安藤優子氏「母親が息子を甘やかすのが悪い」 日本における男女差別の元凶を指摘

安藤優子×小谷真生子 記者会見 #4/4

キャスターとして15年以上活躍し、メディア業界の古い殻を打ち破ってきた安藤優子氏と小谷真生子氏。日本における男女平等の実現を模索する質疑応答において、安藤氏は「日本の母親が、必要以上に息子を甘やかしてしまうこと」を問題視。家事や育児に対する、草の根レベルでの意識改革の重要性を語りました。

男女平等のキーワードは「日本の母親」

ルーシー・バーミンガム(以下、バーミンガム):他にはいらっしゃいますか。ごめんなさい、見落としてしまいました。どうぞ。

質問者6:こんにちは。NHKワールドラジオ・ジャパンで仕事をしています。フリーランスです。質問ではないのですが、一言申し上げたいと思いまして。私はインドから来ました。インドでは、草の根レベル(地方議会)で33%を女性枠にしています。インドはまだとても保守的で伝統的な国なので、地方の女性にとっては良いきっかけとなると思います。でも、同時に……。

安藤優子氏(以下、安藤):クォータ制はありますか。

質問者6:はい、草の根レベルでは。最初の一歩としては、クォータ制はとても良いことだと思います。かつては選挙には夫が出馬して、みんなのために働いていました。今では妻と娘を連れてくるようになり、女性たちが色々なことをしています。少なくとも人々は女性の存在を認識しつつあり、それはとても良いことだと思います。ありがとうございました。

バーミンガム:コメント、ありがとうございます。どうぞ。

質問者7:こんにちは。WCNです。今、話題に出た話の草の根と似ているのですが。日本では変化へのアプローチがトップダウンであるように思います。参政権運動にしても、公民権運動にしてもそうです。

そこで、下からの、草の根レベルではどのような参加や行動が必要だと思われますか。そして日本において男女平等を実現するために、男性は具体的にどのようなことができるでしょうか。

安藤:私の答えは非常にシンプルです。お母さんに問題があると思うんですね。お母さんがあまりにも息子を大事にして、何でもかんでも世話を焼いてあげることが、やはり日本のすごくお母さんのいいところでもあるし、やはり息子をスポイルして(甘やかして)しまうところがあって。

それがやはり、「男の子は厨房に入ってはいけない」というふうに教えられたりしてきたわけです。やっぱりそういうところがすごくシンプルな部分なんですけれども、グラスルーツ(草の根)という以前の問題ですが、そういう家の中の意識っていうものを、やっぱり変えていくのがまずは、私は大事なんじゃないか、っていうふうに思います。

男性側の変化も必要

小谷真生子氏(以下、小谷):今の安藤さんのでティップ(ヒント)が(笑)。2つ具体的なお話しさせていただきますと、こないだ品川女子学院の漆(紫穂子)校長にお会いしたときに、今の母親と息子の関係で、特に日本の場合は男の子が寮に入っていると、そこに掃除に行くお母さんがいると。

それで、「絶対にその男の子とは結婚してはいけませんよ」っていうふうに品川女子学院では教育してる。って言うんですね。そんなね、お母さんが掃除に来るような男性は絶対に結婚してもいいことないっていう。そういう、だから女性のマインドをずっと教えてらして。

彼女たちは28歳目標っていうので、28歳までにとにかく子どもを産む、キャリアを積む、っていうことを教育してるんですね。品川女子学院の女性たちは非常に賢くて強くて、校長先生に対して、ある日何て言ったかっていうと「校長先生、もう私たちはいいいから、男子校に行って男子を教育してきて」っていうぐらいの感じなんですけども。

もう1つは、日産のゴーン社長に、私がこれ何年前だったかはちょっと忘れましたけど、食事をご一緒してた時に「ゴーンさんね」って。「私、女性っていうのは、やっぱり例えば結婚して、家事をして、家庭を守る。それで、子どもが産まれれば産んで育てるっていう、やっぱり男性と女性のファンクションの役割の違いがあるので、それでいくべきではないかと思う」って言ったら「君、古いよ」って言われて。

