善人は経営者にはなれない

副島隆彦(以下、副島):やはり親子二代は続かない、別の才能があってくれればいいけれど。親は、若い人たちに、犯罪以外だったら何をやってもいいから、自分の力で食える一つの職業を見つければ安心するのですよ。

好きなように生きていても、こいつ、こんなのでドワンゴなんかに勤めていて300万円ももらえるのかとかね。

西村博之(以下、ひろゆき):ですよね。

副島:200万円分だよ。分かっているんだよ、そんなことは。私は世の中の裏を全部見てきた人間だから。でなければ、もっとみんなもうちょっといい格好をしているよ。

もう、金なんかくれないのだから。ホリエモンなんか、月給8万円ぐらいしか払えなくなっているような男だからさ。よくあれが、百億円のを一千億円で売った男だなと思ってね。半分詐欺師なのだから、あんなやつらはみんな。

きちんとした暮らしをちゃんとさせてあげるほどの経営者でなければダメなのですよ。だから、若い人たちはね、なにか大好きなことでいいから、危なくないことで、親に心配を掛けないギリギリで、自分の職業を一つ選びとっていきなさいと。

ひろゆき:逆に尊敬する経営者はいますか。

副島:どういう職種の。

ひろゆき:この人が経営者としては優秀みたいな。

副島:いるでしょう。これは偉いんだなとかね。エルピーダの坂本さんとか、東芝の会長で、誰だっけ。

ひろゆき:東芝の会長。

副島:この間アメリカで泣きながらトヨタを守り抜いた四代目の若社長も偉いですよ。やはり、その場その場を我慢して耐え抜いてきた、大組織の上にいる人たちは偉いのですよ。ただ、一族がやはり嫌がったバカボン息子だったら通用しないからね。

ひろゆき:でも、トヨタも割と豊田家が多いじゃないですか。

副島:だから、バカ息子だとみんなが思ったけれども、あそこまでアメリカで演技ができて、トヨタ一族、15万人の社員を守らなければいけないとなれば、たいへんな覚悟が必要ですよ。そういう経営者達をじっと見ていれば分かりますよ。

ただ、下から這い上がってきた極悪人みたいなのもいますよ。経営者は悪人でなければダメ。善人は経営者になんてなれない。

ひろゆき:なかなかできないですよね。

副島:だから、政治家は悪人でいいのですよ。悪人だけれども、大きなところで民族指導者ですからね。

早く死んだほうが勝ち。もう殺されてもいいんだ俺は。

ひろゆき:でも、政治家も弁護士も医者も経営者もだいたい悪人だとすると、善人はどんな職業をやっているのですか。

副島:だから、善人というのはダメオヤジだよな。「奥さんと子どもだけ愛していました」みたいなね。いるんだ、そういうのは。定年退職した後、スニーカーをはいて奥さんと日帰り旅行するやつ。

旅館に泊まりもしないで、健康第一なんだ、これが。もう健康第一なんて、大嫌いだ。外で飲んだくれて死んだ方がね、人間としては正しい。

女が長生きするんだ、うちの奥さんみたいに。毎日風呂に入ってきれいに清潔にするから、死ぬに死ねなくなってざまあみろと思って。男は、過剰に仕事をしたり痛めつけられたり酒を飲み過ぎたり女にのめり込み過ぎたりして、そうして死ぬのですよ。

ひろゆき:はい。

副島:早く死んだ方が勝ちだよ。長生きするやつは、ろくなやつはいない。

ひろゆき:長生きはしたくないのですか。

副島:したくない。もうあと10年で十分。もう殺されて死んだ方が楽だ。私はこの本の後ろに書いてある。「もう殺されてもいいんだ俺は、殺しに来いバカ野郎」って書いているの。

ひろゆき:でも冗談でも言うと。

副島:いいんですよ。

ひろゆき:先日、本当に殺された作家さんがいるじゃないですか。

副島:いや、私は嫌われ者だけど、憎まれてはいないんだってさ。

ひろゆき:ああ、はいはいはい。

副島:権力者や、上で悪いことをしている人たちの悪口は写真付きで書くけれども、嫌なことは言うけれども、個人攻撃なんかしませんしね。

ひろゆき:個人攻撃はしない。

副島:いや、しているよ。宮台のバカ野郎とか言いますよ。宮崎コラッとか、てめえみたいな偽善者が、とんでもねえ野郎だよと言いますよ。ただ、それは同業者だからで、向こうからしてみれば、また「副島のバカ野郎がまた俺の悪口を言ったな」とか、その程度なのですよ。

