2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第1254回 トレンド経営学『マルチタスクが得意な人』(全1記事)
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加藤想氏:今日は「マルチタスク」をテーマにお話ししていきます。先日、とある会社のメンバーと話をしていた時に「なかなかマルチタスクが苦手で、仕事を思うように進めることができない」という悩みを聞きました。
私の周りにいる仕事ができる方も、例えばいくつものプロジェクトを同時に進められる人が多いなというイメージがあります。マルチタスクができる人に憧れる方は多いと思うんですが、いろいろ調べてみると、そもそも人間はマルチタスクがなかなかできないと言われているそうです。
どういうことかというと、何か仕事をしている時に、同時並行で脳内で思考を走らせることはできないそうです。聖徳太子のように10人の話を同時に聞ける天才であればできるかもしれませんが、要するに一般的な人間は、マルチタスクはできないということです。
では、マルチタスクが得意そうな人は、どんな力を使っているのか考えていきます。例えばミーティングをしている最中に「そういえばこの間、この話題に関することでこういうやり取りがあったので」と言って、参考になるようなURLを送ってくれる方もいらっしゃると思います。
この時、ミーティングをしながら同時並行で調べているというよりは、(頭の中を瞬時に)調べることに切り替えていると言えます。この場面をとって考えてみると、マルチタスクは実は3つの力があるんじゃないかなと思います。1つ目は瞬発力、2つ目は切り替え力、そして3つ目は思考体力です。
その瞬間に「あの情報が必要だな」と瞬発力を使って思い出して、脳内で瞬時に、今聞いている話について「検索をする」という動作に切り替えます。そしてミーティング中もその検索をしつつ、ミーティングの内容も頭の中に入れながら進める。なのである程度の体力がいるイメージです。
ただ「マルチタスクをするために瞬発力、切り替え力、思考体力が大事」と言われても、どうやって鍛えればいいのかと疑問を持つ方も多いと思います。
そんな時に大事になってくる、2つのポイントがあります。1つ目は「フォルダ分けインプット力」です。
どういうことかというと、先ほどの例でもあったとおり、マルチタスクが得意な方は自分の脳内にあるデータベースに瞬時にアクセスして、それを検索してアウトプットする力が高いと言えます。
フォルダ分けインプット力は、何か過去にあった事例を自分なりにちゃんとフォルダを整理して、すぐに取り出せる状態にしておく力と考えています。例えば過去のメールを瞬時に検索できる方は、そのメールを見た時に、どう記憶するのかがしっかり自分の中で整理されていると言えます。
個人的に大事になってくるのは、何か連絡がきた際に、誰からきたメールなのか。キーワードは何なのか。それはどのメーリスで、Slackで言うとどのチャンネルで共有されたものなのか。この3つを意識しながら、その内容も記憶することによって、何かあった際にすぐに取り出すことができる。瞬発力や切り替え力に通じてくるんじゃないかなと思います。
2つ目の大事なキーワードとしては、やはり経験かなと思います。しっかり知識をフォルダ分けインプットすることができたら、自分なりにアウトプットするのを意識してみるといいと思います。
先ほどの例のように、会議中に「あ、そうだ。この関連のものであれば、もしかしたらこの会議で参考になるかもしれない」と思った時に、5秒でもいいので手を動かしてみて、そのアウトプットを自分なりに会議の場に出してみてください。
こういう経験を繰り返すことによって瞬発力、切り替え力、そして思考体力が身についてくるんじゃないかなと思います。マルチタスクが苦手だと感じる方は、参考にしてもらえたらなと思います。
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