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中堅社員がボロボロ辞めてしまうのは、なぜな~ぜ? 有能な社員を流出させないための秘策を伝授します!(全2記事)

中堅社員がボロボロ辞める……退職者たちの本音とは 離職の大きな原因となる、中堅層以降の「放置プレイ」問題

会社としてもインパクトが大きい中堅層の育成。しかし、管理職育成や若手育成ばかりに目がいき、放置された中堅社員の離脱が止まらないというケースも。そこで今回は、株式会社PDCAの学校の宮地尚貴氏が有能な社員を流出させないための秘策を伝授します。本記事では、中堅層の離職が増える原因を踏まえながら、「離職危険度10のチェックリスト」を紹介します。

企業が頭を悩ませる中堅層の離職

宮地尚貴氏:それでは時間になりましたので、Webセミナーを開始させていただきます。よろしくお願いいたします。今回はまた新しいWebセミナーでして、中堅社員がボロボロ辞めてしまうのはなぜか、有能な社員を流出させないための秘策をお伝えいたしますという、中堅層の育成にまつわるWebセミナーです。

離職危険度10のチェックリストも公開させていただきますので、実際に社内の状況と照らし合わせながらご視聴いただければなと思っております。よろしくお願いいたします。30分ほどのセミナーとなりますが、どうぞお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

本日はPDCAの学校の宮地が担当させていただきます。よろしくお願いいたします。私もちょうど中堅層に当たりますので、実際に自分自身もどう感じるのかというところも踏まえながら、お伝えできればなと思っております。

本日の内容なんですが、3点予定しております。まず1つが、なぜ中堅層の離職が世の中的に多くなってくるのか。ちょうど戦力になった段階で辞めてしまう。これは、けっこう企業の頭を悩ませるポイントなのではないかなと思っています。

例えば、早期戦力化を実現されている会社さんだと、入社3年もしくは5年経って「よし、これからがんばってほしい」という段階で、退職をされてしまう。入社10年経って「よし、もう中核を」というところで、また辞められてしまう。そうなると、企業としてはけっこう痛手なのかなと思います。

新卒の方が入社1年で辞めるよりも実は痛い、みたいなところがあると思いますので、なんで(中堅社員の退職が)多くなるのか、アンケート結果からお伝えしていきたいなと思います。あとは、最後に弊社の施策もお伝えさせていただきます。

上司を人として尊敬できない……退職者の本音

じゃあ、まずはデータといいますか、弊社によくいただくご相談からお伝えできればなと思っています。やはり、最近は「中堅層が辞める」というご相談がかなり増えています。

個人的には、これは選択肢が増えているからなのかな? というところもありつつ、中堅社員の離職により、企業も頭を悩ませてしまうところがすごく多くなっているのかなと思います。

じゃあ、なんで辞めているのか。このアンケート内容が一部の声ですのですべてではない可能性はあるんですが、会社さまによっては離職者の追跡アンケートをとられているケースもございますので、ご参考までに共有できればなと思います。

例えば、「ふだんから放置。上司を人として尊敬できない。退職の相談をしようとすら思わない」。気づいたら辞めてしまうというのは、こういったところから出てくるのかなと思います。あとは、「部下の手柄を横取り、ミスしたら部下のせいにする」。『半沢直樹』とかでよく耳にしそうなものです(笑)。

あとは、「モラルに欠ける発言を平気でする」「みんなが聞こえている場で個人へのダメ出し、本人がいない場での悪口のような発言」。これ、今は育成の中ではNGだったりします。これら(上に挙げた)4つを見ると、上司の方の関わり方も1つの要因として挙げられるのかなと思います。

もう1つが、「キャリアプランが特に示されていないので、目指す先が見えない」「適当なアドバイスしかしてくれない」「若手社員が困っていても、どの部署も担当業務以外だと助けてくれない」。良くも悪くも縦割りされてしまっている。

「知識のない若手社員相手にもベテラン社員と同じ対応をする。雑な指示ばかり」と、かなりいろいろありまして、もしかしたらギクッと思われる会社さんもいらっしゃるかもしれないなと思っています。

「管理職が自分で仕事をしたほうが早いと考えており、部下指導をしない」。これは非常にありがちかなと思います。管理職の方がプレイングマネージャーから脱せないと、部下の方が入社3年、4年、5年、6年経ってもいつまでもフェーズが上がっていかず、「先が見えない」という判断になっていく。

あとは、「先輩が辞めた時に、管理職の人たちが他人事で目を疑った。正直呆れた」「コミュニケーションが圧倒的に少ない」などなど、めちゃくちゃ多く、いろんな声があります。

離職リスクを測るチェックリストの10項目

じゃあ、これらの理由を踏まえ、離職リスクのチェックリストをご共有できればなと思います。この10個のチェックが多ければ多いほど、離職率が低いのかなと思っています。

何個以上というのはちょっと断定ができないところにはなってしまうんですが、弊社が実際にお客さまと携わっている中で、ここのチェックが少なければ少ないほど、企業としての状態があんまり芳しくない。人が育つ状態とは言えないのかなと思います。

まず1つが「管理職が部下を育成、教育している」。管理職が、部下育成を責任・役割として認識をして、きちんとそれを行動として表すことができているのか。

もう1つが「管理職の現場指導には配慮がある」。例えば、管理職の方が部下の方に配慮のある声のかけ方ができているか、雑になっていないか。営業会社さんだと、お客さんへはめちゃくちゃ配慮のある対応ができるんですが、部下へそういった対応ができない(という場合もあります)。

