PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO 株式会社BoostDraft(全1記事)
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藤井陽平氏:こんにちは。BoostDraftのCEO、藤井陽平と申します。まず、この質問をさせてください。「長い契約書の読み書きは好きですか?」。

弁護士の友だちが初めて契約書のドラフト(下書き)をしているのを見た時、すごく驚きました。本当に面倒な手作業に膨大な時間を費やしていたのです。
共同創業者の渡邊弘は、スタンフォードロースクールを出ている五大弁護士事務所の天才弁護士です。そんな天才弁護士が、中身に関係ない、本当に人がやるべきなのかを疑うような作業に膨大な時間を費やしていました。
やっていたことの2つの例をご紹介します。1つ目の形式的な作業は、スクロールのいったりきたりです。右側の6.10条をご覧ください。

6.10条を読んでいる時に1.3条(a)への参照を発見します。そうすると、1.3条(a)を念のため確認する必要があるので、何十ページもスクロールして、1.3条(a)の箇所にいき、そこを読み、再度何十ページもスクロールして6.10に戻ってきます。
それだけではありません。契約書には甲・乙のような定義語があり、「この甲ってどっちだっけな?」と思うたびに、再度長い長いスクロールをします。1つの契約書で100メートルはスクロールしていると思います。
もう1つの例は、手作業でのフォーマット調整です。新しい条項を追加する時は、通常過去の文書からコピペしてきますが、Wordのフォーマット調整はあまり賢くなく、結局手作業で調整するはめになります。フォントサイズ、背景色、インデント、全部手で修正しています。
近年はAIレビューなどのリーガルテックが出てきています。これらは、コンテンツのレビューを効率化するというすばらしいサービスです。
しかし、スクロールやフォーマット調整などの非効率な作業は改善されていません。スクロールやフォーマット調整は、根本的すぎて見過ごされていた非効率な作業です。そして、そのような作業は全体の30パーセントにも及びます。

我々の解決策としては、ソフトウェアエンジニアのコーディングエディタ(IDE)をリーガルに適用するというものです。それによってWordを法律業務をする方専用にアップグレードし、つまらない形式的な修正を自動化します。
BoostDraftはWordアドインで、インストールされたマシンでWordファイルを開くと、スクロールが不要になります。2.1条(c)の参照があった時は、スクロールするのではなく、該当箇所をクリックします。そうすると2.1条(c)の内容がポップアップとして出てきます。こちらの例では2.3条です。

わざわざ2.3条へ行くのではなく、ポップアップを見ることでスクロール不要です。定義語についても同様です。Initiating Holderのような定義語の意味を確認する時は、クリックをすると、どこにどのような意味が書かれてあるのかが一目瞭然です。スクロール不要、ポップアップで内容理解にフォーカスしましょう。
フォーマットに関しても、条項をコピーするとBoostDraftがフォーマットを自動調整します。もう手作業のフォーマット調整はいりません。コピペするだけで、フォーマット調整不要。
私たちはユーザー視点から始め、ユーザー理解に大量の時間を費やしました。結果として、近年の流行とはやや異なるソフトウェアを作ることとなりました。
最先端の技術を使うことで、さも簡単に見えるようにソフトを作り、テクノロジーが得意でない人であっても非常に使いやすいソフトウェアを作りました。その答えが、クラウドを使わない、形式面に特化したワードアドインです。

チームに営業の人は少なく、マーケティングもほとんどしていません。ユーザーの口コミによって販路が広がっています。ただ愚直に、プロダクトに集中しています。我々のユーザーはBoostDraftが好きです。非常に高い満足度で、解約はおよそゼロです。
400社以上の企業の法務部、コンプライアンス部、営業部がソフトウェアを使ってくれています。また、全5大弁護士事務所を含む、上位30位の法律事務所の25か所がBoostDraftを利用しています。
我々のスタートアップが非常にユニークなのは、グローバル展開です。スタートアップの海外展開は非常に難しいと言われていますが、その中の数少ない成功例です。アメリカ合衆国、イギリス、アジアに顧客がいます。例としては、サンフランシスコの法律事務所やニューヨークの銀行が挙げられます。
さらに、財務状況もスタートアップでは考えられないほどすばらしい状態です。資金提供は受けたことがありません。自己資本だけです。1年目から一貫して黒字で、プロダクトとグローバル展開に投資しながら、財務状況をコントロールしています。社員は約40名います。
非常に大きなアップサイドがあります。我々はIDEの小さな市場を足掛かりにスタートしましたが、IDEはさらなる市場の可能性を秘めています。法律文書は、弁護士事務所や法務部だけでなく、営業部や官公庁でも扱われており、市場は非常に広いです。
さらに、隣接領域も非効率が多数あります。契約書のファイル名をv2やv3やvfv2などにして、ファイル名でバージョンを管理されている方も多いのではないでしょうか。理想的にはGithubの契約書版が欲しいですよね。このように、リーガルだけでもグローバルで非常に大きな市場があります。
私たちが目指す領域もご紹介させてください。それは「ナレッジトランスファー」です。リーガル領域のおもしろいところは、ほぼすべての知見がテキストに落ちていることです。異なるバージョンの比較をすることで、知見を取り出し、他の人に知見を与えやすくするソフトウェアの作成を目指しています。我々のチームでそれができると考えています。

プロダクトフォーカスなチーム構成、グローバルチーム、フルリモート、公用語が英語な環境です。ソフトウェアエンジニア・リサーチエンジニア・プロダクトマネージャー、現在積極採用中です。本当に使いやすいソフトウェアを一緒に作りましょう!
リーガルドラフティングを再定義する会社です。BoostDraftのチームにぜひ参加してください。ありがとうございました。
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