「どうやって株を集めたの?」「服装が地味すぎ」CA藤田社長が若手経営者に聞きたい放題

注目若手経営者が語る成長企業の組織作り、経営者の仕事 #2/5

IVS 2014 Fall Kyoto
に開催

アラサーの若手経営者たちのなかでも注目を集めるウォンテッドリー仲暁子氏、LITALICO長谷川敦弥氏、じげん平尾丈氏、スポットライト柴田陽氏がIVSに登壇。モデレーターのサイバーエージェント藤田晋氏が、買収や自社株買いの経緯など聞きづらい点に鋭く切り込みました。(IVS 2014 Fallより)

組織づくりのグランドデザイン

藤田:皆さん、どうもありがとうございました。「『渋谷ではたらく社長の告白』を読んで起業しました」っていうのはかなりの回数聞くんですけど、だいたい「上手くいきませんでした」って話が多いんで(笑)。すいません。では、たくさん聞きたいことがあるので順番に聞いていきたいんですけど、まず柴田さんから。

僕は「藤田ファンド」というのを始めたばっかりのときに、社員に「今イケてる起業家と食事を設定して」と言ったら一番最初に柴田さんと仲さんをセッティングしてくれまして、「いいねあの2人、投資したい」という話をした覚えがあるんですけど。

柴田さんの話を聞いたときにすごく感じたのは、「この人はシリアルアントレプレナーの本物だな」と。そして「1回やっただけあって会社を作って売るコツをつかんでるな」という印象を受けたんです。日本では非常に少ない売却というイグジットなんですが、コツのようなものはあるんですか?

柴田:売るかどうかということは別にして、僕自身が新規事業をやるとして、市場選択というのはすごく大事にしています。「市場選択」と「その後のPDCAを回す」というのが2つ大事なことだと思うんですけど、自分の中では7:3くらいで市場選択が大事だと思っていて、もしかするとそこがタイミングだったりコツをつかむというように見えるのかなと思います。

経営者として、正しい市場にプロダクトを落としていくというのは大事なんだなというのが、気をつけているところです。

藤田:柴田さんを見てて、本当に彼のすごいところは組織づくりにあるんじゃないか、と僕は感じたんですけど。例えば今、サイバーエージェントをどこかの会社に売却したとします。すると、たぶんウチの会社の社員のショックは半端ないだろうし、大事なものを相当失いそうな気がするんですよ。それが、元々そうじゃない組織を作り、僕がインタビューで見た感じでは、事業はピボットはしないと。

チームベースで組織を作るのではなく、何をやりたいかというプロジェクトベースで集まるんだと。当然それが株式会社の正しい姿ではあるんですけども、はっきり言ってそれって日本では相当難しいことじゃないですか。最初はそのつもりでも、だんだん会社に対する愛着が湧いたり、周りがそうなんで「売ったら負け」みたいな感じがあると思うんですけど、どのようにそういう組織を作り上げてきたんですか?

柴田:僕は今スポットライトという35人くらいの会社なんですけど、「僕についてこい」というのじゃなくて。「僕についてこい」だと藤田さんのようなカリスマもないですし、平尾さんのような……何ですか、笑いみたいなところもないので(笑)、「このプロダクトでこういうふうに世の中が変わったら面白いんじゃないか」というところ、そこの軸で「それだったらすごくやりたい」と思ってくれる人を集めるというのは心がけています。

この事業をするからこういう役割が必要で、こういう役割に合うrequirementはこういう人で、だからあなたに来てほしいんだよ、というような伝え方をすることが多いですね。なので、もし僕が「ピボットします」と言ったら、逆に「いや、僕はそのためにあなたと働くと決めたわけじゃないんだよ」と言われちゃうんじゃないのかなと思っていて。

何を組織の核とするか、求心力とするのかというところを、人というよりはモノだったりミッションだったりに置くことで、自分に足りないカリスマ性みたいなものを担保しようというのが、結果的にたどり着いた結論です。

