12歳で起業した日本の天才少年が語る、興味の連鎖がつなぐ世界

無尽蔵の興味がつなぐ新しい世界 #1/2

小さなころから様々なものに興味を持ち、自分の見識と行動範囲を広げていった米山維斗氏。小学6年生のときにはカードゲーム「ケミストリークエスト」を立案し、商品化を行いました。天才少年が語った、興味の連鎖が生む世界とは?(TEDxSeeds2012より)

京王線の特徴は「馬車軌間」

米山維斗氏:突然ですが、僕は今、鉄道に興味を持っています。特に京王電鉄が好きです。

こちらがその京王線の写真なんですけど。まず京王線で特徴的なのが、線路の幅が1,372mmで。「馬車軌間」っていうんですけど、日本だと実は、この線路の幅は、京王線の直通運転をしている都営新宿線と路面電車の都電荒川線、東急世田谷線、あと札幌市電だけなんですよね。

だから結構珍しい線路の幅なんです。今年あったニュースというと、この写真は調布駅っていう京王相模原線と京王線が合流している駅が地下化された時の写真なんですけど、その時は朝の10時頃まで運休して工事を行っていました。

調布駅は(工事中で)通れなかったんですけど、さすがに電車は走らせないと不便なんで、調布駅の手前の飛田給って駅で折り返した時の写真(がこれ)です。

車両は7000系っていって、今京王電鉄で一番古い車両になってるんですけど、その中でもこれ結構古い方で。今走っている7000系って、新しい型だと横の鉄板を直接波立たせて補強しているんですけど、これは細い波立たせた「コルゲート」の鉄板を貼り付けて補強している車体になっています。

あと、これからある主なニュースというと、京王線は来年の2月22日に、調布駅が地下化されたことによる大規模なダイヤ改定を行う予定です。僕が住んでいるところは神奈川県の相模原市の橋本というところなんですけど、そこには京王相模原線が通っています。

このたび京王相模原線に約10年ぶりに特急が復活して、ただし昔特急があった頃よりも停車駅が増えて、今ある急行と相模原線の停車駅は同じになります。

あと、通勤時間帯だけ運行されている現在の「通勤快速」から「区間急行」に種別の名前が変わって、平日昼間の時間帯や土日にも走るようになります。

僕は別にずっと鉄道が好きだったわけではありません。僕が英語の幼稚園に通っていた頃、太陽系、ソーラーシステムに関する授業をやって、そこで太陽系に興味を持ちました。図書館に行って太陽系とかに関する本を借りて、惑星が一体何で出来ているか、どうやって出来たかなどを調べたりしました。

あと、家から車とかで30分くらいのところにJAXAの相模原キャンパスというのがあって、そこに遊びに行ったりもしてました。一般公開の時には今でも毎年通っています。

この写真は、そこのJAXA相模原キャンパスにある本物のM-Vロケットの2号機です。

ロケットって普通打ち上げられたら、そのまま大気圏に突入して消えてなくなっちゃうはずなんですが、じゃあなんで今ここにあるかっていうと、本当はこのM-Vロケットの2号機で「LUNAR-A」っていう月探査機を打ち上げる予定だったんです。

結局「LUNAR-A」が開発できず、(ロケットは)打ち上げられずに燃焼試験などに使ってそのままだったので、相模原キャンパスに運ばれてきたって感じになります。もっと古いロケットの模型が反対側にあったりするんですけど。

古生物、鉱物、化学に興味を持った小学生時代

地球が出来ていく際に重要なものはなんでしょう? やっぱり生命が生まれたことだと思うんですが、そういうような解説を見ているうちに古生物にハマりました。特にアンモナイトに興味を持ちました。

これがそのアンモナイトの化石なんです。アンモナイトって見てみるとまるで巻貝みたいに見えるんですけど、俗に巻貝とかいわれるものはたいていアンモナイトと同じ軟体動物の中でも、斧足類という仲間に属します。

(しかし)アンモナイトは斧足類ではなくて、今いるイカとかタコとかと同じ頭足類に属しています。同じような形をした生物だと、オウム貝っていうのが今でも生きています。

この化石っていうのは生物の死骸、骨や殻そのものではなくて、そこに鉱物が染み込んで出来たものなんですね。

図鑑でそういう解説を見ているうちにか分かりませんが、(小学)3年生になってから鉱物に興味を持つようになりました。

一口に鉱物とはいっても、正方晶形や六方晶形といった結晶の形から、ケイ酸塩鉱物や硫酸塩鉱物といった何で出来ているかとか、そういう分類によってクオーツとかトパーズとかアマゾナイトとかクロシドライトとかさまざまなものに分けられています。

