人生100年時代の新しい生き方や働き方を探る
大野誠一氏(以下、大野):それではスタートしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
今日は「第2の人生を再設計する! 幸せなライフキャリア(=福業)のつくり方」と題して、原尻さんと千葉さんにゲストでお越しいただいております。まず簡単にライフシフト・ジャパンの自己紹介をしておきたいと思います。
私たちライフシフト・ジャパンは、「さあ、人生の主人公へ」というメッセージで活動しています。2016年に出版された『LIFE SHIFT』という本を読んでインスパイアされた仲間たちが集まって立ち上げたソーシャルベンチャーです。一人ひとりが自分の人生の主人公として生きていけるような世の中にしていきたいという思いを込めて活動をしています。
私自身はリクルートでキャリアをスタートして、パナソニック、ローソングループなどで仕事をしてきました。2017年にこのライフシフト・ジャパンを設立し、人生100年時代の新しい生き方や働き方の研究に取り組んできました。
人生100年時代をワクワク、楽しく生きていける「ライフシフト社会」を作りたいというビジョンを掲げて集まった仲間たちと活動しています。主な活動は3本柱で、1つは、ライフシフトを実践している人たち、ライフシフターを発掘をして、プロモーションしていく活動です。
私たちのホームページでは、若い世代からミドル、シニアまで、さまざま世代の百数十人のライフシフターを紹介しているので、ぜひのぞいてみてください。2018年には、22人のライフシフターをご紹介する本を、NHK出版から出しています。(『実践! 50歳からのライフシフト術』)手前味噌なんですが、なかなかよくできた本なので、もし興味ある方はぜひご覧いただけるとうれしいです。
「人生100年時代」と聞いてワクワクする人は、わずか6.1%
大野:一番力を入れているのは、「一人ひとりの100年ライフをどう生きるか」を考える場を提供していこうということで、「LIFE SHIFT JOURNEY」というワークショップや、変身資産アセスメントを活用した1on1スタイルのダイアログ・サービスを毎月開催しています。
それからもう1つの活動は、一人ひとりがこれからさまざまな生き方、働き方を選択できる社会を作っていくためには、会社がどう変わっていくといいのか。これが大きなテーマだということで、「カイシャの未来研究会2025」という研究会活動を通じて、いろんな発信をしていこうと思っています。
最近はKX、「カイシャ・トランスフォーメーション」。これはDXに引っ掛けた言葉遊びではあるんですけど、「会社をどう変えていこうか」と推進していく仲間を作っていこうということで、KXオーガナイザー、略してKXOと呼んでいます。こんな方々と一緒に活動する準備を進めているところです。
私たちは「人生100年時代」のマインド調査を何度かやっておりまして、「ワクワク? どんより?」というキーワードでいろんなことを聞いています。
実は、「人生100年時代」と聞いてワクワクする人は、残念ながら6.1パーセントしかいないんですね。「どちらかというと」という人を入れても4割弱。世の中全体的に見ると、人生100年時代で寿命が延びることに対して、どんよりしてる人が多い現状があるんですね。これを、ちょっとでもワクワク感のある世の中に変えていきたいなと思って、こんな活動をしております。
そういう意味で、これからの働き方の選択肢について少しプロットしてみると、やっぱり今は、左側の「雇われる働き方」が圧倒的に中心です。これからは、例えば定年後のキャリアとして役員・顧問みたいな道を選ぶ方もいらっしゃったり。
自分の店を持つとか、フランチャイズに加盟するみたいな、定年のない世界にチャレンジしてく、雇われない働き方に変わっていったり。中にはシニアベンチャーとか、M&A独立といって、後継者不足で売りに出ている会社を買ってオーナー社長になるみたいな道もあると言われています。
またNPOやソーシャルベンチャー、ボランティアを中心に、社会と関わっていこうみたいな働き方もありますよね。収入よりも社会貢献みたいな感覚ですね。
『ライフキャリア』著者の原尻淳一氏と千葉智之氏が登壇
大野:これからはこういう選択肢の他に、「新しい自営業」と緩やかにくくっているんですが、個人事業や一人起業、スモールビジネス、生業(なりわい)をいろいろ組み合わせて、社会と関わりながら生きていく人が増えていくんじゃないかと思っています。
将来的には、働く人は全員、最終的には自営業になっていくんじゃないか、と私自身は感じています。本日のテーマは、まさにこの新しい自営業を具体的にどう見つけていけばいいのか。そんなお話かなと思っております。