藤田:やっぱり組織はグランドデザインなんで、いろんな考え方で出発する起業家がいるものだと思うんだけど、本当に一貫性があるなというふうに感じてます。

社内起業家としての経歴

藤田:じゃあ、続いて「友情・愛情・平尾丈」さん?(笑)

平尾:ありがとうございます。

藤田:純粋にすごく珍しいし不思議だと感じたのが、学生時代に僕の追っかけをしてくれてたとかいう話をしてくれたじゃないですか。そういう人にはアドウェイズの岡村(陽久)さんという人もいて、ひょっとしたら追っかけてくるやつは有望なのかなという気がして。今度来たら1回話してみようかなと思っちゃったりしたんですけど。

まあ、それくらい事業アイデアを考えるのが好きだし、起業家になりたかったわけじゃないですか。ところが経歴を見たら面白くて、リクルートに入社して、リクルートとドリコムの合弁で出した「ドリコムジェネレーテッドメディア」でしたっけ?

平尾:はい。ありがとうございます。

藤田:その会社に取締役として入ったんですよね?

平尾:最初は「社長になるか」という話もあったんですが、行ってみたら平社員だったというのがあります。

藤田:でも、数年後にMBOして買い取って社長になったわけですから、いわゆる起業家っていう形じゃないですよね。

平尾:イントレプレナーみたいな感じですね。

藤田:どういうふうに株主を説得して……今、全体の7割くらい持ってるんでしたっけ。

平尾:そうですね。70%強ですね。傘下の2会社を入れて。

藤田:上場してなお70%強を持っている、強欲な状態にあるわけですけど。

平尾:(笑)。

藤田:買ったときは、どうやって内藤(裕紀、ドリコム代表取締役社長)くんやリクルートの人を説得したんですか。

平尾:(このセッションを)見てらっしゃると思いますのでなかなか申し上げづらいんですが、やっぱり数字の話よりも起業家としての想いの部分で。自分はサラリーマンになったけど、内藤さんの背中を見させていただいて、「やっぱり起業家ってカッコいいな」と。

「どうしてもやりたいんだ」とお話をしてからご理解いただくまで1年半くらい少しずつ……何もわからない状態から始まりましたので、最後は「友情・愛情~」の愛情で推していただいたんじゃないかなと、勝手ながら思っております。

藤田:そのときのバリエーションは確か2億円とか4億円で、今は時価総額400億円以上ということですよね。

平尾:450億円くらいです。

藤田:その辺のバリエーションの交渉みたいなのはどういうふうにやられたんですか。

平尾:これもなかなかここでは申し上げづらいんですが、当時と今はまた違うんじゃないかと思ってまして。そこまでキャピタリストの方も多くなかったですし、プレバリュー・ポストバリューで見ても実際に事業が立ち上がりはじめるくらいのところでしたので、ある程度何とか折り合いがついたんじゃないのかなと思っております。

藤田:だいぶ前の話とはいえ、その会社はもともとドリコムの一事業を出したのがベースになっていて、平尾さんはリクルートから送り込まれてきた。そこで大株主、しかも社長としてやるということに、社員の反応というか納得感というか、それはどうだったんですか。

平尾:もともと、今のウチのメイン事業のライフメディアプラットフォーム事業自体は、わたくしがゼロから作らせていただいたところが強く、求心力としても内藤さんからかなり自由度、裁量権を持たせていただいていたので、ある程度直近のメンバーに関しては、もちろん内藤社長はいらっしゃいましたが、わたくしのほうも見てくれている子もいたっていうのがあったんじゃないかなと思ってます。

藤田:事業を作ったのは平尾さんだから納得感があると。守安(功、DeNA代表取締役社長)さんみたいな感じですかね。

平尾:ちょっとコメントしづらいですけど(笑)。はい。

株主になってほしい人物像

藤田:わかりました。じゃあ長谷川さんに進みますけど、元々ETIC.にいたんですね。

長谷川:そうです。大学時代にETIC.を通してIT企業でインターンしてました。

藤田:その流れで、社会の問題を解決することによって起業するという(道を選んだ)。

長谷川:そうですね。元々は焼肉屋さんのアルバイトで……。

藤田:社会の問題、関係ないじゃないですか。

長谷川:そうですね(笑)。あんまり関係ないかもしれないんですけど、焼肉屋さんでバイトしてたら、その焼肉屋さんがETIC.を紹介してくれたんですね。

藤田:焼肉屋さんが?

