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人生は挑戦だ!(全6記事)

「ライオンキングに出たいので、楽天辞めます」 ヤフー小澤氏ら、起業家たちのぶっ飛びエピソード

「『ライオンキング』に出演したいので、楽天役員辞めます」--ヤフー小澤氏、KLab真田氏、gumi國光氏ら、個性豊かな経営者たちがIVSの名物セッションに登壇。その半生を振り返りながら、驚きのエピソードを披露しました。(IVS2014 SummerWorkshopより)

IVSの"ダークサイド"が集まるセッション

小林雅氏(以下、小林):5時半になりましたので、開始したいと思います。皆さん、起きてますかー! 大丈夫ですか? IVS Summer Workshopも2日間、これが最後のセッションとなりました。最後は、いつも雑談をする「人生の相談会」ですね。皆さん、普通のお笑い番組より面白く、かつ人生に役に立つんじゃないかというトークが繰り返されます。

前回、京都のときは、小澤さんはゴリラになったとか、なんかこうなっちゃったとか、色々な伝説が生まれるセッションでございますので、ぜひお楽しみください。ということで小野さん、よろしくお願いします。

小野裕史氏(以下、小野):皆さん、2日間にわたる、IVS Summer Workshop、今回が初めてだという方、どのくらいいらっしゃいますか? ほとんどがそうですね。このメンツは、毎回ここはIVS Workshopの深夜枠と呼んでおりまして、泰蔵さんは、1回深夜枠から、朝の爽やか枠にいった後、またこちらに戻って来られたという背景があります。

孫泰蔵氏(以下、孫):そうなんですよ。1回上げていただいたんですけど、結局また落ちてしまいました。

小野:ちなみに小澤さんはもう常連中の常連でいらっしゃいますし、真田さんも常連中の常連です。

真田哲弥氏(以下、真田):はい、もう深夜枠です。

小野:國光さんはこの深夜枠は何回目かな?

國光宏尚氏(以下、國光):ずっとですよね。

小野:ずっと。結構です。

國光:1回も上げてくれないので(笑)。

小野:(笑)。もう住み着いてる。佐藤光紀さんは今回初めて。

國光:ずっとゴールデンの貴公子で。

佐藤光紀氏(以下、佐藤):この深夜枠には一度出たかったんですよ。

小野:今まではお昼の爽やか感動系の枠でいつも活躍されて。今日はちょっとダークサイドを出して、気を吐くと。

佐藤:盛り上げていこうかなと思います。

國光:ちょっと学生の皆さん、覚えとってほしいのが、熊谷さんは名前覚えるのすごいけど、それよりも佐藤さんのほうがすごい。

小野さっきちょっと対抗意識燃やしていましたね。熊谷さんが10人だったら、俺は20人いこうかなって。

國光:しかも、フルネームで覚えるから、そこはちょっと期待していてください。

小野:それを超えるのは泰蔵さんで、質問していない人の名前も全部言い当てるって言うんですね。

國光:いける。

:もうわかります(笑)。

佐藤:ハードル上がってきた! どんどんハードル上がってきた!

孫正義氏の下でのアルバイトがきっかけに

小野:そんな形で、このセッションを始めていきたいと思いますが、初めての方がいらっしゃると思うので、ルールをお話しします。

なぜか一つ、空いた椅子がステージ上にあります。タイトルを見ると「人生相談会」ですね。見てください、この豪華なメンツ。この豪華なメンツに90分間かけて、質問、相談ができるという貴重な機会です。しかも、この同じ壇上に上って質問することができる場になっております。

ただし、ここはそんなに優しい場所じゃありません。くだらない質問だと思ったらバッサリ降ろしますので、その覚悟を持って来ていただければと思います。

もちろん皆さんご存じのすばらしい経営者の方々ですが、最初に自己紹介というか、「挑戦」というテーマなので、どのような挑戦で今に至って、今後どのような挑戦をしたいか。これまでの挑戦と今後の挑戦の二つについて、それぞれお願いします。では、孫さんから。

:孫泰蔵です。よろしくお願いします。僕は日吉には、学生時代に友達が高校に通っていて、よくバンドの練習に来ていました。大学時代、本当に皆さんと同じぐらいのころ、インターネットがこれから来るという時代だったのですが、そこでヤフーというものを立ち上げるんだという話を聞いて……僕の“おにいたま”から(笑)。“おにいたま”は15歳違うんですけど。

それで「バイトで手伝わせてください。学生いっぱい集めて手伝いますので」と言ったら、丸投げされまして。その丸投げされたついでに会社をつくったというのが実はキッカケだったんです。

それ以来色々やってきて、自分でつくっただけでもたぶん20~30社つくっていると思うんですけど、ほとんど失敗しています。今までロスったお金はたぶん10億円単位だと思いますけど、それでも何とか生きていかれるというのは、途中でたまにうまくいったやつがあったからです。

「ガンホー」というゲームの会社とかですね。最近ここ3年ぐらいは、MOVIDA(モビーダ)というところでスタートアップの支援をやっています。

僕の「挑戦」ですけど、実は今、新しいスタートアップを準備しております。昨日もその関係で台湾に行ってまいりまして、全編ずっと英語でしゃべっていたんですけど、そのまま帰ってきたので、今日は英語で、やり……ません(笑)、やりません! よろしくお願いします。

國光:泰蔵さん、ちょっと太りましたよね。

:え?