ただ、悪意はないといったらウソだけれど。でも、世の中のために、人のためにしゃべっているんだという時は偽善だからね。hypocrisyって英語でいうのだけれど、私は偽善だけが嫌いなんだ。正しい人間のふりをするとか。

ひろゆき:でも、嫌いなものは嫌いだと言いたいと。割と素直に……。

副島:素直なままです。ウソをつきたくないし、本当のことを知って、それを皆さんに伝えて、1冊の本を買っていただいて、150円もらえれば、それで十分暮らせますから。私はそうなったのですけれどもね。

弟子たちにもそれぐらいはなってもらって、年収300万円でもいいから原稿料だけで生きていけるようになれと。ところが今度、電子出版とかとんでもないことになってきて、紙の本がなくなるのだとかでアワアワしているのですよ。

ひろゆき:まずいのですか、電子出版は。

副島:いや、私はもう紙の本でいいやと、死んでいくから。あと3、4年で変わってしまうのじゃないですか。iPadとかにはかなわない。中国で作っているのですからね。

ひろゆき:まあ、そうですね。

副島:中国でiPadがあるというから、もう中国人の勝ちだよ。中国人が全部泥棒すればいいんだよ。

ひろゆき:そうですね。

副島:中国の勝ち。

この本を書いて分かったこと

相馬裕子(以下、相馬):では、そろそろ時間がないので、すみませんが一言ずつお願いします。

ひろゆき:では、中国の勝ちっていうことで。僕は本を読ませていただいて、基本的に、銀行が勧めるファンドや保険は裏がありますよと、確かにそうだなあと思っていて。それで、商品をけなすばかりではなくて、これはアリだなあと書いてあったのが、東京電力の株。

副島:よく、いいところ読んでいますね。するどい。

ひろゆき:そういう意味で、ずっと文句ばかり言っている人ではないので、ちゃんと実のあるところもあるので……。

副島:あれしか書いていないけれども、ほかの本ではもっと「これがいいよ」と書いてあるんですよ。この本では、たまたま、東京電力と東京ガスがいいよと。日本の国債はダメよと。国債は紙切れになる可能性がある、半分になるけど、東京電力や東京ガスはたいへんな資産をいっぱい持っているし、配当もちゃんと70円くれるし立派だよと。いいところを読んでいますね。

ただね、あんなところはどうでもよくてね。私が、この本を書いた後で分かったのは、「被害者がいっぱいいる、被害者の会を作ってくれ」と言ったというのは、私はそんなことはできませんと。この本を書いてはじめて、銀行マンや生保レディーたちに憎しみを買ったのだということがよく分かった。

ひろゆき:書いている最中は気づかなかった。

副島:気づかなかった。それで投資信託というのは、全部詐欺商品だということが分かった。それを言ってはいけないのですよ、それは。毎日新聞にこんな宣伝が毎日載っているから。

ひろゆき:お金は大事に、っていってね。

副島:人だましそのものなのだから。「では、定期預金だけして、年率0.1%でいいのですか」と。知らないよ、そんなことは。自分の金だろうと。あとは実物資産で金を買えとか。

