2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第987回 仕事に役立つABC『ミスはチームで防ごう』 (全1記事)
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熊谷翔大氏:今日は「ミスはチームで防ごう」がテーマです。ふだん仕事をする中で、なにかしらのミスが出る場面は、誰もが経験があるかと思います。
このミスは、例えば誤字脱字や日付と曜日を間違えていたり、ごくごく簡単なものから、何かの作業や確認をそっくりそのまま忘れてしまっていて、取り返しがつかなくなる大きなものもありますよね。大なり小なりあれど共通するのは、落ち着いてやっていれば防げたはずの失敗ということかと思います。
「どうすればミスを減らせるだろうか」と思い悩んだことが、誰しも一度はあるかと思います。もちろん私も、「なんでこんなしょうもないミスをしたんだろう」と反省した経験は、過去に何度もあります。そして今は、自分のことはもちろん、チームメンバーのミスを受け止める機会もあります。
私が強く意識している、ミスが生じた時に絶対に言わないフレーズがあります。それは「これからは意識します」「気をつけます」といったフレーズです。
まるでミスが生じた原因が、その人個人の不注意だったかのように捉えています。「これから気をつければ防げます」として終わらせるのは、最も再発防止につながりにくい考え方だと思います。ミスした本人が「意識します」「次から気をつけます」というのも、ミスした人の上長が「次から気をつけなさい」というのも、どちらも避けたほうがいいんじゃないかなと思っています。
私がこんな考え方に変わったのは、前職のメーカーでの経験のおかげです。本当に質の高いもの作りをしている会社だったこともあって、ミスが生じた時に、いかにして再発防止に努めるかは、本当に学びが多くありました。今振り返っても、すばらしい考え方だったなと思います。
ということで、今日はミスが生じた際の対応で非常に役に立つ3つの考え方をご紹介します。まず1つ目、ミスが生じた時は正直に振り返りましょう。ミスがあった時、人は誰かに迷惑をかけてしまうのじゃないかとか、怒られるんじゃないかなと不安になってしまいます。
でもミスを真正面から捉えないと、再発防止を正しく考えることができません。だからこそ、ミスが生じても、落ち着いて怒りや不安を消す。オープンに正直に振り返るのが、何より大切です。
それができる雰囲気を作るのが、マネジメントやリーダーの仕事なんじゃないでしょうか。ミスをして声を荒らげる上長がいれば、それだけで、反対にミスが生じやすくなってしまうと思います。
続いて2つ目ですが、ミスした本人に原因を探るのではなく、仕組みに注目しましょう。これもついついやりがちなんですけれども、ロボットではないので、人間誰しもがミスをします。だからこそ、人ではなくて仕事の仕組みやプロセスに注目して改善点を探るのが大切です。
もし原因が人間の意識や不注意にあるとしたら、それすらも仕組みでカバーできないか。何か注意がしっかり向くような仕組みにできないかなと考えることが必要です。
そして最後、3つ目です。ミスと再発防止策は言語化して広く共有しましょう。これも簡単なことではないんですけれども、ぜひチーム内外で「こんなミスがあったよ」とか「防ぐためにはこういう方法がいいよ」と共有しましょう。そうすることで、組織全体としてミスが起こりづらくなってきます。
また、1つ目の話にもつながるんですけれども、ミスをしてオープンに共有して、それがある意味喜ばれるチームになっていけば、再発防止もしっかり考えやすくなりますよね。言語化して広く共有する文化ができれば、それ以上にいい方法はないかと思います。
ということで3つの方法をお伝えしました。1つ目、ミスが生じた時はオープンに正直に振り返る。2つ目、ミスした本人に原因を探るのではなくて仕組みに注目する。そして3つ目、言語化して広く共有する、です。
この3つに共通するのは、本日のタイトルのとおり「ミスをチームで防ぐ」というポイントです。個々人の意識に任せていては、なかなかミスは減らないと思います。チームとしてしっかりミスに向き合って、みんなで改善を積み重ねることが、非常に大切です。
そしてその文化・風土を作っていくのは、リーダーの役割を担う方ではないでしょうか。ミスがあっても個人を責めることなく、チームでプラスに変えていける職場が増えるといいなと思っています。
簡単なことではないのですが、チームを引っ張る立場のみなさん、共にポジティブに捉えて、少しずつ文化を作っていきましょう。
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