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転職で後悔しないための、面接時や入社後に気をつけるポイント(全3記事)

即戦力を期待され、自ら仕事を抱え込み息切れする転職者 職場に馴染むまでの過ごし方と3つのストレス解消法

採用した中途人材のうち、3人に1人は3年以内に退職していると言われています。転職後に給与や仕事内容、職場の人間関係で後悔したことのある人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、株式会社人材研究所 ディレクターの安藤健氏に、転職後に後悔しないためのポイントをお聞きしました。本記事では、業界や企業文化の違いにとまどう転職者のための適応のコツやストレス解消の3つの手法をお届けします。

前回の記事はこちら

前職と会社の文化が異なり馴染めないケース

——前回は、転職先での職場の人間関係を円滑にするためのアドバイスをいただきました。特に異業種での転職に多いかもしれませんが、前職と会社の文化や風土が異なり馴染めない場合はどうしたらよいでしょうか。

安藤健氏(以下、安藤):異業種に転職すると、ありとあらゆる仕事の慣習が異なることもあります。コミュニケーションの取り方、仕事の進め方、ステークホルダーとの距離感や関係性、社内で交わされる言葉もまったく違う可能性があるわけですね。

前の会社だったら自分にとって当たり前だったことが通用しなくなることがあります。その時にアンラーニングをして、前職で培ってきた慣習を捨てて、白紙に戻せるかがポイントです。

——アンラーニングをするコツはあるんでしょうか。

安藤:それにはフィードバックが大事なんですよね。自分にとって当たり前のことって、あんまり認識できない。まず認識できないものはアンラーンできないですよね。だから転職した時に、仕事の慣習がぜんぜん違うだろうと予想して、「私はこれまでこういう業界で働いていましたが、この会社はぜんぜん違いますよね」と周囲に伝える。

「さっき僕が挙げたようなコミュニケーションの取り方や仕事の進め方は(ここでは)違うと思うので、もし気づかずに、『前職での当たり前』を出していたらフィードバックしてください」とか、「『うちの業界ではそんな言葉は使わないんだよ』というのがあれば言ってください」と伝えておくのが、アンラーンのポイントだと思います。

転職先でのストレスを軽くするポイント

——新しい職場環境に適応していく上では、多かれ少なかれストレスを感じることもあると思います。ストレスに適切に対処しながら仕事を続けていくためのアドバイスをいただけますでしょうか。

安藤:2つあって、1つは自分のストレッサーに自覚的であることです。ストレッサーとはストレスの原因のことですが、何にストレスを感じやすいのかも、人によって違います。人間関係や仕事内容に疲れやすい人もいれば、新しい環境にストレスを感じやすい人もいる。

自分が何にストレスを感じやすいのかを理解することと、今自分が何を感じているのか自覚しようとすることが大切です。もう1つは、新しい職場に適応するまでの過ごし方に目的を持つことをおすすめしています。

特に中途だと「即戦力だ」と言われて、いきなり仕事をバンッと振られたり、「なんでもやります」って自分から言ったりしてしまう。入社してすぐに、人間関係も構築して同時に仕事もあれこれやっていくとなると、息切れしてしまうと思うので。

まず最初の1ヶ月〜3ヶ月ぐらいは周囲との関係構築に全力で集中する。それができてきたら、仕事のクオリティを高めていったり、期待値以上の成果を出すことに集中するのが、個人的にはいいと思います。

あれもこれも全部やらないといけないと思うとアップアップになっちゃうので、目的を持って過ごしましょうってことです。

過去一番ストレスを感じた時期と感じなかった時期の特徴は?

——段階を踏んでいくということなんですね。自分が何にストレスを感じるかは、どうやったらわかるのでしょうか。

安藤:何にストレスを感じやすいかは、人によって千差万別なんです。自分のストレッサーを把握しておくのも、自己分析の1つとして転職活動中に考えておいたほうがいいと思いますね。

どうするかというと、過去に自分が一番ストレスを感じた時期とストレスを感じなかった時期をそれぞれ考える。そして、ハイパーストレス状態になった時に何があったのか。もしくは、ストレスがかからず、すごく楽しく仕事ができたモチベーションが高い時期に何があったのかというエピソードを思い出しておく。

そうすると、自分のキャリアの中で一本筋が見えてきて、「自分はこういう時にストレスを感じやすいな」とわかるんです。

ストレスを解消する3つの手法

——なるほど。ストレスにもいろいろな要因があると思うのですが、解消する手法としてはどんなものがありますか。

安藤:専門的にはストレスコーピングと言うんですけど、大きく分けて2種類あります。1つは問題解決焦点型で、そもそものストレスの原因を取り除こうとするものです。例えば取材の納期がかなり迫っている時に、プレッシャーがかかって胃がムカムカするとか食欲がなくなることがあると思います。

その時に問題解決焦点型のストレスコーピングをするとしたら、早く原稿を書き上げるってことなんですけど。ストレッサーによっては、問題そのものをすぐに解決できない時もありますよね。

人間関係のストレスって、ちょっと長い時間がかかったりするじゃないですか。だから問題解決焦点型だけじゃなくて、情動焦点型ストレスコーピングという、どちらかというと自分の捉え方を変えるものもあります。

例えば、「今ストレスがかかっているということは、自分にとって成長の機会なんだ」「これを乗り越えることで、また一皮むけるだろう」って意味付けをし直す。あとはソーシャルサポートみたいな周囲の助けを借りるストレス対処法もあります。周囲に相談するだけでもストレスが解消されるかもしれませんし、問題解決につながるかもしれませんね。

なので、大きく分けると、そもそもの問題のストレッサーを取り除こうとする問題解決焦点型、もしくはストレッサーに対する捉え方を変える情動焦点型。あとはソーシャルサポートを得る解決型の3つがあります。

——状況によって使い分けていくということですね。1つ目の問題解決型は時間がかかる場合もあるので、自分の捉え方を変えてみたり、周囲に相談したりといった、すぐに効果を実感できる方法と合わせて実践していくといいのかなと思いました。安藤さん、ありがとうございました。

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