小野:それ、今、自分のこと棚に上げてるね。

:自分が走っているからいうてさ。

國光:ダイエットに挑戦しましょうね、お互い。

:そうですね、はい。

楽天を退社して、劇団四季のオーディションを受けた

小野:じゃあ、小澤さん。このよくわかるようなわからないような振りで、こんなふうにして進んでいきますので、よろしくお願いします。

小澤隆生氏(以下、小澤):小澤といいます。よろしくお願いしますね(笑)。毎回、これも3回目で、ちょっと僕も疲れてきたんだけど。やめると言うと「逃げた」と言われるから、ここに来ているわけですよね。私は「挑戦」といったって、大したことはしてないです。何とかかんとか頑張って生きているぐらいでね。

國光:何キャラ?

小澤:わかんないんだよね(笑)。……やっとここまで来れました。たぶん、人生で一番の「挑戦」は、楽天の役員をやっていたのは2006年ぐらいまでですけど、それを思い切って捨てて、劇団四季のオーディションを受けたときですかね(笑)。

國光:うそですよね?

小澤:本当本当。三木谷さんに「『ライオンキング』にどうしても出たいから、辞めます」と言ったら、「バカか」と。で、受けましたね。書類で落ちたんですよね(笑)。あれ以来、悔しくてね。まだ狙っていますよ(笑)。

小野:それ、実話ですか。

小澤:実話ですよ。僕は今でも『ライオンキング』は、全曲歌えるんですよ。今は楽天を辞めて、劇団四季に落ちたから、ヤフーという会社にいるんですけどね(笑)。だから、この前も社員大会では1曲歌いまして。それなりに好評ですが、それなりじゃあ受かりませんよ。以上です。

新人漫画家のネームを指導できる上場企業経営者

小野:ありがとうございます。では、佐藤光紀さん、お願いします。

佐藤:佐藤光紀といいます。セプテーニという会社を経営しております。このワークショップも何度か出させていただいているんですが、きょうは待望の最終セッション。一緒に雑談をしたら楽しいんじゃないかという人たちがここにいるので、僕はたぶん、一番楽しみにしていたんじゃないかと。皆さんと同じように楽しんでいきたいと思います。

会社は、インターネットの広告とかコンテンツとかをしています。24歳のときに今の事業を始めたのですが、実は2年ぐらい前から、また新しい事業の立ち上げをスクラッチで一からしていまして、漫画をつくっているんです。これは結構、意外がられることも多いんですけど、実は僕、ものすごく漫画を読んでいました。

いち読者でずっと読んでいたんですけども、なぜか今はつくるほうになっていまして。この一年で新連載を、35本ぐらいつくりました。たぶん日本で一番漫画の新規連載作品をつくっている人です。日本で一番ということは、きっと世界で僕だけだと思いますね。「日本一」だと、イコール「世界一」なので。

そういう、世界一を目指す人生というのはやっぱり楽しいことで。何だったら自分が世界一になれるかと、絞りに絞り込んで、「やっぱ俺、漫画をつくろうかな」と。なんでつくったのか? というのはこの後の話に出るかもしれませんけど。そういうユニークな人生を送るのは楽しいと思います。

新人漫画家のネームの指導をしている唯一の上場企業経営者ということで、きょうは楽しんでいきたいと思います。よろしくお願いします。

孫正義氏の背中が見えてきた

小野:ありがとうございます。ということで、劇団員、漫画家から、さあ、次の方はどなたでしょうかね。國光さん、よろしくお願いいたします。

國光:皆さん、初めまして。gumiの國光です。この2日間ずっと色々聞いてきて、みんな、いいことばかり話していたんじゃないかなという感じなんですけど、結局、成功するのはああいうきれい事ばかりじゃない。

このセッションの一番の目的は、いかにダメ人間でも、真田さんほどじゃないんですけど、そういうダメ人間でも成功できる、というのをみんなにわかってもらったらいいかなと。

僕のほうは、わりと色々と挑戦っぽいのはしています。高校卒業してから1995年ぐらいにずっと中国のほうへ、4年くらい行っていて、その後バックパックで中国全土とかチベットとかインドとか、東南アジアとか中南米を2年くらい回って、最後の4年間はロスのほうに行っています。

