2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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髙倉千春氏(以下、髙倉):よろしくお願いいたします。
国分太一氏(以下、国分):よろしくお願いします。
髙倉:今日、私はドキドキしているんですけど、もうご紹介するまでもなく、紅白歌合戦24回連続出場の国民的大スター。
国分:あ、そんな時もありましたねぇ。
髙倉:紅白連続出場のランキングを調べてまいりましたが、18位でいらっしゃるんですよ。グループではナンバーワンという。
国分:めちゃくちゃ調べてくれていますね。ありがとうございます。
髙倉:ファンとしては、もちろんです。ということで、今日は国分太一さんとご一緒にやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
国分:あらためまして、株式会社TOKIO副社長をやっておりますTOKIOの国分太一です。よろしくお願いします。
(会場拍手)
髙倉:私は元ロート製薬CHRO髙倉でございます。実は40年間、組織でサラリーウーマンをやっておりましたが、去年卒業いたしまして。今は会社を起こしてやっております。ということで、今日は本当によろしくお願いいたします。
国分:はい。よろしくお願いいたします。楽しみにしています。そうだ、名刺をお渡ししてもよろしいですか。
髙倉:あぁ、もちろんです。私はちょっと名刺がなくて、ごめんなさい……。
国分:ぜんぜん。福島県の木で名刺ができないかなと。この名刺を作るまでもドキュメントにしたらおもしろいんじゃないかと思って、自分たちで名刺を作ったんです。でもこの名刺、本当はもっと薄くなるはずだったんですよ。
(会場笑)
やっぱり木から名刺を刷る会社はそうはなくて。なぜなら乾燥すると割れるかららしいんです。
髙倉:なるほど。
国分:そのリスクを避けるために作られたのがこれで、この大きさになってしまったという。名刺入れには1枚しか入らない。でも、やってみた結果はおもしろいことになったなと思いました。一つひとつの木目は全部違いますので。
髙倉:ありがとうございます。お預かりします。すごくインパクトがありますよね。
国分:国分:ちょっと木の温もりを感じたいなと。香りもあるかなと思いまして。
髙倉:すばらしいです。ということで、(今日は)いろいろとうかがっていきたいと思っております。株式会社TOKIOは設立されて何年になりますかね?
国分:そうですね。(設立は)2021年ですね。
髙倉:まず率直にうかがいたいのは、メンバー3人になられた時に、なんで会社を作ったんですか。さっき申し上げたように、紅白歌合戦24回(出場)という国民的アイドル、スターじゃないですか。別に今さら株式会社を作って苦労しなくても、もうそのままいけちゃうんじゃないかと思うんですけど。どんな思いで作られたんですか?
国分:そうですね、ご存知の方も多いと思いますが、TOKIOというグループは5人から始まっていたんです。いろいろな変化の中でメンバーが3人になった時に、ここが僕たちにとって、また一つ変わるきっかけになるのではないかと思ったんです。
そのまま3人でタレントだけをやっていてもいいと思ったんですが、年齢がいくつになっても変化を楽しむべきなんじゃないかと。新たなステージに上がって、エンターテインメントで学んだことを、株式会社TOKIOという名前で「いろいろな人たちと共創できないかな」というざっくりとしたところから、会社を立ち上げました。
でも「会社ごっこ」には絶対に見られたくないなと思って。器用ではないですが、パソコンとにらめっこをして、最初はいろいろな人たちに自分の作った企画書を見てもらうことから始めました。
髙倉:なるほど。
国分:今日は久しぶりにこうやってお話をさせてもらうので、当時(2020年)僕が書いた企画書をみなさんに見てもらいたいなと思っています。
髙倉:ぜひぜひ。お願いします。
国分:今(スライドに)出ているんですけど、株式会社TOKIOとも書いてないんですね。2020年7月21日「2nd Stage」とだけ書いてあって、「楽器(ギター)からトンカチに変わる」と。
次のページは、僕らが今までやってきたことを書いています。「変化を楽しむこと」「新たなチャレンジは新しい自分たちに出会えるのではないか」ということを、いろいろな企業さんにプレゼンしに行きました。
