夢の始まりは、ダンボールの切れ端から--"働きながら海外を旅する"男に、世界中から仕事が舞いこむワケ

How a piece of cardboard sent me around the world #1/2

世界を旅しながら働く「バックパッカー・インターン」を実践するMark van der Heijden(マーク・ヴァンダー・ハイデン)氏。働く代わりに、寝る場所と食事を提供してもらいながら旅を続ける彼のもとには、多くの仕事が舞い込みます。一見、クレイジーとも取れる彼の働き方が成功した理由とは?(TED×Teenより)

世界を旅しながら働く「バックパッカー・インターン」

マーク・ヴァンダー・ハイデン氏:3か月前、僕は今までの人生の中で最高の決断をしました。仕事を辞めて、住んでいたアパートを去り、それまでの人生にさよならを告げたのです。僕は異文化に触れ、知らない人たちとふれあい、新しい食文化を経験してみたかったのです。でも、僕にはほとんどお金がありませんでした。

しかし、あるアイディアが頭に浮かびました。それは大好きな旅行と広告クリエーターという仕事を両立できるものでした。僕は、世界中を旅しながら働く「バックパッカー・インターン」をすることにしたのです。

(会場笑)

これはただのダンボール箱の紙切れです。でも、この紙のおかげで、2014年1月から世界中の広告代理店やチャリティー団体で働かせてもらい、代わりにその日の食事と寝る場所を提供してもらっています。

旅のはじまりは、1分間のビデオから

どうやってこの冒険が始まったかを、まずお話ししましょう。雨の降る寒い12月のある日、僕は友人と1分間のビデオを撮影しました。後でお見せしますが、ソーシャルメディアやホームページでそのビデオを紹介したところ、旅に出てたった2日後にすでに100件もの仕事のオファーが世界中から来たのです。

ジャマイカ、タンザニア、ムンバイ、モントリオール、ルーマニアや、中には今まで聞いたことがなかった国からもオファーが来たのです。僕の旅はまだ始まったばかりですが、すでに信じられないほどの経験をしました。

1月にはタイのバンコクにいましたが、市内では反政府デモが行われていました。僕は治安警告を無視して、人々の中に混じり、様子を見てみることにしました。実際のデモは穏やかで多くの人たちは友人や家族と楽しんでいるようで、僕にも食べ物を分けてくれました。ちょっと辛かったですけれどね。

(会場笑)

ホテルの部屋に戻ると、友人たちから「マーク、大丈夫か?」というメッセージが入っていました。またニュースを見ると、まるで暴動が起こっているかのような、事実とは全く異なる報道がされていたのです。僕はこの違いにジレンマを感じました。

それで数週間後、カンボジア滞在中に短い映像を作りました。これは、デモの良いところを撮影した1分間の映像です。タイトルは『The Beauty of Bangkok Shutdown』です。

(ビデオが流れる)

ホームレスの男性との「セルフィー」

タイを出国した後にマレーシアで、あるホームレスの男性が近寄ってきました。最初、攻撃されるのではないかと思いました。しかし第一印象を振り払い、彼と話をすることにしました。彼とは1時間以上も人生について、恐れや欲望、希望などについて語り合いました。

そして別れ際に、彼とセルフィーを撮ることにしました。彼は、「セルフィー」など聞いたことがありませんでしたが。

これが、ミスター・エン・ベン、タイの初セルフィーです。

(会場笑)

クアラルンプールでは、マレーシア人の家庭でお世話になりました。私には兄弟はいませんが、その家族には3人の子供がいました。その1人は10歳になるゾーイというとってもクールな女の子でした。毎朝、彼女は僕の目覚まし役でした。

彼女は僕の部屋に入ってくると大声で「マーク、マーク、起きなさい!」と、毎朝のように叫ぶのです。僕は起きるしかありませんでした。僕が数日後にその家族に別れを告げるとき、彼女は僕に手紙を書いてくれました。今でも大切に持っているその手紙を紹介します。

「マーク(お兄さん)へ、これからさみしくなります。この後も楽しく旅ができるよう願っています。いつかあなたの名前を正確に言えるようにします。また遊びにきてね。ゾーイより」

(会場拍手)

彼女は新しいロゴをデザインしてくれたので、ホームページに載せなければなりませんね。ゾーイありがとう。

アジアで体験した異文化の数々

僕はこの旅でかなりクレージーな体験をしました。カエル、コオロギ、タランチュラなども口にしてみました。

偉大なアンコールワット遺跡にも足を踏み入れました。

また、カンボジアのジャングルの上空を、猿のように滑空しました。

初めてのアジアで、僕は異文化を経験しました。例えば、日中僕はホームレスの人たちに食事を配ったりしました。そして、夜にはマレーシアの豪邸で旧正月のお祝いに呼ばれ、たくさんの食事や飲み物をいただいたこともありました。

ベトナムで体験したおもしろい出来事

またある日、ベトナムのある広告代理店で僕は初対面の人たちと誕生日を祝っていました。このお祝いの席で、ある面白い出来事が起こりました。

これが、その時の写真です。みんな見ず知らずのオランダ人と楽しく過ごしていました。そして次の瞬間です。

その会社の社長の子犬が部屋に入ってきたとたん、僕はその場に1人取り残されてしまったのです。

これは「パピー(子犬)効果」と言うべきものでしょう。

(会場笑)

人々は新しい人や物にすぐに興味を示します。でも例えば、そこに怒った猫が入ってきたり、二重の虹が出たり、子犬が現れたとたん、そちらに気が奪われてしまうのです。ですから、皆さんも「パピー」であり続けてください。

情報発信のカギは「シンプリシティ」

さて、話を戻しますと、僕は既に4か国、7社の会社でインターンをすることができました。そして、たくさんの文化を学びました。そのうち2社からは正職員としての仕事のオファーをもらいました。

僕のこのプロジェクトはどうして成功したのでしょうか? 正直言って旅を始める前は実現できると思っていませんでした。僕はただ旅をしながら何か楽しいことをしてみたかったのです。

まずは、あるアイディアから始まりました。

そのアイディアを段ボールの紙切れに書きました。

そして、それをシェアしたのです。メッセージを発信するのは誰にでもできることです。しかし、この複雑な世の中でメッセージを発信するにはシンプルにしなければならないようです。僕は、この経験を通してあることを学びました。

それは、シンプリシティがカギであるということです。

(プロモーションビデオが流れる)

このように誰でもシンプルにストーリーを語ることができます。ですから、あなたのストーリーを誰にでもわかるように語ればいいのです。どんな年齢層でどんな国籍の人が聞いてもわかるストーリーにするのです。

「クレージー」をシンプルにすると、それほどクレージーではないと気づきます。

そして「クレージー」は「クレバー」に変わるのです。

ありがとうございました。

<続きは近日公開>

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TED(テッド)

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