2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO Elevatefoods(全1記事)
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メージング・リー氏:みなさん、こんにちは。エレベートフーズのメージングです。未来のデジタルフードをご紹介してまいります。国連によれば、日本の10人に1人が65歳を超えており、高齢者が高齢者の世話をしています。看護師や介護士の不足という医療危機も深刻です。65歳以上の高齢者の4割が柔らかい食事を必要としており、多くの労働力が必要とされています。
エレベートフーズのビジョンは、デジタルフードのイノベーターであることです。特別な食事ニーズを持つ人々がターゲットユーザーで、特許取得済み3Dプリント調理技術プラットフォームはAIを活用しています。柔らかい食事を必要とする高齢者の方々に、食を楽しむ喜びを取り戻してもらいたい。それを食べ物の形状・触感・栄養バランスをパーソナライズすることで実現します。その一例が、私たちが開発した「健康的な月餅」です。
中秋節に食べる中国の伝統菓子「月餅」は、これまで高カロリー・高糖分とされてきました。私たちは、低糖質の小麦粉のシート(層)を3Dプリンターで印刷しました。また、卵黄をかぼちゃペーストに置き換えて、多層からなるミルフィーユのような独特な食感を生み出しました。
写真中央にもあるこれらのカラフルな食品サンプルは、複数のビタミンジェルが詰まった栄養強化ビスケットで、オールインワンで必要な栄養を提供します。私たちの使命は、高齢者の食事を高みに昇華させることです。ペースト状のすり潰し食ではなく、見た目も美しい柔らかい食事を提供するのです。
私たちは、調理過程も再発明しています。原材料となる「可食インク」に植物性タンパク質を加えたり、食物繊維・ビタミン・漢方薬などを加えたりして、栄養分を強化することを可能にしています。可能性は無限大です。
今後の拡大方針としては、集中型のカスタマイズド工場でモジュール型の製造ラインを確立します。競合する食品3Dプリント市場には存在しない、独自の過熱技術を搭載したエレベートフーズのプリント調理は唯一無二の技術です。完全なデータ駆動型で最高のカスタマイズ性を実現します。
3Dプリンター食品の世界市場規模は昨年時点で10億ドル、高齢者食品市場は24億ドルと倍増しました。型抜きして生産される介護食とは異なり、3Dプリントの柔らかい食品は多層を重ねていく手法であるため、食感や見た目を臨機応変に修正していくことが可能です。また、当社のソリューションは完全自動化されているため非常に効率的です。
当社の最新プロトタイプとその仕組みをご紹介します。まずシリンジ(注射器)に可食インクを注入します。独自AIソフトウェアが3Dプリントを進めます。
同時に、ナノ単位で調理を進める特許取得済みヘッドが、わずか数秒で数百℃までの過熱を行います。デジタル化されたレーザー調理システムによって、どんな食べ物の種類にも対応が可能です。自由自在に姿形をプリントし、食品の中身を最適化し、栄養価と品質を高く保つことができるのです。
日本市場への参入に向けて、私たちは、東京都「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」以来、アクセンチュアと三井物産が共催するアクセラレーター・プログラムに参加しています。また、食品サプライヤーや装置メーカーとの協議が進行中であり、当社の装置を量産していく道筋を構築しています。
2025年までには日本の高齢者施設や病院でのユースケースを確立し、2026年には小児や糖尿病患者にも広げていきたいと考えています。
私たちの願いは、ユーザーの生活の質の向上です。高齢者施設や病院のサービスの質を高め、持続可能な生活とウェルビーイングを実現したいと考えています。
遠くに暮らす孫たちが、祖父母にデジタル介護食を作ってあげられる未来を、社会的インクルージョンを強化する当社のソリューションが実現します。
これまでに25万ドルの政府系資金を獲得しており、香港サイエンスパークのアクセサレーター・プログラムに参加を認められました。当社はすでに実用的プロトタイプを複数完成させており、今年の目標は、香港の病院・老人ホームにおけるユースケース構築です。
ジュネーブ・イノベーションの銀メダル受賞も最近の成果であり、当社の研究室を訪問した香港の行政長官ジョン・リー氏が、世界初の3Dプリント月餅を試食しました。
現在、香港政府運営の高齢者病院ヘブン・オブ・ホープ病院とも協業中です。副院長Dr. ウォン先生からのお言葉の引用です。「エレベートフーズ社のテクノロジーは、期待以上に先進的なものだった。まちがいなく高齢患者の食欲を向上させ、運用人的リソース軽減に貢献する」。
また、香港スポーツ研究所との協業では、オリンピック選手向け回復スナックを3Dプリントして提供しています。
ラム博士のお言葉からの引用です。「アスリートへのオーダーメイドな栄養提供に大きな可能性を感じており、3Dプリント食品は私たちのゴール実現を助けるものと考えている。選手たちの最高のパフォーマンス維持を可能にするものである」。
2027年の売上目標100億ドル実現のため、サービスプラットフォームと共に自社装置を販売し、アジアとヨーロッパで装填済み可食インクパックを販売します。
次のステップは、日本の高齢者施設・病院でのトライアルです。介護食サプライヤーとのパートナーシップ提携や、食品・製薬企業に戦力的投資家として参画いただく予定です。このように、共に時代を超えた食生産の未来を切り開いていきたいと願っています。ありがとうございました。
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