「お前ら使え」って言われてるようなものだと思ってるんですよ。

そんなこと言われたって、使いたいものがなきゃ使わないですよね。っていうところで、やっぱり自分たちの感覚が、何らかの役に立つんじゃないか、っていう場所に行くと。

あとはだから、上だから偉いと思わずに、みんなと会話する。今この中でも多分、56のおじさん、おもしれえなって思ってる人いっぱいいるなって思っていて。

なので、意外と年とかも素直に言って、でも「おもしろいこと何かやりたいんだし、やれると思うんだよ」って言い続けていたら、おもしろい人集まってくると思うので。

その見つけ方なんですけど、そうは言っても「じゃあ、どうやって見つけるの」って話なんですけど、自分の周りで、ちょっとこいつムカつく、楽しそうにしてるっていうような人の、そのムカつく感みたいなのすごくポイントになって。

ムカつくってことはうらやましさと、なりたい感があったりするので。その人がやってることを全部外して「あ、この方向って自分は好きなんだ」とか言って、素直にとけ込んでみるとか。

あるいは、すごくこの人、大好き、みたいな。すごくこの活動いいな、と思うのをストレートに飛び込んでもいいし。その両方だと思います。

年を取れば取るほど「何か、あいつも」っていうところが実を言うと、自分が行きたいところだったりするんで。ムカつく回数があればあるほど、そこに飛び込んでみる、みたいなことを目指すといいと思います。

質問者:あの、わかりました。はい。ぜひ、実行したいと思います。

奥田:はい。ありがとうございます。

司会:ありがとうございます。上の世代の方にも響いてくださって、すごく感動しました。

奥田:まだ上じゃない、上じゃない。

司会:上じゃないですね。はい。じゃあ、他にご質問のある方お願いします。

嫌いな人とは格闘するな

質問者:よろしくお願いします。私も、先ほどの嫌いな人ともとことん付き合って、辞書を非常に厚くするっていうお話だったんですけども。私は逆に、私自身はピンときたのは、わりと好きな人ととことん付き合って、それで自分もわりと好きなものを追求していくタイプなんですけれども。

それでも結構、奥が深くて。好きで、さらにそれがまた広がって、広がって。で、私が興味を引く人もやっぱり何かを追求していたりとか、そういうおもしろい人が多いんですけれども。

そのときに例えば、権威主義的な人であったり、あるいは、何か本当は好きじゃないんだけど、グループに属してなくちゃいやで、それとか見た目をすごい気にしたり、そういう人とか、いろんなものの辞書を広げることに、すごい、多分私は理解してないと思うんですけれども。

どういう意味があるのかなとか。「あ、この人はこんな人だな」ぐらいで私は何かすごい良かったりして。人生がすごくそういう人たちで、いろんな情報を集めても、ジェネラリスト的に自分がなって、これもわかる、わかる。

でも、何かおもしろくないような気がして。多分おっしゃってる意味を私が理解してないからだと思うんですけども、そこをお伺いしたいなと。

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