なので、10年くらい海外に行って、10何年前ぐらいに日本に帰ってきて、前にアットムービーという映画の会社を立ち上げました。

その後、7年前に独立して、このgumiという会社で今はゲームをつくっています。gumi自体のほうも今まで大体3回くらい会社をつぶしました。会社つくるときには、やる限りは世界一を獲りたいという感じで、3回ぐらいギャンブルで全部突っ込んでいったら世界に届くだろうという感じで言っていたんですけど、5回くらいは必要かなと(笑)。

ちょっと前、去年の1月くらいもなかなか大変な時期で、月3億くらいの赤字みたいな形やったんですけど。そこはもう完全に払拭して。今は国内350人くらい、海外400人くらいになって、売上も海外のほうが多いみたいな感じで、いよいよ世界の頂点というのが見えてきたんじゃないかなと。なので、まず、国内のちょっと目障りな「ガンホー」との決着をつけて。

(会場笑)

佐藤:國光さんがディスりたかったんじゃないかっていうね。

國光:一気に「世界制覇」のところに。

:(笑)。ジンガちゃうん? ジンガ。ジンガじゃないの?(笑)

國光:というような感じで、皆さん、よろしくお願いします(笑)。

小野:ありがとうございます。

:スルーかよ!

小野:だって、最近はもう、おにいさまの背中も見えたって、ね?

國光:僕はIT業界では無類の孫好きというので有名な感じではあるんですけど、やっぱり事業をやっていると、だんだん自分がすごくなってきたみたいな感じに思って。ある程度会社が伸びてきたら、結構「正義(まさよし)、届いたな」みたいな(笑)。

佐藤:正義届いた?

國光:肝心のところで、一気に、「首取れーっ」みたいな感じで行ったら、これはワンピース見ている人がいるかわからへんけど、一気に白ひげの首取りにいこうと思ったら、横から不死鳥泰蔵がバーン飛んできて、それでボーンって一気にやられてもうたみたいな感じで。その瞬間気づいたのは、「勝てると思ったけど、やっぱり俺、覇気すら使えねえ」みたいな、「攻撃が当たんねえ」みたいな。

それ以降、また2年間ぐらい会社つぶしながらやってきたので、もう一段階強くなっているんじゃないかなと。なので、今度は頑張っていきたいと思っています。

3年仕事して2年ボーッとするサイクル

小野:では、同じく“ダメ”カテゴリーに分類されてしまいましたが、最後に真田さん、よろしくお願いいたします。

真田:KLab株式会社、真田です。「挑戦」って、何かやっているときは、自分で挑戦してるという意識がないんですよね。振り返ってみて、あのときはバカな挑戦していたなって、振り返ってみてそう思うもので、挑戦している最中に「挑戦してるんだー!」とか、あんまりそういう意識はないですね。

僕も学生時代からわりと飽き性で、短期間に、「これを目指す!」と決めたら、そこに向かって夢中になってガッとやるんですけど、何か決めた目標を達成すると、目標達成後の喪失感みたいな、そういう時期が訪れます。

しばらく何をしていいのか、次に何を目指すのか、何しよっかなーとボーッとする年月が1~2年流れるわけですけど、そのときに、「ああ、これやりたい!」ということが見つかったら、一気にグーッとそこに集中できるという感じです。

3年仕事して2年ボーッとするぐらいのサイクルを、学生時代からずっと繰り返して繰り返してやってきて、そのたびに、前にやっていたことを達成すると、次にやりたいことというのはなんかそれじゃない、全然違う。

右の扉を開けて外に出たら、次は左の扉を目指したくなるんですよね。そういうことを人生で繰り返していると、常に走っているときの躍動感が感じられて非常に楽しいですね。それを「挑戦」というのなら「挑戦」なんだと思うんですけど。

抽象的なことばかり言いましたけど、例えば、僕は35歳のときに最初の上場をやっているんです。それは「サイバード」という会社で、15億円の赤字のまんまで上場をしたんです。

上場して、ひと通りなんとなく計画していた黒字転換までやると、B to Cのコンテンツとかをやっていたから、次はB to BでSIer(システムインテグレータ)みたいな堅い、当たり前のどこにでもある事業をコツコツ経営して黒字化するみたいな、そういうマネージャー、経営者として自分はどの程度のことができるのか。当たり前のことを当たり前にやってみよう、という自分にとって一番難しいテーマをやってみたくなって。

それがそこそこ軌道に乗って成長して、「ああ、もういいや、俺も別に経営者できるじゃん」と思うと、次は全然違うことをまたやりたくなって。

そして「じゃあこれからソーシャルゲームが来そうだからゲームだ!」とか言って、SIerからいきなりゲームに転換して、とかですね。何かそういう振り幅が大きいことをやると、人生非常に楽しいですね。目標にガーッと行くときはね。そんな感じです。

小野:ありがとうございます。

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