「その考え方、絶対古いから変えなさい」っていうのが7、8年前で。そこから一生懸命自分の自己改革をして、「間違ってる、間違ってる」っていうので。やっぱり私自身も結婚したら、仕事をしながら家の中を完璧にしないといけないっていう。

それでもう自分の首締めてくわけですね。だからやっぱり、男の子の感覚も変えてかないといけない。日本人の男性の。やっぱり厨房にも入る、家事もする、ということを若い頃から教えて、お母さんの助けは借りない。

で、女の子は女の子でやっぱり、どうやって突き放すか、男性を突き放していくか。あるいは、優しくでも一緒になって家事をやってもらうように誘導するようにできるか、っていう。

その辺を今の若い人たちには、グラスルーツレベルかわかりませんけれども、教えていくことで、次の世代がどんどん変わっていくっていうふうにしか。

今の人たちは、もう固まっちゃってるんでね、変えようがないように思うんですけど。まあ、でも私みたいに7、8年かければ変わりますので、やっぱりそういうのを説いていく。やっぱりそういうもんなんじゃないか、と。

今世界でもそうだけど、日本でもやっぱり、もうこれだけ少子高齢化が進んで、女性の力が必要になってくると、男性も今までみたいに仕事一本槍で行くわけにいかないんだよっていう、何かやっぱりメディアを含めて、そういう啓蒙活動っていうのは必要だと思います。

女性の政治参加を増やすためには

バーミンガム:どうぞ、前にお願いします。ありがとう。

質問者8:香港から来ました。実は東京に来る前に、私は香港の女性の問題について数年取り組んできました。その時に学んだことをここで共有したいと思います。まず、女性にもっと積極的に社会に進出するようモチベーションを与えるためには、お二人のようなロール・モデルの存在は非常に大事です。

若い女性にとっては、大志を抱くにも、将来のことを考えるにも、社会でトップにいる女性、このテーブルにいらっしゃるお二人は、日本社会において非常に著名な方々だと思いますので、頑張って! 若い女性はお二人からインスピレーションを得られると思います。

もう少し視野を広げると、どなたかクォータ制の導入についておっしゃいましたが、香港でもクォータ(割り当て)を導入するという考えについて、抵抗が何年間か続きましたが、約10年前から、クォータではなくターゲット(目標)と呼んでいますが、女性の政府の諮問委員会へ参加の数値目標を定めました。

女性は結婚、出産後でも積極的に活動していますが、多くの女性が政府の諮問委員会への参加という、一種のボランティア的な仕事には参加をためらっていました。最初は数が非常に少なくて2000年頃は、これらの委員会に参加した女性の割合は20パーセント以下でした。

でも、女性の地位と社会進出の機会を向上させるために、政府が女性委員会を設立して、女性の参加の目標を25%としました。目標との差は5.7%がありましたが、その数年後、目標を達成しました。数年前にはその後30%へとターゲットを増加し、今ではそのターゲットを達成し、今さらに引き上げられないか検討中です。

でも、誰でもいいから女性を連れてきて委員にさせるというわけではありません。女性を育成すること、そして女性に歩み寄り、もっと多くの女性をスカウトする必要があります。オフィスに座っているだけで、データベースを見ても、選択肢が少なすぎて、十分な数の女性を集められません。

ですから、より多くの女性を捜す努力が必要です。多くの女性は、興味はあっても何から始めたらよいかわからないのです。ですから、目標を設定することは、その問題に焦点を当てることに役立ちますので、それをご提案したいと思います。