僕らはそれを会社にすることにしたんですね。「バンドから会社へ」「リーダーから社長へ」、エンターテインメントではリーダーが社長に変わるだけでもおもしろいのかなと思って。(当時書いた企画書は)これしかないんですけど(笑)。
先ほども名刺を見せましたが、福島の木を切って作ったり。僕らが今まで学んだことが、会社と共創することでなにか役に立つんじゃないかと思ったんです。でもこの(スライド)1ページだけじゃ絶対にわからないですよね(笑)。
髙倉:ちょっとわからないかもしれないですね。順次説明をお願いします。
国分:幸せなことに僕らは番組を通して全国のモノづくりに出会っている。こんなにすばらしい作品が埋もれている経験もしています。だから、それをもっと全国区にできるんじゃないか、それが僕らの役割なんじゃないかと思ったんです。
髙倉:なるほど。
国分:正直(当時は)そこまで深く考えていなかったと思います。
髙倉:いやいや、どうですかね。私も人事を40年間やってきて、今だからこそ、このメッセージがけっこう響くなと思っていて。さっき申し上げたように、もうスターだからいいじゃないですか。でもまた違う領域で戦っていく。ここは自己成長にとってはすごく大事なんですよね。
「これでいいな」と思ったら成長は止まる。それをおやりになっているのはすばらしいと思います。
国分:ありがとうございます。
髙倉:それから社会貢献ということで(先ほど)サステナビリティやESGの話をしたら「いや、そんな言葉はぜんぜん知らなかったけど、昔からやっていました」と。今はほとんどの企業がそれをやらないと企業として存続しない。これをTOKIOさんは、みなさんの共感を得ながら日本中で……というのがすごいと思います。
もう一つは(TOKIOさんは)世界視点を持っていらっしゃるんじゃないかと、私は思っていて。これは城島(茂)さんのメッセージですが、「日本のいいところを世界に訴えていきましょう」と社長自らがおっしゃっている。
国分:そうですね。
髙倉:(私は)DASH島のファンで(番組も)見ているんですけど。
国分:ありがとうございます。
髙倉:実は意外に私たちは「日本人とは何?」「日本って何?」とわかってるようでわかっていない。これは地球儀の上から日本を見ないとわからないんですよ。
国分:はあ~。
髙倉:TOKIOさんのTOKIOは、東京ですよね。命名もいいなと思っているんです。やっぱり「われわれが何者か」をちゃんと見つけて発信して、日本に元気を与えていらっしゃる。
国分:えぇ~! 超気持ちがいいっす。ありがとうございます、うれしいです。でもそんな気持ちはまったくなくて「番組を通して僕らが経験したことを伝えていけたらな」という気持ちだけですけどね。
髙倉:でもその純粋で100パーセントピュアな気持ちがやっぱり刺さるんですよね。エンターテイナーを前にしてごめんなさい。でもこれでウケようとか、これで儲けようと思ったら、(心に)刺さらないんですよ。
国分:なるほど。
髙倉:100パーセント純粋にそう思っていらっしゃるから感動を起こすと私は思っています。実はいろいろな意味でけっこう人事要素も満載で……。だからSmartHRさんは、こういう登壇を用意したんじゃないかなと思っております。
国分:僕も今日は「ハーフタイムショーで呼ばれたのかなぁ」と思ったら、最後の講演だと聞いて。「SmartHRさん、どうしちゃったんだろう」と思っちゃったんですけど。
髙倉:かなり先駆的に(SmartHRさんは)やっていらっしゃるなと思っております。
国分:ありがとうございます。
髙倉:ではみなさんを代表して、いくつか国分さんにうかがいたいと思っています。経営理念やビジョンなど、おそらくいろいろと勉強していらっしゃるだろうし、会社としては「こういうメッセージがないと会社にならないな」「会社の体をなさないな」と思ってお作りになったと思います。
今日のタイトルでもあります、「汗をかいて 手を働かせて 思いを重ねて Do it ourselves! 」。どうしてこのメッセージを出したんですか。
国分:まず「汗をかいて 手を働かせて 思いを重ねて」というこのワードは、僕らが「エンターテインメントでやってきたすべてだな」と思っています。胸を張って言えることは「もうこれしかないな」と思ったんですよ。
