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【忙しい管理職は注意】部下に任せ、リーダーシップを高める方法(全1記事)

忙しい管理職の「任せる人がいない」は、本当か? 結果的に自分も楽になる“部下に仕事を任せるコツ”5選

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、部下に仕事を任せ、リーダーシップを高める方法について解説します。 ■動画コンテンツはこちら

「任せる人がいない」は、本当か?

伊庭正康氏:忙しい管理職、必見です。あなたがもっと楽になり、そして部下がもっと育つ方法があればいかがでしょうか? 今日は忙しい管理職がぜひ覚えておきたい、忙しさを突破してあなたも楽になり、部下の能力もグッと引き上げる、そんなマネジメントの真髄を紹介していきます。

『プレイングマネジャーの基本』は、私が以前に書いた本です。おかげさまで今もずっと売れ続けている本の1つでございます。今日はそこから選りすぐって、ここさえ押さえておけばあなたが楽になり、そして楽にしつつも部下の能力・主体性がグッと引き上がる。そんな裏技テクニックを紹介していきます。楽しみにしていてください。

このチャンネルはビジネス書を40冊以上書き、年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えできる、本物のTipsを紹介するチャンネルです。ぜひチャンネル登録をよろしくお願いします。週4回配信していますので、半年後にレベルアップしていること間違いありません。では、いきましょう!

まず、全部で5つの話をしていきます。1つ目は「任せる人がいない」。これは誰もが悩むお話でございます。まだまだ若いから、もしくはあの人はそこまで主体性が高くないから、任せる人がいないんですよ。でもそれって、誰の問題なんでしょうか? 部下の問題ではなさそうです。

「『任せる人がいない』は本当か?」。私は本にこのように書きました。また、このように支持もいただいています。この問題の本質は、マネージャーとして「組織づくり」の視点が抜けていること。部下の問題ではなく、マネージャーの問題でした。

それは「今」ではなく、「1年後にこんな組織にしたい」という具体的なビジョンがないことが問題だと伝えています。具体的に考えておかんといかんのですね。そうなると、今は部下の力がなかったとしても、ドンドンと任せていかないといかんということがわかってきます。

どういうことかというと、「役割によって人が育っていく」という考え方です。つまり処方箋としては、役割が人を育てるという考え方を持っておくこと。まずはこれを大前提にしてください。任せる人がいないのではなく、役割を与え、任せる人に育てるということなんですよね。まずこれが1個目の話です。「任せる人がいない」は、ありません。

部下に任せるのが不安な時は「二枚看板方式」がおすすめ

2つ目。それでも不安があるというのが、管理職あるあるでございます。それはそうです。私も任せるのは不安でした。だからこそ、不安がある際は「二枚看板方式」を取ることをおすすめします。

「AさんとBさん、2人で担当してね。メイン担当はAさん、サブ担当はBさん。2人でカバーし合いながら役割を決めてやってね」「Aさんが休んだ時は、Bさんが対応してね」というやり方もあれば、上司がサブ担当に回る方法もあります。

私自身もやっていました。例えば営業マネージャーをやっていると、やはり営業マネージャーは大きなスポンサーさまを担当することが多くなるんですね。部下に任せようとしても、業績への不安が伴います。ですから、こういうふうにするんですね。

「今後、お客さまはAが担当しますが、私がしっかりと後ろでカバーに入りますので、ご安心ください」と言って、ずっと後ろでカバーしながらAさんに担当していただいて、だんだんとその比率を変えていく。

「気がつけばAさん1人でやっていけるようになる」ということが、二重看板方式でできるんですね。ぜひやってみてください。ペア制なんですが、不安がある時は二枚看板方式をおすすめします。

ベテラン社員が得意な“3つの領域”

では、3つ目にいきましょう。まだまだお伝えしたいことはあります。今は少子高齢化の時代になってまいりました。部下が40代、50代、60代、70代と、年上部下が当たり前ですよね。「年上はマネジメントしにくい」「ベテランが働かないんです」と言っている場合じゃないんです。眠れるベテランを活かしてこそマネージャーです。

私は本で「本気を出さないベテランはいませんか?」と問いました。でもこれって、問題はやはり上司なんです。上司がベテランのことを諦めてしまっていませんか?

「ゴーレム効果」と「ピグマリオン効果」という心理効果を知っておくといいでしょうね。ゴーレム効果というのは、期待が低ければ、人はその低い期待に合わせて自分の行動を取るという考え方。ピグマリオン効果は、高い期待をもらったら、その期待に応えようとして高いパフォーマンスを出そうとすること。こういった心理効果なんですね。

「ベテランの方が期待されていないなぁ。そりゃゴーレム効果が起きるよね」「もっと期待をしてピグマリオン効果を発揮してもらったらどうなの?」という組織を、私も何度も見てきました。「でも伊庭さん、そんな簡単じゃないんですよ」という声も聞こえてまいります。でも、ベテランが得意な領域があるんです。これは研究結果でも出ています。

研究でも、20代よりも50代のほうが得意なことがわかっているんですよ。ベテランが得意な領域は、相手の本意を理解する力、相手が本当に思っていることを言葉の裏まで嗅ぎ取って理解する力、および相手の感情を洞察する力。そして、わかりやすく説明する力。つまり、ヒューマンスキルが高い人が多いという話なんですね。

この能力がわかっていれば、さまざまなことをお願いできませんか? 教育担当をお願いする、面談を一部お願いする、場合によってはファシリテーションをお願いする、レポートをお願いする。本意を理解する、感情を洞察するのとはちょっと間接的にはなりますが、レポートを書いていただくことはできるかと思います。わかりやすく説明もできますしね。

マニュアル作成がお上手な方は多いですよ。そう考えた場合に、まだまだ眠れるベテランの力は使えませんか? 発揮してもらえませんか?