バーミンガム:ありがとうございます。何か特別に質問したいことがおありですか? それともご意見のシェアでしょうか。

質問者8:ご参考までに、私の経験をシェアさせていただきました。ありがとうございます。

安藤氏と小谷氏が英語をマスターできた理由

バーミンガム:ありがとうございます。では、どうぞ。これで最後の質問とさせていただきます。

質問者9:私はビジネスパーソンとして長年働いてきました。1969年からこのクラブに出入りしているものです。日産自動車から入社するように言われ、サッチャー首相と長年交渉した経験があります。「鉄の女性」のおかげで鍛えられました。

首相は、「11年の任期の間に日本の首相を7人も使い尽くした」とよくおっしゃっていました。とにかく、私は小谷さんを大変尊敬してきましたが、お会いする機会がありませんでした。私がお尋ねしたいのは、お二人はどうやって日本語と英語のプレゼンテーションスキルを磨かれたのでしょうか? お二人の学歴を教えていただければと思います。

(会場笑)

なぜなら、私もインディアナ州にある小さなリベラルアーツ大学のウォバッシュカレッジという大学で、スピーチを学んだからです。ウォバッシュカレッジは40年間、アメリカでも最も著名なスピーチの教授がいたので、スピーチを専攻して、卒業時にはスピーチもしました。とにかく、そんなわけで質問をさせていただきました。

バーミンガム:ご質問ありがとうございました。確かに、英語はお二人のキャリアにとって非常に大事でしたよね。

安藤:そのとおりです。簡単にじゃあ。エデュケーショナル・バックグラウンド(学歴)はとてもロングなんで、ごく簡単にお話します。高校時代に私はアメリカのミシガン州に、残念ながらAFS(国際的なボランティア団体による留学プログラム)ではなく、別のプログラムなんですけれども、留学をしておりました。

その時にスピーチのクラスというのが必修科目であって、すごい大変な思いをしたことを覚えております。表現のスキルをどうやって学んだか、というご質問なんですけれども、多分、日本の教育のシステムの中には、何かを表現する、ということをあまり教える機会がないというふうに思うんです。

むしろ、私は表現をするとか、人に何かを伝えるということを学んだのは、この仕事を始めてからで、どうやったら自分が伝えることを人様により良くわかっていただくか、という工夫をするようになったのは、この仕事を始めてからなので、どうも教育の過程で表現するということを学んだのは、たった1回だけ、留学中のアメリカのスピーチのクラスだけだったというふうに記憶しております。

起承転結の結論のほうから先に言う

小谷:スキルはまだまだだと思っています。やっぱりキャリアを通して、インタビューされる側っていうよりも、インタビューする側として、相手の方がどうすれば素を出してくださるか。それを考えてずっとこの仕事を20何年やってきて、ですね。だからそこに尽きますね。

特にテレビの世界の場合は、安藤さんもそうでいらっしゃると思うんですけど、起承転結、できるだけ短く言わないといけない。かつ、起承転結の結論のほうから先に言っていって、むしろその後の始めの3つを逆に伝えていく。

場合によっては起承転結の結を一番始めに言ったら、後の3つはいつでも時間がくるとそぎ落とせるように、時間がきたらここはもう切れるようにするために、結論を先に言うという。その訓練がやっぱりキャリアを通して培われたのかな、っていうふうに思いますね。だからあんまり、そんな上手くはないです。すいません。

バーミンガム:ありがとうございました。大変残念ながら、このまま1時間でも2時間でも続けられそうですが、この辺で終了させていただきたいと思います。まずは、お二人ともいらしてくださって、心から御礼を申し上げます。お二人に、1年間有効の当会の名誉会員証をお贈りします。またいらしてください。本当にありがとうございました。

安藤・小谷:ありがとうございます。

(会場拍手)

安藤:記者席でもいいんですよね。

小谷:私たち2人とも何年もずっとこの機会を待ち望んでおりました。このメンバーになるためには、最低数年間特派員でなければならないんですよね。

バーミンガム:どうぞ、何度でもいらしてください。またぜひお待ちしております。ありがとうございました。

安藤・小谷:ありがとうございました。

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