というところで、今日のゲストのお二人をご紹介したいと思います。原尻さん、千葉さん、本日はよろしくお願いいたします。
原尻淳一氏(以下、原尻):お願いします。
千葉智之氏(以下、千葉):よろしくお願いします。
大野:よろしくお願いします。私も、この『ライフキャリア 人生を再設計する魔法のフレームワーク』を読ませていただきました。非常にきれいに構成されていて、とてもわかりやすい本だなぁと思って、今日はとても楽しみにしておりました。
本が出ていろんな反響が来てると思いますが、オンラインでセミナーをやっていらっしゃったり、読書会をやってらっしゃったりしていますね。でもお二人が一緒に登壇するケースはほとんどないとうかがっているので、今日はとっても贅沢な会なんじゃないかと思います。
自己紹介の前に、原尻さん、今日お集まりのみなさんに一言先にいただけるとうれしいんですが。あるいは今日の意気込み(をお願いします)。
人生100年時代はデジタルで「小商い」をする人が増える
原尻:(笑)。さっき大野さんが言われてましたけども、「人生100年時代」でみんなが自営業になるんじゃないかというのは、僕もそのとおりだと思っています。
どちらかというと、コロナの経験からインターネットで商売したりコミュニケーションができることに慣れてきて、自営業の中でもデジタルでいくつかの“小商い”をする人がいっぱい増えてくるんじゃないかなぁという気がしてるんです。その準備や考え方を、今日みなさんと話ができたらいいなと思います。よろしくお願いします。
大野:はい。よろしくお願いします。千葉さんも今日の意気込みを一言お願いします。
千葉:そうですね。さっき、100年時代にワクワクする人がたったの6.1パーセントっていうのがありましたけど。僕はぜひ、今日のお話を聞いて、ワクワクする人が30パーセントぐらいになればいいなと思っています。
原尻:いきなり5倍(笑)。
大野:実は私たちは「LIFE SHIFT JOURNEY」というワークショップを毎月やってるんですが、この卒業生は、90パーセントがワクワク派になってるんです。
千葉:おおー。すばらしい。
大野:つまり、こういう場でいろんなことをインプットしたり、自分がどう生きるかを考えたり、自分の言葉で話してみたり。そういう経験をすることで、ワクワク感はぜんぜん変わっていくんだなぁって、すごく思っています。おそらく今日のこの1時間半を聞いた方は、100パーセント、ワクワク派に変わるんじゃないかなと期待してます。
それでは、原尻さん、千葉さんのほうから、今回のこの本のご紹介や、伝えたかったことをコンパクトにまとめてご紹介いただきたいと思います。
後半は今日ご参加の方々が実践するためのポイントを、ミニワークも入れながら進めていければなぁと思っております。ということで、ここからしばらく原尻さん、千葉さんのほうにバトンタッチをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
原尻:はい。ありがとうございます。
31歳でゼネコンからメディア企業に転職した千葉智之氏
千葉:じゃあここから本の内容に入っていきたいと思います。前半は僕で後半は原尻さんで分担してやりたいと思います。
簡単に自己紹介をさせていただきます。私は千葉智之と言います。今、実は現役サラリーマンをしていて、大手メディア企業におります。現役で美容業界向けのウェブサービスの部署で働きながら、プライベートで本を出したり、こういう活動をライフワーク的にしているというキャリアでございます。
ちょっと変わっているのは、新卒で入った会社が、鹿島建設という建設会社、ゼネコンです。そこからぜんぜん正反対のメディア企業に31歳で転職して今に至ると。そういうキャリアそのものが、今日の本の中身にも関わってきますので、自己紹介としてお伝えしておきます。原尻さんもお願いします。
原尻:はい。僕は広告会社の出身で、ずっとブランドのマーケティングの仕事をしていました。そこからエイベックスって会社に転職しまして。エンターテイメントのコンテンツや、アーティストのマーケティング、映画の宣伝プランニング。アニメの『ONE PIECE』の事業計画立案などをやってました。
本もいろいろ出してますけれども、『「キャリア未来地図」の描き方 ライスワークとライフワークの2軸で考える新しい働き方』という本を進化させたのが、今回の『ライフキャリア』という本です。
3年前ぐらいから、毎週土曜日の夜に千葉ちゃんと勉強会をしていまして、今日はそこで議論してきた話をみなさんにお話ししていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。