汗をかいてきたし、失敗もしてきたけど、なぜかTOKIOは失敗が許されるグループだった気がしています。(僕らは)失敗を見せることはかっこ悪いことじゃなくて、かっこいいことだという変換を持っていまして。人に失敗したことを知ってもらったほうが、次のステップで0からもう1回すべてを見せられるんじゃないかなと……。
髙倉:すばらしい。
国分:メンバー3人ともそう思っていて、それは僕らの強みでもある。だからこそ汗をかいてきたし、手を働かせてきた。ここはもう間違いないことだと思うんです。
髙倉:なるほど。
国分:TOKIOというグループはそもそも5人で表に出ている人。だけど僕らの名前の後ろでがんばってくれたスタッフさんはむちゃくちゃいるわけですよ。僕らはその人たちがいないと、表に出てライトを浴びて輝くことはできなかった。そこに対する感謝は一度も忘れたことがない。それが思いを重ねるところにつながるのかなと思いまして……。
髙倉:なるほど。今のメッセージには、人事のいろいろなエレメントキーワードがものすごく入っているんですよ。まず失敗というと、今、日本企業では「挑戦して失敗を許す。そこから学ばないと新規事業を起こせない」と言われているんです。
だいたいの日本企業は「失敗を起こさないようにどうするか」の手順がすごく長い。シリコンバレーに行くと「smart failure(賢く失敗しろよ)」とか「early failure(早く失敗しろよ)」と、そこが評価の加点になるんです。
国分:へぇ~。
髙倉:私は失敗という漢字が「失って負ける」だから、これを漢字に当てたのが大失敗だと思っているんですけど。(TOKIOさんは)プロとしてやってこられた中にいろいろな失敗があって、それが許される環境だった。その中で認め合いながら学んできたこと、一歩ずつ進んできたことが紅白連続(出場)24回につながっている。私はそれを今日感じているわけでございます。
国分:(笑)。
髙倉:今さら聞いちゃってもいいですか。今から思うと大失敗はあったんですか。
国分:それは本当にいっぱいありますね。例えば「これは絶対に売れるだろう」と自信を持って作ってきた曲が、まったく売れなかったこと。自信があればあるほどぜんぜんうまくいかないとか。
あとこれは番組だったんですけど、船が1階にあって、2階には作業できる場所がある舟屋を作っている最中に、2階を作り終わって「完成した!」と思ったら入り口と出口を作るのを忘れちゃって閉じ込められることがあったんですよね。
髙倉:(笑)。それは大変でしたね。
国分:でもやったからこそ失敗が見えるというか。そこすらも笑える環境をずっと作ってきたのかなぁと思うんですよね。次こそ何をしたら売れる曲になるんだろうとか。
髙倉:なるほど。
国分:でも売れればいいってもんでもない気もしているし。
髙倉:失敗を笑っちゃうってすごいですよね。そこからどうするかも、とりあえずやってみようという。これは新規事業を開拓する日本企業にとって必要な風土です。それからTOKIOさんはチーム戦で、5人の後ろにはTOKIOがいっぱいいたという。
国分:そうですね。
髙倉:実感としてはどんな感じですか。
国分:僕ら自身、エンターテインメントの中でもたくさんのことをやらせていただいていて、(ほかには)なかなかないグループだと思うんです。もともとはミュージシャンとして出たけれども、当時テレビから『ザ・トップテン』『ザ・ベストテン』という歌番組がなくなった時代なんですよ。
音楽だけでは顔を売ることができない時代に入ってきて、そこにバラエティが出てきた。当時SMAPさんがいて、もうちょっと上には光GENJIさんがいて。「ここをまねてもかなわない」ところで、僕らはデビューするんです。そこでバラエティ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』さんと出会ったんです。30分番組なのに24時間ロケをやる状況だったんですけど。
僕らを「なんとかしよう」と思ってくれていたスタッフの方たちがたくさんいたし。当時本当にやんちゃだったから「なんでこんなことをしなきゃいけないんだよ」とけんかになりながらやっていました。でも音楽でもバラエティでもそうだし、ドラマでもたくさんのスタッフが僕らと向き合い、いろいろと考えてくれていた。
その人たちは本当に「僕らのことをなんとかしよう」と思ってくれていたから、当時から僕らは「個ではなくてチームなんだな」とすごく感じていましたね。
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