長谷川:60歳くらいのオーナーがいらっしゃるんですけど、その方が「敦弥くんはもしかしたら社会を変える才能があるかもしれない」って言い出して、紹介されたのがETIC.だったんですね。最初はウチの家族もETIC.を宗教団体だと思ってたんですけど(笑)、だんだん見事にはまっていって。

藤田:それで、当時はウイングルでしたっけ。今はLITALICOになった会社に就職したと。

長谷川:はい。

藤田:新卒で入って1年3ヶ月で社長が選挙に出るから代わりたいっていうのは、ウチの会社でもあんまり聞かないっていうか……どういうことなんですか?

長谷川:(笑)。結構突然だったので。選挙の1ヶ月くらい前に天丼屋さんに呼び出されて、1杯600円のチェーン店だったんですけど、そこで一番安い天丼を食べながら「来月から社長を代わってほしい」という話を急にされたっていうのが、そのままの経緯ですね。

藤田:何人くらい社員がいたんですか。

長谷川:当時は、パートさんとかも含めて100人くらいでしたね。

藤田:もちろん年上ばっかり。

長谷川:そうですね。24歳とかだったので。

藤田:じゃあ、最年少くらいで社長に。

長谷川:そうですね。

藤田:なんで社長は、24歳に任せようとしたと思いますか。

長谷川:うーん……すごく生意気で、経営にずっと口出ししてたんですね。新卒で入ってから。入社して半年くらい経ったときにやったことが、役員報酬を全員30%下げてもらうという提案だったんです。

「ウイングルがもっと良くなっていくためには経営陣がまず身を切るべきだし、こういうこともやるべきだし、この事業は撤退するべきだし……」というのを、結構遠慮なくやらせてもらったんですね。その辺があったかなと思いますね(笑)。

藤田:報酬を下げろと。なんか野党の提案みたいな感じで。

長谷川:(笑)。

藤田:言っていいのかわからないけど、いま筆頭株主なわけじゃないですか。まず、どのように株を取得していったんですか。

(会場笑)

藤田:ごめんね! 障害者教育とかその先を熱く語ってたところでこんな話はしたくもないと思いますけど、ちょっと聞いておこうかなと。

長谷川:既存の株主さん7~8人くらいから、バトンを受けたタイミングで「経営者が代わるので」ということで僕のほうで買い取らせてもらったのと、創業者からですね。

藤田:段階的にってことですか。

長谷川:そうですね。2段階くらいで合計5000万円くらいで買い取らせてもらって。

藤田:一定比率は……先ほど聞いたところ外部株主がいるという話でしたけど。LITALICOの事業内容は本当に素晴らしいと見ていて思いましたけど、柴田さんみたいに売却というのも考えづらいし、IPOというわけじゃないですもんね。

長谷川:IPOは考えてますね。

藤田:それは考えてるんですか。株主の方はどのようなモチベーションでLITALICOに投資をしてるんですか。

長谷川:初期の株主さんとかは「創業者が面白い」という方が多かったですね。最近だと、身内に障害のある方がいらっしゃって、それで障害者の分野とか教育を変えてほしいと思ってる株主さんが結構個人でドーンとお金を入れてくれています。「上場もしなくていいし、ずっと障害者の家族とか本人に寄り添う会社であってほしい」という資産家の方ですね。

