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第955回 仕事に効くパワーワード『不機嫌は立派な環境破壊』(全1記事)

「不機嫌は立派な環境破壊」周りに悪影響を与える前に 自分の“負の感情”を食い止めるための5つの対処法

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。今回は「不機嫌は立派な環境破壊」と題し、不機嫌を直すためのポイントを紹介します。 ■音声コンテンツはこちら

「不機嫌は立派な環境破壊」

中村直太氏:今回の言葉は「不機嫌は立派な環境破壊」です。みなさんは、この言葉をどのように受け取られたでしょうか? 

私は、気になったことをとにかく書きなぐるノートを持っていますが、定期的に見返してはその時に感じたことを思い出して、自分の今にどう活かされているかを考えるのですが、いつ見ても目に留まって、ページをめくる手を止められるのがこの言葉です。

「不機嫌は立派な環境破壊」。インパクトの強い言葉を受けて、不機嫌だった昨日の自分や、つい数時間前の自分を思い起こして、毎度こりずに反省をしています。

「なるべく不機嫌でいないほうがいいよね」という、そんな甘いニュアンスの逃げ場はなくて、「たとえ自覚がなくても、広く周囲に深刻な悪影響を与えている」と言い切ってくれているところに、この言葉の力強さがあるのだと思います。

想像してみたいと思います。不機嫌な誰かがその場にいて、その人の不機嫌な感情が濁った重たい空気として染み出して、その場の空気に放たれる。放たれた空気が、その場にいる他の人を覆い囲んで、その場の人の心を蝕んでいく。そうして不機嫌は次なる不機嫌を生み出す原因となって環境汚染が広がっていく。この様子をリアルに想像してみるといかがでしょう?

自分の心が蝕まれていく様子がイメージできるかもしれないし、もしかすると他の人の心を蝕む、不機嫌な誰かの顔に自分の顔が重なって見えるかもしれません。

そんなことをリアルに想像すると、不機嫌であった自分を反省し、自分の感情をコントロールできるようになりたいと思うわけです。この言葉で我が身を省みるわけですが、人間である私たちは外からの刺激に対して何かしらの感情を持ってしまうわけで、現実的には機嫌もコロコロと変わっていきます。

それを完全にコントロールしようとしたり、不機嫌をゼロにしようとすることは、少なくとも私には簡単ではありません。それであれば、せめてできることは「環境破壊につながらないように食い止める」ことです。

不機嫌を直すための5つのポイント

その方法が私にもわからなかったので、いくつか調べてみました。1つ目は、1人になって感情を吐き出す。確かに、言葉にしてみたり、文字で書きなぐるだけで気持ちが整理されていくことがあります。

2つ目は、解決策に目を向ける。問題に対してイライラするのではなくて、解決策に目を向けることで、建設的な思考モードになって冷静さを取り戻せるということでしょうか。「これができれば苦労はないな」という感想ですが、試してみたいと思います。

3つ目は、とにかく笑顔になる。人間は笑顔で怒るのは難しいと言われますが、感情が体に与える影響は小さくないということだと思います。かたちから入って、結果的に中身が変わっていくこともたくさんあります。試しにやってみたんですが、笑顔を作ろうとしている自分に笑えてきて、確かに不機嫌はどこかに飛んでいきました。

4つ目は、他の人にもいろいろな苦労があることに気づくこと。私たちは不機嫌な時ほど視野狭窄に陥りがちで、まるで自分だけに不幸や苦労が降り注いでいるかのように思えてきます。そんな時ほど逆に視界を広げて「自分だけではない」と気づくことが、自分に冷静さを取り戻したり、他の人を思いやる気持ちが湧いてくるきっかけになるように思います。

以上、1人になって感情を吐き出す、解決策に目を向ける、とにかく笑顔になる、他の人にもいろいろな苦労があることに気づくの4つを取り上げてみました。

調べてみると、みなさん不機嫌との付き合い方に試行錯誤されていることがわかって、そのことからもまた勇気をいただきました。そして私からは、5つ目に「不機嫌は立派な環境破壊というパワーワードを思い出す」を上げておきたいと思います。

メンバーはリーダーに対して求めていることとは

最後に思い出したことを1つ。私は定期的にリーダーシップに関するセミナーに登壇をさせていただいていますが、必ず毎回「あなたにとっての理想のリーダーとは、どのような人ですか?」という問いを投げかけて、みなさんから良いリーダーの条件を教わるようにしています。

では、リスナーのみなさまにとって理想のリーダーとはどのような人でしょうか? いろんな言葉で表現できると思いますが、例えば未来に導く、信頼できる、情熱を持っている、人を育てられる、さまざまな条件が挙げられます。そして、その中に必ず含まれているなと思いだしたのが「ご機嫌である」という要素です。

「リーダーシップとは影響力だ」と定義されることもありますが、影響力のあるリーダーの不機嫌は強烈な環境破壊につながっていくということでしょう。だからこそ、メンバーはリーダーに対してご機嫌であることを求めているのではないでしょうか。

このチャンネルのリスナーのみなさんは、影響力をお持ちの方が多いんじゃないかなと想像しますが、「不機嫌は立派な環境破壊」を胸に刻んでお互いに気をつけていければと思います。

まとめます。あらためて、今日の言葉は「不機嫌は立派な環境破壊」でした。たとえ自覚がなくても、自分の不機嫌が広く周囲に深刻な悪影響を与えていることを確認した上で、5つの対処法について考えてみました。

こんなことも考えられるかもしれません。「まずは自分の不機嫌による環境破壊を食い止めるために何ができるのだろうか?」。ピンとくることがあれば考えてみてください。今回も最後まで聞いていただき、ありがとうございました。今日もすばらしい1日をお過ごしください。

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