どういうものがあるか調べていたら、ふと目に付いたものがあります。組成式です。組成式っていうのは、要するに鉱物が一体何で出来ているかを表す式なんですけど、そこに使われているアルファベットは何だろうと調べているうち、(小学)3年生の頃、化学に興味を持ちました。

とはいっても、なんか知らないんですけど、鉱物って無機鉱物、無機化学なんですけど、なぜか自分が興味を持ったのは有機化学だったんですね。

毎朝、土日とか早く起きて暇だったらパソコンを付けて、こういった分子の立体模型をパソコンの画面上でいじれるソフトで遊んだりとか、誕生日プレゼントに実験道具買ってもらったりとか、テストでいい点取った時に化学雑誌の『ニュートン』を買ってもらったりとか、そういうことをしてました。

それでさらに、この原子って一体何で出来ているんだろうということに興味を持ちました。そこでハマったのが素粒子です。

(会場笑)

夏休みの自由研究に選んだテーマは「はやぶさ」

まず世の中の大半の物質がアップ(クオーク)、ダウン(クオーク)、あと電子といった3つの粒子だけで出来ているということに驚きました。(ここは)素粒子を絶対に目で見ることができない世界なんで、とても興味が深まりました。なんですけど、それを見ることができる装置があります。

それが加速器で、これは「高エネルギー加速器研究機構」が一般公開した時の写真です。素粒子ってのは大抵プラスかマイナスどちらかの電気を帯びている場合が多いのですが、(加速器は)その性質を使ってどんどん粒子を加速させていってぶつけて壊して、どういうものが発生するかによって構造とかを調べたりとか、そういうことをしたりしている装置です。

(小学)5年生になってから、結構何の脈絡もなくなんですけど、(小惑星探査機の)「はやぶさ」に興味を持ちました。

(「はやぶさ」の)ドラマとかそういうところよりは使われている技術とかにとても興味を持って。例えばなんですけど、ハヤブサにトラブルが起きて姿勢を制御するリアクションホイールって装置が3つのうち2つも壊れてしまって、どうしたかっていうと、太陽光パネルが受ける太陽から出ている光の格子の圧力を使って、姿勢を制御したりしたんですね。

イオンエンジンという装置を「はやぶさ」を動かすために使ってるんですけど、キセノンをイオン化して加速化してという仕組みがよく分かりました。その時の夏休みの自由研究は「はやぶさ」についてだったんですけど、その年は(研究に「はやぶさ」を選んだのが)自分1人だけだったんです。

けど、次の年は「はやぶさ」が帰ってきてニュースや新聞で話題になっていたおかげで、なんか学校全体で10人くらいやっている人がいました。自分はもう他のことをやってたんですけど。

(会場笑)

あるところにマグカップがたくさん並んでいるとします。自分はどれか1つのマグカップの中にいるんですね。そこに自分は上から“興味の水”をどんどん注いでいきます。

注いでいるうちは、周りを見ることができないので、どんどんそこに水を注ぐことだけに集中します。だいたい自分の中で結構上の方まで到達してあふれてくると、他のマグカップに移動することができるようになっていきます。そうすると、またそこに水を注ぎ始めるんですよ。

やっぱり、1人で船旅とかしていると寂しいし、動ける距離も限られてきてしまいます。なので、自分はいつも一緒に船旅をする仲間を探しています。そうすれば、さらに遠くまで進むことができるし、いろんな方角を同時に見わたすことができるようになります。

昔通ったコップ、使ったコップも使った方が遠くに進めますけど、やっぱり昔注いだコップは水が蒸発していますよね。

化学を使ったカードゲーム「ケミストリークエスト」を立案

自分は常に新しいニュースが入ってきたらその都度調べたりするようにしています。ちょうど(小学)3年生の頃、(自分の興味が)化学とかだと、友達とかは話をしてもあんま分かってくれないんです。やっぱり自分にとっては(化学は)楽しいものなので、できれば友達と話がしたいです。