次に暴落するのは「金(きん)」

ひろゆき:金も下がってしまいましたね、さすがに。ずっと上がり続けていましたけれども。

副島:だから、今日出す本から「金も暴落させられるから、気をつけろ」なんですよ。

ひろゆき:そうなのですか。あ、本当だ。

副島:金塊評論家は私だから。

ひろゆき:金塊評論家だったのですか。

副島:当たり前じゃないですか。7年前から『「実物経済」の復活』という本を書いて。

ひろゆき:金も最近ちょうど暴落するかもと、僕も周りで言われていて、へえーと思っていたら本当にしちゃったので。

副島:いや、私が2週間前から言いだしたからですよ。

ひろゆき:あっ、そうですか。

副島:いろんな情報の発信源は、副島隆彦なんです。だいたい分かっているのです。威張りくさりますけどね、こういうところだけ威張りくさりますよ。

ひろゆき:僕、でも金が安くなるのって、シンガポールでスイス人に言われたのですけれども。

副島:いつごろ。

ひろゆき:1カ月前ぐらい。

副島:ああ、そうでしょう。私も気づいたのは3週間前。

ひろゆき:それはたぶん副島さん元ではなかったかもしれませんね、その話は。まあいいのですけれども。

副島:やはり、世界的な投資家やトレーダーは知っているのです。アメリカは、今度は金を1回暴落させるのです。しかし、その後インド人、中国人、ロシア人、ヨーロッパ人もまた金を買い上げていきますよ。

ドルを暴落させるのですよ。ドルを暴落させたくないから、金を叩きのめす、ユーロを叩きのめす、中国を叩きのめす、日本なんか最初からグチャグチャにされて。しかし、もう1回アメリカに対して世界人民が、金持ちたちだけれども、金や銀やプラチナ、レアメタルまで、今から買い上げて行きますから、もうちょっと待って、値下がりしたところで買うと。

ひろゆき:ほう。

副島:それが、正しい投資の在り方で。金が1グラム2,500円ぐらいまで下がったら買ったらどうですかと。1キロでこれで250万円ぐらいで。今はもう350万円ぐらいしますからね。私が最初、8年前に買えと言った時は、1,200円だから120万円だった。だから信用があるのです、私は。

ひろゆき:落ち着いてから、金だとかコモディティに手を出すといいのじゃないかみたいな。

副島:いや、もうコモディティは止めなさい。もう危ない恐ろしいこと。FXとかはやるものじゃない。ばくち打ち、死ぬほどばくちが好きな人間だけがやりなさい。ただ、家族に迷惑かけますよと。

でも、どうせこの人たちは止めませんから。ばくちが大好きなのは持って生まれた脳なのですね。それだけですよ、生まれた時から決まっているのですよ。お酒が好きなやつ、女が好きなやつ、ばくちが好きなやつは止めないもの。

ひろゆき:そうなのですか。

相馬:私は何も縁がないですけれども。

ひろゆき:お酒も飲まれない、

相馬:お酒は好きですけれども、お酒に飲まれるほどあまり飲めないです。

副島:男の人にものめり込む感じでもないしなあ。

ひろゆき:いや、それは分からないですけれども。

相馬:あのそんな、突然振らないでください。

言論の自由を守り続けた西村博之

ひろゆき:それでは、一応今日の感想を(司会)裕子さんに。

相馬:先生がひろゆきさんにお会いしたいということを言っていたので、どんなお話をされるのかなと思っていたら……。

副島:ひろゆき君は新しいタイプの人間だからね。国家権力とあれほど戦って裁判所から8億、10億、20億の差し押さえ命令が出ても、ヘラヘラし続けたことが偉い。

ひろゆき:僕、戦っていないですからね。

副島:名誉棄損をやったわけではないと。言論は自由なのだと、みんなのためにみんなの公衆便所である2ちゃんねるがあっていいのだと。

ひろゆき:はい。

副島:書きたいこと全部書けと。言論は自由なのですよ。ただそれが、個別に他人を誹謗中傷したら反撃が来ますよ。しかし、みんなのための情報知識、思想は自由なのですから、国家権力や政府や警察やらが押さえつけたらいけないのですよ。それを守り続けた西村博之というのは、偉大だと私は思いますよ。

ひろゆき:ありがとうございます。

副島:そこがあなたの最大の日本国民に対する業績というか贈り物で、だから私は、12年前からあなたが偉い偉いと書いていますよ。

ひろゆき:ありがとうございます。

副島:なんとなく知っているでしょう。

ひろゆき:いや、12年前は2ちゃんねるは無かったと思うのですけれども。だから10年前ぐらい……。

副島:だから、7、8年前ぐらい。

ひろゆき:はい、そうですね。

副島:7、8年前ぐらいから書いています。

ひろゆき:はい、ありがとうございます。

副島:今度お送りしますから。

ひろゆき:ありがとうございます。

副島:まあ、そういうわけでして。

ひろゆき:はい、というわけで。

相馬:はい、ありがとうございました。

ひろゆき:今日はありがとうございました。

相馬:ありがとうございました。