(3つ目が)「管理職が楽しそうに働いている」。管理職の方がつらそうに働いていると、部下、若手の方からすると、「うわっ、これは役職を上がりたくない」「夢がない」みたいなところに関連付いてくるのかなと思います。

あとは、「管理職はメンバーからの課題に対応しているか」。例えばメンバーから相談をもらった時に、それをそこで放置してしまっていないかというところです。

「管理職が業務管理を行っているか」「年齢・階層に空洞化がないか」「評価制度が充実・機能している」「認め合う文化が醸成されているのか」「社員は社内に相談できる仲間が1人以上でもいるのか」。相談できる環境が離職率にかなり影響しているというのは、いろんなデータを見ても感じられるところはあるなと思っています。

あとは、キャリアビジョン、スキルマップが整備されているのかどうなのかです。これを自社に当てはめた時に、チェックが少なければ少ないほど問題です。

中堅社員は「放置プレイ」されている

なんで中堅層が離職がしているのか、弊社で考えた背景は何なのかというところを、これらのチェックリストや先ほどのアンケートの結果からお伝えできればなと思います。

(ポイントは)主に4つなのではないかなと思っています。まず1つ目が、中堅層は放置プレイされている。2つ目が、価値観の変容。3つ目が、管理職の意識が古い。4つ目が、どこでも働き口がある。というところで、一つひとつお伝えできればなと思います。

一般的に新入社員研修は、どの会社さんも新規学卒者向けで少なくとも半日はやるんじゃないかなと思いますが、特に中小企業だと中堅層以降の教育機会が少ないのかなと思います。

一方で、入社3年目以降とかの育成の機会を提供している会社さんは、圧倒的に少ない。実は、大企業を含めて22パーセントと言われていたりしますので、中小企業だけに焦点を当てるとほぼ(中堅社員の育成機会が)ない。おそらく1桁なんじゃないかなと思います。

企業として、だいたいはフォローの機会がなされていない。これが「放置」ということです。刺激がないので、働いていてだんだんマンネリをしてしまって、新しいところを探していく。

しかも、テレビとか転職サイトのCMは、もう今はゴロゴロ出ていると思いますので、ちょっと悩んだ時にそういったところに目に行きやすいというのもあるのかなと思います。

選択肢が多く満たされた世の中だからこそ離職が相次ぐ

昔から言われているマズローの5段階欲求に当てはめてみます。これは、人間の欲求が5段階で表されているような図です。これは何を言いたいものなのかというと、何も満たされていない状態だと、まずは人間の一番最初の欲求、生きていくための生理的欲求が出てくる。

その上で、それが満たされてくると安全欲求。「安心した環境で働きたい」「精神的に危害を加えられたくない」とか、身の安全・安心を求める。なので、やはり最初は「稼がないと」とか「なんとか食事を食べられるように稼がないと」というところからスタートしていく。

それが満たされてきて、「安心・安全な環境で働きたい」となる。それが満たされることによって、「組織から認められていたい」という社会的欲求(が出てくる)。

その次は承認欲求、自己実現の欲求と、だんだん上に上がっていくようなかたちになるんですが、基本的には満たされている方が多いと言われています。なので、特に社会的欲求以降を企業として満たせる環境にないと、人材の流出がどうしても出てきてしまう。

これは新人の傾向からも言えるんじゃないかなと思っていまして、いろんなWebセミナーでもこのデータを共有させていただいているんですが、新入社員の方が就職先を決定する際に決め手になった項目の第1位が、「自らの成長が期待できる会社に入りたい」。

若年層は、「どこでもいい」「家が近いから」「紹介」といったことで(就職先を決めるので)はなく、「自分自身の成長がきちんと期待できるのか吟味して就職先を決めたい、というニーズがあります。なので、比較的欲求が満たされている方が多い。

その上で、企業としてきちんと働く環境を整えていかないと、選択肢が多く満たされた世の中だからこそ、どうしても離脱が止まらなくなってしまう。

昨今は転職ハードルもかなり下がっている

実際、転職ハードルもかなり下がっていると言われています。2023年のニュースにはなってしまうんですが、「転職市場予測2023年下半期『すべての業界で求人数が増加、転職市場は活性化の見込み』」。

今、新卒採用がかなり難しくなっているので、新卒採用という枠組みを外して一括採用にしていたり、中途採用に舵取りをされている企業さまもかなり多く見受けられるなと思います。なので、前提として転職しやすい世の中になっています。

そうなった時に、転職の3つの要因として挙げられるのが、「放置されている」「価値観が変化していく」「行き場所がある」。この三要素が合わさり、どんどん(人材が)流出していくところがあるのかなと思います。

ですので、企業としてできるところをお伝えをさせていただきますと、会社としてある程度育成環境を整えていたり、(キャリアの)先を見せるということをできていないと、新人層だけではなくて、何年か働いた中堅層の方の離脱もどうしても起こっていく。

かつ中堅層は選択肢が多いと思いますので、長く働けば働くほど行き場所があるんですね。その選択肢が出てくる時に、会社としてフォローを入れられているのかとか、先を見せられているのかがポイントになってくるのかなと思います。

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