藤田:やっぱり、金持ちに投資してもらうに限るという感じですか。

長谷川:言いづらいですね(笑)。当社のビジョンに共感してくれる方であれば、ゆとりがある方に(投資してもらうに)越したことはないですね。

ウォンテッドリーの現況

藤田:わかりました。じゃあ仲さん。仲さんは今もっともイケてる女性起業家で、見てのとおり華があるというか。実際は服装も地味なんですけど、華があるんで僕は将来有望だと思って。柴田くんは全然投資させてくれなかったんだけど、実は仲さんには藤田ファンドから投資させてもらってまして。仲さんに「言わないで」って言われてずっと秘密に……なんか付き合ってるのを隠されてるみたいな状態が続いたんですけど。

正直、相当(経営アドバイスを)聞きにくるんですよ、仲さんは。まるで投資分を自分が回収したいみたいな、困ったことを全部僕に質問してきて「投資した分の金利はいただきますよ」って感じなんですけど(笑)。ウォンテッドリーは、サービス開始して2年半くらいですよね?

:そうですね。そろそろ3年に近づきつつある感じですね。

藤田:スタートした時点ではかなり注目を浴びた感じじゃないですか。Facebookアプリというコンセプトが世の中的に注目されていたし、特にスタートアップブームみたいなものが当時はあったんですけど、その後また新しい隣の(セッションの)メルカリとかスマニューが出てきて、かなり(このセッションの)観客も奪われてると思うんですけど(笑)。事業的には最近どんな感じなんですか? 組織的にというか。

:ウチはto Bのサービスなので、粛々とクライアントの数を拡げていっているという感じです。

藤田:一般的には、ウォンテッドリーは日常でよく見かけるねという感じになってますよね。

:ウチはお金よりビジョンみたいなところで人のマッチングをするので、そこに共感してくださるNPO・NGOさんとか、最近はiPS細胞が話題でしたけど、その研究所(京都大学iPS細胞研究所)とかでも使っていただいたり。あとは地方の行政とかで使っていただいたりとか、いろんな場に出ていってるなという感じはしますね。

藤田:落ち着いてきたなという感じなんですけど、一方で僕とか堀江(貴文)さんの世代というか、それは南場(智子)さんとか三木谷(浩史)さんにしてもそうなんだけど、ネット業界って悲しいほど話題をふりまき続けないとサービスが注目されない、という難しさもあるじゃないですか。服装が地味とか言っちゃいましたけど(笑)、その点はどう思ってらっしゃるんですか。メディアへの露出の仕方とか。

今は女性が社会で活躍するっていうのは政府の方針だし、ベクトルがピタッと合ってチャンスなんじゃないかと思うんだけど、そういう意味では話題づくりというか露出が弱いんじゃないかと思ってるんですけど。

:どうなんですかね? 確かに、何もしなくても取材がいっぱい来るみたいなフェーズは最初の半年くらいで終わって、その後は結構コンスタントにというところで。最近は、会社としても能動的に仕掛けたりみたいなことはしています。

藤田:広報部署みたいなのは作ってるんですか。

:広報部署だったり、外部の方と連携してやったりとか。

藤田:一応やってるんだ。わかりました。

:面白い受け答えじゃなくて申し訳ないです(笑)。

藤田:いやいや(笑)。服装が地味というのはあると思いますけど……。

(会場笑)

柴田:3回目ですよ、それ(笑)。

藤田:今日はまだおしゃれしてますけど、ランチとかするとTシャツみたいなの着てくるんですよ。

話変わりますけど、組織としてそんなに歳が変わらない人たち30人くらいでやってるじゃないですか。それで全然威張ったような雰囲気もなければ、本当に普通だと。すると組織をまとめる上で、リーダーとしてはフラットすぎて難しい面もあるんじゃないですか。

:フラットに見えて実は意外とフラットじゃない可能性もありますよ(笑)。

藤田:そうなんですか? なんか今日、歯切れが悪いですね。

:そう……ですね(笑)。まあ……。

藤田:じゃあいいけど。ちなみに今、役員は何人でしたっけ。

:役員が3人でやってます。サブリーダー含めて7人くらいでボードメンバー、役員チーム、リーダーチームみたいな感じでやってますね。

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