(小学)2年生の頃に、アンモナイトで頭がいっぱいになっていてアウトプットしようってことで、「アンモナイト図鑑」っていうものをパソコンで作っていたりしたんですね。

小学3年生の頃、ちょうど友達が神経衰弱のようなカードゲームを作っていて。自分も神経衰弱でなくていいんですけど、カードゲームを作って友達と遊べたらいいなと思ったんですよ。

戦うようなゲームじゃなくて、相手とつながるような、仲間でいれるようなゲームを作ろうと思ったんです。ルールとかだいたい決まってきたんですけど、キャラクター何にしようかと思っていて。

ちょうどその頃化学が好きだったんで、じゃ化学を使ったカードゲームにしてしまえば、友達と一緒に化学が楽しめるんじゃないかと考えたんですね。そこで出来たのが、パンフレットとかに書いてある『ケミストリークエスト』です。

『ケミストリークエスト』が出来て、友達に遊んでもらいました。とても楽しそうにやってもらえて、出てきた分子とか「これは何?」って、とても興味を持って話とかをすることができました。結構友達とかの反応良かったんで、「東京国際科学フェスティバル」っていうのを見つけて、5年生の時にそれに出展してみようと思いました。

子供とか来たら「カードゲームです、やってみませんか?」って言うんですけど、やっぱり大人とかが「難しいんじゃないの?」って言ってくるんですよ。それで頑張って「簡単ですよ、簡単ですよ」って無理やりやってもらうと、やっぱり子供はカードゲームだと思ってやってくれるんですよ。

本当にカードゲームって楽しいんですよ。本人たちは楽しいんですけど、やっぱり周りからみると、ちっちゃい子供がホルムアルデヒドとかシアン化水素とか言っててめっちゃ異様な光景ではあるんですけど。

(会場笑)

やっぱり化学に触れ合ってもらうことができたし、自分も遊んでて楽しかったし。さらに、この「東京国際科学フェスティバル」っていうのが国立天文台なんかも関わったりしていて、そこの教授なんかも来て。僕もいて、ゲームやってもらったところ、「あ、これはいいゲームだ」とか言ってもらえて、もっと広めたいと思ったんですね。

このゲームを広めたら、自分に仲間がどんどん増えていくんじゃないかと思ったんですよ。そこで、去年、僕は起業してこのカードゲームを商品化しました。

(会場拍手)

科学は世界共通

商品化しただけではまだ収まらず、作ったときからの夢が1つあったんですね。科学っていうのは世界共通で、目の前に水があったとして、日本語だと「水」になるし、英語だと「water」になるし、中国語だと「shui」になってしまうし、やっぱり言語によって表すものは違うんです。けど、そこで「H2O」って言ったら一発で伝わるわけですよ。

そんなふうに化学って世界共通なんで、自分は英語できるし、世界にこれを広めていきたいなと思ってたんですよ。

今年の夏にシンガポールに行って、現地の子供たちに英語でこのカードゲームを教えてきました。そうすると驚くことに、日本でも反応は同じなんですけど、やっぱり最初見ると「難しいんじゃないの?」って(誰もが)言ってくるんです。

“It’s easy, it’s easy.”とか言って無理やりやってもらうととても楽しんでもらえたし、(日本と)同じように分子に興味を持ってもらえて、やっぱりこれは世界に通用するなって感じることができました。

ただ、やっぱりこれって、自分が毎回毎回、各国とかいろんなところに行ってカードゲームを教えていたらとてつもなく時間がかかってしまいますよね。そこで、自分でiPhoneのアプリを作って、今世界に向けて配信しています。

(会場拍手)

だいたい今2,000ダウンロードくらいきてるんですけど、1/4ぐらい海外(から)のものになっているんですね。

こうやってボタンとかに英語を使ったりして、外国の方でも遊べるようにはしてあります。こうやって広めていったら将来やりたいことが出来て。

このカードゲームで世界大会を開きたいなと思っているんですね。カードゲームの世界大会を開くことによって同じことに興味を持った人たちがつながりを持ってもらえたら嬉しいなと思っています。

今は鉄道が興味ですが、1年後、10年後、20年後、一体自分が何をやっているか分かりません。ただし、確実に一つ言えることがあるとすれば、自分は絶対に自分が興味をもっていることを探求して、それをとても楽しんで、それを何かの形で仲間と共有できていると思います。ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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