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IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO 株式会社Yuimedi(全1記事)

数ヶ月〜半年かかるデータセットの作成が、たった数分で解決 医療現場にすぐにデータを届ける「AIアシスタント」の可能性

「IVS2024 KYOTO」内にて、次世代の起業家の登竜門とも言われる日本最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」が開催されました。本記事では株式会社Yuimediのグライムス英美里氏による6分間のプレゼンテーションをお届けします。

1つの研究用のデータセットを作るのに半年かかることも

グライムス英美里氏:医療現場にすぐにデータを届けるAIアシスタントを提供しています、Yuimediです。よろしくお願いします。みなさん、誰でも1度は病院に行ったことはありますよね。医療現場でいつも医療従事者の心の中にある声、それは「もっといい治療を届けたい」です。

より良い治療を行うためには医療研究が必要で、医療研究をするためには医療データは必須です。昨今話題のAIの教師データでも質が非常に重要なのと一緒で、医療データも質がとても重要です。さらに、命は待ってくれないので、研究はスピードが命です。

質の高い医療データが素早く集まるとどのようないいことがあるのかと言いますと、データ先進国のイスラエルでは、COVID-19のワクチンが投与始まってわずか2ヶ月で120万人規模のワクチンの効果を論文化することができました。これは医療データ基盤が確立していることが理由です。

医療データは病院の医療情報部というチームが管理しています。医師から「こういった研究がしたい」という依頼を受けて、あらゆる医療データから研究用のデータセットを作ってくれます。医療とデータの両方の知識が必要な非常に希少な人材です。

今日はみなさんに医療情報部のデータサイエンティストとして、一緒に医師の依頼に応えてもらいたいと思います。医師から「『COVID-19の経過は年齢によって異なるのか』という研究をしたい」という依頼が来ました。どのようにデータセットを作ればよいでしょうか?

1つのデータセットを作るのは簡単ではありません。どういうデータを使えばいいのか、どこにデータがあるのかを探して、さらにコードを書いて抽出する必要があります。一つひとつのプロセスが非常に複雑で、1つのデータセットを作るのに数ヶ月から半年かかることもあるほどです。

そんな複雑な作業を数分で解決してくれるのが、YuiQueryです。AIが医療データ抽出を自動でサポートしてくれます。YuiQueryでは、Yuimediが独自で集めた教師データと施設固有で集まってくる教師データを合わせて、どんどんAIが賢くなっていきます。さらに独自のセキュリティスキームを持っていますので、とても安全です。

1つの病院だけで、医療データは数十万から数百万ある

本日は、YuiQueryの主要な3つの機能に沿ってデモを紹介したいと思います。

「COVID-19の経過は年齢によって異なるのか」という依頼が来た時に、まず考えるのは「どのデータを使うべきか」ということです。YuiQueryでは、チャットボックスに質問を入力するだけでAIとの会話がスタートしていきます。

ここでは「COVID-19の経過は年齢によって異なるのか」という質問を入力してみます。するとAIが自動で、Example Study Designと書かれているところに「入院率、死亡率、合併症率などのデータを見るべき」という提案をしてくれます。

どのようにAIがこれを考えたのかというところは、もう少し下のほうにいきますと、AIが根拠にした論文の一覧が示されていて、どういう根拠で提案されたのかがわかります。

さらにカスタマイズしたかったり、「なんでこういうことを考えたのか?」という疑問があれば、追加でAIに質問やコメントなどをすることで、より細かな条件を整えることが可能です。

さて、どういうデータを使いたいのかがわかりました。次はデータの場所を探す必要があります。医療データというのは、1つの病院だけでも数十万、数百万のデータがあって、探すとなると『ウォーリーをさがせ!』並の難易度と言われています。

そんな中、YuiQueryは即時に解決してくれます。「Used Tables」というところがあるんですが、そこを見てもらうと、データがどこのテーブルに格納されているかの一覧がすぐわかりますので、一瞬でデータの場所を特定できます。

最後にコードを書いてデータを抜き出します。先ほどAIが提案した使うべきデータやデータの場所を元に、AIが自動で抽出のコードまで書いてくれます。その場で実行ボタンを押しますと、ちゃんとデータが抜き出せたかの確認もできます。

(本来であれば)数週間、数ヶ月、もっとかかるものが、ご覧のとおりすぐに抜き出せたことがわかると思います。

グローバル市場への展開で20兆円の市場を狙う

まとめますと、ふだん医師の先生へ確認したり、論文を見たりして非常に時間をかけてやらなければならない作業をAIが代わりに壁打ちしてくれるので、数分から1時間で欲しいデータを手に入れることができるのです。

また、Yuimediのビジネスはこれだけではありません。私たちはもともとデータ標準化、クレンジングの領域のプロダクトから入りました。これは大学病院や製薬会社さんなど、すでに13社で導入実績があります。

さらにこの秋、先ほどのYuiQueryをローンチしようとしており、医療研究の促進を図っています。すでに日米80医療機関の先生方と密にコミュニケーションを取っていて、それだけの引き合いがあります。

さらにデータの分析・解析までをワンストップでするプロダクトを開発した後に、プロダクトで自然と集まってくるデータを元に、製薬会社さん向けのデータ事業をしようとしています。ビジネスモデルとしては、初期導入費とサブスクモデルでやっています。

もともと日本のプロダクトから始めた事業ですが、昨年渡米してアメリカ本社も作りまして、グローバルの市場を狙っています。私たちが作っているのはただのSaaSではありません。未来の命を救うために、医療データを今すぐ届ける使命があります。ありがとうございました。

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