なので、「本気を出さないベテランがいる」というのは、もちろんすべてがすべてと言いませんが、上司の責任なんです。ただ、上司の力量の差にはなるんですね。だから、ベテランをぜひ活かすことをぜひ覚えてください。

失敗に対する寛容度をチューニングする

まだまだ任せられる人が増えてきましたね。じゃあ、もっと考えることがあります。それでも任せるのが怖いという人は、4つ目。失敗の「寛容度」をチューニングしておきませんか? 「セルフ・コンパッションを高めましょう」というご提案も、この本でしています。セルフ・コンパッションというのは、失敗に対する寛容度のことを言います。

私がおすすめしているというよりも、「多くのリーダーは考えている」(と思っていただいて)けっこうです。「前向きな失敗はいいことです」と、組織に伝えているはずなんですね。「前向きな失敗はいいことです。ただ、不注意のミスはダメよ。『前向きなトライで結果はうまくいきませんでした』は、OKよ」というふうに分けておくことが大事なんですね。

もう一度言うと、前向きな失敗はいいこと。ただ、不注意の失敗は注意せんといかんです。こういうふうに分けておくといいでしょうね。

「正の強化」と書いてあります。まず、挑戦することはいいことです。「失敗してもそれは前向きなのでいいです」というと、やったことに対してポジティブなフィードバックを差し上げるわけですよね。ということは、その行動が強化されるようになるんです。

なので、まずは「前向きな失敗はいいことだ」ということを、ちゃんと現場のみなさんに伝えておくことが大事ですね。そうすることで、部下の方のOSを新しいルールに書き換えることができます。

「失敗が怖いです」という部下は多いですよね。失敗が怖いという部下は、上司自身のセルフ・コンパッションを高めておくということも考えておく必要があります。上司が高めておかねば、部下のセルフ・コンパッションも高まりません。ぜひリーダーから失敗の寛容度をチューニングしておきましょう。

“管理職になりたがらない問題”を打破するカギ

さぁ、次にいきましょう。5つ目です。ここまでやったら「伊庭よ。具体的にどうしたらいいの? 教えてよ」ですよね。「あなたの業務」を任せてください。

具体的には、あなたの業務で任せられるものは任せてください。あなたがやっているプレイング業務、そしてチームの定型業務はやり方が決まっている業務ですよね。これはもう、あなたがやらなくてもいいんです。部下にどんどん任せていきましょう。

そして、リーダー的な業務をやってもらうことの効果もお伝えしておきましょう。管理職になりたがらない部下の方って、今は多いと思うんですよね。実際に今、約半数の部下の方が「できれば上司、管理職になりたくない」と言っています。「管理職は責任を負わされるのでしんどそうじゃん」と、思うわけですよね。でも、実はそれを突破するカギが見えたんです。

『日経ビジネス』にそれが出ております。リーダー的な業務をメンバーの時代にやっておくと、「管理職になりませんか?」と言った時の承諾率が上がることがわかっているんですね。リーダー的な業務をメンバーのうちからやっておいてもらう。これは大事なことですね。

またメンバーの方も、優秀な方は「もっと任せてほしい」と思っています。ですので、どんどん任せてあげてください。

そして任せる時は、リーダーは必ずこれを大事にしてください。優先順位を明確にしてあげることですね。そうじゃないと、「任せた、任せた、任せた」では、部下は潰れてしまいます。ですから、きちんと優先順位を明確にしてあげてください。「これはもうやらなくていい」と言って、なくすことも大事です。

ただ、場合によっては一部「これは削除してもいいよ」ということも大事。あと、「後回しにしてもいいからね」ということも大事。つまり、仕事の優先順位をしっかりと明確にしてあげることも大事なので、ぜひこのあたりを考えておいてください。

では、まとめましょう。忙しい上司は(部下に仕事を)どんどん任せていってほしいですね。1つ目は「役割が人を育てる」と考える。2つ目、不安がある際は二枚看板に。3つ目、眠れる「ベテラン」をもっと活かしていきましょう。4つ目、失敗の「寛容度」をチューニングしておきましょう。

そしてその上で、5つ目。あなたの業務をどんどん任せていく。まずはこれを明日、来週、来月からやってみてください。きっと部下の動きも変わり、あなたも楽になり、結果的に1年後に違うステージが待っていることでしょう。

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